情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 魔法使い ラサルハグ>>19 テレベルム キャンバスが鮮やかに色づいていく様子を見守っていた。 一仕事終えた長身の男の、長く滑らかな髪を、傍らから勝手に一房手に取った。 プリズムを通したように、角度によって複雑に表情を変える色彩をまじまじと眺める。ここまでの動作が無造作すぎるのは、成人男性が相手だから。 「――…テレベルム殿の“色”も、良い色だと思う」 見上げて抜かしたのはそんな言葉だった。 さらさらと音を立てる様にして髪が手から流れた。 「…さて…何の話だったか。 そう…、貴公の言った通り。名残惜しくとも… 次の出会いもまた、善きものだと。そう思いたい。 ……今生の別れでもない。時間は有限だが…、 決して僅かでもない。 次を求めるも再び見えるも、選ぶ事が出来る」 真顔のまま少し首を傾いで、先の問いに答える。 「……善き出会いだったから。 また此処を訪れる事を……私は選ぶよ。 …貴公にとっては…いや、多くの人々にとっては、 改めての出会いとなるのかも…分からないが」 指しているのは、相手の変化について。 一応、察知してはいる。流されれば深く尋ねる事はするまい。 (21) 2022/03/30(Wed) 22:14:11 |
【人】 灯集め ラキ>>20 イクリール 「ははは……まあ仕方ないさ。 元から本気で勝つつもりじゃなかったんだろ? 何せ、俺達は即席で出来上がったカップルだったからね」 次の句には君が望むなら、と付け足すべきなのだろうが、 なんだかそんな気が持てなくて思わず口を噤む。 むにゃむにゃと唇を動かしてから、ランタンを掲げて。 「祭りは終わっちゃったけど、さ。 どうせ俺は仕事に戻ったところで、 息抜いて遊びにいくことを望まれてるから。 だから、あー……」 仄かな灯りと、花弁で口元が隠れるように。 今自分がどんな表情をしてるかわかったもんじゃないから。 「……また空いてる時に誘いに来てよ」 せめてもの礼儀だと言い訳する自分が、ちょっと癪だった。 (22) 2022/03/30(Wed) 22:37:39 |
【人】 行商人 テレベルム>>21 ラサルハグ 集中しているときは自然と表情を柔らかくしてしまう。 自分自身の実力に後悔はしたことはない。 求められるものに、価値がなければそこに金銭と笑顔が生じないだけ。 自意識過剰かも知れないが、マイナスになる必要もなどないのだ。 つまりそんなタイミングで、酒や甘味を食うかのように自分の絵を味わっているときに。 突然話しかけられる者だから。 「……!? あ、い、なんだラサルハグ。 驚いたじゃないか……」 素面で言っているのかこいつ。大丈夫か? 「……」 いや、今なんて。 「 あっっっっっっっっっっ??!? あ、りがとう。親譲りだ……?」 恥ずかしいことを言うな!? ただ言葉を返してくれただけだろう行為にうるさくも言えず、 あの時の自分を殴りたい、ただそれだけを思った。 (23) 2022/03/31(Thu) 5:37:08 |
【人】 行商人 テレベルム>>21 >>23 ラサルハグ 閑話休題。 「そう、か……俺もここには戻る理由がある。 思い出が出来て、善いことが沢山あった土地だ。 友人達も居るからな、もう少し大きくなったら 旅に付き合ってやる約束もしたんだ」 「改めての出会い? …… あ” 。だ、大丈夫だ……だが、そうだな。 お前には街を出た時にでも体調のことについては話そう。 それがいい。 お、お前はこういいたいんだよな? 寝ぼけていた変わった絵描きのことなど、 忘れてしまう人は多いかもしれない。 大丈夫だ、多少旅人の雰囲気が変わっても 何度でも仲良くなれるに違いないさ。 ……また来るのが嫌になってきたな。 俺の頭は本当にあんなお花畑だとでも 」ブツブツ呟きながらも、肩をとんと並べ小声で漏らした。 これ以上は、イメージを壊すわけにはいかなかったのだ。 まったく、恥ずかしくて仕方ない。褐色の肌にわずかに朱を交えながら、こっそりとため息をついた。 (24) 2022/03/31(Thu) 5:49:05 |
【人】 魔法使い ラサルハグ>>23 テレベルム 「親……そうだった。 そうか…、 貴公は家族の待つ国に戻る為に、発つのだったな。 …親譲りと言うからには…家族もまた美しい色を、 しているのだろう。 …見てみたいものだ」 水晶の瞳を下から覗き込む様にして、杖を持たない手を伸ばす。 長い指はそっと相手の顎に触れた。 「…テレベルム殿もやはり…絵を描いている時より。 柔らかな顔をするのだろうか」 当然だが、この男は全くの素面だ。 したがって終始真顔だ。 所謂顎クイの姿勢で真顔で言っている。 まじまじと至近距離でその顔を眺めるのも、テレベルムという男を知りたかったから。 やがて満足すると、相手の顎に触れていた指で今度は自分の顎を撫で、しばし思案顔。 → (25) 2022/03/31(Thu) 23:05:07 |
【人】 魔法使い ラサルハグ>>24 テレベルム 「………。 ………? では…貴公もまた来る理由も、必要もあるな」 思案顔のまま首を傾げる。 訝しげに少しだけ眉をひそめながら。 「忘れられる事は……まず無いと思うが……。 約束したのなら……猶更……。 ……頭がお花畑、と言うよりも……」 魔法の素養だけはある。なんとなく事情は察した。 察したが、 「 素直に心情を伝える事が出来ていただけ では……?」察しただけだった。 「…きっと皆、テレベルム殿の本心を想像しながら、 汲みながら…変わらず接してくれるに違いない。 心配する事は無いと、私は思う」 僅か染まった頬を眺めながら、フォローをしておいた。 ……フォローどころか抉っている事に気づけないまま。 (26) 2022/03/31(Thu) 23:06:02 |
【人】 行商人 テレベルム>>26 ラサルハグ 「今の目的はそうだ。土産になるものを持って帰るのを目的としている。 故郷は若干鎖国気味だが俺がいればはいるのはかんた、 ラサルハグ? 近い 近い 近い 」突き飛ばしたくなる手を必死に押さえて顔を背ける。 とんだ天然が付きまとうようだ、おかしいなこんなはずではなかったのに。 「やめろ、色々、ストップだ!! ……服が汚れるぞ、まったく」 「 うる……黙っ ……き、気遣ってくれてどうもありがとう……。 もう気にされた方がましかもしれないが 下手に演技しても無駄だろう。なるようにさせる」 「……お、お前は……俺の本心を察しながら ほどよい距離でいてくれ……。頼んだぞ、……頼んだぞ」 フォローの仕方に距離感、難儀な関係になるとこの瞬間に気づく。 未来を察してしまったが嬉しいものは嬉しいので。 困ったように、喜ぶように。 ため息をつきながら頬を緩ませていた。 (27) 2022/04/01(Fri) 10:49:57 |
ポルクスは、この機会にきょうだい離れをすることも考えたけれど (a16) 2022/04/01(Fri) 21:04:56 |
ポルクスは、やっぱりそれはちょっと早かったみたい。 (a17) 2022/04/01(Fri) 21:05:19 |
ポルクスは、だから、終わろうとする祭りの向こう側に金色の灯火を見つけた時 (a18) 2022/04/01(Fri) 21:06:00 |
ポルクスは、走り出さずにはいられませんでした。 (a19) 2022/04/01(Fri) 21:06:17 |
ポルクスは、きょうだいと一緒にゆっくり大人になろうと思いました。 (a20) 2022/04/01(Fri) 21:40:28 |
ユピテルは、きっと来年も『ただいま』を言いに来る。 (a21) 2022/04/02(Sat) 20:58:53 |
ユピテルは、だから街を出る時に言う言葉は、『行ってきます』。 (a22) 2022/04/02(Sat) 20:59:11 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新