人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ

「さあ? だがなあ。
 ……似た者同士ってことは知ってたよ」

何がとは言ってやらない。
本当は正反対で、かつ同じところがあっただけ。
波長が合ったともいえるのだろうが。

「多分聞いてもあいつは何も吐かんだろうな。
 なんだ、でもお前みたいな奴話す機会があったならよかった」

「まあ、……じゃあ。
 この町から出られないぐらいにはしておくかあ……?
 姿くらまされたら嫌だろ」
(-341) 2023/09/22(Fri) 11:00:05

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ

「…お前も大概碌でもない事考えてたか?」

リヴィオという人間を知っていれば
貴方が似た者同士というならば。
けれど、多くは言うまい。

「なんつうか。吐かせたし、手ぇ握らせた。
今この間だけは、何処にも行かせねえし
辿る末路は一緒だからな。運命共同体って奴で。」

貴方が思うよりも、関係性は複雑で。
いわば期間限定で、縛り合ったというところ。

「そうだな…ほとぼりが冷めるような事があれば、その時は。
あいつが遠くまで逃げないようにして貰えると助かるよ。」

「何が何でも離してやらねえって言ったんでな。」


先程までの雰囲気が嘘のように和らいで
にんまりと笑う。
(-342) 2023/09/22(Fri) 11:05:23

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 月桂樹の花 ニコロ

「ええ?それ、聞いちゃいますう?」

からからと、それでも控えめな笑い声。
まるで歌でも歌うように、明るい声音が嘯いた。

「あたしの目的はあ」
あなたたち
にいなくなってもらうこと、ですよお。」

これは、本当。


「だってえ。そうでもしないとお」
「いつかあたしが、逮捕されちゃうかもしれないじゃないですかあ。」

これも、本当。


「ニコロさんが逮捕した、カンターミネ・ヴォーフル。」
「あたしの、幼馴染なんですよお。」

これも、本当。


「――たったそれだけの理由でえ」
「無実のあたしが逮捕されるなんて、おかしいじゃないですかあ。」

これが、嘘。


虚実を織り交ぜ、女はいう。
曰く、正当防衛である、と。
そんな身勝手な女である、と。
…そのために、あなたたち摘発チームを解体するのが目的だった、と。
(-354) 2023/09/22(Fri) 12:47:13

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

ノッテマフィアだからな。」
「身内を売るくらいわけもない。そういう生き物でしょう。」

貴方はこの男と如何ほどの関わりがあっただろう。
この男のこういった偏見をどれくらい知っているだろう。
ずっとこういう話し方をする男だった。ずっと悪人に対してはこうだった。静かに、確かな侮蔑の籠った呪詛を吐く男だった。
それを今、貴方にもしている。これまでの関係を匂わせる言葉遣いを滲ませながら。

ペンの先が紙面を撫でて黒いインクで書きつけていく。“ノッテファミリーに所属する女性との交際関係は事実。”

「それをどうして証明できる?」
「今ここで貴方を信じる人はいませんよ。さっさと吐いたらどうですか。」
「俺だって疲れているんです。」

こんこん。硬いペン先が紙面を叩く。
疲れている、と言った男のかんばせに、疲労は見えなかった。
ただガラスの向こうの金色は、反射やらで感情を読みにくい。
(-362) 2023/09/22(Fri) 14:03:32

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

「悲しいね。
やってもないことをやりましたって自白すんのは
何の得にもならねぇって事くらい分かるだろ。」

ふん、と鼻を鳴らした。
普段貴方の前でこんな態度を
この男が取ったことがあっただろうか。

「そっちこそ俺の自白以外とそのテディベア以外に
証拠なんてないんだろ?馬鹿馬鹿しいにも程がある。」

「俺は何もしてない。
民を脅かすようなことは断じてやっていない。」

認めるものか、という強い意志をもって。
貴方の瞳を、千草色の瞳が見返す。
(-365) 2023/09/22(Fri) 14:34:07

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

「民を脅かすようなことは断じてやっていない。」

怪訝そうに顔を顰めて男は貴方の言葉を繰り返した。
手を組み、それで顎を支える。視線が左、右と動いて、貴方に留まった。留まって、笑った。

「はは。」
「お前よくそんなことが言えるな。」
「あの音声が」
「お前の逮捕が」
「どれだけの市民を不安にさせたと思う?」


嘲りの笑いだ。
侮りの笑いだ。

「それも想像できないことがお前の罪の証拠だよ。」

「お前は裏切った。」
「お前を信じた市民たちと警察俺たちを裏切った。」
「悪人は裁かれるべきだ。」

「正しい裁きを得たいだろう?」
「なら、全て吐くんだよ。ここで。」
「これは慈悲なんだ。わかるでしょう。」

見つめている。
探している。
罪のありかを探している。
               
────貴方を痛めつける隙を探している。
(-380) 2023/09/22(Fri) 16:12:32

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 法の下に イレネオ

「不安にさせてるのは
そうやって威圧的に取り締まる奴らのせいだろう。
嘘でもそれが真実だと上塗り出来るようにした。
そんな奴らのせいだ。履き違えるなよ。」

ブレない。まだ。

「ないものをあると断じて捌くのがお前の正義か?
だったら随分と独善的だな。それこそ何も見えちゃいない。」

ただ一つ、この男が揺れるとしたら。
貴方を摘発した罪悪感かもしれない。

「お前を摘発して牢にぶち込んだのは誰だ。
そんな役回りを押し付けたのは、誰だ。
本当にそれがお前の信じた正義なのか、イレネオ。」

貴方の苛烈な一面を見たことはなかったから。
何かの間違いであって欲しいと思う。

パンを抱えて困っていた貴方を
仲間と語らっていた貴方を知っているから。
(-420) 2023/09/22(Fri) 20:29:32

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 傷入りのネイル ダニエラ

「………。」

貴方の言葉を最後まで、静かに聞いた。
時折思うように目を伏せて、それでも。

「言い分は分かった。
だが、やってることはお前も同じなんだぞ。
罪もない人間を罪がある様にでっち上げ
場を混乱させて、良いように利用する。」

「それで良いのか?
正当防衛だから咎められないなんて
そんな甘い事はないって、分からない訳ねえよな。」

貴方が分かってないとは思わない。
けれどこれは、同じ仲間のよしみとしての忠告。
(-449) 2023/09/22(Fri) 22:11:21

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 月桂樹の花 ニコロ

ミントブルーの瞳を細め。
女は乱視だったから、それでもあなたの顔はぼやけていた。

「――もちろん」

にっこりと笑う。
まるでピザを奢られた時と同じように。

「あたしは、やられる前にやっている…」
「ただ、それだけですからあ」

「同じだってことは、もちろん承知の上ですよお。」

分かっていて、己のためにそれを行い、振り翳す。
それを人々は
悪人
と呼ぶ。
そう呼ばれ思われ恨まれることを女は望む。
中途半端に信じたままより、そっちの方が絶対に幸福だと信じているから。


「まあ…それじゃあ。」
「ご理解頂けたよおですし、そろそろ行きましょおかあ」
「…ニコロさん?」

そういう女の手の平の中には、鈍い銀色の手錠が煌めいていた。
(-452) 2023/09/22(Fri) 22:27:25

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 傷入りのネイル ダニエラ

「お前、半分嘘だな?
まあ、今此処で暴いたところでどうにもならねえけどよ。」

本当に自分が可愛い人間は、此処まで割り切れない。
自分も同じように裁かれると分かれば躊躇も生まれよう。

だから、貴方に別の何かがある事だけは、察せられた。
それが何かなんて、分かる訳もないけれど。

「後悔すんなよ。」

何がとは言わない。
男は既に覚悟は決めていた。
遅かれ早かれ、この法の片棒を担いだ罰は来る。

それが、今になっただけのことだから。
それだから、抵抗はしない。

貴方に両の手首を差し出した。
(-453) 2023/09/22(Fri) 22:37:54

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 月桂樹の花 ニコロ

「……さあ、どおでしょお。」
「あたしは、嘘つきですからあ。」

…笑顔だけは、崩さずそのまま。
罵倒される心づもりまでは、できていたのに。


あなたに近寄り、手が伸びる。
マリーゴールドの色をしたエナメルが、この日も両手の小指に咲いていた。
そこに握られた、手錠が、

―――かしゃん。


 
いつかあなたにリクエストした『子守歌』。
あれはカンターミネ・ヴォーフルが、眠る女に歌って聴かせた曲だった。
…女の胸にはあの歌声も、あの日のハーモニカの音色も未だに残り響いている。

そのどちらもをこの日同時に失ったわけだが。
嘆く資格なんて、当然女に残っているはずもないのであった。


そうして、女はあなたを逮捕した。
「後悔するなよ」、その言葉には、何も返事を返せなかった。
(-468) 2023/09/22(Fri) 23:34:54

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 傷入りのネイル ダニエラ

男は貴方を罵倒するでもなく
嘆くでもなく、ただ静かにそれを受け入れた。
鉄の重みが腕に伝わる。

マリーゴールドに捕まえられたそこには
たった1本、右手の薬指にだけある、ネイビーの空。
そこをちらりと見て、男は笑っただろう。

だって男には罵倒する資格なんてありはしない。

既にその手で、同僚を摘発して。
此度は貴方の幼馴染を…そして。
またその次も、考えられていたのだから。

「じゃあな、ダニエラ。
他人に嘘を吐く分には構わんが
自分にまで嘘を吐くんじゃねえぞ。」

まるで仕事上がりに挨拶するような声音で
最後のお節介を焼いて。

男はそれ以上は何も言わず、連行されていくのだろう。
(-471) 2023/09/22(Fri) 23:48:12

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

こう・・しなかったことで、これまで俺たちは後手に回り続けた。」
「疑わしきは罰せずなんてぬるい・・・。」
ノッテマフィアって奴らは」
「逃げ隠れすることだけは異様に得意だからな。」

その通り、実に独善的な発言。
偏見に満ちた狂言。一人芝居。
貴方の言葉を受けて、忠犬は。

「俺にこの役割を下さった・・・・のは」
署長代理ですよ・・・・・・・。」


宛ら舞台役者のように笑った。

「俺が牢にぶち込まれたのはそのためだ。」
「ノッテファミリーをこの国から排除する。」
「それ以上の正義がありますか?」

「ニコロ・カナール。」
「だから、お前と答弁している暇はないんだよ。」
「俺には役目があるんだ。この後も。」

「ここにある・・のは、お前がダフネという女マフィアを殺した記録だけ。」
「それを事実だとお前が認めたということだけ。」
「お前の無実を証明するものは一つもない・・。」
(-478) 2023/09/23(Sat) 0:10:03

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 法の下に イレネオ

男は、初めてその表情を歪めた。
貴方の在り様、考え方、それが今曝け出されて。
これが本当の貴方なのか、と。

「お前の役目なんざ、知った事じゃないな。」

吐き捨てるように言う。
気を遣った俺が、馬鹿だったのかもしれない。

「大体、俺の無実を証明するものもなけりゃ
有罪を証明するものもない
、の間違いじゃないか?」

貴方をじっと見据えて笑う。
実に滑稽じゃないか。

「俺はダフネを殺したなんて一言も言ってねえし
これ以上時間を掛けたって答えは同じだ。
さっさと諦めて次のお役目とやらに向かったらどうだ。」

だったら自分に無駄に時間を費やせばいい。
この愚かな法に鉄槌が下るまでの、時間稼ぎにはなるだろう。
(-484) 2023/09/23(Sat) 0:32:35

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

言葉を聞いて、男は片眉を持ち上げる。

「先程。」
ダフネのこと・・・・・・は事実だ、と。」

言ったはずだが、と反芻。ことん、と首を倒した。
これはこんな演技じみた仕草をする男だったろうか。


「聞き間違いですかね。」
「それとも。」
「出した言葉を飲み込めるつもりでいる阿呆なのか。」
「二枚舌か。
やっぱり悪人じゃないか。」



────奇妙なことに、男の声はどんどん小さくなった。
どころか、視線すら落ちていった。これは貴方を見ていない。
かと思うと、あろうことか被疑者である貴方から顔を逸らしすらした。
そうして身体を捻る先は後ろの棚。先程テディベアが置かれていた場所、その下段から、なにか小さな箱を取り出した。
蓋を開け中身を取り出しながら男は言葉を紡いでいく。

「狂人の相手をするのは疲れるんですよ。」
「でもそれも一理ある。時間をかけるのは得策じゃなさそうだ。」

視線はやはり落ちたまま、自身の手元に注がれていた。
(-500) 2023/09/23(Sat) 1:21:30

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

「ダフネがマフィアであり
警察官によって射殺されたのは事実だ。
だが、撃ったのは俺じゃない。
俺が殺したってのは一言も言ってないんだよ。」

単なる情報の錯綜なのだろう。
けれどそれは、貴方に疑念を抱かせるには十分だったかも。

「二枚舌も何も、情報を挿げ替えてんのはそっちだろうが。
…お前、何をする気だ。」

違和感がある。
普通は被疑者から顔を反らすなんてあり得ない。
その隙に脱走や痕跡の抹消を狙う事がある為だ。

余裕か、はたまた。
そんな事を気に掛けないほどに
正義の執行に気を向けているのか。

妙な不気味さを感じながらも
貴方の様子を伺っていただろう。
(-502) 2023/09/23(Sat) 1:31:59
ニコロは、嫌な予感がした。
(c18) 2023/09/23(Sat) 1:43:18

ニコロは、取り調べを受けている。
(c20) 2023/09/23(Sat) 1:57:01

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

さて。
遂に男は何も答えなくなった。
それは貴方と会話を行うことを拒絶する態度であって、
やはり尋問官としてあるまじき態度だ。
それでも貴方が動かないのは好都合だった。


男の手は大きく、手元の箱は小さく。
故にきっと、そこで何をしているのかはよく見えない。

貴方はこれの様子を伺っていた。
正しく何かされると予期していた。
ならば注視したのは手元であったろう。
下を向いた貴方を、今度は男が見つめていた。


(-511) 2023/09/23(Sat) 2:16:29

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

かたん。
音。


貴方が顔を上げた時には遅い。


この男は机の向こうで立ち上がっていて。
その机に膝で乗り上げるように距離を詰めて。
そうして片方の腕は貴方の腕を掴んで引き寄せ、
もう片方の手を貴方の口元に押し当てた。

「何をする気だと思います?」

貴方が驚いて口を開いていたのならば、答えはすぐにわかるはずだ。
口腔内に小さな塊。先程までは当然なかったものが、そこにあって。
(-512) 2023/09/23(Sat) 2:16:48

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ

「碌でもないが理性があるんでね。
 なんだ、俺が居なくなったら寂しいか? 手を握ってくれてもいいぞ」

誤魔化し方が上手いのは向こうだ。態とらしい程に。
警察の方がよっぽど猫をかぶってるなと、最近であった彼らをみてひとりごち。

「うーん、かわいらしいなあ。
 馬鹿にしてないぞ、そこにある想いは感心するが……。
 そんな心中を目論んでたカップルを見たことある」

片方が先に死んで結局物理的にバラバラになった。

「……何が何でも……。
 何が、なんでも……頭が痛くなる単語だ。
 執着なんてするもんじゃない。
 はあぁあ〜〜……酒飲み仲間がみんな居なくなるんだが……」

どうしてなんだ、と項垂れ始めた男は少し酔っている。
特に後半は苦々しい表情と一緒に告げられ、そのあとガンと机に脚をぶつけた。
追加で酒を頼もうとしてぎりぎりで水を頼んだ。まだ理性があったらしい。
(-543) 2023/09/23(Sat) 8:21:21

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

反射的に、分かった。
こんな状況で口に押し込まれるものなんて
予想は容易いから。

自白剤…もしくはもっと拙い類の、薬。

口元に押し当てられた腕を引き剥そうと掴んで
体を捩って、なんとか飲み込むまいと
抵抗を見せるだろう。

薬に耐性なんてある訳がないんだから。
飲んでしまったら最後、貴方の思うつぼだ。

けれどきっと、抵抗空しく飲んでしまうんだろう。
程なくして、喉が動く気配がする。
(-544) 2023/09/23(Sat) 8:22:41

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ

「手を握っても良いが、お前まで持つと重いからやだね。
つか、かわいらしい言うな。」

何が悲しくて貴方に言われなければならないのか、と
僅かに眉を寄せるのは、貴方にしか見せない表情だ。

「お前に言われると違和感すげえし。
あー、心中ねぇ。似たような事にはなるかもな。
別に死なねえけど。」

零しながら、此方はまだワイン。
水を頼んで唸る貴方を見て笑うだろう。

「悪いな、ルチアーノ。
でも俺ももう退けなくなっちまってるからさ。
こっちで死なせるような事はしねえ。
それは約束するよ。」
(-545) 2023/09/23(Sat) 8:34:12

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ

「お前が持つんじゃない。
 縋ってきたのを俺が引きずってやるんだ、間違えるな」

助けを求めるのはお前だ、と言わんばかりに。

「なんだ……可愛がられ慣れてないのか?
 もっと褒めて欲しかったのならたくさん言い聞かせてやろう。
 ん〜……」

「阿呆に見えて、可愛らしい、それでも真っすぐな色男。
 限界を勝手に決めて抱え込んで、潰れちまう前によお。
 こうやってまた俺を捕まえるか、連絡して来い。
 大体助けてやる。

 俺はお前らの敵じゃない。味方とも言えんが。
 ――俺はなあ、ちゃあんとお前のことも好きだぞニコロ」

疑っている、信じてもいない、それでもそこに好意はある。
だから助けてやるし、ただでさえ託された仲だ。
お前から消そうとしても何処までも追いかけてやる、と。
此方も貴方とはまた違う感情で簡単に逃がさないつもりでいた。
(-553) 2023/09/23(Sat) 9:04:02

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ

「はいはい、そりゃ失礼しましたよ、っと。」

両手を上げて降参のポーズ。
確かに求めたのは自分だ。だからそこは否定しない。
けれど、続く言葉に表情が強張るのだった。

「助けてくれるのは凄く助かるし
敵じゃないってのも、ありがたいんだけどさ。
お前にべた褒めされたり好きって言われるとなんか
なんかビビるんだけど。」

いつも女性を口説いているイメージが強いせいで
どうにも貴方の誉め言葉は素直に受け取りづらいようだ。

けれど、その厚意はありがたくて。
礼を零しながらも、割と失礼な事を言うのは気を許しているから。
(-555) 2023/09/23(Sat) 9:12:48

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

体力だけはある方だ。
執念だけは強い方だ。
突き止めると決めた物事を突き止めるまでとことんやる。
そういう男の性格は貴方も知ったところだろう。そして、
その性質は今この場においては、貴方に都合の悪いもの。

既に口には入っているのだ。
飲み込まないなら、溶けるまでこのまま待つだけのこと。

しかしそうはならなかった。素直に・・・貴方が飲み込む気配で、男はぶらりと手を離す。
そうして身体の位置を戻すだろう。しかし席にはつかないまま、再びの無表情で貴方を見つめている。

実のところ、男自身もこれが何の薬なのかは知らない。
これは今朝、あるマフィア・・・・・・から押収されたものの一部。
内容物としては興奮剤、精力剤、自白剤、睡眠剤らしいが、
それを見分ける術を男は持たない。

だから効果を知るのは貴方が先。
盛られたのは、睡眠剤だった。


(-610) 2023/09/23(Sat) 13:12:49

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

程なくして。

貴方を、強い眠気が襲うだろう。ぐらりと視界が歪み、身体も傾ぐはず。
しかしそれに追従することを男の手が許さない。
彼は貴方の肩を掴んだ。起こす仕草で椅子の背に強かに打ち付けさせた。

外れ・・か。」
「まあいい。」

眠らせない拷問というものもこの世にはある。
自白剤を盛るつもりだったが、違うなら違うで手を変えるだけのこと。
(-611) 2023/09/23(Sat) 13:15:40

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

味わいなんて分からない。
ただ、飲み込んだものを吐き出そうと咽せるのが先で。

何を飲ませたのか。
そう聞く前に意識が揺らいだ。
睡眠剤……尋問には明らかに不向きな薬。
訝しむ暇も無く暗闇に意識が持って行かれる。

かと思えば、肩に走る鈍い痛み。
起こされ叩き付けられたのだと理解するには
まだ飲まされた睡眠剤は抜けない。

「い゛っ……おまえ、何を……」

ぐらぐらする意識の中
椅子の背もたれに押さえ付けられて。
ただ、貴方の動きを追うのでやっとだ。
(-612) 2023/09/23(Sat) 13:29:36

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

「『何を』。」

ふん、と男は鼻を鳴らした。
歪む視界の真ん中で笑ったようだった。

「皆そう聞くな。やっぱり脳みそが足りないのか?」
「何も何故もない。法に則り、裁くための手続きだよ。」
「お前たちも従ってきたはずだ。どうしてわからない?」

ぐらり。ぐらり。眠気で頭が揺れる度。
男の声が反響する。判断力を失わせる。

瞼が重たく帳を降ろそうとする。

貴方が耐えられず首を振らすなら、
今度はその頬に男の拳が飛ぶ。
(-622) 2023/09/23(Sat) 14:03:10

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

揺れる、揺れる、ゆらゆらと。
飲まされたばかりの睡眠剤は意識を奪おうと誘って。
貴方の言葉すらも上手く聞けない。

「っ、う……こんな事、する訳ないだろ…」

頬を殴り飛ばされ、意識が戻される。

これは尋問と言うより、拷問。
許されるものではない、と。
貴方を、睨みつけようとする。
(-624) 2023/09/23(Sat) 14:08:02

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

その通り。するわけがない・・・・・・・
貴方に対する男の行いは、平静なら一発で逮捕レッドカードだ。
つまり、男だってそう。尋問の経験はあれど拷問の経験は浅い・・

「……。」

顔を歪める貴方を見、男は思案するように顎に手をやった。
貴方を実験材料にして、男は学習している。


「さすがに向きませんね。」
「もっと時間があればいいんですが。」

首を右に、左に倒し。呟いた男は、再び錠剤を手に取った。そうして貴方の方へ手を伸ばす。眠気から緩慢になった動作は好都合だ。きっと難なく捕まえることが出来る。
そうして男の思うようになったなら、
これは貴方の鼻を摘んだ・・・・・

そこは人体が空気を取り込む場所の一。
もう片方を開かせたいのなら、ほかの入口を塞ぐのが近道だ。
(-631) 2023/09/23(Sat) 14:46:15

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

「や、め……!」

殴り飛ばされ、意識は多少戻ったけれど。
薬に犯された体は言うことをまだ聞かない。

貴方の手が伸びた先。
新たな錠剤に、何をされるかなんて考えるまでもない。 
脳が警鐘を鳴らすのに。

貴方の手は容易に男を捕らえて
男の体は生きる為に、息を取り込もうと口を開いた。

顔を逸らそうとするのが
精一杯の抵抗だ。
(-690) 2023/09/23(Sat) 20:42:05