人狼物語 三日月国


104 【R18G】異能遣い達の体育祭前!【身内】

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【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「おー、食う食う」

適当に机を空けてしまおう。
放課後のティータイム……ならぬミルクタイム。
そっちの方が重要だ。

「────で、どうしてまた急に
 誰かに影響されたんか?」

口ぶりからして、全部受け売りらしく。
自分がどう見られるのか頓着しない君にしては、
気にしてるような素振りを。
相手は誰かはわからんが、良い方向だと思うよ。
(-10) 2021/11/06(Sat) 23:34:19

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「……どうして、ですか。そうですね」

紙コップに牛乳を注ぐ。
買ってきたばかりだからまだ冷たかった。

「影響と言えば、そうですかね。
 自分を大事にしろと言われました。
 でもそんな事急に言われても、何すればいいか分からないでしょう?」

紙コップを先輩の前に置く。
個包装のカステラは、切り分ける必要もなく便利だ。

「好きなおやつでも食べて、ゆっくりお昼寝でもするといいそうです。
 まあ、それなら。それくらいなら出来るかなと思って、今に至ります」

カステラも複数、先輩の前に置いてまた僕は椅子に座る。
どうぞ、と促した。
(-13) 2021/11/07(Sun) 0:02:06

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「……自分を大事にしろ、か
 いいじゃん?
 その人はちゃんと、朝日を見てくれてるわけだ」

こぽり。
牛乳が注がれて、白が溜まっていく。

「そう、偶には自分に我儘に
 好きにすればいいんだ
 案外、それを受け入れてくれるもんだよ
 私だって応援しようとも」

切り口を破れば、ようやくご対面。
一口。
口の中を、甘い香りが満たす。
続いて紙コップを傾ける。

「────他にも、やりたい事があれば試してみるといい
 一人で出来るもの、誰かとやりたいもの
 思いつかなければ、誰かに倣うのもいいだろうさ
 ……私みたいな、物好きのお節介は結構居るんだぞ?」

白い髭を生やしながら、物好きのお節介さんは微笑む。
(-21) 2021/11/07(Sun) 0:27:06

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

見てくれている。
まあ、心配してくれたのはそうだろう。
できた後輩だと思う。

「やりたい事、ですか。
 ……やっぱりそう言われて、直ぐには浮かびませんね」

自分の事に
無頓着
である事実は変わらない。
嫌いな物は幾らでもある。
運動だってそうだし、異能だって。
そして好きな物がないわけじゃない。
でも、やりたい事なんていうものは何一つ浮かばない。

「自分で言うんですね。お節介って。
 じゃあ聞きますけど、先輩はやりたい事、ありますか?
 自分を大事にするために、何かやっている事って、ありますか?」

カステラを齧る。
普段食べている廃棄パンに比べ、パサつきもなく甘かった。
惰性じゃない食事を自室以外でしたのは、いつぶりだろうか。
(-26) 2021/11/07(Sun) 0:50:17

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「私かい?……そうだなぁ」

カステラをまた頬張って。
一口一口がでかい。

「まず君が言った、美味いもんを飲み食いすること
 これは、本当にいい……腹が満たされるからね
 それに睡眠だってそうだ」

あとは、というと。

「……私個人でのやっている事だと
 こうして……落ち着いて、誰かの話を聞く事だよ
 好きなんだよ、人と触れ合うの
 声が聞こえると、安心するからね」
(-37) 2021/11/07(Sun) 1:55:24

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

紙コップを傾けて、牛乳を飲む。
合うとか合わないとかは分からない。
でも、不味くはない事だけは僕にだって分かった。

「​──​──……」

紙コップを1度置き、先輩の言葉の意味を考える。
あの真っ白な色のない世界にいた時、周りの音は何一つ聞こえなかった。

最初に聞こえたのは3時限目の終わりのチャイム。
では1限は。2限目は。鳴らなかったはずはない。

「……そうですね」

僕は息をひとつ吐く。
考えた事が、だからどうという話でもない。
先輩の気持ちが分かるなんて口が裂けても言えはしない。

「僕も、嫌いじゃないですよ。
 ここで、こうやって話す時間」

でもこれくらいなら容易く言えた。
もし嫌いなら、マイクを持つ訳でもないのにこうして放課後ここを訪れたりはしない。
(-39) 2021/11/07(Sun) 2:22:17

【秘】 風雪 世良健人 → 朧げな遮光 守屋陽菜

いつだかのタイミング、なんとなくふと、どこかの教室でばったりと会った。
もしかすると倉庫のように準備の道具の置かれた、技術準備室だったかも。
ふと目があったときになんとなく過ぎようとして、あの日の放送を思い出したのだ。
思えばあれは普通のことではなかった。
駆けつける前に普段通りに戻ってしまった、それが手を止めたままになってしまったけれど。
トントン、とやけに明るい色の樹脂ゴムで覆われた工具の持ち手で机を叩いた。
ちょうど、部屋にはほかに人もいなかった。

「あれからさ」

かけた声は何気なかったけれど、確証のなくふわふわとしたものを、一瞬持て余した。
自分だったらどう思うだろう。触れられるのていい思いをする傷ではないかも知れない。
望むようになることばかりではないと、何より思い知った後だった。少なくとも自分は。
ひとつ、ふたつ。呼吸を挟むようなまどろっこしい間があってから、溜息を付いた。

「何者かに、なれそうだった?」
(-45) 2021/11/07(Sun) 3:08:18

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「────……ふふ
 私を相手にして、落ち着くと申すかぁ?」

絡み牛乳。

神出鬼没にして、“噂”にも耳聡い女は警戒の対象だろう。
事実、家族とも敢えて距離を置いて、寮に通っている。
家族仲は悪いわけではない。むしろ良い方だ。
それでも、秘しておきたいものはある。
居るかもしれない。
それだけで、気の休まらない空間が出来てしまう。
お互いの為に、距離を置いたのだ。

「……だとしたら、変わったやつだよ君は
 本当に、君がいてくれてよかった」

目を閉じ、思い起こす。
この部室での出来事、思い出を。
アルバムなんて、大層なものは用意してはいないが。
焼き付いた記憶を大切そうに噛み締めて、また一口。
笑みが零れる。
(-48) 2021/11/07(Sun) 3:34:00

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 風雪 世良健人

他に人が居なかったから、女は静かにしていて。
道具をとりに来た拍子に、あなたを見つけておぉと目を開く。
薬を薦められたことも、それを口にしたのも知っていた。
ただそれだけの事実。
どうしての理由も、どうしたの結果も知らない。
……きっとそういうものだろう。

トントンと、音がしてもう一度。
振り返れば声がかけられて。それなのに煮え切らない態度。
どうしたのかと、唇を歪ませて。

「……うん」

余った間を埋めるように、小さく相槌を打つ。
静寂の中、これくらいでも届くだろう。
柔らかく笑って、次の言葉を待ち。

「わからないよ、…………だけど
 こんな私を、守屋陽菜を見つけてくれる人はいたみたいだ
 ……ひとまずはそれでいいかな、なんてね?」

どうやら、彼らには何者かではあるらしいと。
だったら無理に、なりたい自分を取り繕わなくてもいい。
そんな気付きを得たのだった。
(-55) 2021/11/07(Sun) 8:03:31

【秘】 風雪 世良健人 → 朧げな遮光 守屋陽菜

>>-55

「そっか」

技術室の大仰な造りをした机に腰を預ける。
作業に耐えるようにつくられた造り付けの机は、やけにささくれて硬かった。
背の高い青年は、それでも床に足がついてしまう。体はとっくに大人になっているのに。

「まだ、もう少しのうちは……一人で何もかも形作らないんで、いいんだよな。
 なんかさ、急いで一人にならなくてもいいのかなって、思った。
 なんだろう。俺にとっては結局、異能は俺のことを助けてくれるものじゃないって、
 そう再認識するためのきっかけにしかならなかった、な」

助けてくれるのは、そうした孤独のものではなくて。
結局は、それとは関係ない社会的な、周りとのつながりだったりするのだろう。
(-59) 2021/11/07(Sun) 13:15:48

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「大袈裟ですよ。
 それに、僕が変わり者なんて今に始まったことではないでしょう」

事実をただありのまま、僕は口にする。
見えない先輩のことを匂いで感知できる。
それだけで他者より僕は先輩への警戒が薄いのかもしれない。

でも最初から、絶対に見つけられるなんて思っていない。
だからその約束だってできやしない。
それでもやっぱり警戒はしないのだ。

例えあの時僕の部屋に先輩がいた事を知っても、僕は不快な顔ひとつしないだろう。
それくらいには、先輩のことは嫌いじゃない≠ツもりだ。

「まあ、そう言われるのは悪い気はしません。
 その調子でしたら、まだ暫く飽きられている訳じゃなさそうですね」

ただ、根には持つ。
所詮自分は『なんだ、朝日か』であるらしいので。

冗談か皮肉か分からない普段の態度で告げながら、鞄を漁ってティッシュをひとつ差し出した。
飲み終わるまで待っていたが、取り敢えず口周りは拭いておいたほうがいいと思う。
(-60) 2021/11/07(Sun) 13:35:09

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 風雪 世良健人

「そっか」

それだけ人の為になれる異能なのに、とは正直思う。
だけど人の数だけ悩みがあって、異能の数だけ悩みもある。
ただそれだけの話、なのだ。
この度の騒動で、ずっと見て居た事。

「世良がさ、言ってた社会の話
 たった一人、個人の異能で助けられる範囲は知れてるって
 あれ、……きっと異能だけじゃないんだよなぁ
 この学園でだって、問題があった時
 事前に動くやつ、直接対処するやつ、後処理に回るやつ
 みんなばらばらで、どれも必要なんだよ
 そんで、大人になったらその範囲は広がるんだ」

この社会で、独立して存在できる人間はいない。
不確かな少女はそう信じて居る。

「だから、助けは別に求めればいい
 自分の手が及ばない範囲なら、手を取り合うのもいいんだ
 ……これは、私もつい最近知ったことだけど
 世良には、一生物の近しい人がいるんだからさ
 ────……へへ、上のもんは大変だよねぇ?」
(-82) 2021/11/07(Sun) 23:23:06

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「……飽きるって」

棘を含んだような言葉に嘆息しつつ、ティッシュを受け取る。
心当たりがないから、多分そういうことじゃないんだろう。
先に手を拭いて……視線を感じて口周りを。

「あのなぁ、飽きるも何も知らないことばかり
 異能のことだってそう
 ……第一、可愛い後輩を蔑ろには出来んよ
 あと半年もないんだから、最後まで可愛がってやるさ」

可愛がってやれてるのかはわからないけど。
何しろ、ついこの前に助けられたばかり。
一番醜い無様を晒しただろう。
……おや?飽きられるとしたら、こちらなのでは?
少し不安になって、前髪の隙間を隠れて覗いた。
(-84) 2021/11/07(Sun) 23:45:30

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「そりゃ、異能は隠してましたし。
 それでも守屋先輩の事見つけられるの、部活で僕だけだったから、お節介はしましたけど」

匂いで先輩の居場所を探り当てたりはした。
でも僕はその理由は特に言わなかっただろう。
隠していたから、当然だ。
隠していたのに、探してしまった。

「……でも、そうですか。
 安心しました。
 卒業までは面倒見てくれるわけですね」

そう言っている僕の口調はまだ棘がある。
その理由は僕にだって分かっていない。
恩さえ感じても、当たる必要はないはずなのに。

あと半年で、こうして部室でダラダラとする日常も終わる。

「​──​──じゃあ、来年からは寂しくなりますね」

前髪の下の僕は、拗ねた子供の様な目をしている。
(-87) 2021/11/08(Mon) 0:18:11

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「うん、そのつもりさ
 いくら君が嫌だと言っても────」

覗く。見つける。見つけてしまう。
年相応の、いじらしい瞳を。
何に対して?それがわからぬ程、幼くはない。
それと、見ない振りを出来る程、老いてもない。

溜息。不快も不満もなく。
心地良い。視線にそんな感情を抱きながら。
ほんの少しだけ、大人になるのが早い私は口を開く。

「寂しく思ってくれるなら、頑張った甲斐があったもの
 ……ふふ、恵まれていたんだな私は
 惜しまれるくらいの人間には、なれたみたいだ
 出来ることなら、まだ続けたいと……そうは思うけど
 朝日も、そう思ってくれるかな?」

無頓着な誰かな気持ちを代弁するつもりで、声に出す。
誰かに何かを伝えることの大切さ、難しさは学んできた。
もし、これがそのままなのだとしたら……とても嬉しい。
私と君は、通じ合えて居ると。
そう言ってもいいのだろうから。
(-89) 2021/11/08(Mon) 1:10:43

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

僕は考えより言葉が先に出ることがある。
口にして初めて、寂しいのだと知った。

「………。そうですね」

先輩の顔を見る。
気を抜くと行方不明になるし、頼んでもないのにお節介は焼くし。
部室のドアは壊すし、人知れず怪我なんかするし。
挙げ連ねたら、碌な事なくないか?

「先輩に振り回されるの、慣れてしまいましたし。
 それだけじゃなくて、毎日こうして話すのも。
 ……先輩、ちゃんと先輩だったんですね」

異能が嫌いで隅でじっとしていた僕にとって、放課後の時間はかけがえのないものだった。
どうやら僕は自分で思っていた以上に、本当にこの時間が嫌いじゃない好きだったらしい。

「​でもだからって、そんなこと言っちゃ駄目ですよ。
 あんまり甘やかして僕が図に乗ったらどうするんですか」

本当に、図に乗りそうだ。時既に遅いかもしれない。
先輩を見つけられるのは何も僕だけじゃない。
鏡沼にだって無茶してやろうとすれば出来るのだと証明はされた。それなのに。

……嬉しいんですよ。そう言ってもらえて。

 
どうしてくれるんですか、先輩


非難するように呟いた。
別に先輩の横にいるのは僕じゃなくていい。
飽きるまでで、構わないはずだったのに。
(-90) 2021/11/08(Mon) 2:30:40

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

甘やかしているという自覚はない。
かといって厳しくしているとも違う。
           

二年の四月、君が私の放送室の扉を叩いてきた時。
前髪を目元まで下ろした姿が、自分と重なったから。
その時から、ずっと気にかけてしまっていた。
……今となっては、心配の必要がないとは知っているが。
ふふんと、得意げに鼻を鳴らす。

「本心だよ、これでも
 せっかくだ、甘えておけ甘えておけ
 やりたいことは積極的にするべきだ
 私に出来ること、だったらいくらでも協力しよう」

君には礼だってある。
努力は惜しまないさ。
わざわざ、私の為に言葉を繕ってくれる。しかも君が、だ。
嬉しくないはずがないだろう。

それで……どうして欲しい?


どうしてくれるのかと問われたから。
どうしたらいいのかと乞おう。
大人になるとは狡いものだなと、唇が微笑んだ。
目を細めて、君を窺う。
(-91) 2021/11/08(Mon) 3:45:30

【秘】 風紀委員 普川 尚久 → 朧げな遮光 守屋陽菜


『はあ。楽しめるものなんですかね』
『わかりませんね』
『瘦せ我慢じゃないのはわかりますけど』
『そう至る心理が』

ただ、これは問いかけではなく独り言に近い。
返事は別に求めていない。そんな感覚。

『言われた事を君も“人のこと言えない”』
『そう言い返しただけですよ』

心配してか否かも当然の様に書かないまま。
節介なのか嫌味なのか心配なのか。
(-93) 2021/11/08(Mon) 4:30:09

【秘】 風紀委員 普川 尚久 → 朧げな遮光 守屋陽菜


「……でも、どうせこの最後の一文が返って来てる時点で、あんま意味ないよなぁ……」


どんな独り言を呟いても問題ない自室で、はーやだやだ。と溜息を吐きながらそう呟いてベッドにスマホを放り投げて、メッセは今日は店じまいとなった。
(-94) 2021/11/08(Mon) 4:31:13

【秘】 風雪 世良健人 → 朧げな遮光 守屋陽菜

>>-82

もしも世良健人があなたの、あるいは誰かの異能を知ったなら、羨むのかも知れない。
違った異能をもっていたのなら、この瞬間も誇れていたのかも知れない。
そんなたらればはあるはずもなく、けれどもそれがあったからにこそ、今がある。

「……うん、そうだな。異能っていったって、ほかと大きな違いなんか、ありゃしなくて。
 誰もが違った適性があって、そうでなくてもすぐ体の動くやつがいたり、
 考えてから動く人間がいて……勿論、それが出来ないからその場を離れるのも、間違いじゃない。
 支えって生きていて……なんての、実感がない内はなんとも思ってなかったけど。
 最近そういうの、思い知ってる」

言葉ばかりにならべつらねたことというのはいまいままでは空々しく思えていたのに。
自分の手の内に来てみると、これほどに尊いと噛みしめるものも、ないものだ。
なんとなく、そんな話の流れに照れくさくなってまぶたを上げておどけてみる。

「そうだなあ、なんていうか。助けたいと思うのと同じくらい、助かりたいと思ってよくて。
 望んでくれるから差し伸べられる手があるって、そう感じたかな、この一週間。

 ……そろそろ道具持っていかないと、どやされるかな。
 買ってきた部材の大きさが合わなくててんやわんやしてんだってさ」
(-96) 2021/11/08(Mon) 16:49:25

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

音にならない声で、僕は何事か呟いた。
聞いたのは僕なのに、聞き返すなんて有りかよ。
そんなに僕の言葉で聞きたいのか。
変わり者はどっちだよ。

「……なら、甘えますよ。幾らでも。
 先輩が飽きるまでなんて、もう言いません。
 先輩が言ったんですからね。知りませんよ、僕は」

図に乗るとも言った。
それなのにどうして欲しいか聞いてきたのは先輩の方だ。

そうでなくてもそもそもだ。
先輩が僕なんかに構うから。
僕は地味に目立たず華もなく、滞りなく学生生活を終えれればそれで良かったのに。

そんな日々が、日常当たり前になってしまったのも。
いなくなると寂しいと思ってしまうのも。
僕がこうして図に乗るのも。
​全部全部、先輩のせいだ。

「僕が飽きるまで、傍に居てもらいます。
 一応添えとくと、ハイエナって執拗いんですよ。
 覚悟してくださいね。先輩が言い出したんですから」

嫌いな異能だけど、この異能は先輩の役に立つ。
それにだけは感謝を覚えていた僕だけど、今この時ばかりはその異能を盾にする。言い訳に使う。
(-100) 2021/11/08(Mon) 20:54:35

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 風雪 世良健人

「おう、良かったなぁ……お互いに
 そう思えたんなら、きっと大丈夫
 ……やっぱ、君なら心配はいらなかったようだ」

なりたい者も、そのための道を歩むことも、
全部わかっていたのだろうから。
躓いた先でも、誰かが引っ張ってくれることも知った。
そう、お互いに。

「────世良、正直さぁ
 私、あんたのこと……あんた達のこと羨ましいと思ってた
 双子で、一年生の頃から噂をよく聞いてて
 一人抱えるような悩みはないんじゃないかって
 ……すっげー眩しかった」

「けど、そうじゃないんだよなぁ
 世良も私も同じだ……なんか、安心したわ
 ……おかげで世良のこと、より好きになれた」

陽が傾いてきたからか、二人きりだったからか、
女は、これまでの抱えた感情を打ち明けた。
憧憬だったり、羨望だったり、そんな複雑な感情を。
そうして、遠くに見ていたから気付かなかったのだろう。
君も、一人の男の子だった。

「……頑張れよぉ
 私も、あんたに負けないように頑張るからよ」

なんでもなかったように、送り出す。
気持ちを言葉にするのは難しいと、耳まで陽に染まった。
(-101) 2021/11/09(Tue) 3:46:22

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「飽きるまで傍に、かぁ…………────」

ようやく出てきた要望に、
なんだそんなものかと頷きかけて止まる。思考する。

ん?

         ・・・・・・
えっと……つまり、そういうこと?
…………
本気か朝日!?

そんなことはないと結論付けたがる頭が、煮立っていく。
簡単に、朱く、気持ちを露わにしていく。

「──…………
へぁ
ちょ
、ちょっと待って欲しい!
 ……い、一度考え直して!?」

もっといい相手がいるだろうに!
そんな、可愛くない主張を絞り出す。

動揺する頭に呼応するよう、少女はぼやけていく。
まるで頼れる先輩らしくない、ただの女の子。
(-102) 2021/11/09(Tue) 4:21:20

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「​もう遅いですよ、先輩。
 逃げるつもりなら、止めませんけど」

精々自分の行いと発言を悔いたらいい。
僕、性格悪いんですよ。

「まあ、逃げたところで追いかけますけど」

椅子を少し寄せる。
紅く染った頬に手を伸ばした。
そうしたいと思った。

「あと」

僕は囁くように、顔を寄せる。
逃げるなら、今のうちだ。

「先輩は、可愛いですよ」

普段の姿が嘘みたいに萎れるのを見てそう思う。
そしてまた、事も無げに。僕は唇を寄せる。
もし先輩が逃げるなら、今は見逃してあげる。
これは人名救助じゃないからね。
そうしたいと思ったから、僕がやるだけだ。
(-104) 2021/11/09(Tue) 10:12:22

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「──逃げ、る、……つもりはないけどっ」

ないけども……。
触れる指に、近付く顔に、身が硬直してしまう。
逃げられる気もしない。

〜〜〜〜〜!!??

 
まって朝日!?


心の準備がと悲鳴をあげるが、現実は無情である。
迫る君がちゃんと男の子だったから、きゅっと唇を噤む。
そうして、君を受け入れる。

「──────


下手くそな呼吸が漏れる。
それが自分のものだと届くから、余計に恥ずかしくて……。
一番に近い君が直視できない、目を瞑ってしまう。

触れあった時間は一瞬だけだったかもしれない。
だけど、感じた時間はとても永くて。
離れてしまった瞬間から、口を押えて顔を逸らす。
触れるすべてが熱い。……視線が君の口元に注がれる。

「………………
ずるいぞ朝日

 ……
お前だけ
隠してるの!


不公平だと、子供の駄々を。
そっと、長く覆われた前髪へと手を伸ばす。
……直視してしまった後のことは考えない。
(-105) 2021/11/09(Tue) 15:31:05

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

ほんの一瞬、先輩の唇に触れる。
顔を離すと目を閉じた先輩が居た。
ほら、先輩は可愛いんですよ。言った通りでしょう?

「先輩にはずるさじゃ敵いませんよ」

僕の口許は笑んでいた。
ご馳走様とばかり、自分の唇を舌で湿らせる。
百獣の王の天敵足り得る僕は、獲物を前に余裕の姿でそこに在る。

先輩の手が前髪に触れる。
眩しげに細めた僕の目が露わになる。
その目は真っ直ぐに、守屋先輩を見ている。

ほんの少しくらいは頬も熱いかもしれない。
そんな事を気に留める余裕もないくらい、今はただ嬉しい。
眼鏡を外すだけで僕の視界から逃れることが出来る先輩が、そうせずそこに居てくれることが、とても嬉しい。

「別に隠しやしませんよ。
 今僕が何考えてるか、全部口にしてもいいですけど。
 どうします?」

そういえば、分かりにくいとも言われていた。
これでも思っていることは、口から出している方だけど。

今はきっと態度にも出ている。
先輩を見る僕の目は、あの人同じで柔らかい。
(-106) 2021/11/09(Tue) 19:57:58

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

見つめた先で覗く舌、笑む口元。
味わうような素振りに……、今初めて君の異能を思い知った。
余裕すら感じるその仕草が悔しい。

前髪を分けても、表に浮かぶ目は柔らかく。
真直ぐに、私を見据えていて。
それがまた、私を縛る。そんな顔で見るなよ。
よそ見出来なくなるだろ……。

「────────」

眼鏡の奥、確かに透き通った瞳が。
君を見つめて、しばらく。
────熱く固まった唇が、ようやく言葉を繕う。

「────…………
じゃあ
お願いします
……」
(-109) 2021/11/09(Tue) 20:48:54

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「​──​──はい、では」

僕の口調は普段と変わらない。
淡々として、そういう所がきっと先輩が言う『分かりにくい』ところだ。

だけど目だけは柔らかく細められている。
一心に先輩に向けられている。

「まずそうやって僕の言葉を聞こうとしてくれること。
 ありがとうございます。嬉しいですよ。
 また図に乗りそうですけど、それは先輩が悪いので仕方ありませんね」

「ああ、勿論先輩にとって僕がただ気の掛かる後輩だってことは知ってますよ。
 ただだからといって逃がすつもりはないだけです。
 1度逃がすと先輩、直ぐに見失ってしまいますから。
 探す方も案外大変ですし、なら、こうして​──」

前髪に触る先輩の手に僕は触れる。
軽く握るように結ぶ。

「捕まえておいた方が、安全でしょう?
 つまり放っておけないんですよね、先輩のこと。
 捕まえておかないとって気にさせる。
 ……あ、まだ聞きますか?」

そろそろ下校の時間ですけど。
そう思った事だけは、言わずにいた。
(-110) 2021/11/09(Tue) 22:40:09

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「────……
おま
え〜〜〜!?

 
もう
いいから
……」

お前には照れはないのかと睨みつけるが、
険のない瞳は可愛いのもので。
並べられた言葉に、口元が、
弧を描いているのを感じてしまう。止められない。
……せめてもの反抗として、目は逸らさないように。

「…………ほんとに、いいんだな……?
 面倒臭い女だって自覚あるけど、
 ……逃げたくなっても知らないから」

ぎゅと、重なった手を結び直す。
見つけてくれた、掴んでくれた手を、しっかりと握る。
そっちがそのつもりなら、いいってことだ。

「────
だから……私を、安心させて


せめてもの仕返し。
今度はこちらから、唇を重ねる。

もうすぐチャイムが鳴る。放送の時間。
それも忘れてしまいそう。たまにはそれもいいだろうか。
(-117) 2021/11/10(Wed) 6:29:58

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「今更撤回したりしませんよ。
 先輩の方こそ、いいんですね?」

そっくりそのまま、先輩の言葉を返せるくらいだ。
逃げたくなっても、僕は知らない。

少なくとも僕は、逃げたりしませんよ。

 
その点は、安心してください。先輩


唇が触れる。
今度はさっきより少し長い時間、唇を重ねた。
簡単に離してやろうとしなかった。

遠くでチャイムの音が聞こえた気がした。
気のせいかもしれないし、放送室の外では本当に鳴り響いたのかもしれない。
別にどっちでも構わなかった。

今この時間が夢でも幻でもない、その方が。
部活動なんかより大事なんだと、僕は思い知っていた。
(-135) 2021/11/10(Wed) 12:27:57
守屋陽菜は、確かな暖かさを知った。
(a40) 2021/11/10(Wed) 12:48:11