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【人】 商人 J[ 優男の真似事などと内心苦笑しつつも、女を掌中に入れるのにそれが一番手っ取り早いのも事実。] ジャンヌ……そう呼んでも? [ 冷たい手のひら、見えない瞳。 それでも男は優しげな声でそう女の名前を呼んだ。] 貴方には私がついている。 だから、心配も不安も何も要りません。 [ 絡め取っていく。 優しい声で、優しい手つきで、牙を突き立てるその瞬間までは。] (79) 2022/03/15(Tue) 19:21:27 |
【人】 商人 J[ 契約、それは互いを縛る制約。 男の用意した契約書には魔法によるギアスが掛けられていた。 契約書の期限は7日間。 それまでに男はブローチを探し出さなければならないし、女もまた契約を履行しなければならない。 契約が不履行となれば、履行できなかった者はその代償に身体の自由を奪われる。 ギアスに抗う事は不可能ではないが、千の針で全身を貫かれる痛みに襲われることになる。 血で交わされた契約は、高位の神官でも解く事はできないと言われている。] (80) 2022/03/15(Tue) 19:21:56 |
【人】 商人 J[ 揺れる美しい白い髪を眺めながら、男は薄笑みを湛えたまま。] いつまでも。 とはいえ、1年も2年もと言われると困りますが。 でも、貴方のことは信じていますから。 支払えるときにお支払い頂けたら。 [ 男は待つと言葉にする。 だが、男が待つとしても契約書はその力を発揮する。 女が本当に金を用意できようと、できなかろうと、契約書に血を染み込ませた時点で男の目的はほぼ達成していた。] (81) 2022/03/15(Tue) 19:22:15 |
【人】 商人 Jさて、では次はこちらです。 [ それから男は女を4人の商人に引き合わせた。 だが、収穫などあるはずもない。 そして、4人ともがブルーノと同じ様な目を女へと向けていた。]* (82) 2022/03/15(Tue) 19:22:38 |
【人】 商人 J[ 五度、空振りを繰り返せば流石に落胆したのか、女は見つからなかったときの話を口にする。見つからぬことなどないと知っている男は表情を崩すことなく腹の中で嘲笑した。] 見つけて見せますよ。 だから、心配しないで待っていてください。 私は貴方の力になりたいのです。 だから、お気持ちだけ戴いておきます。 [ 女の手をとって、布が巻かれたままの指先へと唇を触れさせる。 初心なお嬢さんには気障なぐらいがちょうどいいだろう。] 疲れましたか? そろそろ宿に戻りましょう。 [ 品定め≠ヘ済んだ。 あとはゆっくりと契約書の期限を待つだけ。] (89) 2022/03/16(Wed) 6:50:18 |
【人】 商人 J[ 男は女について調査をさせていた。 あの事件について、生き残ったのは本当に女だけだったのか、後ろ盾となる存在はいないのか。 なぜ、あの家が襲われたのか。 アンペール家。 大陸の西に位置する貴族。 それが、娘ひとりを残して皆殺しの目に遭うなど。 それも物盗りによって。 俄には信じ難い。] (90) 2022/03/16(Wed) 6:51:03 |
【人】 商人 Jジャンヌ…… [ 宿につくと男は女の名を呼んだ。 少しバツの悪そうな雰囲気で、女の右頬に手を伸ばす。] 聞いてもいいですか? 貴方のその目のことを。 [ 髪と眼帯で隠された右目。 美しい白い髪、端正な顔立ちに綺麗な左の瞳。 澄ました表情がまるで人形の様でもあるというのに、重苦しい右目の眼帯がその美しさを損ねている。] 話したくなければ話さなくてもいいですが。 [ そう言って、触れた頬をそっと撫でた。]* (91) 2022/03/16(Wed) 6:53:40 |
【人】 商人 J[ 本当に何の因果だろうか。 それとも、因果ではなく必然なのか。] ええ、見せてください。 もしも貴方が嫌でなければ。 [ 男は試す様に女にその醜さを曝け出させる。] 傷ならば治せるかもしれません。 そうでなくとも、それを見て気分を悪くするなどと。 そのようなことは決してないと約束しましょう。 [ 頬を撫でる指が冷たく硬い眼帯の縁をなぞる。]* (100) 2022/03/16(Wed) 17:40:58 |
【人】 商人 J[ それは眼帯の奥から現れた。 斜十字に切り裂かれた傷、光を失った瞳。 それを元に戻そうと蠢くそれは男の想像以上におぞましく醜かった。] 元に……戻るのですか? [ 美を損ねる程度の傷であれば治してやることも考えた。 だが、その傷は思っていたよりも遥かに深く、死に至っていてもおかしくはなかったと想像させる。] 痛みは? 私の顔は見えていますか? [ 頬に触れ眼帯をなぞった指先が再生を続ける瞳に触れるか触れないか、その際まで伸びる。] (105) 2022/03/16(Wed) 21:02:22 |
【人】 商人 J[ ─── アンペールの魔女。 男の脳裏に浮かんだ言葉、それはどこかで聞いた大昔の話。] 不躾なことをしました。 レディに傷を晒せなどと。 [ 指を離すともう一度だけ女の頬を撫でた。] これは……私と貴方だけの秘密としましょう。 [ 男は驚きと共に歓喜した。]* (106) 2022/03/16(Wed) 21:03:57 |
【人】 商人 J[ 女の願いは予想できたことだった。 以前から女が自身の目を覗き込もうとしてたのはわかっていた。] 私の目、ですか? 特に面白いものではないですが。 [ 緩慢な動作。 眼鏡の左右両方フレームを掴んでゆっくりと外した。 現れたのはやや細く引かれた目だった。 その奥にあるのはどこか無機質な瞳。 瞳孔が開いたまま動かないのがそう見せるのかもしれない。 眼鏡の外に見えていた刺青は、目を縦に切り裂くように描かれていた。] (111) 2022/03/17(Thu) 0:18:50 |
【人】 商人 J視力はほとんどありません。 この距離で貴方の美しい顔も見えない。 [ 外した時と同じように緩慢な動作で眼鏡をかけ直す。 急激な視界の変化で少しだけ頭痛がする。] これで貴方の顔もハッキリと見える。 [ 薄い笑みが僅かに微笑みへと変わった。] (112) 2022/03/17(Thu) 0:19:06 |
【人】 商人 J[ そうしていると何かが窓を叩く音が耳に届く。 男は女を手で制すると、叩かれたらしい窓を開けた。 すると、そこにいたのは一羽の黒い鳥だった。] ご心配なく。 私の鴉です。 [ 男は鳥な頭に指をかざす。 鴉は魔法を使ったメッセンジャーであり男に伝言をつたえていた。] ……目当てのものが見つかった様です。 [ それは女にとって吉報であり、凶兆であった。] (113) 2022/03/17(Thu) 0:19:23 |
【人】 商人 J近々オークションが開催されます。 どうやらそこに出品されるらしい。 [ それこそケリオス商会の催す闇オークションであり、出品者はこの男自身に他ならないのだが。] 青の宝石を抱く翼のブローチ。 今度こそ当たりの様ですね。 [黒い鴉が翼を大きくはためかせて飛んでいった。] (114) 2022/03/17(Thu) 0:20:08 |
【人】 商人 J[ 男が女に伝えたのはオークションの開かれる場所と日時。 それは契約者の期限となる最後の日で、場所はスラム街の一角であった。] どうします? 私に任せますか? それとも一緒に行きますか? [ 男は薄笑みのまま女を見つめていた。]* (115) 2022/03/17(Thu) 0:20:40 |
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