40 【完全RP】湯煙に隠れる吐息【R18】
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| [人の身体は人それぞれ、とは言いますが あの夜見たものとは一線を画した その斬新なコンパクトさと、 張り出した傘もなく、 噛んだガムをくっ付けたような 伸びた皮に包まれたビジュアル。
……いや、それでも愛しい先輩だったので その全てを受け入れようと思って 私は、最大限、知恵を振り絞りまして]
……先輩、もしかして、 事故か、何かで……?
[にょん、と上を向いたそれを直視したまま 真剣な顔で、聞いてしまったのです。
結果、この一言の方が大事故だったわけで。] (43) 2020/08/17(Mon) 21:09:43 |
| [思い返せば私が100%悪かったのですが。
でもあの時はすごく必死で 怒り狂う先輩に追いすがって謝りました。 なのに、結局、口論になってしまって。 そして、先輩に思い切り頬を張られ
── ぷっつん ──
気が付けば、手元にあるものを投げ合う 大喧嘩になってしまって。 先輩のワインコルクに六法全書が直撃した隙に 家を出て……私たちの関係は、それっきり。
頑張って、何もかも捧げて手に入れた恋は そんなくだらない終わり方をしました。 処女も非処女も、セックスの手管も関係ない、 ただただお互いに張った見栄の下から しょうもない本性が現れてしまったような。] (44) 2020/08/17(Mon) 21:10:33 |
|
[ああ、本当に馬鹿みたい。
恋なんか、するんじゃなかった。]*
(45) 2020/08/17(Mon) 21:11:31 |
── 桔梗の間 ──
んなことないと思うけどな
[お世辞で言ったつもりはないけど
続く言葉には、否定せず
困ったように眉尻が下がる]
おいこら
まだギックリ腰になるほどトシじゃないぞ
[こつんと彼女の額を小突き。
いつもの調子に戻ろうとした、ところで]
……ああ、そっか
ちあきちゃんには一度見られてるんだよな
[記憶の底に沈んだ駅での会話を手繰り寄せ
ふ、と小さく自重すれば
ようやく頭を撫でる手の意味を知る]
──前にあんたと会った日
[ぽつり、ぽつりと]
家に帰りたくなかったんだよな
だから、どこでもいいから行きたかった
[だから彼女をダシにして、わざと電車を見送った。
他にも残業だといって、遅く帰ったことも数え切れず。
避けるような行動は、
擦れ違いの溝を深めるだけだって気づいていても。
話し合おうとすれば決まって口喧嘩になる日々に
辟易しすぎて]
[左手を持ち上げれば、もう大分薄くなった跡]
あの頃はちょうど、離婚する数週間前くらいだったかな
あんたと話してから何度か思い直して
なんとかしようとしてみたけどさ
結局どうにもなんなくて
嫁さんは愛想尽かして出てっちゃって、おしまい
まあ、確かに色々あったな
[愛してた、けど。
出てってくれた時は、どこかホッとしていた。
そんな薄情な男、こんな風に労われる資格も
ないんだろうけど。
少しだけ彼女の掌へ頭をすり寄せた*]
─桔梗の間─
ですよね。……無理は、させたくないし。
[だから良いんだ、わかってる。
そう言いながら私は
いつかの時のように笑う彼に肩を竦める。
妥協できないなら、折れることができないなら、
お互いに譲り合えないなら。
それは無理が生じて折れてしまうだろう。
だから、と彼の頭をまた撫でる。]
あぅっ?
ぎっくり腰に歳は関係ないですよ。
油断してるといつかグキってしますからね?
[小突かれて、唇を尖らせてみたけれど
すぐにおかしくなって笑ってしまった。
けれどそこから始まるかつての話に
私は静かに耳を傾ける。
ああそうか、大事な人とは別れてしまったのか。
一度生じた軋轢はなかなか解消できないもの。
その話し合いが苦痛なくらいにすでに無理が生じていて
もっとそうなる前に話し合えたら、なんて後の祭り。
でも、大切だったからこそ辛くて
きつかったんだろうな、と。
そう思ったから、手に擦り寄る彼の頭を
ギュ、と抱きしめて胸に埋めた。
窒息しない程度に埋めて、よしよしと頭を撫でる。]
敦久さんって、プライド高そう‥っていうか。
甘えるの、下手そうですよね。
甘えるのが下手だから
辛いとかしんどいとか
本当に大切な人に言えなくなっちゃう、みたいな。
そんなふうに思えてしまいました。
[大切な人だからこそ、傷つけたくなくて。
無理をして、でもその無理が辛くなって。
辛くなったから逃避してしまう。
そんなことは自分にも覚えがあるから。]
だから、甘えて良いですよ。
いろいろ頑張りましたね、敦久さん。
………たまにはこんなのも、良いはずです。
[誰だって甘えたい日はあるもの。
何もかも許された赤ん坊の頃みたいに。
だから、私はしばらくそのまま
彼を抱きしめ、撫でていようと思っていた。]*
――睡蓮
そうかもしれへん、なぁ。
やったら、月子がイチから、教えてぇな。
[ 子供が生まれて初めてするような
拙いキスを評されて、
拗ねるでもなく甘えた風にねだってみせた。
後頭部へ添える手がそのまま
口づける動作へ移れば目を細めて、]
[ 甘噛みされた指先に見返して、離した手。
追いかけられて制されれば首をかしげ、
小さな求めにうなずいて。]
してくれるん。 優しいこと。
[ きゅっと結んだ帯が解かれ、はらりと浴衣が開かれる。
伝う手指の感触は空調の効いた室内で、
そこだけ鮮明な熱を伝えて、その軌跡が朱を残すよう。]
月子の肌も。ええさわり心地。
[ 背の低いベッドの上、じゃれ合うように撫で触れて、
くすくすと楽しげに声を向け。]
――そやけど、これは、尋ねてええんかな。
浮気?
それとも、
一人でしてくれてたん? って。
[ 色づいてみえる素肌の様子はこの宿で、
既に誰かと肌を重ねたあとだと知れる。
口にしたのが偽の推測でしかないことは、
どちらにとっても明らかなこと。
だからこその嘘。
このひと時はただの虚構で、夢まぼろし。
嘘に嘘を重ねていれば、
やがてぱちんと弾けて消えても、
それは当たり前の事だから。]*
───睡蓮
[ こぉ?と確かめるように触れた唇は、
悪戯に食むから、薄く開いて舌先で
唇を濡らし、微笑み返す。]
───そう。思い出した?
[ そう尋ねて。
彼の帯を自ら解き、肌に触れる。
互いの熱を手のひらで確かめるように
撫で、戯れあっていれば、
尋ねられた事柄に、まぶたを伏せて、
首元に視線を落とす。だが、その跡は
自分では視認できるはずもなく。]
浮気なんかするわけないやん。
[ 目線を流すように彼の方に戻し、
眉尻を下げる。]
確かめてくれてもええよ?
[ そういって、伸ばした手をする、と
彼の首の後ろで組めば、引き寄せる。
耳朶を甘く食んで、舌を這わせた。]
[頭を抱かれ、目を丸くして
はぁ、と撫でる手に観念するよう目を閉じた。
やわらかい感触に顔を埋め
乾き始めた汗でひんやりとした肌に額を押し当てれば
とくとくと伝わってくる鼓動が心地いい]
……ふふ
ちあきちゃんはいつも逆のこと言うね
よくお前にはプライドないのかとか
甘え上手めとかなら言われるけど?
でも……大切な人ほど言えなくなるのは
あたってるかもな
大事にしたいと思うほど、全然上手くいかないし
[傷つけたくない
でもこうして誰かと一緒に居たくもあって。
だからこの旅館はちょうどよかった。
明確な次のない、一晩限りの関係。
しんどくなくて楽しくて、ちょっとだけさみしい
それくらいが自分には、ちょうどいい]
[彼女の胸で甘やかしてもらい。
されるばっかってのは好きじゃなかったけど、
割といいもんだな、なんて思い直しながら。
ゆっくりと、顔を上げた]
ありがとな
このまま居たら眠っちゃいそうだから
そろそろ行くわ
ああ、お礼にいつかちあきちゃんが
しんどくなった時には俺の胸貸してやるよ
やわらかくはないけどなー
[軽口を叩きながら布団から起き上がり浴衣を整え。
まだ横たわる彼女の傍らに膝をついたなら]
[にっこりと笑って]
───よいしょ、と
[膝裏と背中に腕をいれて、持ち上げる。
どうだ、と抱え上げた彼女を見上げ得意気に笑えば
危なげない足取りで内風呂の方へ足を進めようか]
……あんた思ってたより重いな
[真っ正直な感想を口にしてしまう辺り、また減点だろう**
| ー 数ヶ月後・ラウンジ ー
あー、違うんです。違うんです。 今日はよしよしされに来た訳じゃなくて!
[散々笑って、それからまた 頭を撫でてくれようとした手を 私は押しとどめるでしょう。]
友達に話すと皆同じこと言うんです。 「そんなやつ別れて当然だよ」とか 「女の子殴るなんてサイテー」とか 「そんな目に遭って可哀想」とか。
でも、一緒にこうやって笑ってくれる人が 欲しかったんですよね、私。 私の馬鹿な決心も、馬鹿な別れ方も 全部、全部ひっくるめて。
[適任でしょう?とキールを一口。 カシスの渋みが喉に心地よい。] (80) 2020/08/18(Tue) 6:43:07 |
|
まあ、恋の努力は報われなかったわけですし、 バイトも気まずくて顔出せないし、 ぜーんぶ、頑張り損なんですけれど…… でも、大丈夫です!
[暎史さんの手が、さっき撫でてくれた 絆創膏の上をするりとなぞって、笑うの。 痕なんか、二三日で消えるって あなたが教えてくれたことでしょう?]
この痕も、痛みも、じきに消えます。 そしたら、次に頑張れるものを 探しに行こうと思うので。
[だから今こそ、次の一歩を踏み出すために 辛い気持ちを全部笑い飛ばしたいのです。]
(81) 2020/08/18(Tue) 6:50:55 |
─敦久さん─
そうですか?
それは、相手の人にカッコつけなくて良いから、では。
大事な人にはカッコよく見せたいでしょう。
カッコよく見せたくて、無理するでしょ。
[つまりはそういうことですよ、なんて笑う。
そんな風に甘えを見せられる、
甘えて甘やかせる程度の関係が心地よかった。
今後またどこかの駅で会うかも知れない。
若しかしたら仕事の時に。
法廷で出会ってしまったら?
そこは私情を挟まずに、公平にね。
そんなところで出会わない方がきっと良いけれど。]
ふふ、それは楽しみにしておきますね。
もし何かあったら連絡してくれても。
司法関係の友人は多いですから?
[なんて。別れ際には名刺を差し出したかもしれない。
けれどその前。
抱き上げられれば驚いて縋り付いて
しかしその余計な一言に。]
…………ふーーーーーん?
[セクハラで訴えて買ってやろうかとも思ったけれども
彼が私を運ぶ間。
首筋に、鎖骨に、耳元に、
強く吸い付いて紅の華を散らしてあげましょう。
……ダイエットしなくては。
目方を増やすのは、よくないから。
そんな一つ、また忘れられない記憶を呼び起こされての
意趣返しというもの。]**
| ー 数ヶ月後・ラウンジ ー
ええ、あなたなら。
[だって他の誰よりも、このコメディを かぶりつきでご覧になれるのは 暎史さんただおひとりなのですから。 なんたって登場人物のおひとりですし。
カウンターの上で頬杖ついた暎史さんの真似して 私もその正面で同じポーズをとって 唇をきゅっとあげてみるの。]
えへ……暎史さんに言われると ホントに私、やれる気になるんです。 こう、謎の説得力っていうか!
[可愛い、なんて一言で 耳まで熱くなってしまうのだから 言葉の力って不思議です。 傷がついた顔じゃあ、まだ自分では 胸を張れませんが、癒えれば、きっと。] (95) 2020/08/18(Tue) 17:55:02 |
| [グラスの底に溜まった カシスの澱まで飲み干したなら 私は席を立ちましょう。 あまり長居してもお仕事のお邪魔でしょうし。]
あははは……うん。 本当に辛くなったなら今度はちゃんと よしよしして、って甘えますね。
[そう言ってスカートの裾を翻したなら 振り返らずに、ホテルを後にするでしょう。] (96) 2020/08/18(Tue) 17:55:53 |
── 桔梗の間 ──
こえーなー……
でもまあ、なんかあったら頼りにするよ
あんたなら信用できそうだし?
[くつくつ笑いながら名刺を懐にしまい。
抱え上げた彼女の物言いたげな圧力には
素知らぬ顔を]
あっおいこら
そこシャツじゃ隠れないだろ
帰ったらまたすぐ仕事だってのに
[見えるとこへわざとつけた痕は
セクハラにならないのかよ裁判官さん。
まあ訴える気は微塵もないし、隠すと逆につつかれるから
ついてしまったもんは堂々と見せるつもりだけど。
今は誤解されると厄介な相手も、いないわけだし]
結構いい性格してるじゃん
[楽しげに笑いながら
こちらも彼女の耳裏へ、華を咲かせた。
気の置けない戦友に対する、証のように**]
――睡蓮
ほんま、優しいな、月子は。
こっちとあっちと、遠う離れてしもたのに、
そんなん、言うてくれるなんて。
[ 首後ろへ掛かる手に
、引き寄せられて返す声。
それもまた、このひと時だけの設定でしかない虚構だ。
二人を取り囲んだ演技と嘘のうたかたに、
そっと声を触れさせる。
容易く壊れはしないかと、どこまで続いているかと、
確かめるように。]
でも。無理は、せんでもええんやで?
ずっとずっと、俺だけのもん、
――て、いう訳には。
きっと。いかへんのやから。
[ それはこの場の真実でもあったし、
かつて経験した恋の終わり方でもあったけれど。
月子にとってはその言葉はどう届いただろう。
小さく傷む胸の内を情と欲とで覆い隠すように、
口づけ、彼女をベッドへ押し倒した。]
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