>>139 イレネオ
「君はやっぱりいい警官のようだ」
舌打ちを飲み込む様子を見て、にんまりと口許を歪ませる。
座らなくていいの、というように姿勢を崩して、
前で揃えた膝を開いて椅子の背もたれに体を預けた。
「教会で何をすればいいのか。
新しいネタになるかもしれないな。
寄付金詐欺…ありきたりだなあ。
もっときらびやかなところなら、ロザリオでも鋳つぶした方が売れるかもしれん」
指折り数えながら、冗談めいた態度を崩さない。
「なんて。
ジョークだよ、勿論。
教会にいるんだから、祈ってるのさ」
「その権利はあるだろ? 警官さん」