【人】 灰原 詩桜……有難う、薄氷さん。 嬉しい。 [でも、だから。言葉では足りないから。 わたしはほんの少しの距離をまた縮めて 彼の頬に手を伸ばしながら唇を重ねた。 叶えば、長く。すぐに離したりはしない。 舌先の濡れた感覚に逃げられてしまったかな?] …私、詩桜って、いいます。 あの、薄氷さん。 ……………私、もっと、あなたと、 [そう言いながら向けたのは縋るような眼差し。 何でだか分からない。 分からないけど、もっとこうしていたくて。 この時間を引き延ばしたくて、仕方がなかった。]** (261) 2020/07/26(Sun) 23:29:00 |