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【人】 初波華音[ところで時間になっても教授が来ない。珍しい。 監督が誰も居ないと講義室は賑わうものだ。 他愛ない会話を繰り広げているうちに、 話題がさっきのものに戻った。] 「まあすげー弾ける、っつってもさあ 実際聴いたことある奴はいねーんだろ? 案外大したことねえんじゃ……」 っ、そんなことない!! …………と、思います ええと…… 教授のお好きな方の息子さんならきっと お母様から教わってきたのではないでしょうか それこそ 物心つくかつかないかの頃から、ずっと…… [壮真くんの演奏を聴いたこともない人に、 壮真くんが貶されるのは嫌だ。 あんなに素晴らしい音色を奏でられるのに。 突然声を荒げて友達を驚かせてしまっても、 これだけは譲れない。] (85) 2024/06/05(Wed) 20:52:41 |
【人】 初波華音休学していたのにも きっと理由が──── [と、そのとき講義室の扉が開いた。 やあやあ遅れてすまないねえ、なんて言いながら 入室してくる教授の後に、] ──!!!?!??!? そっっっっっっ [ひどく見覚えのある長身の男性がいる。] (86) 2024/06/05(Wed) 20:53:21 |
【人】 初波華音[一瞬見間違えかと思った。 壮真くんに逢いたすぎてとうとう 白昼夢まで見始めてしまったのかと思った。 危うく素で名前を呼びそうになって、 両手で口元を抑え込んだ。 彼は真顔で、黙々とプリントを配布していく。 え、本人? 本物……?? なんで????? まさかもう既にスカウトされて……??? てかプリント配る壮真くんカッコ良すぎない!? アッアッこっち来る!! あっっ!!!!!] …………、 ッ!! [すぐ目の前までやってくると彼は にこりと不意打ちで微笑みかけてきた。 本物だ。本物の壮真くんだ。] (87) 2024/06/05(Wed) 20:55:57 |
【人】 初波華音[ほんの数時間前には手を繋いで歩いていたのに、 どくんと一気に心拍が跳ね上がる。 緩む頬を戒めながらプリントの束を受け取って 後ろへと回すと、いつの間にやら 机の上に小さな桃のキャンディが三つ。 えーーーん神様かな……!!??!? すき。 よく見ると、うち一つには付箋がついている。 アシスタントに雇われたことについてかな? そう思いながら文面へと目を通せば、] …………!!! 〜〜〜〜〜〜!!!!! (壮真くん!!!!!!!!!!!) [壮真くんと付箋を交互に五度見した。 付箋は失くさないようノートに即貼り付けた。 一番前の席に陣取っていて本当に良かった。 顔が真っ赤に染まってしまっても、 それが見えるのは壮真くんと教授だけだ。] (88) 2024/06/05(Wed) 21:01:30 |
【人】 初波華音[この場をお借りして叫び出したい気持ちを抑えて 指先で小さなハートマークを作った。 帰ったらめいっぱい……ううん、 この講義が終わったら伝えに行こう。 この先何度でも伝えてゆきたい気持ちを 世界でいちばん愛しい君に。*] (89) 2024/06/05(Wed) 21:04:32 |
【人】 秋月壮真[飴、喜んでくれたみたいだ。 花が咲くようにかわいい華音。 きみだけが俺の音楽に、人生に、彩りをくれる。 仕事は引き受けて良かった。 でも教授は見たら殺す。 ] (90) 2024/06/05(Wed) 21:35:36 |
【人】 秋月壮真[指でなにかサインを送ってくれてる。 あとであれなんだった? って訊いてしまう 世間知らずで空気の読めない自分だけれど。 前に生放送でやったの間違えてた……。 ハート送ってくれたのすごくうれしい。 沢山失敗を犯してしまう自分だけれど。 きみへの愛では誰にも負けない絶対の自信がある。 悪いところは治していくので、 今後一生よろしくお願いします。**] (91) 2024/06/05(Wed) 21:36:17 |
【人】 初波華音[ころころ。 口内で転がすキャンディが甘い。 しあわせの味がする。 一粒目は空腹感を紛らわせる為にすぐ頂いて、 二粒目はもったいなくて大切にポーチにしまった。 今日の講義も面白かったな。ただ、 どうしても壮真くんの方へ視線が向いてしまうこと あの教授にはぜんぶお見通しだった気がする。 え? さっきのサインは何かって? そういえば生放送の時のソウマくんは 違う方法でハートを作ってたっけ。 あのハートも尊くて可愛かった。だいすき。 あれも間違いじゃないよ? 教授の前では流石に憚られたってだけ。 もう一度、両手それぞれの指先で 解説しながらハートを作って君にはにかんだ。] (92) 2024/06/05(Wed) 22:47:26 |
【人】 初波華音[私にも間違えてしまうことは沢山ある。 失敗しちゃうことだって幾らでもある。 すべて自分が正しいなんてぜんぜん思えない。 だから壮真くんも、 嫌だな、悲しいなってことが もしあったら教えてほしい。 知らないまま、気付けないままの私でいたくない。 落ち込んでしまう日には励ませる私でいたい。 閉じ込められたときには心底焦ってしまったけれど ……そんなにも想ってくれてたんだ、って 嬉しかったのも本当の気持ち。 私にとって特別な思い出には違いない。 初めて壮真くんに出逢えた日だから。 次の誕生日には、一緒に ラザニアを焼いてくれるかな? パスタ生地と具材を重ねる作業なら、 君にもできるはず。] (93) 2024/06/05(Wed) 22:48:07 |
【人】 初波華音[壮真くんの奏でるピアノだけが、 私を世界に繋ぎ留めてくれて ひたむきにピアノに向かい続ける君が 私の世界を拡げてくれた。 ソウマくんのファンになったきっかけについて もし正直に話したら、ともすれば 優しい君を心配させてしまうかもしれない。 でも聴いてほしい、君にしか言えない。 情けなくてみっともない私も知っていてほしい。 きっと君は、そんな私も 受け止めようとしてくれるんでしょ? 私だって君への愛だけは 誰にも負けない絶対の自信があるの。 好き。大好き。愛してる。 末永く一生よろしくお願いします。 ……言葉だけじゃ、うまく伝えきれないな。] (94) 2024/06/05(Wed) 22:48:37 |
【人】 秋月壮真[どんなきみも受け止める。 きみが自分をそうしてくれた様に。 そこは当然として、 自分の課題は彼女を害する存在に対して 抱いてしまう加害性である。 脳筋というか単細胞というか。 きみの家族は大切にしなければ ならないと思うのだけれど、ううむ。] (95) 2024/06/05(Wed) 23:54:04 |
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