19:29:57

人狼物語 三日月国


225 秀才ガリレオと歳星の姫

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視点:


【秘】 エウロパ → ユスティ



   
「君と一緒に居られることが嬉しいんだ。」


 
(-0) 2023/10/04(Wed) 0:24:12

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「ありがとう。

    誰よりも頑張ってる君に言われると
    すごくすごく嬉しいよ。」


  
(-1) 2023/10/04(Wed) 0:24:56

【秘】 エウロパ → ユスティ



   誰もいない食堂。
   大好きな人に撫でられて
   ほんのり頬が赤く染まる。

   あの頃みたいな距離がうれしくて。


 
(-2) 2023/10/04(Wed) 0:25:40

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
ずっとこうしていられたら、いいのに。


  
(-3) 2023/10/04(Wed) 0:26:01

【秘】 エウロパ → ユスティ



     
今この時だけでも。

     
君の一番だったら、いいのにな。


  
(-4) 2023/10/04(Wed) 0:26:26

【墓】 ユスティ



   自分の言ってることが滑稽なことは
   自分でも良くわかっている。

   力を持つことが罪では無いのなら
   なぜ自分はここまでエウロパに嫉妬し
   彼女に冷たく当たっているのか。


   力を正しく扱わないという糾弾ならまだしも
   持つ力そのものへ向けている悪いのは自分なのだ。

   みっとなく劣等感を剥き出しにして
   守りたいはずの子を突き放して
   ユスティもまた、人間としての器はもろかった。



(+23) 2023/10/04(Wed) 18:47:06

【墓】 ユスティ



   寮に戻るとユスティは一人腕を抑える。

   流れた魔力が外に出ようと血管を巡り
   その流れは痛みとなって襲いかかる。

   ルームメイトがいると勉強に集中できないと
   無理を言って一人部屋にしてもらったおかげで
   この無茶がバレることは無いはずだ。

   人知れず時間をかけて、修復していけばいい。



(+24) 2023/10/04(Wed) 18:48:26

【墓】 ユスティ




   彼女には決して悟られるな。


         この心は決して知られてはならない。



(+25) 2023/10/04(Wed) 18:49:10

【墓】 ユスティ



   ただ人知れず守れ。

      それが隣に立つ資格がない者の
      せめてもの心遣いというものだ。


(+26) 2023/10/04(Wed) 18:49:39

【墓】 ユスティ



   それからしばらくは
   ユスティはポケットに手を入れて過ごしていた。

   先生には事前に話は通して
   態度が悪いと言われないように伝え
   素行不良を疑われないように。

   それでも手の心配までしてくるのは


            たった一人だけだった。


(+27) 2023/10/04(Wed) 18:50:59

【墓】 ユスティ



     「何が?ボクなんかには
      水漏れの後始末すら出来ないとでも?」


(+28) 2023/10/04(Wed) 18:51:25

【墓】 ユスティ



   他の生徒にはなんのことか分からないように
   心配そうにしているエウロパに吐き捨てると

   ユスティは見向きもせずに立ち去った。
   この問題には、エウロパを関わらせないように。


            彼女が自分を責めないように。



(+29) 2023/10/04(Wed) 18:52:13

【墓】 ユスティ



   秀才という名の凡人は忙しい。

   授業を真面目に受ければ
   昼に休憩している暇などなく
   直ぐに屋上で新たな魔法の練習に取り掛かる。
   毎日がその繰り返しだ。


   ましてや恋人などと>>+11
   うつつを抜かしている余裕などない。>>+12

   彼女が見たのはまやかしか
   はたまた悪意の塊なのだろうか。>>+13



(+30) 2023/10/05(Thu) 8:26:52

【墓】 ユスティ



   人の姿に変化することは
   この学園では難しいことでは無い。

   専用の魔法薬さえ作れれば
   誰でもできてしまうことなのだ。

   しかし似せられるのは見た目と声だけ
   その言葉も、信念までもを
   模倣することなど決して出来ないだろう。


(+31) 2023/10/05(Thu) 8:27:15

【墓】 ユスティ



   それでも彼女が本物と見紛うのは
   それほどユスティの解像度が高いのか
   悪意の正体は決して遠くは無いところに…


(+32) 2023/10/05(Thu) 8:27:44

【墓】 ユスティ



   晒される悪意の臭いには気づかず
   ユスティは屋上で一人魔法の鍛錬に励んでいた。

   まだ一度も成功していない空間転移の魔法は
   未だに成功の兆しは見えない。>>0:7

   焦ってもしょうがないと頭の中では理解出来ても
   いざ成果が得られないと焦燥が募っていくのは
   今に始まったことではなかった。


(+33) 2023/10/05(Thu) 8:29:29

【墓】 ユスティ



   なにかが足りない。
     魔力だけでは無いなにかが。


           だが自分には何が足りないのか
             考えても答えは出ないまま。



(+34) 2023/10/05(Thu) 8:30:57

【墓】 ユスティ



   心の乱れは魔法にとって毒だ。
   心を落ち着かせようと座って深く息をする。
   このメンタルコントロールが
   魔法の制御のもっとも効果的な方法だった。

   しかしどうにも落ち着かない。
   自分の気持ちとは無関係に
   どうやら外が騒がしくなっていたせいだ。

  
(+35) 2023/10/05(Thu) 8:31:47

【墓】 ユスティ



   声を辿り、視線は森へ
   その先で起きているのは

               まるで災害だ。


(+36) 2023/10/05(Thu) 8:32:06

【墓】 ユスティ



   空が黒に染まっていく。

   森を中心に嵐のように風や雪が舞う
   不自然な雲に覆われたその森は
   もはや誰も近づけないほどに荒れていた。


   その正体に気づけないはずがない。
   それは幼い頃に見た、異常気象。
   彼女と袂を分かった時に見た、涙。



(+37) 2023/10/05(Thu) 8:32:46

【墓】 ユスティ



   ユスティは走り出す。

   走ってはいけないはずの廊下を駆け抜け
   一目散に後者の外へと向かうと
   既にそこには先生や他の生徒が集まっていた。

   どうやら風が強すぎて近づけないようだ。

   魔力が次第に弱まっていくのを感じる中、
   今は一刻を争うというのに
   何も、どうすることも出来ないと往生していた。



(+38) 2023/10/05(Thu) 8:33:41

【墓】 ユスティ



   「どいてください。
      あなた達では足でまといです。」



(+39) 2023/10/05(Thu) 8:35:09

【墓】 ユスティ



   風が収まったら助けに行こう
   それはエウロパの魔力が枯渇するということ

   魔力の枯渇が魔法使いにもたらす負の影響を
   彼らは知らないはずがない。

   暗にそうするしかないのだと言い聞かせる先生達に
   苛立ちを滲ませたユスティは床に魔法陣を描き始める。


(+40) 2023/10/05(Thu) 8:36:00

【墓】 ユスティ



   たとえ成功したことがなくとも
   ここで失敗することは許されない。

               彼女の命が懸かっている。


(+41) 2023/10/05(Thu) 8:36:58

【墓】 ユスティ



   「星巡りて天翔る万象の揺らめき
    ケプラーの涙、月の糸

       燦燦と巡る運命の流砂をこの背に────」


(+42) 2023/10/05(Thu) 8:37:22

【秘】 ユスティ → エウロパ



     「舞え、最愛なる歳星の姫の膝元へ。」


(-17) 2023/10/05(Thu) 8:38:13

【墓】 ユスティ



      刹那、ユスティの身体が消える。**


(+43) 2023/10/05(Thu) 8:39:13

【秘】 ユスティ → エウロパ



   転移したのは嵐の目
   いつか二人が出会ったような森

   枯れてしまったはずのスターチスが
   何かを取り戻すように息を吹き返していく。


(-18) 2023/10/05(Thu) 9:23:30

【秘】 ユスティ → エウロパ



   目の中は酷い有様だった。
   木々は倒れ、草花は凍りつき
   生命は力尽きている。

   ユスティは探す。
   この嵐を呼び出してしまった張本人を
   力尽きる前に助け出さなければならない。

   そして見つけた先で
   魔力を垂れ流し倒れるエウロパの頭に触れると
   治療のために彼女の前へと膝をついた。

   
(-19) 2023/10/05(Thu) 9:24:29

【秘】 ユスティ → エウロパ



     「遅くなってごめんね。」


(-20) 2023/10/05(Thu) 9:25:15

【秘】 ユスティ → エウロパ



      「必ず、助けるから。」


(-21) 2023/10/05(Thu) 9:25:37

【秘】 ユスティ → エウロパ



   そうやって彼女を元気づけたものの
   今の自分の魔力では彼女は満たせない。

   まずは手始めに頭から流れる血を止めよう。
   しかしいくら止血をしたとはいえ
   魔力の奔流を止められたわけではなかった。

   ともなればやるべきことは
   応急処置的な意味の僅かな魔力を最短で与え
   すぐに学校の医務室に連れていくこと。



(-22) 2023/10/05(Thu) 9:26:52

【秘】 ユスティ → エウロパ



   整えるにしろ分け与えるにしろ
   魔力の伝達と共有の効率は
   触れた肌の面積に比例する傾向にある。

   片手よりも両手の方が優れている。
   両手よりも全身の方が優れている。

   しかし今は両手でも全く足りないのだ。


          いま迷っている時間は、ない。


   
(-23) 2023/10/05(Thu) 9:30:04

【秘】 ユスティ → エウロパ



      「……ごめんエウロパ。

            責任はとるから。」


(-24) 2023/10/05(Thu) 9:31:45

【秘】 ユスティ → エウロパ



   一言の謝罪とともに
   彼女の身体を抱きしめると

            唇でエウロパの口元を塞いだ。*


(-25) 2023/10/05(Thu) 9:32:41

【秘】 エウロパ → ユスティ



   荒れ狂う風に木々は倒され 
   寒さに草花は凍り付いて
   森にいたはずの生命は力尽きたのか
   異常を察知して逃げてしまったのか。
   
   何の気配も感じない。

   
ひとりぼっちなのはあの時と一緒。


   自分じゃこれを止められない。
   でも、せめて誰も巻き込まないように。
   無意識の行動のせいで、私は死にそうだけど。
   君を危険な目に遭わせずに済んだのなら、それで…


  
(-36) 2023/10/05(Thu) 17:41:03

【秘】 エウロパ → ユスティ



   不意に、自分以外誰もいないはずの森に
   魔法使いの気配が増える。

   
私は、その魔力の持ち主を知っている。


 
(-37) 2023/10/05(Thu) 17:41:40

【秘】 エウロパ → ユスティ




   
「どう、して…………?」



   どうやって来たんだろう。
   どうして、ここに来たんだろう。


 
(-38) 2023/10/05(Thu) 17:42:21

【秘】 エウロパ → ユスティ



   浮かぶ疑問をすべて言葉にすることは出来ず
   掠れたような声しか出ない。

   体に力が入らない。
   魔力が失われ続けているせいで
   起き上がることさえできず、君の方を見る。


   ごめんね、って謝らなきゃ。
   言いたいことはいっぱいあるのに。


  
(-39) 2023/10/05(Thu) 17:43:21

【秘】 エウロパ → ユスティ


   
   意識を保つことがやっとの状況では
   君の励ましの言葉も、何をしてくれているかも
   あまり、理解は出来ていなくて。
  

   責任って言葉の意味を理解する前には
   もう、私はユスティに抱きしめられてた。
   そして―――――。


 
(-40) 2023/10/05(Thu) 17:43:55

【秘】 エウロパ → ユスティ

   

   
口元に感じる柔らかな感触。

   微かに目を見開いて、すぐに閉じる。
   

   身体に魔力が流れ込んでくる。
   どうして、ここまでしてくれるの?

               わからない、けど。
 

  
(-41) 2023/10/05(Thu) 17:44:57

【秘】 エウロパ → ユスティ




      
「………大好き」



  
(-42) 2023/10/05(Thu) 17:45:32

【秘】 エウロパ → ユスティ



   君の腕の中で、淡く微笑んで
   ずっとずっと伝えたかったことを言うと。

   満足したみたいに、私は意識を失った。*


  
(-43) 2023/10/05(Thu) 17:46:07

【秘】 ユスティ → エウロパ



   想いは力に変わる。

   歴史に学んだことは間違いではなかった
   決して成功しなかった魔法が成功したのは
   彼女を守ろうという想いが強かったのだから。

   とは言ってもユスティが劇的な進化を遂げるわけでも
   急に魔力を得られるわけでもなく、
   代償としてやってくる枯渇による疲労は著しい。



(-44) 2023/10/06(Fri) 21:24:15

【秘】 ユスティ → エウロパ



   死んでも構わないと思っていたわけではない。
   しかし命を懸ける気だったのも本当のこと。

   膨大な器に注ぐにはあまりにも微力すぎる魔力も
   注ぐ側にとっては命懸けで
   ここからは生半可な覚悟では立ち入れない世界だ。



(-45) 2023/10/06(Fri) 21:24:49

【秘】 ユスティ → エウロパ



   力を振り絞って放たれた想いは
   勝手に命をかけた相手に送るには

            あまりに贅沢な………


(-46) 2023/10/06(Fri) 21:25:22

【秘】 ユスティ → エウロパ



   「続きは、また今度聞かせてほしい。」



(-47) 2023/10/06(Fri) 21:26:02

【秘】 ユスティ → エウロパ



   ユスティがエウロパを抱き上げる。
   エウロパの心を表すかのように
   さっきまでの異常な嵐が収まっていた。

   これならなんとか歩いて抜けられるだろう。
   今となってはもう先生達の助けなど
   あてにしたところで仕方がない。

   頼れるのは己の足だけ。
   姫を守れるのは自分だけしかいない。


(-48) 2023/10/06(Fri) 21:27:31

【秘】 ユスティ → エウロパ




   歳星の姫を腕に抱き

        秀才ガリレオは嵐の向こう側へ**


(-49) 2023/10/06(Fri) 21:28:08

【墓】 ユスティ



***

   しかしエウロパは独りではない。
   彼女を助けようとする人は必ずいる。

   狼狽える先生や生徒など
   初めから眼中にはない。


   そして意外にもその人は天才というよりは秀才で
   薬学においてはユスティを超えていると言っていい。

   彼女の素直な性格に惹き込まれたその一人は
   まるで待っていたかのように
   ユスティが向かったその先、医務室にいた。


(+55) 2023/10/06(Fri) 21:29:46

【墓】 ユスティ



   「からかうなよ。

      ボクは王子様でもなんでもない。」


(+56) 2023/10/06(Fri) 21:30:00

【墓】 ユスティ



   シトゥラに困ったような笑みで答えると
   エウロパを医務室のベッドに寝かせる。

   彼女の置かれている状況は
   わざわざ言わずともシトゥラなら分かるはずだ。


    「今回の暴走はだいぶ酷いね。
     一体何が原因なのか…わからないな。」


   ここまで事態が悪化することも珍しい。
   まさか自分が大きく起因しているなどと
   その程度を計り知るには至らず

   薬を受け取りながら表情を曇らせた。



(+57) 2023/10/06(Fri) 21:31:26

【墓】 ユスティ



   「ボクは………

       彼女の傍にいるには力不足なんだと思う。」


(+58) 2023/10/06(Fri) 21:32:35

【墓】 ユスティ



   受け取った薬をエウロパに与えると
   シトゥラの方へと向き直る。


    「エウロパからも聞いたことがあるかな。
     昔、ボクが彼女の前から消えたって話。」


   天才エウロパには話せない。
   かつて犯した過ちと、決して語らなかった心の奥。


(+59) 2023/10/06(Fri) 21:35:26

【墓】 ユスティ



   「ボクは彼女の才能に嫉妬したんだ。

    自分が一番だって信じて疑わなくて
    彼女の成功を喜んであげられなかった。」


(+60) 2023/10/06(Fri) 21:36:43

【墓】 ユスティ




           その結果が、あの日の氷雪。

(+61) 2023/10/06(Fri) 21:37:23

【墓】 ユスティ



    「好きな女の子泣かせておいて

        王子様ガリレオなんて名乗れないでしょ。」



(+62) 2023/10/06(Fri) 21:38:36

【墓】 ユスティ



    ユスティはふらふらと歩き出す。
    責任を取ると言った以上、
    エウロパから逃げることはない。

    しかし今この手を、
    魔力が枯渇し、ひび割れた手を
    エウロパに見せるわけにはいかない。


(+63) 2023/10/06(Fri) 21:38:57

【墓】 ユスティ



    「少し屋上で治療してくるよ。
     ここでキミの治療を受けてしまったら

        エウロパに気づかれて
        彼女はきっと自分を責めてしまうから。」


(+64) 2023/10/06(Fri) 21:40:05

【墓】 ユスティ



   シトゥラに断りを入れたのなら

      ユスティは医務室を抜け出そうとするだろう。*


(+65) 2023/10/06(Fri) 21:40:23

【秘】 エウロパ → ユスティ

   

   ぼろぼろの身体に注がれる魔力は
   決して多くはない。
   でも、それを補って余りある想いは
   この状況を変えるには十分すぎるほどで。


  
(-50) 2023/10/07(Sat) 1:25:56

【秘】 エウロパ → ユスティ



   誰かに魔力を分け与える行為は
   下手をすれば命に関わる。

   私にそこまでしてくれる理由は分からない。

   でも、死にそうだった私の元まで
   颯爽と駆けつけてきてくれるその姿は
   まるで、物語の王子様みたい。


  
(-51) 2023/10/07(Sat) 1:26:34

【秘】 エウロパ → ユスティ



   瞼を閉じる直前に見えたユスティの顔は
   昔みたいな拒絶じゃない。
   もしかして、受け取ってもらえたのかな。

   それを確認することは今は叶わない。


  
(-52) 2023/10/07(Sat) 1:27:54

【秘】 エウロパ → ユスティ



   確認できなくても、好きな人が傍に居る。
   その安堵から、嵐は収まっていた。
   魔法は使い手の心の中を映す。
   強大な魔法よりも強い想いが、暴走を止めた。
   こんなこと、他の誰にもできない。


   
(-53) 2023/10/07(Sat) 1:28:21

【秘】 エウロパ → ユスティ

   

   歳星の姫がただ一人愛する相手、
   秀才ガリレオでなければできない事。


 
(-54) 2023/10/07(Sat) 1:29:11

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
「―――――ユスティ。」


  
(-55) 2023/10/07(Sat) 1:42:24

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
「助けに来てくれてありがとう。」



     それでも、これだけは伝えたくて。
     互いの鼓動さえ聞こえそうな距離で伝えるのは
     守ってもらったことへの感謝だった。*

 
(-56) 2023/10/07(Sat) 1:44:03

【墓】 ユスティ



   「質問の意図がわからないな。
    ボクはお察しの通り一人で屋上にいたよ。

    なにかの見間違い…ってわけではなさそうだね。」


(+85) 2023/10/07(Sat) 2:26:38

【墓】 ユスティ



   「でもいいんだ。
         エウロパが無事なら、それでね。」


(+86) 2023/10/07(Sat) 2:26:59

【墓】 ユスティ



   自分と似たような人物がいたとして
   自分に変化したということになるが、
   その意味とは?エウロパとの関係は?

   点と点が次々と生まれていく中、
   それらを線で繋げることは今は難しい。

   調べたところで
   ユスティがどうこうすることはないが
   シトゥラが何かを調べたいようなら
   素直に任せておくことにする。

   この手の情報調査は実はユスティの苦手分野だ。


(+87) 2023/10/07(Sat) 2:27:53

【墓】 ユスティ



   それよりも心を締め付けるのは
   幼い日のエウロパの苦悩。>>+73

   ユスティにとっては罪の始まりで
   ほろ苦い炭の味がする。

   凡人でも空を飛べると
   たかだか秀才でも星に手が届くと
   そう思いたかっただけだというのに
   その道すがら一番大切なものを傷つけ
   あの森に置き去りにしてしまったのだ。



(+88) 2023/10/07(Sat) 2:28:35

【墓】 ユスティ



   「分かっているよ。

      けれどボクはまだ
      傷つけてしまった姫の赦しを貰っていない。」


(+89) 2023/10/07(Sat) 2:29:07

【墓】 ユスティ



   「いい歳して、ごめんねの一言も、言えなくてさ。」


(+90) 2023/10/07(Sat) 2:29:38

【墓】 ユスティ



   シトゥラの前で苦笑するユスティは
   身体だけが大きなただの少年だ。


(+91) 2023/10/07(Sat) 2:30:28

【墓】 ユスティ



   シトゥラがユスティの手を掴むと
   その意図を察して直ぐに従う。

   怪我の具合をせめて見せろと
   そう言われたような気がした。



    「情けないよね。
     たった数分でこの有様だ。」



   自虐の詩を奏でながら
   シトゥラに自分の状態を見せると
   不甲斐なさにため息をついてしまったが
   一時間残されていると分かると
   その表情もすぐに元に戻る。


(+92) 2023/10/07(Sat) 2:31:04

【墓】 ユスティ



   「十分。

      むしろ、優秀な小人に感謝したいよ。」


(+93) 2023/10/07(Sat) 2:31:22

【墓】 ユスティ



   薬を受け取ったユスティは
   シトゥラに礼を伝えると医務室を出ていったのだった。

   これくらい無茶のうちには入らない。上等だ。**



(+94) 2023/10/07(Sat) 2:31:44

【墓】 ユスティ



   次第に痛みが出てきた腕を抑えながら
   屋上の壁に背を預けると、
   さっきシトゥラから貰った薬を使う。

   身体の回復はあまり見込めないが
   それでも気分はかなりよくなったし
   なにより三十分ほど過ぎた頃には
   手のひび割れもほとんど目立たくなっていた。

   流石は薬学に精通しているだけあって
   ユスティが求める効果が的確に現れている。
   これならば後は徐々に回復してきた魔力を
   緩やかに全身に馴染ませればいい。


(+95) 2023/10/07(Sat) 2:32:40

【秘】 ユスティ → エウロパ



   ふと身体を調整しながら過去を思い返す。

   大事なのは力があるかどうかではない、と
   シトゥラの言っていることは正しいはず。

   しかし自分は力の為に全てを捨ててしまった
   そんな中で今更力に固執しないなど
   自分の存在意義さえぐらついてしまう気がする。



(-57) 2023/10/07(Sat) 2:33:00

【秘】 ユスティ → エウロパ



   やはり導き出される結論は変わらない。
   自分は彼女の傍にいていい存在では無いのだ。

   これでいい。
   また静かにある程度の距離を持って
   互いに不必要な干渉はしないまま

   卒業を迎えてしまえばそれで終わりだ。


(-58) 2023/10/07(Sat) 2:33:38

【秘】 ユスティ → エウロパ



     それなのに

         歳星キミは空から落ちてきたから


(-59) 2023/10/07(Sat) 2:37:09

【秘】 ユスティ → エウロパ



     「……?エウロパ……っ!!??」


(-60) 2023/10/07(Sat) 2:37:49

【秘】 ユスティ → エウロパ



   怪我人がなにしているんだと
   叱りたくなる気持ちをグッと堪えて
   なんとか彼女を抱き止める。

   暴走の後遺症なのか魔力の回復が著しく遅く
   幸いこちらに悪い影響は感じなくて

   彼女に離れてもらうための大義名分は
   どうやら暫くは使えなくなりそうだ。



(-61) 2023/10/07(Sat) 2:38:27

【秘】 ユスティ → エウロパ



   「……別に助けたのはボクじゃない。

         礼を言う相手はボクじゃないだろ。」


(-62) 2023/10/07(Sat) 2:39:09

【秘】 ユスティ → エウロパ



   エウロパに離れろと言えないユスティは
   しばらくエウロパを抱きとめたままだった。*


(-63) 2023/10/07(Sat) 2:39:30

【秘】 エウロパ → ユスティ



   君に好きな人がいるなら
   私の事が嫌いなら、傍に居たいと思っちゃいけない。
   そう、思っていたけれど。

   さっき聞こえてきたシトゥラとユスティの会話の中で
   好きな女の子、って聞こえて。
   話の流れからどう考えても私の事で、
   それが私の聞き間違いじゃなないのなら……。


  
(-64) 2023/10/07(Sat) 20:06:52

【秘】 エウロパ → ユスティ



   一緒にいていいかどうかじゃなくて。
   
一緒にいたいかどうかを大事にしたい。


  
(-65) 2023/10/07(Sat) 20:07:11

【秘】 エウロパ → ユスティ




   
私は空で輝くだけの星になったつもりはないもん。



 
(-66) 2023/10/07(Sat) 20:07:57

【秘】 エウロパ → ユスティ


   
   怪我人がこんな所までくるなんて
   怒られたって仕方ないのに。
   抱きとめてくれる君はやっぱり優しいね。

   魔力をほぼ使い果たし
   回復もまだできていないから
   今は限りなくただの女の子に近いんじゃないかな。
   魔法も使えない、あの頃みたいなエウロパに。


  
(-67) 2023/10/07(Sat) 20:09:13

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「
助けてくれたのはユスティだもん!

    だって、あの嵐の中に来てくれたのも
    私に応急処置をしてくれたのも
    学校に連れ帰ってくれたのも……」

  
(-68) 2023/10/07(Sat) 20:10:49

【秘】 エウロパ → ユスティ


   
   「魔力を分けてくれたのも……」


   魔力を分けてもらった時のことを思い出して
   少しだけ目を逸らす。  
   だって、恥ずかしいし……

   
初めてのこと、だったし……。


  
(-69) 2023/10/07(Sat) 20:11:25

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「全部、ユスティがしたことなのに。
    どうしてそんなこと言うの?」


   どう考えたって君が助けてくれたのに。
   答えは返ってきたかな。
   どちらにせよ、私が来たのは
   君と話がしたかったからで。

  
(-70) 2023/10/07(Sat) 20:11:43

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「……あのね。
    色んなこと聞きたくてここに来たんだ。

    
えーっと……その……。」



   聞きたいことはいっぱいあって
   伝えたいこともいっぱいあって。

   少し迷って、思い出したのは、
   あの森の中での会話。

 
(-71) 2023/10/07(Sat) 20:12:07

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「……責任取る、って
    どういうことか聞いていい……?」*


  
(-72) 2023/10/07(Sat) 20:12:35
 




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