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【念】 うたかたの ダニエラ空気の緊迫を感じ、息を呑む。 あなたの伝えた内容のほぼ大半は、きっと存外にすんなりと呑み込めた。 目を伏せる。 嫌な想像ばかり過るのは仕方のないことだ。 そうでなくとも、女はこの日、 …それでも。 「――残念です、ねえ。」 笑顔だ。感じた寂寥は声音に乗らない。 女はあなたと違って嘘つきだ。 いつもそうやって何かを誤魔化して生きている。 「とても優秀さんでしたから、助かっていたんですけどお」 結局泣き腫らしたままの赤い目だけれど関係はない。 今はただ、あなたの心残りにならないように。 少しでもあなたが、自分のことに集中できるように。 (!23) 2023/09/19(Tue) 21:49:43 |
【影】 うたかたの ダニエラ泣きじゃくる子どもが、いつだって心の中にいる。 行かないでって。ひとりにしないでって。 だけどそれを隠して笑ってきた。 今日だって、今だって、同じだ。 子どもの頃からずっと繰り返していることを、今も、ただ繰り返すだけ。 (&8) 2023/09/19(Tue) 21:50:05 |
【念】 うたかたの ダニエラ「……行ってくださあい。」 「ホテルは自分で、何とでもできますからあ。」 「あたしもここを、すぐ離れます。」 「…ふふ、何の備えもしていないわけじゃありませんから、大丈夫ですよお。」 「守られるだけのお姫様じゃ、ありませんしい」 それこそ顔のケアだとかは後回しだ。 デスク上に置いていた大切なものたちだけは確かに回収し、着々とここを離れる支度も済ませていく。 「落ち着いたら、また、連絡をくださいねえ」 「――お兄さん」 へらりと笑う。大丈夫。…きっと、また会える。 (!24) 2023/09/19(Tue) 21:51:02 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ「なーんだ、フラれちゃったよ」 いつでも待ってまーす、なんてこっちもあっさり。 バイトが増えるのは悪く無い事だ。 「かわいいすよ。家帰ったらもう玄関にいるんだもん。 ずっと面倒見てやれればいいんすけどねえ」 こーんなのが……と手でサイズを指し示したり。 今は無理かもしれないけれど、お勧めだけはしておくのだ。 ……情勢がどうなるのか、見通しは立たないが。 「厳し。風邪引いてんなら休ませてよ」 「でも、まあ、うん」 「いつも通りって安心材料ですからね」 「ちゃんと朝、待ってますから」 「……そっちは休むのかよ。寂し〜」 アハハ、と冗談も笑い飛ばして。 紙のカップを傾ければコーヒーも最後の一口だった。 猫がにゃあ、と鳴く。すっかり缶の中は空になって、 並んで座る人間二人を眺めていた。 (-471) 2023/09/19(Tue) 22:00:41 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡「… 仕事 です。」間延びした声はなりを潜め。 どこか沈痛な面持ちはそのままに。 「………… 本当は、様子を見に来ました。 」悪い事をした子どもみたいに不明瞭な声。 それでも聞き取れるくらいには発声した。 心配で、とはつけないところが素直じゃない。 そんな自分には、どこか自覚的だ。 (-473) 2023/09/19(Tue) 22:02:51 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「おう、そうか。 危ない橋だぞ」 見られたらどうすんだよ、なんて言葉は言うまでもないが。 掌に顎を乗せて、溜息のような息を漏らす。 ──牢獄の中でも、カウンターの中とまったく同じ。 実際はあなたが着たこと、そこにいること、 それそのものが嬉しいのに。 「んで。 様子はどうよ。 いつも通りだろ?」 へらりと笑う頬に、あざがぼこぼこと広がっていなければ、まあ。 (-475) 2023/09/19(Tue) 22:12:42 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 渡りに船 ロメオくすくす。 はあい、なんて笑って返し。 「おかえりなさい、してくれるんですねえ…」 ひとり暮らしだから、やっぱり少し羨ましい。 示されたサイズ感をエアもふもふしてみたり。触ったこと、ないけど。 「ふふ。まあそおいうことでえす。」 「いつも通りじゃなくっていいのは、日替わりメニューとシェフの気まぐれだけって相場は決まってるんですからあ」 「だからあたしも、ちゃあんと行きますよお」 「……気まぐれを楽しみにい」 風邪の日までお仕事したくありませんしいなんて嘯いて。 お仕事といえば。 「あ。…そう言えば仕事の途中でしたねえ」 「人助けをしてすっかり忘れちゃてましたあ」 「そろそろおいとま、しようかなって思いますう」 ちょうどコーヒーも飲み終えたし。猫もおなかいっぱいみたいだし。 (-483) 2023/09/19(Tue) 22:47:42 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡「…わかってます。」 「でも、A.C.Aに選抜されましたから…少しは誤魔化しが効く立場なんですよ。」 ヒラの巡査に比べたらの話。 さて、そうでなくても果たしてここに足を運んでいただろうか。 …意味のない自問だ。目を伏せて一蹴した。 「せっかくの色男が台無しですね。」 問いには苦い声。 乱視で少しぼやけているから、直視こそせずに済んでいる。 …本当はこんなところで会いたくもなかったし、こんな姿を見たくもなかった。 眼鏡はその、折衷案だ。 (-492) 2023/09/19(Tue) 23:05:55 |
【念】 うたかたの ダニエラネイルや靴や、豪華な食事。 女はただそれについては、曖昧な笑みを返すだけに済んだ。 そんな用途にこのお金を使ったことは1度もない。 使わなかった分は使わなかっただけ貯め込まれ、此度ようやく日の目を見たというわけだ。 つまり何ら痛手でもなかったという話だが、やっぱりそのことも結局あなたは知る由もない。 「はあい。じゃあ」 「…ご連絡、楽しみにしてますねえ」 このホテルを離れる準備を進めながら。 笑って女は、あなたを見送ったことだろう。 そうしてきちんとこのホテルも離れ。 次のアジトは、またあなたの知らない別のホテルなのだった。 (!27) 2023/09/19(Tue) 23:13:54 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「ならいいが。 この後のことを考えるとなあ」 困ったように頬をかく。そうするといてえ、と当然の悲鳴をあげて、びくんと顔をそらす。 牢の中のアレッサンドロはなんだか気が抜けたようで── いや、気のせいではなく、彼は何かに安堵し、満足していた。 場所と境遇とのギャップが、その違和感を不気味に縁取るかのようだ。 そんなことにも構わず、男はあなたの軽口に肩をすくめる。 「子供のころはずっとこんな感じだった。 成長すると色男になったわけだが」 だらしなくかいたあぐらの上で、気怠そうに足を組み直す。 「そういうお前も、なんだかしんどそうだな。 仕事が辛いか?」 からから。笑い声は、牢獄のなかにばかりこだました。 (-501) 2023/09/19(Tue) 23:31:07 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ「そうなんだよ。ちゃんとオレの足音、分かんだなって」 誰かが自分の帰りを迎えてくれるなんてこと、 今まではなかったから嬉しいのだ。 先行きに不安はあるものの、今の所、いいなと思っている。 「ハ。違いないすね」 「気まぐれで店閉めないように店長にも言っときますよ」 店長は平気だと言っていたから大丈夫だとは思うけれど、 この騒動の余波で店を休まれるのもなんだか嫌なので。 バイトの身ながらでも守れるものはあると思いたい。 「……ああ。そういえばあんたはそうでしたね」 「世話んなりました。多分もう大丈夫」 「な」 猫もナア、と鳴いた。くつくつとロメオは笑う。 「オレも解放されたし帰るとしますわ。……」 「じゃ」 「また店で」 猫が付いてくる様子はない事にそっと安堵しつつ、 貴女に背を向ければ後ろ手に軽く手を振った。 呼び止めなければ、きっとそのまま公園を後にするだろう。 (-508) 2023/09/19(Tue) 23:56:46 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡開きかけた口がその悲鳴で閉じる。 そのまま眉間に薄い皺を寄せた。 何でこっちまで痛くならなきゃいけないんだろう。 なんだか満足そうなのが、また、腹が立つ。 「…… 辛い、ですよ。 」だからちょっとくらい仕返ししてやってもいいかなと思った。 「…聞いてくださいよ。」 「いきなり上司さんがいなくなっちゃって」 「困ったことがあったら言えだとか」 「仕事に穴は空けないだとかいってたくせに」 「どおしたらいいかわかんないじゃないですか」 「あたし、これから誰に何を報告したらいいんですか」 少しずつ声が震えていく。 本当に。仕返しですら痛くさせるんだから理不尽だこんなの。 まだ言ってやりたいことはいくらでもあるけど熱くなった目頭に中断させられる。 泣いてなんかやりたくない。路頭に迷ってただ泣くなんて嫌だった。 (-514) 2023/09/20(Wed) 0:50:43 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 渡りに船 ロメオ「……いいなあ」 しみじみとつい漏れた。 本気で検討したいなと思う反面、 もしかしたらこんな状態じゃなくても元から自分は飼えなかったかもななんて薄く思う。 「ふふ、よろしくお願いしまあす。」 幾ら目かのお願い。厚かましい常連客だ。 空になった紙コップを丁寧に半分に折りたたむ。 「お返事できるんですねえ。」 「かしこおい。」 あなたと一緒にくすくす笑い。 「はあい。」 「またお店でえ。」 立ち去る背中に手を振った。 ゴミやら何やら回収した後、そうして女も仕事に戻った。 (-515) 2023/09/20(Wed) 1:06:26 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → うたかたの ダニエラはぁ〜〜〜〜っ、ため息が通話口から聞こえる。 そこに含まれる色が幾つ、電波という変換機に乗せられたか。 ……いいや、そんな事考える必要もない。 だって、いつだって傍に居るんだから。今も、きっと。 互いに十全に伝わっている……はず、だ。 「ああ、……エリー。」 「また!」 別に、寂しくない。嘘、少しだけ寂しい。 別に、辛くない。嘘、そこそこ辛い。 だから、俺は幸せだ。愛してる。 多くをたったの二文字に乗せて。 唇は、また触れ合える時まで取っておく。 愛しい俺のお姫様。何があっても傍にいるから、安心していて。 (-519) 2023/09/20(Wed) 1:41:24 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「そうか」 震える声を、その吐露を聞いて。 「ダニエラ。 こっち来い」 男がまずしたことは、それにこたえるでも慰めるでもなかった。 答えよりも先に、格子のそばまで歩いていく。 ぺたぺたと、普段はいているサンダルよりも軽い裸足の音。 ベッドからひらりと飛び降りたその足取りは思ったよりもしっかりとしていて、 見た目ほど重傷ではないのかこの男が頑丈なのかは半々か。 「こっち」 そうして格子の傍まで来ると―― 男は隙間からほんの僅か、手を伸ばした。 (-530) 2023/09/20(Wed) 2:25:58 |
【秘】 月桂樹の下で ニコロ → うたかたの ダニエラ/* 大変遅くなりました。 描写についてご提案です。 以下の流れでどうだろうかと考えています。 怪しまれないよう 猫又さんのところへニコロが1人で会いに行く ↓ 知人なので話しながら自然に手錠を掛ける(摘発) ↓ 猫又さんによる情報操作 ↓ ダニエラさんによるニコロの逮捕(摘発) そちらの動くタイミングや どういう流れで逮捕に踏み切ったかはお任せしたいです。 大変ギリギリで申し訳ないですがよろしくお願いします。 (-533) 2023/09/20(Wed) 2:35:11 |
【秘】 月桂樹の葉 ニコロ → うたかたの ダニエラ/* 一つお伝え抜かりがありました。 猫又さんが流すニコロの情報に関して ニコロ本人が誰にも言っていない情報が含まれます。 それは以下の情報です。良きようにお使いください。 『10年前にダフネという恋人がいたがマフィアであり 警察に追われた際に命を落としている。』 (-534) 2023/09/20(Wed) 2:42:05 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 月桂樹の葉 ニコロ/* 夜分にお疲れ様です。 お気になさらず…ご連絡ありがとうございました! 動くタイミングについてですが、情報操作の後即、という形にはなったかと思います。 ダニエラはこうなる以前から、ニコロさんを逮捕できるタイミングをずっと見計らっておりました。 情報操作から逮捕まで、あまりにも迅速だった、みたいな感じでしょう。 そして…猫又さんが想像している方で間違いないなら、ニコロさんには自分で手錠をかけたでしょう。絶対に。 ニコロさんに余裕があれば、襲撃RP是非させて頂きたいというのが本音な部分になりますが、無理は言いませんのでそこのところはおまかせいたしますね。 こちらからお答えできる部分は以上かな、と思います。 何かありましたらお問い合わせいただければ! (-536) 2023/09/20(Wed) 2:45:35 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡自分の感情が自分でもよく分からない。 怒ってる、はずだ。でもそれ以前に悲しくて。 █しくて。 それだというのにほんの僅かなことにもホッとする。 同時にそれが今後も続く保証がなくって不安になる。 続きを吐き出すタイミングを逃してしまい、押し黙ったまま傍へ寄る。 せめてもの反抗とばかり表情だけはぶすくれているけど、だからなんだという話でもあった。 「…なんですか……」 ぼそり。 (-539) 2023/09/20(Wed) 2:59:25 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「ん」 くしゃり、と、前髪に手が触れる。 寄ってきたあなたの頭を、 格子を抜けた指先で弄うようにくしゃくしゃ、 どうやら撫でているつもりのようだ。 「わりい、苦労かけた。 メッセージくらい残すべきかと思ったんだが、 忙しくてな」 すまん、と何度か繰り返して。 口の端に浮かんだ優し気な笑みを指を伝い届けるかのように。 「…一応、例の店からはまだ俺のところに情報がくるようにしてある。 少し時間はかかるが、もし報告したいことがあればあそこを使え」 どうやって情報がくるのだろうか。 「それと、次だが――……」 そこで、アレッサンドロは、 なんだか悩むように言葉を止めて。 「お前、どうしたい?」 (-556) 2023/09/20(Wed) 7:44:20 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡「…………。」 「……なんですかぁ…」 同じ言葉なのに、どうにも情けない声が出た。 どちらかというとあの車内の態度の方が近い。 へたくそだなんて思いながらも、口にしないで大人しくしている。 「…謝ったって、許しません ん 」本当に、苦労したんだ。今も、している。 それでも予兆があったからまだ耐えられた。 …そのことにだって、ありがとうなんて言ってやらない。 薄紅色のバスボムは、今も使わず置かれている。 短くSìを告げ少し落ち着く。 まだそうやって必要とされている間は地に足をつけていることができた。 「…あたしは」 「こんな悪法、とっととぶっ壊してやりたいですけど…」 顔が本気だ。本当に馬鹿な法案だと思う。 それを利用して今女は、もうひとつの摘発チームを解体させようと企んでいる訳だが。 「そういう話じゃ、ないですよねぇ」 「なんですかあ」 張り詰めていた分が随分と弛緩して、声音に反映されていく。 そこまで単純なつもり、なかったんだけどなあ (-559) 2023/09/20(Wed) 8:17:59 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「だめかあ。 じゃあ謝るのはやめておこう、代わりに、なんか欲しいものをやるから。 それで許してくれるといいが」 即物的だ。 女性に対するできた態度とは思いにくい。 それでもあなたが望むなら、その望むままにするだろうとは なんとなく、悟ることができるだろう。 「──そうさなあ。 まぁこんな悪法、そう持たんさ。 すぐにどうにかなる」 あの署長も長くはなさそうだ、なんて笑い。 「未来の話だよ。 お前にはちゃんと、未来があるんだから」 くしゃり。 指先が髪先を僅かに撫でて、離れた。 (-563) 2023/09/20(Wed) 9:03:59 |
【秘】 月桂樹の葉 ニコロ → うたかたの ダニエラ/* お返事ありがとうございます! 余裕は大丈夫なので、是非是非! 流れとしてはそんな感じになると 運営ちゃんには送っておきます RPはこのまま始めても大丈夫そうでしょうか? (-564) 2023/09/20(Wed) 9:04:25 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡「……。」 欲しいもの。 「………コーヒー、が」 真っ先に浮かんだのは。 「飲みたいです。…アレッサンドロさんの。」 …泣き言だ、これは。 いつ叶うかも分からない。叶うかどうかも定かでない。 離れてゆく指先を見守り思う。 「未来、とか」 「そんなの、考える余裕、ないですう。」 なんで自分にばかり未来があるんだろう。 いっそのことさっさと地獄にでも堕ちた方が気が楽だ。 …それとも今のこれが、地獄だろうか。 真綿で締めるみたいに大切なものをひとつひとつ取りこぼしていくことが。 「アレッサンドロさんは、あたしにどうなってほしいですかあ」 聞き入れてやる義務なんてないけど、聞くだけ聞いてみる。 自分ひとりじゃ、すぐ浮かびそうにはなかったから。 (-578) 2023/09/20(Wed) 12:58:34 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 月桂樹の花 ニコロ/* やったあ!ありがとうございます! ですが運営Mさんからいただける地の文を見てからRPに至りたいかなと思いました。 ですので、開始は日付変更後…そちらの都合の良い時に、開始の合図を送っていただければと思います。 (いきなり導入とかで構いません) また日付変更後は情緒が死ぬ予定がありますのでお返事遅くなる恐れがあります。 ごゆるりとお待ちいただければ…………… (-579) 2023/09/20(Wed) 13:01:22 |
【秘】 マスター エリカ → うたかたの ダニエラ遠からず訪れる未来は、あまりにもあなたにとってひどい結果と言えるもの。しかし── 因果応報 悪因悪果 自業自得 ──己の行いは、己に返る。 そのことを考えれば、至って当然の帰結とも言えたのだった。 /* 御機嫌よう。あいさい行使先「ニコロ」で受け付けました。 よろしくお願いされています〜〜〜〜ダニエラちゃん……エン… (-590) 2023/09/20(Wed) 14:08:21 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「そおか」 うん、と頷く。あなたの泣き言を、肯定する。 「分かった。なあに、すぐできるさ。 真っ先にお前に飲ませてやるよ」 狭間には、格子がひとつ。 何にもないようにふるまい、 目も指も届くけれど、 それは越えられない隔たり。 けれどまるで最初からこうだったかのように、 アレッサンドロは意に介さない。 「そりゃあ、お前」 だから、そんな顔で。 「あぶねえことしないで生きて欲しいな。 やらせてる俺が言えた事じゃないから言わないが」 言っている。 言えないことだが、きっと言わずにはいられないから。 (-606) 2023/09/20(Wed) 16:59:48 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡不自由な独房の中で。ぼろぼろの顔して。何を。 …そんな簡単なことじゃ、ないはずなのに。 だけど、鉄格子の向こうの姿から、潮風とオイルの香りがした気がして。 一緒に香ったコーヒー豆の香りに、小さく、息を呑んだ。 それは、錯覚のはずだけれど。 「……絶対…ですよお。」 「それまで、許してあげませんからあ」 そう口にして、少し笑えてしまったのは仕方がないと思う。 自分はもう少し、現実を見ているつもりだったのに。 「…言ってないなら、聞こえませえん。」 聞こえたところで、どうせ聞けない。 だからそう言って肩を竦めて、少しだけ笑って見せた。 この生意気が、あなたの部下の姿だと。 独断で危険な橋だって渡る。それがあなたの役に立つのなら。 「あー。でもお。」 思い出すように、添える。 「アレッサンドロさんが危ないことしないならあ、考えまあす。」 (-618) 2023/09/20(Wed) 18:15:12 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「それで許してもらえるンなら、安いもんさ」 なんとも気軽にいうものだ。 だけどこの気軽さで、どんな高価なものでもぽんと渡してくるのをあなたは知っている。 「あーあー、生意気に育っちまって… 誰に似たんだか。 周囲が悪いな、こりゃ」 やっぱマフィアはダメだ! なんて言っているが、それこそ本当にどの口が言うのだろうか。 「おまえ得意なんだから、オトコの前ではちゃんとそういうの隠せよ。 ツラは良いんだし、賢いし、その気になれば一発だろ。な」 格子の中から、どうしてこんなに自信を持って説教じみたことができるのだろうか? さっぱり自覚していないのか、 あるいは屋根の上まで棚上げしながら嘯いて。 「それはー………」 危ないことは。 「………しないとは約束できんから、 努力目標ということにはならんか?」 変なところで正直だ。 (-623) 2023/09/20(Wed) 18:34:05 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡そうやって、いつもと同じように。 適わないなあと思うのだ。そんな夢みたいな言葉も、すぐ叶うように思わされる。 「さあ。」 「誰に似たんでしょうねえ。」 本気で自覚がないのなら大いに結構だ。 「でもちゃんと、隠してますよお。前も言いましたが優秀なのでえ。」 「アレッサンドロさんだけです、これはあ。」 ミントブルーが薄く笑む。 役得ですねえとこちらもこちらで嘯いた。 あなたが大嘘つきだったなら、どうせ指摘していたのだろう。 寧ろ正直はいい事だ。そうして口を開いた女の声は少しだけ静かに響く。 「……別に、いいんですよお。」 「その時は、必要なときでしょおからあ」 諦観ではない。けれどただの許容でもなかった。 ほんの少しの寂寥と、ずっと多くの信頼の色。 「だから、あたしも好きにしまあす。」 「必要だと思ったら。…アレッサンドロさんの、部下ですからあ」 そう口にしたら、少しだけ胸がすくようだった。 …今だって女は、間違えたことをしているなんて思っていない。 だから地獄に堕ちたとしても、やめようなんて思わない。 (-642) 2023/09/20(Wed) 20:10:05 |