［オレ様の思惑をとおり越して
　挑発返し>>2:-108してくるなんて
　さすがすぎだろ。］



　　　んなワケねーし、見てろよ？



［ふんす、と鼻を鳴らし
　気合入りまくりで取り掛かる。」
　

　
［ぴちゃりと舌を這わせれば
　噎ぶような香りと
　血の味が
　口の中にぶわっと広がって


　それが、なんか‥

　おまえのだ、って思ったら
　どうにも堪らなくなって


　もっと
　もっと‥って

　衝動が込み上げてくる。］
　

　
［夢中で舐めてたら
　味がどんどん薄くなってくから
　それが、ちょっと残念な気さえした。

　治ってほしくないワケじゃねぇんだけどさ‥、

　傷を塞いで
　どうだ、すげぇだろ、って
　オレ様の有能さをおまえに認めさせたいって
　気持ちも、山盛りあんのに、


　なんか‥‥

　まだ、足りねぇ、みたいな？］
　

　
［そんなこと考えながら
　傷を辿っていると聞こえた、声>>2:-110。


　ってきた。


　驚きに動きを止めて
　視線を上げれば
　その顔にまたと痺れが走る。

　思わず、魅入ってしまってたら
　催促>>2:-111されちまった。


　その声も、なんかヤバくて‥‥］
　

　


　　　わかった、善処してやる



［いつもどおりの尊大な返事のハズが
　声が掠れて
　なんか変な感じになる。

　必死に耐えてるみたいな表情から
　目も離せなくて、

　下からじっと見上げながら
　唾液濡れの舌で
　ちろちろ、ぴちゃぴちゃ撫でるけど


　まじで、ヤっバい。

　カラダの芯に
　火を焚べられたみたいに
　熱が集まってくるのが止めらんねー。］
　

　
［全部、塞ぐまでは
　とにかく集中しろって
　自分に叱咤激励すんのなんか、初めてだ。



　────けど、］



　　　ぺろっ、　ちゅッ



［もうちょっとで終わるってのに
　ガマンできなくて、

　傷じゃなくて
　ぎゅって噛み締めてる唇の方を
　舐めて、吸って、…キス、しちまってた。＊］
　　

　

［やわらかく解けていく、おまえの唇。>>-179

　すっげぇ甘くて
　脳の血管がブチ切れちまうんじゃねぇかって
　思うくらいに、くらくら痺れて
　
　どうしようもなく‥、イイ。］

　

　
［ああ、それに‥
　なんつー顔>>-180してんだよ、

　ワケわかんねぇくらいに
　かわいくて
　かわいすぎて

　気ぃ狂いそう。
　

　こんなん、止められるワケねーだろ。］
　

　　
［気づいたら、また奪ってた。］



　　　っ、　ちゅ‥　　は、…　ちゅッ‥



［食い入るように見つめながら

　くり返し
　くり返し
　角度を変えて啄んで、

　唇同士がスレる感覚や
　離れがたいとくっつき引き合う感触が
　こんなに気持ちいーんだって

　おまえが教えてくれる
　初めてを
　必死に貪る。］
　　

　
［このまま食っちまいてぇ、なんて
　考えながら
　下唇を甘く喰んでたら、

　なんか、ゆるく胸を押してくる>>-181から］



　　　んー？



［不服ながらも、しぶしぶ唇を離し
　長いまつげに縁取られたナカを覗き込む。

　零れそうに潤んだ瞳で
　見上げてくンのが
　ヤバいくらい唆られるけど

　ただ、喉をコクと鳴らすに留めて
　じっと待つ。］
　

　

［ああ‥、もう
　なんっつーか、降参！って感じだ。
　全面降伏。完敗。
　おまえにだけは絶対勝てねぇ。］



　　　ふはっ、
　　　こんな時まで　おっかねぇな？

　　　けど‥‥



［にやり、口の端を上げて続ける。］



　　　そういうとこも、すっげぇ好き

　　　おまえと一緒にいンの
　　　一生どころか、永遠に飽きる気がしねぇや



［責任とか、そんなんじゃなく
　オレ様がどれだけ
　おまえと共にいることを望んでるか伝わるといい。］

　



　　　イヤだって言われても離れてやんねーし？

　　　ずっと傍にいて
　　　大事に、大切に‥守ってやる

　　　おまえ強ぇぇくせに
　　　なんか危なっかしいとこあるからな



［ふらつく足を支えるように
　両腕で腰をきゅっと抱き寄せる。

　もう今回みたいに傷付けさせたりしねぇし、
　ほかのヤツらに照れたり
　無防備なとこ見せるようなのも
　これからは、全部まとめて防いでやる。］
　

　
［手始めは、そうだ。

　こんな誰が見るとも分からねーとこで
　節操なく盛っちまったけど、ダメだ。却下。］



　　　んなワケで、

　　　手当ての続きは
　　　おまえの部屋でシていいよな？



［答えを待たずに足を持ち上げ、横抱きにする。］
　

　


　　　
　　　
　　　



［ぼそ、っと呟き、突風のように空を駆けた。＊］