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【鳴】 落星 クロウリー[私はこの国で、農奴の家の一人息子の██として生を受けた。 辺鄙な農村で、父と母と三人暮らし 信心深く勤勉な二人はとても真面目で、年の近い子供もあまりいない。 彼らの手伝いとミサへの参加があの頃の記憶の殆どを占めている。 今の価値観なら、退屈に少年時代を過ごしたことになるのだろう。 それでも、村の外を知らない子供には何の不満もありはしない。 幼子の世界とは、親そのものだ。 その世界を奪い取るような出来事は、 外国で潜伏する異端の教派の取り締まりから始まった。 異端審問所は魔女を裁く場所へ、異端の集会は魔女の集会へ。 連結し切り替えられていくイメージは、 機械のような規則性など無く人の感情と差別心の元に。 乾いた木に付けられた炎のように、迅速に広がってゆく。 挙って執筆された魔女に関する書物が民衆の心を煽り立てる。 既に教会が制御できるものでは無かった。] (=1) 2022/05/21(Sat) 1:31:38 |
【鳴】 落星 クロウリー[しかし、無学な辺境の農民達がどうして真実を悟れるだろうか? 身に起こるものを悟れるだろうか? そもそも、行き場所が何処にあったというのだろうか。 気がついた時には村には「委員会」なる組織が発足しており、 相互監視の冷えた視線が行き交う閉じた社会が始まっていた。 それでも、子供には関係が無いことだったのだ。 ある日顔見知りの老女が消えようと、友達の母親が帰らなくなろうと お前は気にしなくていいと言われ、寝かしつけられればそこまで。 ある時、異常気象により村のあちこちの畑が駄目になった中で 家の畑は殆どが無事なまま。 土壌や日当たりが偶然良かったのだろうか、自然の気紛れだろうか 理由は今も分からないが、それが村人の疑心に火をつけた。] (=2) 2022/05/21(Sat) 1:31:55 |
【鳴】 落星 クロウリー[遠い寒冷の国の移民であった母親は、元より村で浮いていたらしい。 集団から真っ先に弾かれるのは、人と違う点が多い者だ。 躊躇いを捨てるのも、でっち上げた証拠を用意するのも 他の誰を相手取るより容易かったことだろう。 彼女を裁いたのは共に生活してきた村人達と在地の役人であった。 母親は、戦乱により故郷を捨てなければならなかった。 豊かさも華やかさも無い暮らしの中、 懸命に働き子供を育て、神に祈りを捧げていたのをよく覚えている。 そ とても我慢強い女性であったと思う。 だが、拷問に耐えられるだけの精神は持ち合わせない普通の人間だった。] (=3) 2022/05/21(Sat) 1:32:15 |
【鳴】 落星 クロウリー「 ねえ、██…… 」[彼女の故郷の言語である名前を呼ぶ声を、 万緑の世界に腰を下ろし眩しい日差しを受けながら その短い言葉に籠められた意味を語った声を、 もう、覚えていない。] (=4) 2022/05/21(Sat) 1:36:07 |
【鳴】 落星 クロウリー[彼女が連行され数ヶ月後、魔女であることを自白し焼かれて以降 父親はまるで別人のように変わり果ててしまった。 ──裁判に関わる全ての費用を賄う為の財産没収 貧しさは人々の首を絞め上げる。 それが彼の妻の自白が原因であることは、確かではあった。 無実を訴え解放を求める程愛していた筈の女を憎々しげに罵り、 遺された彼女の血を引いた子供を殴る。 全てを失った哀れな男に出来ることなどそれくらいしかなかった。 やがて家に帰りもしなくなった父親がどうなったのかは知らない。 夜逃げし何処かで肉体労働でもして生活したのか、 余所で女を見つけて頼って生きたのか。 はたまた、谷に落ちて死にでもしたのだろうか。] (=5) 2022/05/21(Sat) 1:36:23 |
【鳴】 落星 クロウリー[親を奪われ、親に捨てられた子供は。今や腫れ物でしかない。 殺されはしなかったが誰も関わることもなく、横たわり死を待っていた。 誰も世話などしたくなかったし、 事実余所の子供を助ける余裕も無かったのだろう。 その目前に現れた異物は、どんな形をしていたのだったか? 少しの驚く様子も見せず虚ろな目で見つめたことは確かだ。] ……君は何?僕を殺しに来たの? [恐れの無き呼び掛けは幼さゆえというよりも、 全てに諦めを抱き達観を始めている為に。 虫でも悪魔でも死神でも、もうどうだって良かったんだ。 指は黒く変色を始め、咳が止まらない。 服の下にも同じような色が、痣や傷とともに点在している。 父親の失踪後から村に流り始めた病。 人々は村に飢餓を運んだ魔女の呪いのせいであると認定し、 近日その子供を処刑することにした。 子供を殺すとどうした原理で魔女が遺した呪いが解けるのか その当人が侵されているのはどういうことなのか。 冷めた感情を宿した子供はもう、無垢では無かった。 人間の弱さと愚かさに気づいていた。 ]* (=6) 2022/05/21(Sat) 1:37:19 |
【独】 魔導騎士 テンガン・カルシャック/* 『お座りなさい』 …………… 『おっ?怒られると思ってる?』 …………… 『話は明日な。おやすみ』 ちょ……?! (-55) 2022/05/21(Sat) 1:38:01 |
【墓】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ……ん、いいよ……? [痕を付けるのは所有欲の証だろうか。 確認するように問われれば、顔を伏せたまま 小さく、こくりと頷いた。 彼の唇が肌を滑って、ちり、と微かに痛みのような痺れが走る。 うなじに、それから胸元に。 見えない箇所は自分で確かめることは出来ないけれど、 彼が痕を残す度に、彼だけのものになったような気がして、 ぞくりと粟立つように肌が震えた。] ……痕、つけられるの、 ……すき。 [胸元に残された痣のような痕を、指先でなぞって微笑む。 また、一つ、彼に近づいたような気がして、嬉しかった。 自身では見えない箇所。 だが、髪を揺らせば見える位置に痕があることも、 それが他の男性への牽制になっているということは、 ミン自身は気づいてはいない。] (+19) 2022/05/21(Sat) 2:05:00 |
【墓】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[肌に痕を残していく癖に、言葉では甘く非難を向ける。 嫌がることはしたくないといいながら、 言わせようとする言葉は、ミンナにとっては口にしづらく、 薄く唇を噛んで、再び目を伏せてしまった。 宥めるように落とされるキスが、機嫌を取るように。 優しく降り落ちて言葉の続きを求めてくる。 鼻先が触れ合うほどの距離、目尻を朱に染め上げたまま、 ちゅ、と彼の唇を啄んで、小さく小さく口にする。] ……ちゃんと、さわって……? テンガンの手で……、 ……さっきの、つづき、……してほしい…… [唇を触れ合わせたまま、袖を引く手がきゅうと丸まった。] (+20) 2022/05/21(Sat) 2:05:22 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[返ってきた言葉は想像していたよりも冷たく、意外なものだった。『興味がない』なんて言われて思わず、むっとしてしまう。] 違……っ! 興味がないなんて言ってないじゃない! テンガンくんが顔や態度に出ないからでしょう? そんなの気づけるはずないもん。 さっきだって、好きって言ったら信じる?って、 聞き返したら、聞かなかったことにしてくれ、だなんて。 じゃあ信じなかったらどうするの? 本当に聞かなかったことにしてもいいのね!? [一言、口に出てしまえばもやもやしていた感情が爆発して、 だんだんムカムカしてきて、 売り言葉に買い言葉みたいな勢いで聞き返してしまった。] (90) 2022/05/21(Sat) 2:05:37 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[どうしてこんなにカチンときたのか分からない。 でも、興味がないなんて言われてしまえば、 そんなことない!と声を大にして言いたくなる程には怒っていた。 魔力供給だって慣れてきたし、 二人旅だって楽しいと思い始めてきていたところで。 テンガンくんのことを一つ知ることが出来る度に、 こんな一面もあるんだ、なんて思ったりして。 少しずつお互い仲良くなってきてるんだと思ってた。 私のことを気遣っていろんな場所に連れて行ってくれた。 新しい場所を見る度にはしゃいでしまったけど。 何度交わしても恥ずかしいキスだって、 彼にひとつひとつ丁寧に教えられながら覚えていった。 ………なんか最近、供給の回数が多い気がするけど。 宿だって別々がいいって言ったら、ちゃんと探してくれた。 そりゃ彼は同じ宿のほうがいいって言うこともあったけど。 ……と、ここまで考えて、ん?と首を傾げる。] (91) 2022/05/21(Sat) 2:05:58 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[今更ながらに理解して、ぼっと火を吹くほどに赤面した。 わ、分かりやすいような分かりにくいような。 で、でも直接言葉にされたわけじゃなかったし!! バディとしての好意だと思っていたし!! なんて、わたわたしていれば。 テンガンが、またぽつりと言葉を落とした。 真っ赤になったまま彼を見上げれば、 彼もまたどこか頭上を見上げていて視線が合わない。 ただ、そんな態度は少し珍しい気がしてまじまじと見つめてしまった。 二度目の告白は、視線が合わないまま。 それでも言葉はしっかりと耳に届いて。] (93) 2022/05/21(Sat) 2:06:49 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[彼なりに照れているのだろうか。 そんな態度を見せられれば、怒りもどこへやら。 とくとくと、脈打つ心臓を右手で抑え、 じわりと熱を持ち始める頬を、左手で赤い部分を覆い隠す。] ……えっと、……その、 ……ありがとう? 私も、テンガンくんのことは好き、……だよ? そ、それが恋かどうかはともかく! ……大事な、大事なパートナーだと思ってる。 だから、…………今の言葉は、すごく、嬉しい。 [照れながらもそう口にして、 彼を再び見上げれば視線は合うだろうか。**] (95) 2022/05/21(Sat) 2:09:35 |
【赤】 入院中 阿出川 瑠威[ 腰を掴まれて好き勝手されても文句を言う余裕はなかった。 そもそも文句なんて言うつもりもなかったけれど。 彼の思うようにばかりされてしまって 少し面白くないとは思ったが、その程度だ。 それよりも待ち望んだ刺激を得られたことの方が重要で。 けれど支えの手を借りて、望むまま 己の官能を追い求めていられたのは短い間だった。 すっかり掻き出されてしまった一回分の精液では 到底潤いの足りない場所を力強く突き上げられる度に 中を擦り上げる焼けるような熱さに それすら快感と思えてしまう現状に すっかり骨抜きにされて、 次第にされるがままになって行ってしまう。 ちからが、うまく入らない。 射精感と違う戦慄が、浅く、何度も全身を駆け巡る 訳のわからない心地よさに、閉じ切らなくなった唇から だらしなく唾液を垂らして、喘いだ。 ] (*18) 2022/05/21(Sat) 2:21:42 |
【赤】 入院中 阿出川 瑠威やっ……、ば、それ、ぅ、あ……ッすご、 あっ、あ……ぅ、ん …ッ─────…あ゙、っあ… [ 突き上げられるたびに意味を成さない母音を幾つも 押し出されるみたいに喉から零す。 舌足らずな声で譫言みたいに、 「すき」と「きもちいい」を繰り返して 一際大きく腹の中を震わせて 包み込んだ彼を絞るよう締め付けた。 イった?ような、気がしたのに。 反り返ったまま彼の下腹に擦りつけられた自身は とろとろと透明な先走りを垂らすばかりだった。 わけがわからない。 けれどあたまがふわふわして何も考えられなくて 弛緩した上体が彼の胸に縋るように崩れ落ちる。 収まらない波に丸めた背をびくびくと痙攣させて 知らぬ甘ったるい快感をやり過ごす。 こんなの、しらない。 気持ちいいのが何時までも終わらなくて そろそろ頭のどこかが焼き切れそうだった。 ] (*19) 2022/05/21(Sat) 2:23:05 |
【赤】 入院中 阿出川 瑠威[ ふと、始める前に彼に行った自分の言葉を思い出す。 「女の子にされちゃうんでしょ?」なんて 冗談のつもりでいたけれど、 案外的を得ていたのかもしれない。 出されたってその感覚を味わうことはできないくせに 腹の奥にもう一度、彼の胤が欲しくて堪らなかった。 理由は自分でもよくわからない。 けれど、体の内側まで余すことなく 彼に染められてしまいたかったのかもしれない。 ] (*20) 2022/05/21(Sat) 2:23:23 |
【赤】 入院中 阿出川 瑠威[ 上手く力の入らない体を叱咤して、のろのろ起き上がる。 彼の下腹に手を添えてずるりと一度引き抜けば 絡んだ粘膜がそのまま捲れ上がるみたいな錯覚を覚えて 湿った吐息が甘ったるく震えた。 背を向ける前に唇を一度食んでから 焦点の定まらぬ片目はそのままに、 蕩けきって潤んだ独つ目が彼の視線に纏わり付いた。 強請ってしまおうか。中に出してって? けど今じゃないな、全然余裕そうだし。 じっとりと絡んだ眼差しが、逡巡を灯して、そろりと反れる。 誤魔化すみたいにちょっと乱暴に 風呂場でそうしたように、彼の腿の間に腰を下ろした。 腰を深く沈め腰掛けてても、 もう奥深くまで押し広げる質量がないことに 違和感と切なさを覚えるくらいに、 すっかり馴染んでいたことに気付いて…… 物足りなさにすぐに焦れて、腰を浮かせて座り直す。 今度はちゃんと、開ききっただらしのない入口に 彼のものを充てがうやり方で、 ゆっくりと腰を沈めて飲み込み直して。 ] (*21) 2022/05/21(Sat) 2:24:28 |
【赤】 入院中 阿出川 瑠威……〜〜〜〜〜〜〜っ、はぁ……ん゙っ。 どうしよう、誠丞さんのちんぽ、きもちよすぎて…… やばいかも、おれ……っ、…… も、くせんなりそぉ。 [ 肩に頭を凭れて、汗の滲む首筋に鼻梁を擦り寄せて 今すぐもう一度深く浅く抉るような抽挿を 始めてしまいたい欲求に抗いながら なかなかに馬鹿みたいな言葉を紡ぐ。 馬鹿みたいな自覚はある。 残念なことに自制する理性は死んでるけど。 始めてしまえばまた何も考えられなくなってしまいそうで 少しくらいイチャイチャしたいと思える程度の 僅かばかりの余裕が丁度生まれたので。 くだらなくても、馬鹿みたいでも、 なんでもいいから交わしたくて、言葉を紡いだ。 変に勿体ぶって自分を焦らす馬鹿になってる頭とは裏腹に 体は正直に彼を求めて、奥まで 埋め直したばかりの彼の根元を 締め付ける動作に慣れた入口が ぎゅうぎゅう締め付けたりしていた。* ] (*22) 2022/05/21(Sat) 2:26:01 |
【人】 転生者 アウローラ[ 本当は、わかってる。 わたしが、なにを願っているか。 でも、それを認めるのは、怖い。 『愛されたかった』 その一言を口にして、なにかを壊してしまうのが ただ、恐ろしかった。 ] (97) 2022/05/21(Sat) 7:23:19 |
【人】 転生者 アウローラ……わたしは、選ばれなかったんです。 [ さっき、エッグノックのお礼を言ったときよりも更に小さな声。 どうして、そんなことを言ったのか。 自分でも、わからない。 ] (98) 2022/05/21(Sat) 7:24:31 |
【人】 転生者 アウローラ……えっと、そうですね。 [ 誤魔化すように咳払いを一つ。 ] もし、貴方がわたしの望み……願いを、 叶えてくれるというのなら。 (99) 2022/05/21(Sat) 7:25:36 |
【念】 団地妻 ナナミ[そんなにイイ?と囁かれれば、何度も首を縦に振る。 言葉にしなかったのは、答えようがなかったからではなくて、答えられなかったから。言葉にならなかったから。 だって、これがこんなに気持ちいいことだなんて知らなかった。 こういうのが相性というのだろうか。 理性ではダメだというのがわかっていても、彼に溺れてしまう。 そこで気づいてしまう。夫に対して情はあってもこのように求めたり欲したりするような欲はなかったということに。 彼が自分に呼応するように一つ、強く押し込まれれば、抑えきれなかった自分の甘い嬌声が夫婦の寝室に響き渡った] はぁっ、ああぁんっ! [恥ずかしい恰好を取らされているのに、彼を煽ると思えば気にならなくて。 彼のナニは大きいだけでなく触れた時の質感はふわりと柔らかい。 強くはあるがしなやかで、痛みを与えない不思議。 彼の心のように、他人を傷つけることをしないのか、と思えばどこかおかしくなる。 気づけば、目の色が変わったように性急に彼に体を求められていた。 何度もナナミ、と名前を呼ばれると、彼の女になったような気がする。 いつの間にか獣のような体勢にさせられていて、彼の手によって腰が高くあげさせられ、後ろの孔すら露わになっているのに、押し付けられている欲望の熱さに翻弄されて気づけなかった] (!13) 2022/05/21(Sat) 8:47:23 |
【念】 団地妻 ナナミあ、おおき……っ くるし……っ、ふかい……っきもちい……っ [内臓を押し上げられる苦しみ、それを上回る快感。 自分がバカになったようで、何を言ってるかわからない。 獣の交わりのように、快感を奪いつくして、年下の彼が与える快楽を余すところなく享受する。 彼の亀頭が中を押し開き、奥まで届いてそして引き抜かれて、という動きを体が覚えていく、飲み込んでいく。そして] (!14) 2022/05/21(Sat) 8:47:54 |
【念】 団地妻 ナナミあ……っ、ふぁっあああああ!! [彼の低い声が耳に届いた。それと同時に強く抱きしめられて。 ひときわ深く彼を中に感じ、もうダメ、と喉を開いた瞬間を見計らったかのように奥の奥に注ぎ込まれる精を感じた。 喘ぎ声というより絶叫のような知らない甘い声が、自分からこぼれ落ちて。体を震わせて彼の熱を全て、飲み込まされていく。 いや、躰が喜んでそれを求めて、一滴たりとも逃さないというように、きゅうきゅうと彼を締め付けている。 そして続く余韻の中、彼の腕に自分からすりっと体を寄せた] (!15) 2022/05/21(Sat) 8:48:17 |
【念】 団地妻 ナナミ 最初は優しくしてって言ったのに……激しすぎ。 でも、私の躰に夢中になってくれたのなら嬉しいな。 [たしなめるというより、からかうように言って彼の頬に口づける。 離れたくなくて、しばらくこうしててほしいと囁くのは、躰が言うことをきかないというのもあったから] ね、泰尚くん……。 さっき言ってくれたこと、本当? [私を好きだと言ってくれたこと。責任を取ると言ってくれたこと。 でも、逃げるなら今のうちだよ、と彼にそれこそ悪いことを囁いて。 彼がいてもいなくても、自分は夫から離れようと思っていたけれど、夫から離れきる前までに、彼の存在を表にすることはできない。 だって自分は人妻だから。 この後ろ暗いところのない彼を、自分の事情で日陰の場所に置くには可哀想すぎる。 間男の扱いにするには皆に愛されすぎている彼を―――自分はもう愛してしまっていた*] (!16) 2022/05/21(Sat) 8:48:58 |
【墓】 魔導騎士 テンガン・カルシャックダメと言われたとしても、たぶんつけていたと思う。 嫌がることはしないといいながら、 彼女が本当に嫌がるのならそれがにじみ出るから。 元々はきれいな肌に痕を残すなんて行為、 頭の中に思い浮かびもしなかったけれど、 徐々に距離が縮まっていったとき、 街中で彼女がほかの男に触られるということが あまりにも嫌なことだと思い、 誰か相手がいることをどこかに証明できれば、 と思うようになり、まずは彼女からは見えないけれど 他者からは見えるかもしれない背面につけ始め、 それからいつの頃からか、彼女が見えるところへも いくつもつけるようになっていた。>>+19 (+21) 2022/05/21(Sat) 10:09:36 |
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