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人狼物語 三日月国


40 【完全RP】湯煙に隠れる吐息【R18】

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視点:


【人】 美雲居 月子

  ──中庭にて


[ 握り返された手。
甘い言葉が降り注ぐ。

そのW月Wが何を意味するのか、
聞くのはきっと野暮だろう。

彼の方に体ごと向けて、
そっと頬に触れた。
困ったように寄せた眉。
重なったのは瞳と、手。

手のひらに落とされた口づけに、
ぞくぞく、と腕から痺れに似たものが
走って唇を軽く結んだ。]*

 
(4) 2020/08/10(Mon) 0:51:02
美雲居 月子は、メモを貼った。
(a7) 2020/08/10(Mon) 0:55:15

【人】 美雲居 月子



[ 指先が唇に触れる。
そのまま感触を楽しむように
ふにふにと動かされるから。
そっと目線だけで見上げて、
その指先をちゅ、と吸った。

差し出された腕にまた己の腕を絡めて、
部屋へと向かう。
先ほど、庭に出て行くときよりも
少しばかり雰囲気が変わったような
気がするなあ、と思案しながら、
となりの男をちら、と見上げて歩み。
百日紅と書かれた戸をくぐった。]
 
(9) 2020/08/10(Mon) 1:44:15
美雲居 月子は、メモを貼った。
(a11) 2020/08/10(Mon) 12:58:15

美雲居 月子は、メモを貼った。
(a13) 2020/08/10(Mon) 19:52:07

美雲居 月子は、メモを貼った。
(a16) 2020/08/10(Mon) 23:11:17

【人】 美雲居 月子


[ 運ばれる途中に落ちた浴衣に
手を伸ばして引き寄せ。
それを肩にかけて、腕を通す。
前は開けたまま、黒髪を
軽く結い上げるように片手で持ち上げる。]



   はぁ、うちは身体流してくるけど…
   黎哉さん、どないしはります?


[ そう問いかける。
恋人ごっこは終わり。
すっかり甘やかな雰囲気の抜けた女は、
少しばかり丈の長い浴衣を畳に擦りながら
足を浴室の方へ向けるだろう。]*

 
(48) 2020/08/11(Tue) 1:15:03

【人】 美雲居 月子

 ──それから


[ 男と別れ、再び浴衣をきっちりと
その身に纏った女は、百日紅の部屋を出る。

売店で、水の一本でも買っておこうと
思ったからであった。

ちなみに現在腹はかなり空いているし、
このままだと売店で何かしらを買うか、
部屋に残しているお土産用の
かわいいうさぎの温泉饅頭を
開けて食べてしまいそう。

夕食はそろそろ部屋に運ばれて
くるのだろうか。

食事も重要なリサーチだ。
一人で食べるというのも少しばかり
味気ない気もするが仕方があるまい。

のんびりと一人、ふらり。

古い着物の生地で作られた、
兎を模した小さな小銭入れを
落としたことに気づかぬまま。]*
 
(52) 2020/08/11(Tue) 7:12:26

【人】 美雲居 月子

  ──百日紅



    そうやって他の女の子にも
    いうてはるんやろ?

    ほんま、悪い男やわぁ


[ と笑うと、己と同じ感想が返ってくる。
耳に落ちた唇に、ぴくりと体を震わせた。]
  
(56) 2020/08/11(Tue) 8:50:34

【人】 美雲居 月子



[ 問いかけへの答えにふふ、と笑って。]


   そやなァ、ほな、2人だけで
   W混浴Wしましょ?


[ と歩き出す。
彼が後ろから来るのはわかっていたから
くるりと振り返り、その胸に触れて、
そっと見上げれば。]



   先に行っといて?
   うち、シャワーで流してからいくさかいに



[ と告げて、檜造りの丸風呂が見える
ガラスの大窓の方を暗に視線で示して。
つう、と肌を撫でてから離し、
己はその隣にある、内風呂らしき
戸の方へと足を運ぶ。]
 
(57) 2020/08/11(Tue) 8:51:14

【人】 美雲居 月子


[ 引き戸を開き、中へ入れば、
脱衣所のカゴに浴衣を落として
シャワーをひねった。

一通り流して、バスタオルでさっと拭くと、
そのままそれを身体に巻きつけて、
露天の方へと向かおうか。

からからとガラス戸を開くと、
水の流れる音がする。
浴槽と同じ木材でできた湯口から、
ふんだんにお湯が注がれていた。

鼻をくすぐるのは檜と、湯の香り。
すう、と鼻腔の奥まで吸い込んで、
口元を緩めた。
竹柵で囲われているものの、
出張った屋根との間からは空ものぞめる。
木々がざわめく音がした。]

 
(58) 2020/08/11(Tue) 8:51:34

【人】 美雲居 月子



[ 彼が既に湯に浸かっているなら、
そちらに微笑みかけて、
するりと、身体に巻いたバスタオルを
外して置き、片手桶を右手に、浴槽近くに
跪く。その湯を掬って、肩から掛けた。

掛け湯が終われば桶を立てかけ、
足先からゆっくりと段差に下ろす。
程よい湯加減がじわりと肌を包んでいけば、
ゆっくりと体を沈めて「ほぅ」と息を吐いた。]



    ええお湯やねぇ


[ と見上げた空には、月が浮かぶ。
湯を手のひらで掬い、また肩にかけた。]

 
(59) 2020/08/11(Tue) 8:51:55

【人】 美雲居 月子




    黎哉さんは───映画は好き?


[ そんな下らない問いかけを投げる。
戯れだ。彼が応じないならそれまで。
黙ってその肌を寄せよう。]*

 
(60) 2020/08/11(Tue) 8:52:24

【人】 美雲居 月子

  ───5年前の話


[ 「月子、手伝うてや」と母に
言われたのは当日の朝だった。

美雲居の営む旅館には古い茶室がある。
元は、曽祖母の趣味だったらしいが、
亡くなってからというもの、
その部屋は暫くの間放置されていた。

そこを茶室体験に使うのはどうかと
提案したのは外から来た父であったらしい。

京都には外国人観光客も多い。
また、日本人でも普段なかなか茶室で
点前をいただくなどという体験はすることが
ないから、なかなかに人気で
その提案は大成功だったと言えるだろう。]

 
(61) 2020/08/11(Tue) 10:00:17

【人】 美雲居 月子



[ さて、そこに英国人のツアー客を連れた
大学生ボランティアが来たのは5年と少し前。>>46
大抵、母と兄が対応するのだけれど、
その日は兄が外していて、代わりにわたしに
白羽の矢が立ってしまったのだった。

長く伸ばした黒髪を結い上げて、
背筋を伸ばし、凛とした姿勢で
同席した茶会。ふと、学生ボランティアの
1人と目があったなら、柔く口元を
綻ばせて微笑みかける。

その後も数度利用があれば、
印象的な銀髪に、ふと目を奪われて、
名前の一つでもたずねてみただろう。]

 
(62) 2020/08/11(Tue) 10:00:44

【人】 美雲居 月子


[ 卒業したのであろう彼は、その後
同じボランティアが宿を利用しても
姿を見せることはなかった。
だが、ある日、宿泊リストに
知った名前が並んだのを見て目を瞬かせる。
当日、あの頃よりもキリッと
大人の男性の雰囲気を纏った彼が
現れれば、初めて目があったあの時と
同じように微笑みかけて。]



    えらい、ひさしぶりですねぇ


[ と声をかけた。
「また寄してくださいね」と見送ったが、
ただ、その一度きりであったのだろう。
時をかけて、少しずつ薄れた記憶は、
目端に銀が映ったとて、気づかぬほどに。]*

 
(63) 2020/08/11(Tue) 10:01:04

【人】 美雲居 月子

  ──廊下にて



[ かさ、と袋が鳴る。
湯上りに火照った肌をぱたぱた仰ぎながら、
少し赤みを帯び、しっとりと濡れた項を
結い上げた髪の下に晒して、
女は部屋へとのんびり戻っていた。

結局、数ある海鮮系のおつまみに
目を奪われて、水を一本と、ほかにも
いくつか買ってしまった。
たこの唐揚げ煎餅も然り。

夕飯がくるとわかっているのに
抗えなかったのは、魅力的な
商品説明のせいだと頷いて。]

 
(64) 2020/08/11(Tue) 10:20:39

【人】 美雲居 月子



[ ふと後ろからかかった声に、>>55
足を止め、そっと振り返る。
差し出されたそれに目を向け、
「あら」と小さく声を漏らした。

帯に挟んだつもりだったのだけれど
落ちてしまっていたのか、と確認して。]



    ほんまや、うちのです。

    お兄さんおおきに。


[ と微笑みかけて、受け取るだろう。]

 
(65) 2020/08/11(Tue) 10:21:05

【人】 美雲居 月子




   なんか…お礼さしてください

    …そやなあ…
    あァ、お兄さんお夕飯は?
    予約されてはる?

   されてるんやったら一緒にどうです?
   お酒でもご馳走させてくださいな。


[ と提案を投げて。]*
(66) 2020/08/11(Tue) 10:21:19
美雲居 月子は、メモを貼った。
(a26) 2020/08/11(Tue) 10:27:08

【人】 美雲居 月子

 ──客室露天風呂


[ す、と体を寄せて肌を触れ合わせる。
ぴったりと吸い付くように。

肩をその手が抱く。
無骨で太い指。女の肩をすっかり
覆ってしまうほど広い掌。

微笑み、こてりと首を倒して、
彼の肩に置き、見上げた。]

 
(80) 2020/08/11(Tue) 12:43:55

【人】 美雲居 月子




   ───そう。

   どういう映画が好き?
   サスペンス、ホラー、パニック、コメディ…
   色々あるやない?
   

[ そう続けて尋ね、それから
一番好きな映画についても聞いてみようか。]*

 
(81) 2020/08/11(Tue) 12:44:17

【人】 美雲居 月子

  ──客室露天風呂


[ 彼が一つずつ答えてくれるのを
「うん……うん」と小さく
同意を落としながら聞いていた。

返ってきた問いに「うーん」と
小さく唸るように思案して。]


   映画って、ぜぇんぶ、嘘やんか


[ と湯面に視線を落とした。
ゆらゆら、揺れる。白熱灯の間接照明が
ぼんやりと照らす温泉は、その色を受けて
橙に染まっているように見えた。]

 
(100) 2020/08/11(Tue) 17:32:52

【人】 美雲居 月子




   ぜぇんぶ、嘘で、こんなこと
   起きるわけないてわかってて。
   作り物やから、どれだけええ話でも
   共感できても、───憧れても、
   なにもかもエンドロールが流れたら、
   そこにホンモノはひとつもない。


[ でも、と置いて、息を吸う。
少しだけ彼の方に身を寄せた。]


    それでも、憧れるから、
    何回も見てしまうんやろなぁ……


[ と眉尻を下げて。
答えになってないな、と笑った。]

 
(101) 2020/08/11(Tue) 17:33:17

【人】 美雲居 月子




   あァ、でも邦画のコメディは好き。
   なぁんも考えずに笑いたいとき、ね。   


[ 彼のに回った手を、抱かれたのと
反対の手で絡めとり、ゆっくりと
腰まで下ろして体をよじり]



   楽しかった。
   おおきに、ありがとう。


[ とその首筋に顔を寄せて、
口づけをひとつ落とした。]*
 
(102) 2020/08/11(Tue) 17:33:32

【人】 美雲居 月子

  ───客室露天風呂




   そう、なんかなァ


[ もし、そうだとしても。
───ああ、この考えはやめよう。]



   うちは好きやけどね、恋愛映画。


[ 彼とわたしは少し似ている。
きっと、正反対だけれど、似ている。
だがそれを口にすることはせず。
そっと身を寄せて、首筋にキスを。]

 
(124) 2020/08/11(Tue) 21:49:29

【人】 美雲居 月子



[ 離れてすぐ近くで見つめれば、
ご褒美を、という言葉とともに
唇が重なった。]



    ん、っぅ───


[ 鼻からくぐもった声が漏れる。
身動ぐと、ちゃぷ、と湯が音を立てた。

互いの口内をしばらく味わうと、
ゆっくりと離し、薄くまぶたを開く。]

 
(125) 2020/08/11(Tue) 21:49:56

【人】 美雲居 月子




   ……のぼせそう……


[ 吐息まじりに囁き。
絡めたままだった指を解いた。
触れた肌を離して、掬った湯を肩にかけ。]


    ───うち、そろそろ上がるわ

   黎哉さん、もうちょっと居はる?


[ と問いかけて。]*

 
(126) 2020/08/11(Tue) 21:50:13

【人】 美雲居 月子

  ───廊下


[ 渡された小銭入れを今度こそ
きちんと帯に挟んで、お礼をしたいと
提案を伝えると返ってきた答えに。>>117]



   うちはお兄さんの目から見て
   美人やの? ふふ、うれしわあ


[ と口元を緩める。
連れ、と言われて一瞬の思案の後、
示された首の跡に「ああ」と頷いて。
その言葉と反して穏やかな表情に
きっと食えない人なのだろうなと、
すう、とまぶたを細めて。]



   お兄さんもここの噂、知ってて
   来はったんやったらわかるやろ?


  
(129) 2020/08/11(Tue) 22:14:29

【人】 美雲居 月子


[ ふと、目についたのは
彼の左手の薬指。そこに目を落として、
視線だけを彼の方に向けて。
白い指を伸ばして、その手を取り、
親指でつつう、と残っている跡をなぞる。]



   お兄さんこそ……
   悪いこと、しにきはったん?


[ と眉尻を下げて尋ねれば。]
 
(130) 2020/08/11(Tue) 22:17:22

【人】 美雲居 月子




   うちかて厄介事は御免やけど…

   おひとりさまってことなら、喜んで。


[ そう彼の言葉をそっくりそのまま
にっこり笑って返そう。]*

 
(131) 2020/08/11(Tue) 22:17:29

【人】 美雲居 月子


[ 目を細め、聞かれた言葉に、
片目を眇め、唇を緩める。]


   いいや?
   小さい時から素直でええ子、
   いわれてきたさかい、
   そんなん言われたんは初めてやわぁ


[ とこれまたすっとぼけ。]

 
(144) 2020/08/11(Tue) 23:45:09

【人】 美雲居 月子



[ 反撃とばかりに返した言葉に
彼は破顔して、笑ってくれるから、
こちらも柔らかい笑みを浮かべた。

手指が絡められ、握られる。
顔が近づき、そのまま口付けられるのかと
閉じかけたまぶただが、頬の横を過ぎ、
項に唇が落ちれば、そちらを横目に見て。
離れていく彼をそのまま視線で追い。]


   キスしてくれるんかと思ぉた


[ と問いかけへの返答でも
なんでもない言葉を返して、
少しだけ背伸びを。
そのまま、彼に触れるだけの
口づけをして、満足げに微笑めば。]

 
(145) 2020/08/11(Tue) 23:45:37

【人】 美雲居 月子




   うちは百日紅。

   他の部屋も見てみたいし、
   そんなら、お邪魔さしてもろても?


[ と首を傾げて指を絡めて握ったまま、
彼の部屋へと歩いていった。]*

 
(146) 2020/08/11(Tue) 23:46:01

【人】 美雲居 月子

  ───廊下


[ 特大の猫、という言葉に
きょとんと目を瞬かせてから]



   そぉ? それやったら、
   うち、跳ねっ返りになろかな


[ と得意げに笑う。]
 
(157) 2020/08/12(Wed) 1:06:17

【人】 美雲居 月子




   お兄さんは、旅館とか、ホテルとか
   中探検したいと思わへんの?
 
   うちは、自分の部屋はもちろん、
   他どんな部屋があるんかなあて、
   気になってしまうたちでなァ…

   普通の和室、いうたかて、
   うちの部屋とは生けられてる花も、
   間取りもちがうやろから、楽しみやわ
   

[ 言葉の通り、好奇心で心を満たして、
いそいそと彼の部屋へと向かった。]*

 
(158) 2020/08/12(Wed) 1:06:58

【人】 美雲居 月子

  ───椿の間

[ 開いた扉の奥に広がるのは、
己の部屋よりも少しばかり小ぶりな、
しかし美しく整えられた部屋だった。

かすかに石鹸のような香りがするのは
彼のしっとりとした髪から察することは
容易だった。

一番奥には広縁に置かれた籐の椅子と机。
ガラス戸の向こうに広がるのは、
山の木々であろう影と、空。
その手前には、行灯の柔らかな光に
照らされた、白い布団がある。]

 
(159) 2020/08/12(Wed) 1:07:34

【人】 美雲居 月子




   おおきに


[ 促されれば礼を伝えて。
それとも、と続けられた提案に、
再びそちらに目を遣る。]


   うち、お酒はあんまり強ないから
   遠慮しとくわ。

   お腹すくこと、なァ…


[ そう言いながらゆっくりと
彼の方へと近づいて、その胸に
そっと掌を添えて。]
 
(160) 2020/08/12(Wed) 1:07:52

【人】 美雲居 月子




   途中で夕餉が来たらどないする?

   我慢は嫌やし…

   …うちのこと、ゆっくり、味おうてくれんの?


[ と首を傾げて。]*

 
(161) 2020/08/12(Wed) 1:08:23
美雲居 月子は、メモを貼った。
(a40) 2020/08/12(Wed) 1:22:54

美雲居 月子は、メモを貼った。
(a41) 2020/08/12(Wed) 1:23:21

【人】 美雲居 月子

  ──廊下


[ 彼のコメントにからから笑う。>>162
食えない人だと思っていたが、
存外子供みたいなところがあるらしい。
───否、思春期か。]


   うちの部屋は客室露天風呂が
   あるさかい、女子風呂にはまだ
   行ってなくてなぁ…


[ 堪忍な、とその内装を伝えることが
できないことをわざとらしく
申し訳なさそうに謝った。]

 
(165) 2020/08/12(Wed) 9:27:33

【人】 美雲居 月子





[ 彼の部屋を一通り見て回る。
やはり生けられている花は違う。
それぞれの部屋にその名前を称した
花を生けているのかと思っていたが、
なかなか季節柄そういうわけにも
いかないのだろう。
また、掛け軸も異なっていた。]



   おつまみやったらうちの持ってた
   袋の中にも入ってるさかい、
   出してもろてええよ。



[ まさか、たこ唐揚げ煎餅が
かぶっているとは知らずに伝えて。
机の上に並んでいるそれを見つければ>>163
「おんなじのやわ」と笑った。]
 
(166) 2020/08/12(Wed) 9:28:13

【人】 美雲居 月子



[ 見て終われば、彼の近くへと
膝を折って座る。
傾げた首。腰に彼の手が回る。
そのまま引き寄せられて、
体勢が崩れれば、左手を彼の腿の上に
ついて、落ちてくる口づけ受け入れて、
睫毛の先を見るように瞼をゆっくり閉じた。]
 
(167) 2020/08/12(Wed) 9:28:36

【人】 美雲居 月子



[ 徐々にぼんやりとしてくる頭は、
外から聞こえた人の声にじわじわと
その正気を取り戻す。
それと同時に唇が、舌が離れていくから。
追うように外気に触れた舌先を
引っ込めて、唇を結び、軽く舐めた。

おしまい、と囁かれた吐息に、
こく、とゆっくり頷いてその瞳を見遣る目は、
とろりととろけるように潤み、
頬は少しばかり紅潮しているだろう。

まつげを伏せるように下を向いて、
下腹の奥の切ない感覚を宥めた。

身体を離して彼の前へと移動する。
腰掛けた座椅子は冷たくて、
溜まった熱が逃げていく気がした。]*

 
(168) 2020/08/12(Wed) 9:29:41
美雲居 月子は、メモを貼った。
(a45) 2020/08/12(Wed) 10:06:38

【人】 美雲居 月子

  ───椿


[ 正座をして、息を吐いた頃、
「失礼します」と声がかかって、
襖がゆっくりと開いた。

三つ指をついて礼をし、
食事をお持ちしましたと伝えてくれる
仲居さんにこちらも軽く頭を下げ。

一品ずつ、座卓に並べられていく料理は
どれも彩り鮮やかで、美しいものばかり。]

 
(176) 2020/08/12(Wed) 12:01:31

【人】 美雲居 月子



[ 先附けは蛸の梅肉和え。
じゅんさいの上に盛られた三枚落としの蛸は
あざやかな薄紅色。
細かく刻まれたあさつきと、梅肉の和えられた
おろし大根がその上に彩りを添えている。
かかっているのは出汁か、土佐酢か。

冷製茶碗の中には胡麻豆腐。
翡翠茄子の若草色が彩りを添えている。
白味噌で仕立てられているとのことだが
口にしなくとも、その芳醇な甘みと、
深みがうかがえた。

向附けには新鮮な刺身と、生しらす。
昆布〆にしているのであろう、真鯛と
湯霜のふった貝柱。添えられたすだち。
隠し包丁が入れられており、
その手作業の丁寧さがよくわかる。

鍋物には鱧。
すり下ろした玉葱とともに煮込んで
柚子胡椒でいただくらしい。
受け台の下の固形燃料に
灯された火がゆらゆら揺れた。]

 
(178) 2020/08/12(Wed) 12:01:56

【人】 美雲居 月子



[ 他にも八寸、炊き合、焼き物、油物、
留椀、香の物、御飯と全てが
出てしまえば座卓は2人分の夕餉で
いっぱいになってしまうだろう。

それをきちんと聞いていた、のに。
彼の足先は正面から、ぴったりと閉じた
己の腿の隙間を縫うようになぞるから。]



    ───っ 
ン、




[ 思わず漏れ出そうになる声を
指先で押さえて、彼の方を睨んだ。]
 
(179) 2020/08/12(Wed) 12:02:19

【人】 美雲居 月子



[ 震える身体をなんとかとどめ、
下がっていく仲居さんに ]



   おおきに、っ…



[ 伝えた礼は最後が吐息に混ざってしまった。

ぱたりと閉じた襖。
足音が遠ざかっていくのを確認して、
また彼の方を見る。
素知らぬ顔をして食べようか、
などというこの男はやはり食えない。

悪戯に体に添えられたままの足を
その先からするりと撫でて。]
 
(180) 2020/08/12(Wed) 12:03:01

【人】 美雲居 月子





   …はぁ、お兄さんちょっと
   足癖が悪いんと違う?


[ と目つきは睨んだまま、
にっこりと口角を上げて。]



   そんなに待ちきれんの?
   こぉんな、悪戯するくらい。


[ 「悪い子ぉやなあ」と足首のくぼみを
くるり、指先でなぞった。]*

 
(181) 2020/08/12(Wed) 12:03:21

【人】 美雲居 月子

  ───椿


[ のらりくらり、ふわり。
またかわされて、細められた目に
不満げに唇を尖らせる。
そのまま、つつ、と動かした指。
瞬間、引かれた足と同時に、
ガンッと大きな音がして、料理の盛られた
美しい皿たちが1センチずつくらい
宙に浮いた気がして。>>183

驚いて跳ねた肩をそのままに、
目をまん丸にして、そちらを見遣る。

続いて響いた悲痛な叫びと、
旋毛をこちらに向けて突っ伏した
目の前の男の姿に、眉尻がすす、と下がり、
「ふ、」と噴き出す。]

 
(188) 2020/08/12(Wed) 14:44:12

【人】 美雲居 月子




   あっはははは!
  なんやの、あかん、めっちゃおかしい、
  ふくく、いける…?ふふ、あとで、
  青たんにならんよに、祈っと、ふく、くく…



[ 耐え切れないとばかりに肩を震わせ、
口元を覆って背中を丸めて俯く。
彼は機嫌を損ねてしまうだろうか。
損ねてしまうなら「堪忍」とまた
くしゃくしゃの笑みで謝って。

半ば涙も滲みそうなほどツボに入って
散々笑ってしまえば、ふう、と息を吐いた。]

 
(189) 2020/08/12(Wed) 14:44:34

【人】 美雲居 月子



    
   お兄さんも食えへんお人やなあと
   思うてたんやけど…なんや、
   えらいかぁいらしいところもあるなぁ


[ と言って、己も箸を取る。
いただきます、と手を合わせて、
まず口に入れた蛸は、程よい酸味と
出汁の旨味が効いていて、
あとからじんわり甘みに似たものがくる。]


   ん、 美味し


[ と笑顔そのままに感想をこぼし、
いそいそと箸を進めるのだった。]*
 
(190) 2020/08/12(Wed) 14:45:29

【人】 美雲居 月子



[ 途中、いいお酒を頼んで持ってきてもらえば、
グラスは二つつけられていて。
迷った挙句、少しだけ、と
飲んだ日本酒は、すっきりとしていて
とても飲みやすかった。

ちびちび啜っていたものの、
すっかり座卓の器がすべて空になる頃には、
女の肌は火照り、瞳は潤んでいるだろう。
そう回っているわけではない。
ただ、美味しい料理につい、
少々進んでしまっただけだ。
意識もなにもかもはっきりしているから、
酔っているというわけではない。

温かいお茶が食後に出される。
それをふうふうと吹いて冷まし、
ゆっくりと飲み込んだ。]
 
(191) 2020/08/12(Wed) 14:45:48

【人】 美雲居 月子




   美味しかったなァ



[ と感想を述べて、湯呑みを置く。
手のひらでぱたぱた扇ぐ首筋。
襟元の合わせを少しだけ、緩めて
息を吐いた。]*

 
(192) 2020/08/12(Wed) 14:46:04

【人】 美雲居 月子

  ───椿




   あら?可愛らしいは
   褒め言葉やんか。


[ ふふ、と笑ってもうひとくち。
口に運んでは、舌鼓を打った。

彼の方がずいぶん早く食べ終われば
すぐ隣に来てくれるから。
世間話をしながら時折そちらをみては]



   はい、あーん


[ と彼の口元に箸で料理を運び、
食べてくれるのをにこにこ見つめてみたり。
傾けているグラスの中から少しずつ
酒が減っていくのを眺めてみたり。]

 
(206) 2020/08/12(Wed) 20:08:32

【人】 美雲居 月子



[ そんなことをしながら進めた酒と食事に
すっかり肌が火照ってしまえば
扇ぎながら息を吐いた。]


   酔うてはないのやけど…
   なんや、ふわふわしてるわ


[ ととろりとした目をそちらに向けて微笑む。
己の頬に当てた手の甲で温度を確かめれば
たしかにいつもよりも熱かった。]*

 
(207) 2020/08/12(Wed) 20:08:50

【人】 美雲居 月子

  ───百日紅


[ ふ、と目が覚めた。
どうやら落ちていたらしい。] 



  ───…黎哉さん?


[ 小さく名前を呼んでみるけれど、
返事はなく。人の気配もしない。
己の体にかけられている布団。
誰もいない隣。そっと触れるけれど、
そこはしっとりと濡れているだけで、
熱は揮発して、なくなっていた。]

 
(233) 2020/08/13(Thu) 6:11:12

【人】 美雲居 月子



[ 行ってしまったのか。
別れもいえなかった。
お礼も、いえなかった。

彼のまっすぐ射抜くような目を、
直接届く、取り繕わない言葉を、
思い出して息を吐いた。

わたしとは正反対で、
わたしとよく似た人。

あの目を、熱を、きっと、
わたしは忘れないだろう。
情熱的に求められることの喜びを
教えてくれたのだ。

気怠い体をゆっくり起こす。
流したはずの汗がまた体をしっとりと包むから
またひとり、温泉に浸かろうとガラス戸の方へ
向かうのだった。]*

 
(234) 2020/08/13(Thu) 6:11:36
美雲居 月子は、メモを貼った。
(a55) 2020/08/13(Thu) 6:13:28

美雲居 月子は、メモを貼った。
(a56) 2020/08/13(Thu) 6:15:10

【人】 美雲居 月子


[ 映画が好きかどうか。
彼へ問いかけたくせに、自分は
うまく答えることができなかった。

人に言わせればきっとわたしは、
W映画好きWに分類されるのだろう。
だが、それは少し違う。

映画は好きだけれど、嫌いだ。
手の届かない憧れが、そこに
あることの方が多いから。

友情も、強さも、愛情も
それらはとてもドラマチックに描かれる。
それは悲恋でさえも、美しいものに変える。

たった1人の大切な人を見つける。
自分の手で、掴もうと足掻く。
それをできないわたしは───]

 
(237) 2020/08/13(Thu) 11:33:03

【人】 美雲居 月子




   ───


[ 先ほどまでそこにあった人肌はもうない。
ひとり、湯に浸かってぼんやり見上げた
月は、空にただじっと佇んでいて。]



   うちも、あんたも、1人やなぁ



[ 小さく落とした言葉は、湯口から
注がれる水音が掻き消してくれた。]

(238) 2020/08/13(Thu) 11:33:57

【人】 美雲居 月子



[ 月を見ると思い出す映画がある。
自由を求めて生きる女性。
何にも囚われず、誰にも指図されない、
そんなきままな人生を歩むために、
己を縛るものから逃げてきた。

そんな彼女が、劇中で歌う歌がある。
故郷を思い、かつての希望を失わぬよう、
失望や落胆を経験しても、いつかきっと、
幸せを見つけて見せる、そんな、
柔らかなメロディに乗せた、
決意ともとれるような歌。]

(239) 2020/08/13(Thu) 11:35:13

【人】 美雲居 月子




[ 自由を求めて生きた彼女が
最後に選んだのは愛だった。

わたしはそこにいけない。
届かない。

だって、わたしの未来は、
生まれた時からずっと、決まってるから。

きっと、今日が最後。
わたしの本当に自由な日。
最高の夜にしなきゃいけない。
これから先、何があっても生きていけるよう。

静かに湯から上がる。
しっとりとした肌を柔らかなタオルで拭いて、
もう一度浴衣に袖を通した。

乱れた布団を横目に、フロントへ連絡を入れ、
小さなうさぎの小銭入れを持って、売店へと
水を買いに足を運んだのだった。]**

 
(240) 2020/08/13(Thu) 11:35:57