【人】 黒崎柚樹────……おかえり。武藤。 [全部の緊張を解いて、改めて武藤を見つめ、どちらからともなく抱き締め合って。 もう、なんで武藤が実家で飲んでるココアを再現できるのかとか、なんで温泉に行くのを嫌がったのかとか、小さな嘘や言い訳を積み重ねなくて良いんだなと、そんな、愚にもつかないことがまず頭を過った。 あんなものが出てきたくらいだ、武藤の記憶喪失もきっと不可抗力なものだったんだろう。 戻ったならそれでよし、と、もちろん武藤を責めるつもりはなく。] (46) 2023/03/05(Sun) 15:13:54 |
【人】 黒崎柚樹コテージ帰ろう、武藤。 [半ば駆け足で帰れば、並んで走る武藤は、あっちへ走りこっちへ走りと、朝から良い運動になったんじゃないかなと思うよ。*] (47) 2023/03/05(Sun) 15:14:56 |
【赤】 片連理 “椿”[椿は無意識に、楓のシャツの裾を掴んでいた。] ……わかりません。あるのかしら、 いつも、突然だから—— でももし、そんなことが起こったら [少し怯えたような顔をして、椿は楓を見上げる。 あり得るだろうか、この人を食べたいと思うことが。] (*13) 2023/03/05(Sun) 15:20:32 |
【赤】 片連理 “椿”その時は、迷わず撃ってくださいまし。 [逆も考えないではなかったが。 その時は素直に喰われて仕舞えばいいと、この時の椿は考えていた。]** (*14) 2023/03/05(Sun) 15:23:54 |
【人】 武藤景虎[怒ってはいないらしい、とは此方を見つめる表情にわかってはいたけれど。 “合格“を告げられれば、柚樹の元に歩み寄った。>>45 なんとなく、実家の犬に餌やるのを任せた時より随分スムーズだなとか思ってしまったが。 オレのが犬より賢いから仕方ないな? なんて、明後日な方向のことを考えてしまうのは相当焦ってたせいだ。 今はそれどころじゃなかったってことにも、少し遅れて気づくくらいには。] ん……、ただいま。柚樹。 [場の緊張感が去って漸く、改めて抱き締めると、いろいろ話したいことはあったし、離れてる間に起きたことだとか、聞いてみたいことも多々あった。 でも、そうだな。 まだ全部終わったわけではないから。 コテージに戻ろうと駆け出す柚樹の後を追って来た道を戻れば、朝起きてからほぼずっと走り回っている気がする。]* (48) 2023/03/05(Sun) 16:03:58 |
【人】 黒崎柚樹[────カチャ。 コテージ入口で武藤と一瞬視線を交わした後、持っていた鍵でコテージの扉を開ければ、鼻に馴染んだ──実際のところ、こんなものに馴染みたくもない──甘い匂い。 思った通り、"それ"はまだ室内に居た。] (49) 2023/03/05(Sun) 16:37:19 |
【人】 黒崎柚樹終わった……、かな。 [傍らの武藤に視線を投げたら、頷いてくれるだろうか。 とりあえず私、めちゃめちゃお腹空いてるんだよね。 朝御飯……ていうか、もはやブランチの時間帯になるんだろうかこれは。 ホットサンド作ったら食べる?と問いかけて、あ、そういえば、と。] 武藤は、"あれ"に何かされた? [まあそのあたりの話も、ホットサンド食べながらかな。*] (50) 2023/03/05(Sun) 16:43:04 |
【赤】 一匹狼 “楓”[彼女はこちらを見上げてきたかと思えば>>*12、不意にシャツの裾を掴んできた。>>*13 怯えるような表情も相まって抱き締めたい衝動に駆られつつ、それを抑え込んで彼女の言葉に耳を傾ける。 『いつも突然』……それは食人衝動のことなのだろうと、楓には自然と感じ取れた。 尋ねそびれた問いの答えが自然と得られた形である。 迷わず撃ってとリクエストはされたが>>*14、彼はそれを一笑に付した] 馬鹿言うな。オレが何だか忘れたか? 通らねェんだよ、おまえの可愛い牙や爪じゃ。 [楓は“堅狼”。牙や爪どころか、銀弾の銃撃を除くさまざまな物理攻撃を防ぐことができる。 かつて彼女と出会った場では、二人を含む大勢で遊戯に興じていたのだけれど──その中で狼を選んだ者たちの一部が本当に狼で、そのうえ彼の場合は種まで同じ……などという、冗談のような本当の話。] (*15) 2023/03/05(Sun) 17:17:14 |
【赤】 一匹狼 “楓”撃つまでもねェんだよ。 おまえにオレは殺せない。 [そう告げるとき、自然と視線は逸れた。 楓が意図的に伏せた事実があるのだ。 彼が鋼鉄の防御力を得られるのは人狼の姿に転じたときだけ。人間の姿でいる限り、負傷は防げない。 その上、姿を変えていられる時間は月齢に応じた。 満月の日なら半日程度だが、新月の日は1秒たりとも不可能。半月なら満月の更に半分ぐらいといったところ。 時間帯には不思議と制限は無いのだが。 彼の言動は、彼女を殺す気が無いという意思の現れではある。 一方で、もしそのような局面になったときには彼が一方的に殺す側になりえるということでもあった] (*16) 2023/03/05(Sun) 17:17:29 |
【赤】 一匹狼 “楓”[彼にはひとつ、長い間気になり続けていることがある。 “美味しそうに見えるものは、本当に美味しいのか” もしそれが見た目だけの話で、味に差異が無いのなら、美味しそうなヒトを襲う可能性を極端に恐れる必要は無くなる。 けれどもし、実際に美味しいのなら── 知ったが最後、二度と戻れない道に足を踏み入れることになるだろう。 確かめずにいることが幸福なのか、確かめてみたほうがいいのか。彼は前者と思い続けているが、果たして]** (*17) 2023/03/05(Sun) 17:18:10 |
【人】 武藤景虎ん……、終わったと思う。 [“あの時“も思ったけど、やっぱりオレの惚れた女はいい女だなと思ったよ、なんて。 問いかけには安堵の笑みを返した。] 起きてからずっと走り回ってたし、腹は減ったな……。 ホットサンド?食いたい。 [安心したら急に空腹感を思い出したのもあって、朝食には既に遅い時間だったし食事の提案には一も二もなく頷いた。] 何もされてないよ? オレの方が手を出してしまったくらいで……。 [あっ、変な意味じゃなく、とは付け足さなくてもわかると思うけど。 詳しくは飯食いながらというのには同意した。 なんか手伝うことある?とは聞きつつ、その前に手を洗ったり着替えたりしてくるとバタバタ荷物の方に移動して。] (52) 2023/03/05(Sun) 17:51:32 |
【人】 武藤景虎[洗面台の鏡の前、装飾品をひとつひとつ付けながら、左耳のヘリックスピアスの内側を覗き込んで、あ、と声を上げた。 柚樹から誕生日に貰った太陽みたいな石と刻印の入ったそれは、昨日とは違うものだ。 オレの記憶がおかしかったせいでこの辺の物も巻き戻っていたのだろうか。 左手を見下ろすと、いつの間にか戻っていた薬指の金色ベースの金属の輪の重みに目を細めた。 足早に台所の方へと戻れば、柚樹の元へ駆け寄って、まず先に耳元や左手を確認することにはなったかな。]* (53) 2023/03/05(Sun) 17:53:05 |
【赤】 片連理 “椿”まあ。 それなら、安心ですわね? [椿は“狼”どうしの争いには関知したことがない。ゆえに、自分以外の“狼”がどういうものであるのかについては無知だった。都市部では熾烈な縄張り争いがあるとも聞くが、それを避けるために椿らは田舎ばかりを選んで住処を転々とさせていた。 楓の言葉は、単純に「お前では勝てない」という意味に受け取った。確かに、小柄な女の力で楓ほどの大柄の男にまともに当たって勝てるとは思えない。殺すだけならいくらでも方法はありそうだが、彼を殺したいわけでは、決してない。 本当に彼を喰べたいと思ってしまったなら、その時には我を忘れているのだからそんなことにはお構いなしだろう。返り討ちにあうならば、それでも構わない。] (*18) 2023/03/05(Sun) 18:06:26 |
【赤】 片連理 “椿” であれば—— [椿はシャツの裾を掴んでいた手を離し、楓の頬へと差し伸べた。しかし触れることを迷って、その手は萎れるように自身の胸元へと帰っていった。一瞬だけ悲壮な表情を浮かべかけたが、すぐにまた笑みを取り戻した。] その時は、我らが王に牙を向けた罪を、償いましょう。 [冗談めかしはしたが、半ば事実で、椿は本気でもあった。 以前ともに過ごしたとき、彼はまさに王であった。 気高き王と、力ある王とに率いられ、椿はその気高さに、あるいは力に、素直に憧れを抱いたものだった。彼らのように生きられていたならば。そんな嫉妬に近いような感情すらも秘めていた。] (*19) 2023/03/05(Sun) 18:07:32 |
【人】 片連理 “椿” ふふ。安心できそうですし、 わたくし、少しお散歩に行ってきますわね。 [そう言って、椿は兎のように一歩後ろに跳ね、長い髪を揺らしながらくるりと回って、ぺたりぺたりと裸足の足音を残して駆けていった。]** (54) 2023/03/05(Sun) 18:07:57 |
【人】 大学生 要 薫- コテージ内 - [寝室のベッドの上で目を覚ませば、スマホの時計を見たうえで後一時間。とまた眠ろうとした。やって、折角の休みやし、彼以外誰もおれへんやもん。時計なんて気にせずゆっくりまったりしたいやん。とばかりうとうと二度寝。**] (55) 2023/03/05(Sun) 18:34:37 |
大学生 要 薫は、メモを貼った。 (a9) 2023/03/05(Sun) 18:36:13 |
【赤】 一匹狼 “楓”[楓もまた“狼”たちの群れからは離れて暮らす身。狼たちが囁き交わす声を聞いたことは何度もあるが、その全てに答えずにいる。 縄張り争いらしきものに巻き込まれかけたことはあるが、関わる意志が楓に無いことに気付けば、向こうも深追いはしないものだった。 当然、狼としての名もない──いや、今は“楓”がそれに相当するのだろうか? 遊戯の中で使った名なのだが。 ゆえに楓の狼としての戦闘経験はそのまま、食事を兼ねて人間を襲った経験に直結する。その過程で自分の能力も知るに至ったのだ。種の名前を知ったのは奇しくも遊戯でだったが。 そして、不意打ちで即死なんてことさえなければどんな相手も恐れるに足らない……と、楓は思っていた。銃使い以外なら、の話だが] (*20) 2023/03/05(Sun) 18:46:56 |
【人】 天原 珠月[湖の畔から、こちらを見つめる姿。>>26 街灯からは逆光になっていたが不思議なほど鮮明に目に映る。 星の光を映すような銀白色の髪。 レンズ越しでも何故か分かる、瞳の青。 ああ、と息が零れそうになった。 胸の内がいっぱいになり、溢れそうに苦しい。 ――、と、心が名前を呼ぶ。 予感はしていたのかもしれない。 自分とそっくりな少女が現れたときから。 その少女と強い縁で結ばれている相手なら、並んだ番はと思えば、目の前の彼の姿は泣きたいほど理解できた。 しかしそれも此方からの勝手な見方だとも分かっていた。 昔ならいざ知らず、驚きも動揺も今は覆い隠せるし、長年の巫女として身につけてきた表情と仕草も使いこなせる。 優雅ともいえる挨拶はそうして出てきたものだった。] (57) 2023/03/05(Sun) 19:59:40 |
【人】 天原 珠月[きっと彼は事態が分からず、少女のことを心配している。 少しでも落ち着いてもらうのが先決だった。 自分でもよく分からないことだらけではあるが、ここは心を強く持ってしっかり者らしくせねばならない。 堂々とした豪胆さなどは『彼』の方が上手だったのだけれど。 ふっと思い浮かべた姿に内心で緩く首を振る。] 多分、その私にそっくりな女の子に会っているわ。 ついさっきね。私のいた場所に迷い込んできたの。 [引きずり込まれてきた、が正しい気もするが。] 関係は確実にある……から、ゆっくり説明させてくれる? [ほんのり困ったように首を傾げたのは、湖から上がって、彼と同じ場所にとりあえず行きたかったから。 ここがどんな世界のどんな場所か分からないが、周りに関係のない巻き込みかねない人がいなさそうなのは幸いだった。] (59) 2023/03/05(Sun) 20:03:12 |
【人】 天原 珠月まず、何から説明しましょうか。 そうね……私はこの世界とは別の世界の人間なの。 お伽噺みたいだけれど、ね。 [此処の世界のことは何も知らないけれど、と前置きした上で。 自らの世界では、遠い昔に大地や海というものは滅び、点在する空に浮かぶ島に人々は暮らしていること。 人々の一部には不思議な力を生まれつき持つ者がいて、自分はそれであり、島では『巫女』の役目を担っていたこと。 巫女とは島そのものが浮遊するための力を補助する者であり――自分はつい先日力を使い切り、役目を終えたこと。 正直3行で説明する方が難しい情報量ではある。 どうにか頑張ってはみたが、彼の反応はどうだったろう。 質問があればその都度、言葉を尽くすつもりだけれど。] (60) 2023/03/05(Sun) 20:04:22 |
【人】 天原 珠月[しかし一番彼が気になるのはここだろう、と。 一際真剣な表情に変わると、まっすぐに彼の瞳を見つめた。] あなたの探している女の子は、役目を終えた私がいた、狭間の世界のようなところに突然やってきたの。 正直、理由は分からない。 私は急いで元の世界に帰してあげようとしたのだけれど……ごめんなさい、まだ力が戻っていなくて、無理だった。 [自分の力さえあればどうにかなったはず、と。 静かに語る声には、強がりではない、誇張でもない、長年連れ添った、長年修行により磨いてきた、自分の一部である能力に対する確固たる自信が表われていることだろう。] あのままだと、全く知らない世界に飛ばされる可能性があったから、私の独断で……私が元いた世界に行ってもらったわ。 その時に唯一、行く道の分かる世界がそこだった。 [ゆっくりと落ち着いた声音を心がける。 どんな反応をされようと、視線は逸らさずにいよう。] (61) 2023/03/05(Sun) 20:05:18 |
【人】 天原 珠月私のいた世界には……、 [片方の耳に艶めく真珠の耳飾り。 もう片方を持つのは――誰よりも大切なひと。 役目を終えた自分が置いてきてしまった、愛するひと。] 誰よりも、一番、信頼している人がいて。 女の子には彼の元へ行くようにと背を押したから。 だから身の危険はないわ。大丈夫。 彼なら絶対に……彼女を守ってくれる。 [はっきりと言い切った。 それでも完全に安心できるものではないだろう。 しかし正直に話すと、これしか言葉にならないのだ。*] (62) 2023/03/05(Sun) 20:06:24 |
【人】 片連理 “椿”[裸足のまま、ウッドデッキから外に出た。 外は相変わらず気持ちの良い天気だ。 どこへ行こうか考えて、湖とは反対の方を選ぶ。 歩けども歩けども、他のロッジには辿りつかない。 途中に似たような建物が他にもあるのは見ていたし、夜には明かりも見えていた。しかしそれも、そういうものだと受け入れられている。] (63) 2023/03/05(Sun) 20:20:35 |
【人】 黒崎柚樹[台所の棚にあった直火式のホットサンド型を取り出して、冷蔵庫内のマーガリンを出していたところで、どこか慌てふためいた武藤に、手を取られ、耳に触れられ。 言われて初めて、自分の左手指に銀色の輝きが、両の耳朶にも同系色の銀の光が戻っていたことに気がついた。] …………あ……、 [武藤も戻ったの?と左手で左手を掴めば、私とは色の異なる金色の、でも同じデザインの光る輪が指先に触れてきて。 お互い、相手に金色が似合うから、銀色が似合うからと相手に合わせたいと選んだ指輪。 金と銀が絶妙に入り混じるデザインが、私たちらしいと選んだ品だった。 将来の約束を誓ったものとかではないけれど、互いの名前が刻まれている、大事な指輪。] ……そ、か…………。 [耳に触れれば、無い方がもはや不自然に感じられていた銀の輪がついていて。] (65) 2023/03/05(Sun) 20:30:16 |