【人】 花守「現役で畑弄ってるような健康優良ばーちゃんが早々死ぬわけ無いでしょ。 ひさしぶり、元気してんねばーちゃん」 荷物を適当なところに置いて縁側に脚を投げ出す。 時折吹く風は反射熱で熱されたそれと違い心地よく抜けていく。 蝉の鳴き声、揺れる風鈴、草木がさざめき、川のせせらぎ、どれもが懐かしく、あの頃のままの夏の音だ。 (……だだいま、ばーちゃん) ブシッ──! 「ぅっわ! ばーちゃん!ばーちゃん!雑巾!雑巾持ってきて!ラムネ失敗したっ!」 道すがら購入していたラムネを開けようとして、盛大に吹きこぼして両手がベタベタになった。 (21) 2021/08/08(Sun) 18:23:36 |