[どれくらいぶりかに思える自分を呼ぶ声に安堵の息を吐く。
不思議そうなのはまだ寝ぼけているからだろうか。
還って来た後はオレもそんな感じだったなと随分前のことみたいに思う。]
ああ、本物だ。
ちゃんと此処にいる。
[生きて此処にいる。オレも、彼女も。
夢の中ではずっと側にはいたのだけど、こうして声が届くことが、触れられることが、まるで夢みたいだけど現実だ。]
ありがとう、還ってきてくれて。
[還る希望をオレに持ってくれて。]
……頑張ったな。
[泣かないと気を張らせてしまったこととか、いろいろ。
夢の中でのままならないこと沢山。
なんのこと言ってるかわからないかもしれないけど、きつかっただろう諸々を思い返して頭を撫でた。]*