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人狼物語 三日月国


174 完全RP村【crush apple〜誰の林檎が砕けたの?】

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[そして出来るなら。
私に沢山のものをくれた二人のことを、側で見守っていけたらいいと思う。

傷つけて、逃げて、寄り添えなかった、頼りにしてといったのに、頼りになる存在として存在出来なかった自分だけど。

この生死の狭間で何回も後悔した、そのことを抱えて生きていきたいから。

現実に戻って、これから私も傷ついたり、それでも前に進んだりしなければいけない。
そのときに逃げたくないから。

本当に頼れる存在になって、二人のことを見守りたい

そしてそれが許されなくても、やりたいことは同じ。

傷つくことを恐れない人間になりたい。
私の前に、どんな形でも私を求めてくれる手が現れたとき、それを迷わず掴めるように。]


[やっぱり自信はないけれど、何度も言い聞かせれば逃げないんじゃないかとも思って。

私は何度も繰り返す。

逃げないで、と。

そしてその声に応えて、私の中の女性が私を支えてくれるのだ。

逃げてはダメ
と。]

──病院──

[物珍しいという理由でうろうろする場所ではないのはわかっているが。
もうじき目覚めるだろう顔を思い浮かべて、それから、次に呼ばれる最後の名前の受け止め方もまだ覚悟が出来なくてどうにも落ち着かずに廊下を歩いていた。

ふと顔を上げると蹲る小柄な人影が見えて。]

 ミサミサ?どっか具合悪いのか。

[駆け寄ってみれば、その視線は痛々しい痣を見つめていただろうか。
世界が一度真っ暗になる前にできたという痣と同じ場所だと記憶はしている。
しゃがみこんでいるのは新しくぶつけたりしたのか歩いたら痛み出したのか。]

 ちょ、ちょっと待ってろ。

[幸い病院だしと廊下を早足で看護士を探す。
状況を伝えて彼女の元まで連れて行けば、応急処置を施してくれただろう。]


 そういえば他に怪我とかないか。
 ほら、じゅじゅから来てなかったか?LINE。

[でかい痣に湿布か何かの処置がされて落ち着いたら、思い出して聞いてみる。

病室から動けないらしい彼女はおそらく他の皆に聞いているのだろうと思って。
もう返していたかもしれないけれど、ミサミサはあまりLINEに反応してた記憶がないもので。]

 ……、「脛が痛いですね・・」って返すのはどうだろう。

[他の怪我の有無も聞く前にそう得意げにアドバイスしておいた。]*

メモを貼った。


[不意に聞こえた、小泉さんの私の体を慮る言葉に、胸が締め付けられる。

三人で一緒にいてほしいと…今は松本さんを含めて四人だけど…そう願った。
津崎さんに生きていてほしいと願った。
そしてそれは同時に小泉さんの死を願う言葉。
許されなくてもいいから、そうなればいいと思っていた。

けれど、こうして、小泉さんのその言葉を聞いてしまうと。

私は本当に様々なものを研究室の皆からもらっていて、そこには勿論、小泉さんの姿もあった。
その小泉さんの死を願うこと。
それがとても苦しくて、本当は誰にも死んでほしくなくて。

それでも津崎さんに生きていてほしくて。

私が死ねば。その気持ちがある。でもそれは私ではなかったから。

津崎さんが生きていればいい。
それが小泉さんの死を願うことになったとしても。

改めて、そう、思った。]

──夢──

[よっしー先輩が焼いたのは猫型のクリームパン、バスの中でかわいいと言ったら気恥ずかしそうにぶっきらぼうな返事をしていたことを思い出す。

チョコペンで顔を描くのは結構難しそうだ。
くっきーの描いたちょっと不恰好な目のでかい猫を見て笑ってしまうけど、オレが描いたら多分ひどい出来になるのはわかっているので文句は受け付ける。
先輩がパン屋でどこまで担当してるか知らないけど上手いんわだろうなというのはわかっていたけど、まつもっちゃんがやたら上手いのも意外でまた笑ってしまった。

バスの中で猫パンは1/4はまつもっちゃん、1/4は徹っちんの腹に収まったはずだ。
焼き立ての美味さはまた格別なんだろうけど。]

[そう思えばこの4人の中ではくっきーだけ初めて食べるんだなと。

めちゃくちゃ美味そうに食ってる顔を顔を綻ばせて眺める。
そりゃ羨ましくはあるけどそこまで食い意地張ってないので申し訳なく思われてるとは思わなかったが。

かわいく出来上がった猫の顔を見ながら先輩のバイト先に虎型のパンを買いに行く約束のことを想って。

どうせ大量に虎のパンは買う気だったし還ったら買ってきてやろうかなと考えてから、一緒に行けば良いかと思い直した。]*

[そんなことを考えてたら、まつもっちゃんの声がして。
紡がれる言葉は、避けていても誰も責めたりしないだろう話題。
心の中に隠したままでも良い話。

生きてて欲しい誰かがいても、他の人に死んで欲しいわけじゃないし生きてて欲しい。
同時に叶わないとわかっているからといって、"願っていけないことではない"のだと初めて気づいた。


皆に生きていて欲しいけど、自分はいいからなんてオレには言えなくて。
その癖誰に生きてて欲しいかを明言することは、代わりに誰かの死を願うようなことだと思って出来なかったオレに伝えてくれた言葉をもう何度目か、思い出す。

それはまつもっちゃん自身が死ぬことが一番だと彼が思っていたからこそ、オレに罪悪感を抱かせないために言った言葉なんだろうって気づいてしまったから、やっぱりズルいなって思う。

だから、還ってきたら。
不本意な生還だとしても、困らせるとしても、「生きててよかった」って言うよ。

どちらの命が消えてしまったとしても。]*


[松本さんから紡がれた言の葉は酷く、私の胸を抉った。

それは私が決意したのと逆のこと。

小泉さんに死んでほしいわけではないけれど、津崎さんにより生きてほしいと願うなら、小泉さんに死を願わなければならないと考えていた私にとって、あまりに眩しい言葉。

どっちも生きていてくれ、それは願えなかった。

願えなかったその言葉を口にする松本さんを見て、私は涙を溢す。

なんて、綺麗な言葉なんだろう。

心の底から、他者の無事を祈る言葉。
人を犠牲にすることを良しとせず、最善を祈る言葉。
たとえそれが叶わなくとも、願っていけないわけではない。

それでも、人が死ぬことが分かっていてそれを願うのは、とても勇気のあることだ。]

本当に、皆、生きてたら…

[生きてたら良かった、私が死ねばよかった。
でも違うんだ、きっと、私が死ねばいいという話ではないんだ、これは。
皆で生きていたいんだ、皆で、帰りたかったんだ。
誰一人、欠けることなく。皆で。帰りたい。現実に。]

帰りたい…

[帰らせて、あの、誰一人欠けていなかった頃に。]

[覚悟を決めたつもりでいて、私は津崎さんの死の可能性から逃げているんだなって改めて気づく。
自覚すらないなんて驚きだ、改めて自分に呆れる。

津崎さんと松本さんに寄り添って生きていてほしい、黒崎さんやトラくんと三人揃ってヒーローズで楽しく生きていってほしい。
拒絶されても、今度は話を聞きにいきたい、伝えられなかったことを改めて伝えたい。なんて。

津崎さんが死んでしまったら、もう出来ないことなのに。
彼が生きている想定でいつも考えて。

もし、彼が死んでしまったらどうしよう、なんて、きっと考えないようにしていた。
…とりあえず、トラくんや松本さんに人となりを聞こうと思う。出来るなら黒崎さんにも。
私には出来なかったこと、本人に聞けなくなってしまった後でも諦めたくないのなら、そうするしかない。

そして、小泉さんがいなくなってしまったら。
こっちはもう、決まってる。
私は彼の居たパン屋に行く、たとえそこにもう本人は居なかったとしても。
出来るなら香坂さんや工藤さんと一緒に。
小泉さんの面影を追おうと思う、だって行くって約束したから。]

【現実・病室にて】
[涙に濡れながら目を覚まして、私は歩こうと思った。
考えてはいたことだった、親戚の目を盗めるかなんてことを私は気にしていた。

でも、話を聞きに行くのなら、殴られに行くのなら、お見舞いに行きたいのなら。

自分の足で歩かなければならない。

動いちゃダメと言われて、大人しく従っていたけれど。
それでいいのかと考えれば、良くないと思う。
だから、私は松葉杖を取った。
そして廊下に出る、一歩ずつ、一歩ずつ、ふらふらとよろめきながら]

メモを貼った。

[足が痛かった、痛かったけど、動けないわけじゃなかった。
支えを使っても、私は自分の力で着実に、前へ前へと進んでいた。

動けないと思っていたのは、私の思い込みだった。

出来ないと思ったのは、私の甘えだった。

痛みにさえ堪え忍べば、私はしっかりと前に進むことが出来た。

そして私は歩く、どこへともなく、ふらふらと。

やがてお見舞いをしよう、なんて気持ちになって。
真っ先に行こうと思ったのは、トラくんではなく、工藤さんの病室だった。

勿論、トラくんはお見舞いに来てくれた人だ。
ちゃんと対面して話したいこともある。

でも、私は工藤さんに会いたかった。
絵画の中の工藤さんとは違う、不器用で言葉足らずな工藤さん。
彼女に私は絵画の工藤さんに会わせてくれたお礼を言ったけれど、もう一つ言いたいことがあるから。]

[還ってきてくれることが、還ることを嬉しいと思ってくれることは待つ側への救いだ。

マスクの下は見えないけど、どこか機嫌の良さげな徹っちんを見る。
徹っちんには海外にいるばあちゃんのこととか、これからも続けるだろう歌のこととか、生きたい理由はたくさんあるはずで。

徹っちんはオレの持ってないもの、たくさん持っているから。
いつも褒めてくれるけど、オレが羨ましいと思うもの、憧れるものを徹っちんの方が持っているんだってこと、ちゃんと知っといてほしい。

だから、一人を忌まなくても。
生きたい理由の中にオレも在ってくれたら良いと思う。
くっきーやじゅじゅ、まつもっちゃんと、徹っちんを想う人の分だけ生きる理由があれば良いと願ってしまう。]

[先輩は死にたいと言ったけど、津崎が亡くなっていたらどうしようと言ったけど、先輩にも還りたい理由があるはずで。
あってほしくて。

先輩はそれを考えないように、自分が残ることを前提にずっと過ごしてきたのかもしれない。

それでも、この研究室の面々が少しでも還りたい理由であって欲しい。

もし還りたい>還りたくないが先輩の本心なのだとしても。
還った時に、それを悲しいと、申し訳ないと思って欲しくない。

偶々順番が違っただけでそれはオレも同じ立場だから、それは自分への戒めみたいなものかもしれない。]*

【現実・工藤さんの病室にて】

工藤さん、失礼します。

[痛む足で、私は工藤さんの病室を訪ねた。
LINEで先に、今から訪問します、とは送っておいたけど、そこに彼女は居ただろうか。
もし、居たなら、彼女に伝えたいことがある。]

工藤さん、まずはお怪我、大丈夫ですか?

[また痣が出来ている、とはいえ、私は以前の痣について詳しいところを知らないのだけど。
そうして、前置きをしてから、私は話す。
彼女に話しておきたかったことを。]

メモを貼った。


あなたに伝えたいことがあって来ました。
私は、絵画の中のあなたと話させてくれてありがとうと言ったけれど。

私は、これからあなたとも話していければと思っています。
こうして、二人とも現実に帰ってきて、私たち二人とも、これからがあるから。
否が応でもこれからがあるから。

だから、この先のあなたの人生に私を付き合わせて下さい。
私はそうしたいと思ってる。

[近々訪れる、津崎さんか小泉さんとの別れ。
彼女がその瞬間の痛みに共感してくれるとは、正直あまり思わないけれど。
でも、感じないわけではないはずで。

何かを喪い、生きていかねばならない痛みを彼女も感じるのなら。
死者の想いを拾おうとするなら、傍らで自分も拾わせてもらおうと思う。
それは痛みに向き合う上で、甘えなのかもしれないけれど、私はそういう経験を分かつべきだと思った。

生きていく上で辛いことを、誰かと分かつべきなのだと思う。
それは彼女だけではなく、皆にも当てはまること。

そして約束を、出来るなら彼女と香坂さんと三人で果たそうと思った。]

──病院・これは審議で脛──

[湿布は消えたというよりも、最初から存在しなかったのだろう。
 変色した肌をじっと見つめていると、武藤先輩が通りがかった。

 どっか具合悪いのか。
 はい。脛をぶつけました。

[駆け寄ってきた武藤先輩を見上げると、彼はすぐに看護師を連れてきた。
 別に骨が折れているわけでも無し、放っておけば数日で治るが、痛みは弱くなった。]


[甘えと形容したけど、逃げたいわけではなくて。

痛みから逃げたいわけじゃない、誰かの痛みに共感したい。

誰かが聞いて、と思うときに、どうしたの、と返せる人間になりたい。

自分の気持ちは自分のもので、気持ちそのものは分かつことは出来ないのかもしれないけれど。

そのときどう思ったのか、は聞くことが出来るから。

むしろ、聞かないことこそ逃げだと思うから。]


 誰かが私のために何かをした時。
 なんか落としたものを拾ったとか、こけたときに支えてくれたとか、そういうことしてくれた相手には「ありがとう」って言うと言い。
 私が嬉しかった時か、自分に利があったと感じれば。

[看護師にはおそらく怪訝な顔をされただろうか。工藤は気にするそぶりも見せず、看護師とじっと見つめ、「ありがとう。」と言った。それから武藤先輩のことも見上げると、]

 武藤先輩が看護師を連れてきました。ありがとう。

[黒目を動かすことなく言った。
 それから、しばらくの間黙り込んだ。
 LINEの件を言われて、こう答えた。]

 小泉先輩が私に利があることをしたので、今ここに居るのは私です。
 小泉先輩にはお礼を言いませんでした。そしてもう会わないかもしれません。

[抑揚無く、事実をなぞらえた。会話のテンポを掴むのが遅く、移り変わった話題についていけない。自然と流れを掴むことができる武藤先輩には、一瞬理解できなかったかもしれない。]

[特に小泉先輩の話題を続けるわけでもなく、LINEの話題に追いつく。]

 他に怪我とかないか。
 ありません。

[LINEには確かに連絡が来ていたが、返事はしていなかった。
 それからなぜかどや顔の先輩を見上げて]

 どうだろう。

[言いながらもLINEを開いた。]

『武藤先輩が「脛が痛いですね」って返すのはどうだろうと言いました。
 松本先輩は以前、親父ギャグのことを「年老いたおっさんは思ったことを無意識に口にしちまうらしい。それがオモロでもおもろくなくても」と言っていました。』

[悪意はない。]*

【少し先の夢の中・レストランにて】

[黒崎さんと松本さんのやり取りが耳に入る。

正直なところを言ってしまえば、私は松本さんが死にたいこと、仕方がないと思う。
一番最初、一人になったのを咎めたときにも私は、

“一人になりたいときには言ってほしい”と言った。

勝手に一人になったのを咎めたのであって、一人になったことそのものを咎めてはいない。

そして松本さんは、どうあっても皆の嫌がることは積極的にしない人だ。

死にたいというからには、それ相応の理由があって。
それが、あのとき二人でやり取りしたことにあるのなら。

いや、多分、きっとそうなんだと思う。

津崎さんが一人になりたくないときに、寄り添ってくれたのが松本さん。
だったら津崎さんが先に死んでしまったら、追いかけないわけがなくて。

それで、良いんだと思う。私たちが悲しいのとは別で。
津崎さんのことを想って死ぬのなら、それを津崎さんが止めないのなら、二人にとってはそれで良いんだと思う。]


[今の津崎さんの気持ちがあのときと一緒かは分からないけれど、私は津崎さんに“朝霞が生きてて良かったと思う”と言われたから、絵画の中の工藤さんを犠牲にしてきたから、生きようと思うところもあって。

死にたい気持ちもあるけれど、私を想ってくれた人の意思を無かったことにするのは嫌で。

もし、津崎さんが松本さんに一緒に死んでほしいといって、それを松本さんが了承して、二人が幸せなら。

私は多分悲しいし、松本さんに死にたい理由を聞くとは思うけど、死ぬことを咎めようとは思わない。
それは私には出来ない、望まれなかった、もしくは気づけなかった寄り添い方の形で。

松本さんが、私に死の重みを手渡してくれるなら、私は松本さんが死んでもいいと思っている。
ただ、最期に、死ぬときだけ、連絡してほしいと思う。
津崎さんを想って死んでいく人のことを、私はせめて覚えて生きていくから。]


[津崎さんが立ち上がり、厨房へと入っていく。
松本さんは追いかけなかったけど、私は姿が見えないわけで。
ううん、松本さんと二人きりという状況でもないなら、私はもう、津崎さんの側を出来る限り離れたくなくて。

だからそっと、厨房の中を覗く。]

──病院・ミサミサと──

[前にぶつけた場所と同じ場所ぶつけたんなら災難だなと思いつつ、お礼を言う理由は知っていたので、看護師が怪訝な顔をしていても、そうだなって顔で黙って聞いていた。]

 おう、ミサミサに利があったのはオレも嬉しいぞ。

[相変わらず真っ直ぐ見つめたまま告げられた礼に笑って返す。

それから、じゅじゅからのLINEの話をしたのに先輩の話が出てきたので少し目を丸くして、言っている意味を咀嚼している間に次の話題の返事が返ってきた。]

 ほかに怪我がないならよかったが…、

[スマホに文字を打ち込む文言が「脛が痛いですね」の一文より明らかに長い、オレが言ってたとは言わなくて良いと口を挟みかけたが更に親父ギャグの話を付け加えた当たりで降参した。]

 いや、まあ、ジョークと親父ギャグは紙一重なので…。
 じゅじゅもウケるはずだ、きっと…。

[ハメられたと言われた件をきっちり学んでいるな…と思えばオレが恥ずかしいことくらいは我慢しよう。]


 ……、先輩にも還ってきたらお礼言えばいいさ。

 そうだな、もし会えなくても…、
 ミサミサ自身のこと、これからも大事にしてやってくれ。
 先輩のおかげで此処にいるなら、それが一番嬉しいはずだから。

[それから漸く咀嚼し終わった先輩の話を今更出すのは混乱させたかもしれない。

絵の中と入れ替わったまま戻った可能性のことは理解してないけど、彼女が此処にいることを先輩は望んだのだということだけはわかったから。]*


[歌、好きなんだなと思った。
私にロマンチックな歌を歌ってくれたときも、ちょっとおどけた感じで、凄く綺麗な歌声で歌ってくれた。

私の愛がないと死にそう、か。

今、こんなに想っていれば、ともすれば彼は死なないだろうか。]



行って、トラくん、行って。

[黒崎さんと津崎さんが話すらしい。
でも、そこに私が居ていいものか、分からない。
でもトラくんは、絶対悪いなんてことない。
だって二人の親友なんだもの。

トラくんが近くにいるなら、私はトラくんをひっつかみ、ひたすら行ってと繰り返しただろう。

私は、迷ったけれど、行くことにした。
そこに私の存在する余地がないなら、離れるから。

それでも出来る限り一緒に居たいという気持ちを優先することにした。]

──夢・厨房──

[やがて小泉先輩が戻って来て、焼き上げの段階に入った
 工藤はうろうろと手元をのぞき込み、オーブンや溶き卵の温度を確認し、しまいには余った溶き卵に指を突っ込んで、付着した分を舐めた。]

 ……………………。

[やがて香ばしい香りと共にパンが焼き上がる
 皿の上で放熱している間、粗熱さえ取り切れぬ頃、やけどしない程度にまで冷めると、一つ手に取った。
 皿の上には相変わらず四つのパンがある。だが工藤の手元にもおさまった。]

メモを貼った。

[それをじっと見つめると、大きく口を開けてかぶりついた。]

………………………………。

[まだ熱い、ゆるいカスタードクリームが、断面から溢れそうになる。
 工藤は無言で咀嚼しながら、立ち上がる湯気を見つめた。
 その香気を嗅いだ。
 パンを半分に割って、生地のちぎれる弾力を感じた。
 冷めていくにつれて硬くなるクリームの流動性を確かめた。
 咀嚼して唾液と混ぜ合わせ、パン生地がまとまっていく速度を数えた。
 呼吸と共に鼻腔を抜ける香りを確かめた。
 鋭敏な五感を全て使って、小泉先輩の作ったクリームパンを観察した。
 一つを食べ終わると、もう一度手に取った。
 そして同じことを繰り返した。
 同じクリームパンでも、今度はもっと冷めていたから、一度目とは全く違う味だった。
 食べるたびに違う味になった。
 その記憶を体に刻み込んだ。]