75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】
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OK〜 このままたらこスパが襲撃してきま〜〜〜す♡
「なんだ。やっ
ぱり
考えていたので
大
体間違ってい
なさそ
う」
さして驚いたふうもなく、そう言った。
「裏切り者
さんは
、置いてき
ちゃった子
どもの自分に
や
さしくな
いだけだろ?
子どもの
君も、自分にやさしくない。
でもそうする
ことが望
みなんでしょ〜?」
「望みが叶う
ことはうれしい
ねぇ。苦しい
道を選ぶ
ことが、
どうして幸福
じゃないって
言える?
そりゃあ
、余所様から見たら不幸
だって
言われるものかもしれないけ さぁ
」
んん……
、咳払い。
「天国こそ至上って思う人と、地獄こそ自分の天国って
思う人がいて、後者の方が少ないだけですよ〜」
「君の言ってることは、結構スッと入って来た
なぁ
。
雨に打たれるっていう事実は
欲し
いけど、
濡れると切り傷が痛むだから
いやだな
ぁ、
でも
雨に打た
れたいの方が優先されるから雨に打
たれ
よう!
っていうのの、
内
容が変わった
だ
けじゃない?」
ね? 首を傾けて裏切り者を見やる。
「自
罰的なこと
の何がいけないんだ?
君はそれ
を行使し
た結果、自他ともに
どんな影
響を
及ぼすかを知っている。
マイナスが発
生することを
わかっていてやっているし、それ
を求めているんで ょ?
」
「
んん……
これからもその幸福は続きますね。
僕もうんとお手伝いしてあげますよぉ」
「とりあえずは大人たちから
君が連れて
こ
いの指定が来ないといいな?
きっとそれも、
くるし
いしうれしいことになる
から
、
それはそれでい
いん
だろうけどね〜」
、ちょっと困った声の、
特に返答を求めていない呟きが零れた。
中庭
「…あら…ごきげんよう、ブラキウム。」
誰もが見ないふりをする。
けれど何処にも居ないなんて訳はない。
イクリールは、確かにそこに居る。
確かにそこに居て、いつものように
にこやかに、道行く『みんな』に挨拶をしている。
自室を抜け出してからずっと。
確かにそこに居て、生きている。
それは他の『いない子』も同じ事。
それがどちらの側だって、声を上げれば、届かない筈はない。
イクリールは、そう信じている。
魔術師は聞こえているだろうか
やっぱり、赤ずきんは親切≠セと思う
ボク達は、不満のある世界を享受した上でどちらにとっても
ごまかしていけるほどのいい子でいられなかったんだ
「具体的なものにならないのならぁ、シカタナイね。
裏切者がそれで幸せならそれでいい。
これからもギムナジウムにいるあなたたちが
幸せに過ごせるのならそれがいいさ」
……幸せ
きっとボクも、これ以上知って考えようとしてはいけない
知らなかったあのときまでが何よりも幸せだったなんて
ブラキウム
「ええ、そうね。ブラキウムさえいいのなら
ちょうど、お部屋でいい子にしているのにも
少し退屈していたところだわ」
そう言って、イクリールはいたずらっぽく笑って見せた。
何も恐れる事など無いように。
それから、そっとブラキウムに手招きをした。
寂しい中庭の片隅へ。
「そうか……」
この狂いも、壊れも、ここでは受け入れられる。
皆それくらいひび割れて、朽ちているのだとしたら、
自分にとっての本当の楽園は、
この部屋なのかもしれない。
「出来ることがあれば、
いくらでも言ってくれ。
俺にも……もちろん、おれさまにも」
自嘲ぎみに笑った。
裏切者の幸せを違うと叱ることができるとするのなら
それは真の意味での治療≠ノなるのかもしれない
その手段と思想と、方法をこの手は持っていない
それができるのは大人≠セけだ。
壊れきったいい子のシトゥラは、祈ることしかできない
――――もし
もし本当に、大人に連れて行かれることが幸せだったとしたら
ボク達は知らないだけなのではないのか?
シュレディンガーの猫のような気分だ。
連れて行かれないことはボク達の褒美になり、
連れて行かれたものはそれぞれ褒美をもらっている。
……うまくまわりすぎている、のかな。
カストルの行ったとおり夢を見すぎているのか
まだ、わからない。わかりたくない。
知ってしまったら押しつぶされてしまいそうになるから
>>中庭の片隅
横目で、二人を見ている。
『いなくなった』ものと、まだいるもの。
何が違うのだろう、と見ている。
見てわかるところに差がある訳がなくて。
『いなくなった』ものは確かに変わったが、
そうでなくとも変わりはするから。
声は出ない。考える時間が欲しかった。
だから、今は、考えてるだけ。
「出来ること〜? んー。
明
日
、君の分の朝食の何
かを
、
カスト
ルにプレゼントしてあげな
よ
」
回収した封筒の中身を眺めながら、ただの思い付きを言う。
「ま〜〜君とカスト
ル
、
ふたりとも
が朝食の時に食堂にいた
らね。
いな
かった
ら、それはそ
れで
持って行ってやりな」
「これ
は
出来る
ことで
しょ?」
平坦な声から、意図は読み切れない。
泣き言を言いながら、誰かに助けを求めようとして、それはやめた。
彼は、揶揄する子らを睨む。そこにあるのはお節介などではなく、“決意”だ。
ただそこに居る。揶揄いも抗拒も、今は重要ではない。
スピカを見ている。一人で全てを背負う、なんて、絵空事だと知っているから。
スピカのことを真に見てはいなかったのかもしれない。
また、バイオリンの弦を弾いた。
皆が心に自分たちを置いてくれることを信じて。
彼に、手が届くことを信じて。
まだ、遠いな。
スピカの力になりたかった。イクリールは一人ではないから、だからそんな事が言えるだけかもしれない。
カストル・ポルクス
本の上を滑る視線は常のものとは異なりどこか気だるげで。
聞き慣れた足音が二人分聞こえたのならば顔を上げ、
二人にとって自分が『見えて』いるのかを伺う。
――……話しかけられるまでは、何も言えない。
彼らにとっても『いない』存在になってしまうのか、
その一点を気にかけている。
自分だって、スピカの力になれるなら、と思った。任せっきりにしてしまっていたのは自分でもあるから。
| 「またか」 見えない ことにしている 子供たちの名前を聞けば小さくため息をついた。 悪いことではないが、シカタナイか。 あれほど交流が広かった彼らが呼ばれたのだから。 彼らの代わりなんて務まらないんだよな 「普段と違うことをするもんでもないけど、様子は見るか」 またルヴァ団も始まるのなら、見張り役は必要だろう (50) 2021/05/29(Sat) 21:05:45 |
| (a55) 2021/05/29(Sat) 21:06:01 |
| (a56) 2021/05/29(Sat) 21:06:07 |
| (a57) 2021/05/29(Sat) 21:06:14 |
| (a58) 2021/05/29(Sat) 21:06:21 |
| (a59) 2021/05/29(Sat) 21:06:28 |
| 「(……何も無い。 何もない、いい子なだけの存在が喜ばれるのは大人にだけ)」
なんとも簡単なことだった
「(子供に好かれる子供ってなんだったんだろうな。 カストルのような愛嬌? あの子のような芸術センス?
今更変えられたら苦労はしないんだが)」
あれならできるかな
シトゥラは放課後、美術室に向かった (51) 2021/05/29(Sat) 21:52:32 |
彼が石を投げられても、それでもまだシェルタンの傍に居る。
「………皆が皆、
ギムナジウムの悪い風習に囚われてるわけじゃない」
投石でこさえた、軽い擦り傷を撫でて。
見てみぬ振りをしてしまった彼女のことを想う。
謝らないと。心から、心の底から。
無視することに心を痛める生徒の姿を想う。
変えていける筈だ。自分だけじゃない何かを。
大人たちを、頭に思い浮かべる。
……本当に皆が皆。“悪い”ものなのか?
知るべきだ。この場所のことを。
オレは、余りにも、自分だけを見過ぎていた。
自分が変わったのなら。
自分以外を変えられない道理はない。
昨日に今日、変わらなければ、
明日変えたらいい。それを何度も続けるだけだ。
ぱん、と頬を叩く。
傍らでただ寄り添う少女に笑いかけ、
そこらを歩き回る少年に緩く手を振り。
────観てくれるアンタ(
)に、
恥じないようにするためにも。
「思ってなかったよ。だから、“思わせる”んだ。
オレ達は被害者なんかじゃない、てね。
暗い顔してるから下に見られる。哀れまれる。
でも、少なくともオレは……
昔よりずっと、良いものになれた
から。
それは、胸に張りたいんだ」
「さて、集まってるならここかしら」
何のあても、
解決の手立ても、
そして一緒に歩んでくれそうな相手も
思い浮かばなかったが、
ただ、彼の行動パターンを考えればここかな、と。
そう思い、中庭にやってきた。
中庭
「────あら。ごきげんよう、スピカ。」
正しいやり方はわからなくたって
声を上げる事は、何か行動を起こす事は
たとえ誰に届かずとも、決して無駄な事ではない。
少なくとも、イクリールはそう信じている。
これまで通りだ。何も変わらない。
だって、これまでもずっと、そうして来たのだから。
寂しい中庭も、少しだけ賑やかになって来た。
>>中庭の片隅
「ようスピカ。
アンタくらいなら、オレが食堂に居なかった時点で気付──いや、スピカも行かなかったんだよな、すまん」
揃踏みだな、と皮肉げに笑う。
「これ以上、『いなくなる』子たちが増えるんだったら。
そうでない子との比率が縮まるなら。
きっと、段々と、無視できなくなっていくはず……
そう。声は聞こえる。姿は見える。
何も幽霊になったワケじゃないからな?
だから───」
すぅ、と息を吸う。吐いて、もう一度吸って。
「───“いつも通り以上”の
オレ達
で。
時間は……短くても一年。長けりゃ数倍。
出来ない話じゃないって、信じてる」
>>中庭の片隅
「心無い言葉だって。石だって。
それは、“オレ達を認識する”って前提がある。
オレたちは、ここにいる。生きている。
───爪弾き者にされる理由なんて、ないじゃないか」
そう、言い放った。
>>中庭……?
ある程度時間を置いたのだ、もう流石に誰もいないだろう。
……と思っていた思考が浅はかだったことを知る。
一応は持っておこうと先程食堂から拝借してきた食料と
温かい飲み物を抱えたままで、
中庭から聞こえる会話に耳を澄ませる。
「……そんな方法、」
それ以上は続けられない。
盗み聞きになってしまっていることは分かっていても、
なかなかその場から離れられない。
>>中庭
「ああ、揃い踏みね……
で、言おうとしたことも全部言われちゃった。
考えてることは同じよね」
「そう。みんなで集まればいい。
簡単な話よ」
「ルヘナが教えてくれたわ」
>>中庭
「……そう。
よかったわ。みんながわたしと同じ考えで。
それに、わたしたちなら『こうなってしまった』子にだって、
堂々と会いにいけるものね。」
イクリールは、そう言っていたずらっぽく笑って見せた。
いつものように。
これからも、誰に対してだって、同じように。
「わたしもそれに、賛成よ。
シェルタンやスピカが卒業したって続けるわ。
でも今は、わたしたちだけではきっと手が足りないの
だから、手伝ってくれるとうれしいのだけど。」
──ねえ、ルヘナ。
イクリールは、遠くこちらを窺う視線の事だって、知っている。
中庭
「──……っ、」
自分の名前が出されていたこと、
そうしてその後に名を呼ばれたこと、
そのどちらにも驚いて渋々といった様子で皆のもとに歩く。
「気付かれていたのか。悪い、途中から盗み聞きした。
食事と飲み物だけ置いて行くつもりだったんだが」
「こうして隅っこで慎ましくしてるのも、
そういう、”一つの理由”なんだよな」
逃げるように食堂から離れて。
当てもなく、ただふらふらと動いている。
身体まで亡霊になったつもりはない。だから。
「……それでも。
オレは。シェルタンはここ
にいる。
それを知るのは、ブラキウム、アンタだけじゃない。
それぞれに絆があって。
んで、それは簡単に掻き消えるようなもんじゃない」
「幾らでも聞かせてやるよ。
楽しい談笑の声か?歌声の方がいいか。
楽器の音色も、とっておきがたくさんある。
踊りも。大体の雰囲気は伝わるかな?
それを観る、まだ『いる』アンタたちが。
他ならない、『いなくなった』オレたちが、でも、『そこにある』証明になる」
今もそうだ。と、辺りを見渡した。
>>中庭
「盗み聞きも何も、あなたが言い出したことなんだし、
それに、どのみちあなたも一緒になるんだから」
「私には、正直まだアイデアもないけど、
同じ境遇の人間の慰めになればそれでいいと思ってるわ」
そして、笑いながらこう言った。
「振るわれる暴力については、考えなくてもいいわ。
私が全て受け止めてあげる。
そういう身体
だもの。有効活用しなくちゃね」
「……──ルヘナ居ないのに揃踏みって言ったな今」
こら!カッコが付かない!
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