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【見】 奇形 メイサイ「あ。終わった……」 アナウンスを聞いて。 傍聴席にいた僕は溜息を吐いた。 何だかどっと疲れた気がする。候補者でもないのに。 「良かった……」 あの人が提供者にならなくて。 って一瞬思ったけど。 (いやそんな事しに来たんじゃねえし……) すぐにそう思い直して、余計な事しちゃったなあ、と少し後悔した。 票数への介入なんかするつもりじゃなかった。本当に。 本人にだけは伝わってないといいな。 そんな事を思いながら、裁判場に人が集まって来るのを眺めています。 というか、今日は何話すんだろうね。 (@0) 2022/03/08(Tue) 2:41:19 |
メイサイは、今日も裁判場を見ていた。 (t2) 2022/03/09(Wed) 14:36:34 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ 任意の時間。貴方を探してうろうろしていた青年がやってくる。 『メイサイ』 『賭けに勝ったぞ』 相変わらず眉一つ動かない。 『生きている者は皆、全員帰ることができる。 勝ちも勝ち、大勝ちだ』 自分にとっての勝ちはたった一つの結果しかない。 つまり大勝ち、それは自分にとってではなく。 『今の気分はどうだ? 俺よりも確率の低いものを祈っていた後輩』 (-28) 2022/03/09(Wed) 16:45:00 |
【秘】 奇形 メイサイ → 規律 ユス「……」 傍聴席辺りにいたかもしれない僕に話しかけてくるユス先輩は、こんな時でもいつもの仏頂面である。 「え。別に、どうという事もないですけど。 勝ったなあ〜、と。 良かったですね」 「おめでとうございます、ユス先輩」 僕はやっぱり笑って、軽々しい祝福の言葉を吐いた。 「それにしても、相変わらずの真顔ですねー。 ちょっとくらい嬉しそうな顔してもいいのに」 (-32) 2022/03/09(Wed) 17:23:23 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「メイサイくん……! あの。あとで、ちょっと話さない?」 少女は、傍聴席のあなたへ駆け寄る。 安穏と緊張の入り混じった、矛盾した声色。 (-38) 2022/03/09(Wed) 21:15:36 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ (-39) 2022/03/09(Wed) 21:44:39 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ (-41) 2022/03/09(Wed) 22:02:04 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ (-42) 2022/03/09(Wed) 22:09:31 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ>>-42 扉を開けば、すでに店内にあったあなたの姿。 あ、と声を漏らして、「おつかれさま」と手を振り返す。 「んー……そう、かな」 正面の席に腰掛けた少女は、そんな、曖昧な返事を零した。 そうして、深い呼吸。 終わったら、聞こうと思ってたんだけど。 そんな前置きを一つ置いて、ぱちりと目を合わせた。 「メイサイくんは、ずっと。 見てて。……どんなこと、思ってた?」 (-45) 2022/03/09(Wed) 22:30:54 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「そうでもないですか」 そっか。 カフェの片隅、座る事だけは出来る椅子に座って、正面の先輩を見つめている。 「どんな。って……」 「……」 思い浮かんだのは、小さな植物園で言いかけた事だ。 あの時は息抜きの名目だったのと、彼女に言う必要性もなかったから言わないでおいた事。 「うーん……。 ずっと議論とか、人が亡くなるとことか見てて。 やっぱりこう、皆さんが生きたいって言いながら提供者に選ばれたり亡くなってしまったりするの、苦しいものがあるというか」 「で、その。 ……移植申し込むの、やっぱりやめようかと」 さすがの僕にも言い辛くて、少し語気が弱くなってしまった。 (-48) 2022/03/09(Wed) 23:22:38 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ『今回のロッタリー制度合議見学会はいかがでしたか?』 『□非常に満足 □やや満足 □どちらともいえない □やや不満足 □非常に不満足』 合議が終わって任意の時間。 僕らも……そろそろお別れだね……。 という訳なので、コタくんにラストしょうもないメッセージを送っておきました。 (-49) 2022/03/10(Thu) 10:42:18 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『☑やや満足』 『合議の内容には概ね満足しましたが、以下の点が不満です』 『アイドルの死亡。温室。柚須 義徳』 一つ目はともかく残りは存在に不満を持たれているね。 『ファンになっちゃったから 緋苺お姉さんのステージは見たかったんだが残念。 過去の映像でもいつかに見たいものだ』 彼がファンになった彼女はそこにはいないから、いつかに見たとしてもそれはごく短い間で終わるのだろうけども。 『了お兄さんは今回の見学は後学のためになりましたか?』 『□ならなかった □あまりならなかった □そういう話ではない □なったんじゃないかな □なった』 こんなやりとりができるのも、あと少し。 (-50) 2022/03/10(Thu) 14:35:30 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ「?」 温室とユス先輩の何が不満だったんだ……? ヒメノさんは分かるけど。 結局サイン貰い損ねちゃったね。 『☑なったんじゃないかな』 『やはり事前情報だけでは伝わらないリアルな体験を味わう事ができました。 特にヒメノさんのあの場面では、生きるという事の重さを考えさせられました』 『また、既に臓器移植を受けた事がある方がいたのも非常に助かりましたね。 色々と参考になりました』 『これから臓器提供を受ける方には是非見ていただきたいところです』 まさかのアンケートで返されてしまったので、感想会になっている。 『アンケートにご回答ありがとうございます。 お疲れ様でした』 『自由にはなれそうですか?』 (-51) 2022/03/10(Thu) 15:31:09 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『まあまあ。3年以内に死ぬか行方不明になります』 『行方不明になっていたら 超絶ハッピーになれたんだと思ってくれ』 何かしらかをやらかす展望を考えられたらしい。 『さて、これから臓器提供を受ける方にとって 参考になる場面が多くあったこの会場ですが、 ここにいた人以外には見ていただけないのが残念です』 (-52) 2022/03/10(Thu) 17:05:27 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『俺は逆に、生きることに重さなんてないなくらいに思ったな。 目の前で起きたこんなこと、どこででも起こっている』 『こうして見えても、見えないのとそう変わらない。 見て考えたことはあるから、 見たことが無意味とは言わないが』 『きっと何を与えられようと奪われようと、 俺は俺しか持たないままだろう』 『他の誰の望みも期待も持っていってやらない』 彼は自由になりたい。自由になるのに、それらは要らない。 『了お兄さんは、今及び少し先の未来でハッピーかい?』 今後のご予定いかがですか? 先達があって非常に助かったらしいので聞いてみた。それで助かるという語が出てくる立場の人間なんて限られている。 彼は君がハッピーでもハッピーでなくても構わない。 (-53) 2022/03/10(Thu) 17:06:40 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ>>-52 >>-53 『コタくんは冷めてますねえ。それくらいでいいとも思いますけどね』 『どこででも起こってるって言われたらそうですけど、それでも目の前で起きたらしょんぼりしちゃうのがアレ。 僕繊細なので……ちょっとやそっとで傷付いちゃうかよわいハートの持ち主なので……』 自分で言うと信憑性なくなるね。 『あー。僕が感じたのは、もっと即物的な事』 『健康な人間だろうが死にかけの人間だろうが、生きたいって思う人の気持ちの重さは全員等価だなあって。 だからこそ、健康な人間から死にかけの人間に命を移すのって、それに掛かるリスク考えたらかなり意味ない行為なんじゃね? って思っちゃいましたね』 ここに来る前から何となくあった違和感なんだけどさ。 ここへ来てから明確に形になった気がするな。 (-55) 2022/03/10(Thu) 19:52:09 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ>>-52 >>-53 『僕ですかあ?』 『んー。前よりはちょっとすっきりした気分。ハッピーかも。 でも死が間近に見えてるのはハッピーじゃねえな……』 『プラマイゼロで、普通?』 『遊召家さんちの小太郎くんが行方不明になるニュースを見られる日が楽しみです』 『生きてる間に見られたらいいな』 あなたがハッピーになれるかどうかは知らないけど、それはそれとして幸せそうな人を見ると嬉しくなるからね。 (-56) 2022/03/10(Thu) 19:53:30 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ「ああ。ありがとう」 軽々しい祝福を淡々と受け取った。 「嬉しそうな顔か。俺の反応を随分とよく気にかけてくれた、かつ俺の勝利に賭けてくれた何処かの後輩が泣き咽び喜ぶ姿でも見せてくれたら考えるかもしれないな」 感情を出したかと思えば、自分の意見を言ったかと思えば飛び出してきたのはそんな意地の悪い話だった。 意地の悪い話を出す程度には、嬉しそうな顔をすると言うのは青年にとって難しいことだったのかもしれない。 本来こんな腐った性格だったという可能性もあるけど。 (-68) 2022/03/11(Fri) 10:43:58 |
【秘】 奇形 メイサイ → 規律 ユス>>-68 「本当に? 本当にそう思ってます?」 「17歳の男が人目も憚らずさめざめと泣くところ見たいですか?」 僕は見たくねえよ。 「あれですよね。僕、真面目で感情のない堅物の人だと思ってたんですけど。先輩って」 「意外と意地わ……じゃなくてユニークですよねー」 危うく先輩に向かってド失礼発言かますところでした。褒めています。 以前からそうだったのか、ここに来てから多少変わったのかは僕にはあまり分からないけれど。 面白い人だな、と。 そう思ったんだ。 (-71) 2022/03/11(Fri) 15:25:51 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-71 貴方に言われて少し考える。 軽薄そうな笑みをいつも浮かべる青年が人目も憚らずさめざめと泣くところ。 ……。 「 見たい 」俺は見たい。何故なら珍しい光景で気分が良くなりそうなので。 「ユニーク? そうは思わないな。変だとはたまに言われるから、変なのだとは思うが。 ……ただ、まあ。ここは世間一般的に当たり障りのない反応をしなくて済むし、言いなりにならなくて済むし、気楽にいられるからいいな」 真っ直ぐ貴方を見つめる。無機質めいていて、でも、ちょっとだけ熱を含んだ濁りのある眼差し。 「メイサイも少しは隠しているものを晒せる場であるといいんだがな。お前、内緒にしているものが多そうだから」 晒すのは楽だぞ、と無責任に呟いた。 (-76) 2022/03/11(Fri) 17:00:04 |
【秘】 奇形 メイサイ → 規律 ユス>>-76 「…………」 見たいんだ……。 「見せません……」 嫌です。 僕は、絶対に人前で泣かないという決意を新たにした。 「変なのはそうかも。ここで気楽でいられるのちょっと凄いですよ」 「ナツメ先輩とか見てくださいよ。合議の最中怯えたリスみたいになってましたよ」 視線が交わった。 ひとつ、瞬きをする。最初の頃ってこんな目つきだったかな。 「はは。僕は見学者ですよ」 「ここは僕の内情を晒す場じゃありませんから」 ああ、でも。 折角移植に関してのアドバイス聞かせて貰ったんだから、お礼くらいは言っておこうかな。 そっと耳元に近づいて囁こう。 (-77) 2022/03/11(Fri) 18:37:30 |
【秘】 奇形 メイサイ → 規律 ユス (-78) 2022/03/11(Fri) 18:39:10 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「……やめちゃうんだ」 そっか。 小さく呟いて、視線をテーブルの上に落とした。 つるりとした天板を見つめて、二度、三度、瞬いて。 「嫌になっちゃった?」 生きるの。 と、つけ加える声は思ったより、その空間に響いた。 (-81) 2022/03/11(Fri) 19:25:16 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ>>-81 「嫌ではないですけど」 生きるのは。と、付け足して。 嫌ではないよ。 たまに行く学校は楽しいし。好きな本の続編まだ出てないし。親優しいしあんまり心労掛けたくないし。 そういった未練だってなくもないです。 「でも、生きたい人の命奪うのは、嫌……」 先輩の視線を追うように、テーブルに視線を移す。 こないだクッキーがあった場所には、今日は何もない。 (-82) 2022/03/11(Fri) 19:46:37 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『ありがとう、たのしみにしていてくれ』 生きている間に出来たらいいですね。お互い。 『そうだなぁ、ここからしばらくは流し読みするくらいの 軽い気持ちで目を通してほしい。返事はあんまりいらない』 打つ方も軽い気持ちでぽんぽんぽーんと打っているので。 (-83) 2022/03/11(Fri) 19:58:32 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『了お兄さんは単純にハッピーもハッピーじゃないも 持っているんでいいんじゃないか?』 『100の幸福と100の不幸を同時に持っているのは たぶん普通って言わないし』 プラマイゼロだから普通とは言わないと思うのだ。 俺のあと10年とか1年とか、そのくらいでも』 平等に振り分けるって制度の目的からしたら意味はない』 傍目から見たらやらん方がいいとは俺も思う』 『視点の問題だよな。どこから何をどこまで見て考えるか』 『俺にとっての他人は俺の狭い世界の境界線の向こう側。 俺は俺の世界からフィルター通しまくって見ている』 『俺は誰かの100の損失を0にして、俺の100の利益(実利1)を見ますよ』 『俺みたいな結論を出す人の方が少ないだろ? 十人に2,3人はいてもいいが、 十人全員俺みたいな物語はつまらんと思う』 「…いやだな十人の柚須お兄さんの合議」 想像してしまった。見学したくないわそんなん。 (-84) 2022/03/11(Fri) 20:02:49 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『誰の死でも目の前に命のやり取りが来て淡々としてたり 明るい結論出せたりする人の方が少ないと思わない?』 『繊細とか胆が据わってるとかの話でない。 これは何かしらを落っことしてきている奴の言うこと』 『だから俺は、了お兄さんくらいでいいと思うわ?』 『自分の気持ちも他人の気持ちも、 投げ掛けられた言葉やら何やらも、 持ちたい分だけ持っていきなよ』 『俺の言葉もね。愉召怪のコタくんは了お兄さんのことが好き』 『君が未来に何を選んでも多分だいたいのことに 「いいんじゃない?」って言ってあげよう。 肯定があると気持ちが軽くなるからね』 『でもたまに「それはどうかと思う」って言うことも あると思う。思い出したら好きなコタくんを想像してくれ』 『軽い気持ちの言葉このへんまで。長いな』 長いね。 (-85) 2022/03/11(Fri) 20:05:35 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『閑話休題。俺は他人の望みも期待も持っていってやらないが、 俺がハッピーだった時間は最後まで持っていきます』 『ハッピーな時間をありがとう。なんだろうな、 了お兄さんに関しては、何か連想するものはあんまりないや』 『起きた後の俺は、友達の夢を見るよ』 (-86) 2022/03/11(Fri) 20:06:06 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ>>-86 返信が次々と流れて来る画面を眺める。 「濁流か?」 他人の望みとか期待とかさ。 持たないでいられるなら持たない方がいいと思うよ。重たいし。 だからあなたには、何もあげないけれど。 「………………」 それでも、自分はつい汲み取ってしまうんだよな! 律儀なのかな? 律儀かも。ユス先輩にも言われたしな。 でも、それはもう僕なんだからしょうがないよね。 だから。 (-89) 2022/03/11(Fri) 21:02:39 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ>>-86 『僕は持って行きますよ』 『コタくんが持って行かなかったもの、全部持って行っちゃおうかな』 『あなたが落として行ったものも、拾って行こう』 見学だから、候補者の皆さんをずっと見ていた訳ですが。 実はあなたの事も、ちゃんと見てたんだからね。 すぐ消されちゃったけど、いきなり全体送信されてたあのメッセージとかさ。 全部持って行くからさ。 今の濁流みたいなメッセージだって。 全部、勝手に持って行ってやる。 (-90) 2022/03/11(Fri) 21:03:38 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ>>-86 『こちらこそありがとう』 『ハッピーで何よりです』 あ、でも全く記憶に残してくれないのは辛いです。 連想できるものないってまじか。くそ、自己主張してやる。 さて今いるのは水族館。水槽の中の写真を送った。 『キャベツを食べるうに』 (-91) 2022/03/11(Fri) 21:04:25 |
メイサイは、ユメスケに、本当にしょうもない写真を送りました。 (t3) 2022/03/11(Fri) 21:04:49 |
メイサイは、やべー写真を見て笑った。やばかった。 (t7) 2022/03/11(Fri) 21:30:52 |
メイサイは、ユメスケと満足するまでしょうもないやりとりをしてから、お別れをするだろう。 (t8) 2022/03/11(Fri) 21:32:20 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「…………」 何もないテーブルの上を見つめて。 返ってきた『嫌ではない』と零された『嫌』を、咀嚼する。 「…………あの、」 いくつかの言葉が頭をよぎった。 ぜんぶ、綺麗事で。嫌だなと思った。 掛け時計の秒針の音が嫌に響く、数分が経って。 かたり、立ち上がる拍子に椅子が鳴る。 そっと伸ばす手を頬に添える、そんなふうに宙へ浮かす。 横髪を透けてしまう手も透かされる髪も歪で、ここは現実味がなかった。 「……私は」 ごめんね。 きっと一番、綺麗じゃないこと。 (-101) 2022/03/11(Fri) 22:28:47 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ (-102) 2022/03/11(Fri) 22:30:39 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「僕に他人の命奪って生きろって言ってますか」 ナツメ先輩の手が頬に触れた。いや、触れていない。 そこには何の感触もない。 「本来なら死ぬはずの僕のために、本来なら生きられるはずだったどこかの誰かが死ぬんですよ」 「ヒメノさんみたいに」 「移植手術だって成功率は100%じゃないし。 僕だって移植した後暫くは拒絶反応で苦しむ羽目になるし。 免疫力落とす薬飲まないといけないらしいですよ。移植後の死因で一番多いの、免疫弱くなったせいで罹る感染症らしいです」 「移植受けたからって100%完全に元気になる訳じゃないんですよ」 「それでも、その為に誰かの命犠牲にしろと」 「 候補者のナツメ先輩。 あなたなら、そのくらい分かってますかねえ」 「全部分かったうえで、僕に生きてて欲しいって言ってるんですよね」 「どうしてそこまで?」 いちばんって。 僕ら、まだ会って数日の関係ですよ。 しかも、ちょっと会話したくらいの。 (-104) 2022/03/11(Fri) 22:53:55 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「……うん。そう言ってる」 「それは、知らなかった。免疫、落とすの……」 私は、うーん、と籠った声を出した。 なにかを考えるときの、あんまりよくない癖。 「さっき……やめるって言われてから、すごく、苦しい。 本当は、移植しなきゃいけないくらい、重いんでしょ?」 「……今の自分が、かわいそうじゃないから。 そんなのが生きたい理由になってもいいんだって、思いもしなかった。 否定しないどころか、そんなことまで言ってくれて、応援みたいなこと。言ってくれる人がいるなんて思わなかった」 「フカワくんに、票、変えてほしいって。 言ってくれた……って聞いたよ。 メイサイくんにいいことなんて、ないのに。 見てるだけって、言ってたのに……」 「あと、メイサイくん。 変わらずにお喋りしてくれるでしょ。 無理してないか心配だったけど、ずっと、うれしい」 「嫌になっちゃうまでは、生きててほしいよ。 ……それがおじいちゃんになるまでだったら、嬉しいけど」 メイサイくんに、笑いかけてみる。 手を添えているはずの頬は相変わらず、透き通っている。 「どうしてだろう、ね? …………どうしてだと、思う?」 (-107) 2022/03/12(Sat) 0:01:04 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「…………」 伸ばされた手をただ受け入れていただけだったけれど、その言葉には反応せざるを得なかった。 「……は!? 票!? 何で知って──」 え? フカワ先輩、何やってんの? 内緒って言ったのに!? 本当は見るだけでいるつもりだった。介入するつもりなんかなかった。 だから、そう。気の迷いだったんだ。あれはさ。 本人に知らせる事もなく、終わらせようと思っていた。 いや、言うなよ。 だからほら、こんな事になるんじゃん! (-120) 2022/03/12(Sat) 9:16:00 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「…………」 頭を抱えた。 「先輩……」 長い溜息を吐いた。 確かに言った。そういう風に言ったけど。 会って数日の人間に抱く感情そんなにある? いや……先輩は命の危機に晒されていた訳だし、ある種の吊り橋効果? 分かんないけど。 「何というか」 「ちょろ過ぎじゃないですか?」 (-121) 2022/03/12(Sat) 9:20:15 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ 長い沈黙の後、再び言葉を出す。 「……じゃあ、ちょっと普通じゃない遊びしませんか」 引き留められたくらいで考えを変えたりはしないけどさ。 「これから先輩が、僕を。 全ての決心を折ってでも生き延びたい気持ちにさせられたら先輩の勝ち って事でどうですか」「期限は、僕の心臓が止まるまで」 考えるのをやめない事が大事だって、ハナサキさんもユス先輩も言ってたんですよ。 ねえ、死ぬまで悩ませてくれますか? 先輩。 「先輩が勝ったら、何でも言う事聞きますから。あはは!」 (-122) 2022/03/12(Sat) 9:26:08 |
メイサイは、今のところ、生き延びる気はない。だけど、ナツメの事をまだもう少し見ていたい気持ちはあったから。 (t9) 2022/03/12(Sat) 9:28:54 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-77 >>-78 「そうか。それは残念だ」 見れたらいいなと思うくらいなので、残念とは口にするけどそこまで残念がってはいない。 「ここで気楽にいられる奴は、恐らく世間というマジョリティや現実が齎す事実やしがらみに押し潰されてしまいそうな者たちだろうな。俺という個人の経験則からしか言えないが。 ここは咎める人も法もない。己の命を顧みないことが出来るなら、絶好の逃避場所だ」 「ナツメは……あいつは合議、意見するのに相当苦労していたように見えるな。リスでもまだ動けるだろう。リスのほうがマシかもしれない」 あまりにもあんまりな言い草。だからこそ、薬局の騒ぎなどで動くことを選んだ事実は彼女が一生懸命頑張った証であると青年は素直に評価している。 「……はあ。内情を晒すのに見学も参加者も関係ない気がするがな」 そう呟いて耳を傾ける。 ▼ (-123) 2022/03/12(Sat) 10:21:48 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-77 >>-78 「……」 貴方の言葉で全て繋がった。貴方の状況を察し、その上で貴方が取った選択を振り返る。 「……。どういたしまして、後輩。 俺の話を参考にするもしないもお前の自由だ。不要なら捨てるといい」 「ただ」 囁いてきた貴方に手を伸ばす。 触れようとしたのは左胸。けれどその指が貴方の体に当たることなどなく、そのまますり抜ける。 ──貴方の体の中まで。 さて、心臓はこの辺りだろうか。 「お前がどうしようとこれからも何処かで誰かが提供者として選ばれ続ける。明確にどこの臓器が誰に移植されるか決まっていなかったとしても。 俺たちがこれからも過ごす毎日は、たまたま選ばれてしまった誰かの血肉と臓器で舗装されている。 そういう規律が作られてしまったから」 「俺たち候補者は僅かに残された選択の余地で死ぬかもしれない人間を選ぶことができるが、最終的に誰を殺すか決めるのはこの国だ。 あらゆるものを奪っていくのはこの社会だ。 人が人であるかぎり、俺たちは社会に管理され続ける」 ──だから、お前がそこまで気負う必要はないと思うんだがな。 最後のは自分の意見だ。でも、それは言わなかった。 ▼ (-124) 2022/03/12(Sat) 10:23:13 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-77 >>-78 「……話が長くなってしまったな」 ぱ、と後輩の中から手を引き抜いた。 「それじゃあ俺はこの辺りで。お疲れ様」 そう言って踵を返す。 「メイサイ」 「賭けに勝ったお前にも、何か配当があるといいな」 心が欠けていたとしても。 似た境遇の後輩に何か思うところは、この青年にもあったのだ。 (-125) 2022/03/12(Sat) 10:23:58 |
【秘】 奇形 メイサイ → 共犯者 ユス>>-125 アクター 「今回の合議の演者はあなた方、候補者の皆さんですから。 観客には設定も背景も要らないじゃないですか」 アクタさん風に言えば。 「感想くらいなら幾らでもお出ししますよ!」 「……とはいえ、これでもちょっと喋り過ぎたし余計な手出しし過ぎた方なんですけどねー」 実は色々、やらかしてしまったのだ。反省してる。 (-131) 2022/03/12(Sat) 11:25:20 |
【秘】 奇形 メイサイ → 共犯者 ユス>>-125 「うわあ」 こないだ僕がした事をやり返された。 これ、いざ自分がされると何とも言えない感覚になるな……。 「分かってますよお。 僕が提供受けなかっただけじゃ何も変わらないって事くらい」 分かっている。 人間1人が何かしたところで社会は変わらない。 あらゆるものを奪っていくのはこの社会だ。 人が人であるかぎり、僕たちは社会に管理され続ける。 それでも。 「ちょっと抵抗してみたかった」 「ここに来るまでは、両親にもうすぐ助かるよ、良かったねって言われてて。ただ漠然と生き延びられるんだなってしか思ってなかったけど。 ちゃんと合議見てからは、何だか抵抗したくなりました」 「自分で考えて、自分の人生くらい自分で決めたくなりました」 「反抗期ってやつ?」 多感なお年頃ですから。 (-132) 2022/03/12(Sat) 11:28:31 |
【秘】 奇形 メイサイ → 共犯者 ユス>>-125 「……あ! 今ちょっとにこってしませんでした!?」 したか? どうだろう。 気のせいかもしれないけれど、ユス先輩の嬉しい顔が見られた気がするので、ちょっと嬉しくなった。 「あはは。十分、貰いましたよ」 皆さんの気持ちとか、アドバイスとか、色々なものを。 去って行く先輩の背中を見た。 (-133) 2022/03/12(Sat) 11:29:29 |
メイサイは、その背を追いかけて、最後にもう一度だけ先輩の体の中に手を突っ込んでおいた。ズボ……。 (t10) 2022/03/12(Sat) 11:29:55 |
メイサイは、「お疲れ様でした」と笑って、今度こそ彼を見送った。 (t11) 2022/03/12(Sat) 11:30:12 |
【秘】 奇形 メイサイ → 不運 フカワ『ちょっとフカワ先輩??? 票の事内緒って言いましたよね!?』 『デリカシーとかないんか?』 終わり掛けだったけど、これだけは許せなかったのでとりあえずメッセージだけは送った。 返信来るかどうかは知らない。 (-134) 2022/03/12(Sat) 12:27:51 |
【秘】 不運 フカワ → 奇形 メイサイ『考えましたが、ナツメさんの方が大事でした』 『デリカシーはないみたいです、はい』 『あ』 ただ、今頭に浮かんだ言葉を。 こういうことをいうからデリ欠と言われるのだろうが。 『お二人とも、お幸せに』 (-150) 2022/03/12(Sat) 20:47:05 |
【秘】 奇形 メイサイ → 不運 フカワ『あの』 『僕は心臓貰うつもりで見学に来たところはありますけど、ナツメ先輩のハートを射止めたかった訳ではないんですよね』 推しに認知されたくなかったんですよ。 まあでも例のお願いは聞いてくれた訳だから、先輩は全然悪くない。デリ欠なだけだ。 強いて言うなら、血迷ってそんなお願いした僕が悪い──。 ので、これ以上は何も言うまい。 『そういえばこの後死ぬんでしたっけ? もしかしたら気が変わってるかもしれませんが』 『どっちにしろ頑張ってくださいね! お疲れ様でした』 (-158) 2022/03/12(Sat) 21:24:53 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「じゃあ、約束。 メイサイくんの勝ちは、気持ちに嘘つかないで決めること 」ゆるく曲げた小指を立てる。 実体の不確かな非現実の中では、行為は熱を伴わず。 ただ、厚意に好意、♡を表すよすがになるだけ。 「――絶対、勝つから。 今言ったこと、忘れないでね」 (-203) 2022/03/13(Sun) 14:04:47 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ 遊びなんかじゃないよ。 私とあなたの、真剣で大切な、♡の話。 でも、それは言わないでおくことにする。 「バイト始める予定だったの。 卒業式が終わったら」 新幹線の距離だったらちょっと、大変かなぁ。 でも、私は私のままで、ちょっとだけ着飾って。 そのころにはもう、セーラー服じゃないと思うけど。 「……会いにいっても、いい?」 サイネリアが枯れるまでには、きっと。 あなたにこの♡を届けに行く。 (-204) 2022/03/13(Sun) 14:05:54 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイいじわるなメイサイくんには、仕返し。 ばればれだけど、もうほとんど言ってるみたいだけど。 でも、好き、って。 はっきり言ってあげたりなんかしない。 ……今は、まだ。 (-205) 2022/03/13(Sun) 14:07:25 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「負けませんからね。僕は先輩ほどちょろくないです」 彼女の小指に自分の小指を差し出した。 丁度、指切りげんまんの形が出来上がる様に。 「嘘なんか吐きませんよ」 しんぞう こころ 僕は♡が欠けているけれど、♡までは欠けちゃいないですよ。 (-221) 2022/03/13(Sun) 16:36:40 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「そっか。大学生ですねえ」 「いいですよ」 「リアルの僕見て幻滅しないでくださいよ。いや、してもいいですけど。 ここよりも多分、ずっと貧弱なので」 幾ら歩いたり走ったりしても疲れない体はここにしかない。 そんなに盛ってはないけど、現実の方が血色とか色々悪いかも。 『██県 ryo0810』 自分の住んでいる場所とSNSのIDを、メッセージで送った。 今はこれだけあれば十分だろ。 「1週間既読なかったら、死んだなって思ってくださいね。あはは」 (-222) 2022/03/13(Sun) 16:38:28 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ そうだ。 「ナツメ先輩をフカワ先輩に推薦した理由」 もう隠す必要もないから、これも教えておこうと思った。 「あれ別にあなたに同情してとか、可哀想だからとか、そういうんじゃないですからね」 「ナツメ先輩の事は、お気に入りなので」 「あなたの不器用なところとか」 「甘いところとか」 「俗っぽいところとか」 「几帳面に飲み物用意するところとか」 「小動物みたいなところとか」 「ちょろいところとか」 「根に持つところとか」 (-223) 2022/03/13(Sun) 16:39:46 |
メイサイは、あなたの♡を見ていた。 (t12) 2022/03/13(Sun) 16:40:32 |
メイサイは、ナツメを見ていた。 (t13) 2022/03/13(Sun) 16:40:49 |
【見】 奇形 メイサイ 漸く合議が終わる。 これからどうするか。 両親に、移植の申込を保留にして貰うように頼まないといけないな、と思った。 うちの親の事だから、多分真面目に話せば分かってくれるだろうけど。 でも、やっぱりショック受けたり悲しんだりはするだろうから、気が重いな。 言うしかないんだけどさ。 移植受けるかどうかは、死ぬまで考える事にしたから。 今のところ、受ける気はない。 けれど、もしかしたら──気が変わって生き延びたくなるかもしれませんね。 「それはともかく」 「とりあえず、海行きたいな。本物の方」 (@4) 2022/03/13(Sun) 20:47:27 |
メイサイは、ログアウト。 (t21) 2022/03/13(Sun) 20:47:49 |
メイサイは、再びここへログインする事は、もうない。 (t22) 2022/03/13(Sun) 20:48:03 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ え、あ、え。 私の口はぽんこつになっちゃって、出るのは言葉にならない声ばかり。 二の句が継げないってこういうこと? だめ、頭もまわってない。 ……メイサイくんは、やっぱりいじわるだ。 「うぅ……」 思わず押さえる頬が熱い。 真っ赤になってるの、見なくたって分かる。 でも、目を逸らしたら負けな気がして。 もう勝負は始まってるから、じっと見つめ返して。 「……死ぬほど?」 口をついたのはそんな、不謹慎なジョーク。 (-266) 2022/03/13(Sun) 20:56:03 |
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