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【人】 世界の中心 アーサー[ 青薔薇の挿絵を最後に、物語は幕を閉じる。 蝶々は 薔薇に“なりたかった”のでしょうか。 …なんて、問うたところで答えは無い。 誰も知らない、物語の裏側だ。] (441) 2020/06/01(Mon) 1:03:46 |
【人】 世界の中心 アーサー[ ぱたん、 と 手帖を閉じた。 窓から差し込む日の光が傾きかけている。 真白のベッドに身体を起こした金髪の男は、 紺青の装丁を撫で、窓の向こうを眺めていた。 ゆめを 見なくなった、 唯の男だ。 手紙ひとつ来ることも無くなり、 書くものも随分と減ってしまった。 きっと、“リドル”は忘れ去られていく。 便利に使われていたものではあっても、 占い染みた能力は歴史には残らない。] (443) 2020/06/01(Mon) 1:05:25 |
【人】 世界の中心 アーサー[ …世界の常だ。 そんなことは分かっていた、ずっと! 残し続けてきた様々なものが、 決して歴史にはなり得ないことぐらいは!] (444) 2020/06/01(Mon) 1:06:48 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 今、男に残るのは、形ばかりの貴族の証と、 薔薇に囲まれた、茨の屋敷と、 ひとりの執事と、 従順な2匹の犬と、 ────…… ] (445) 2020/06/01(Mon) 1:07:29 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 犬が踊っている。 懐いた誰かにまとわりつくように、 導くように、 甘く鼻さえ鳴らして。 仰々しく頭に包帯を巻いた男は、 言うことを聞かない片足をベッドから引き摺り下ろし、 真白の上に漸く座った。 ──御迎えくらい体裁を整えたいと思う、 ちょっとした意地みたいなもの。] (446) 2020/06/01(Mon) 1:08:40 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 夕焼けを背負う人影。 犬の離れていく足音。 下げたペンダントを握りしめ、 ────不器用に笑んでいる。 もう“かんばせ”の貼り付け方など、 とうの昔に忘れてしまった! ] (447) 2020/06/01(Mon) 1:13:39 |
【人】 ミア[ たとえば、あの蝶々は 不自然だったとしたら? 羽の模様も、形も、いっそ飛ぶさますら 他と異なっていたとしたら? 認めてくれたのが彼の妻だけだったとしたら? ] (448) 2020/06/01(Mon) 1:46:43 |
【人】 ミア* [ 見舞いにしては荷物が多いと、誰かが言った。 鞄の中に何もかもを押し込んで、 ( ─── ドレスは あの後 やってきた執事に突き返した。 ) 正面の門を潜ることなく、庭への道を歩んでいる。 約束すらしていないのに、 頼まれごとすら、していないのに。 多少の懐かしさすらあれど、慣れた歩みは、 尻尾を大きく揺らす犬たちに導かれた故のもの。 ] (449) 2020/06/01(Mon) 1:47:48 |
【人】 ミア[ 何時かくり抜いた果物のよな 夕焼けを背に、 身軽に"向こう側"へと移り、 怪我人だなんて気にせずに 真白の海へと 飛び込んでやった! ─── だって自業自得じゃない とは、 まったく他人を思いやらない言である。 ] (450) 2020/06/01(Mon) 1:48:42 |
【人】 ミア[ みみもと。 ] [ ……飛び込んだ理由のひとつに、 顔を隠すというのはあったかも知れず。 何せ、はじめて告げた、あの日は何も残っていない。 秘密の声で、きっと、酔ったときに言えれば、 或いは、へびのよな文字で書き連ねれば良い方だ。 ] (452) 2020/06/01(Mon) 1:50:32 |
【人】 ミア[ 誰でもない 何でもない誰かの幕引きは、 童話にも記されていない。 何処かのインクに、微かに痕跡があったと、 何時かの誰かが、見えない未来で語るのだろう。 淘汰されたにんげんのおわりだなんて、 それでいいとすら思っている。 だから、これが、誰も知らない誰かの幕引き。 たったひとりに名を呼ばれた ……蝶々の話。 ] (453) 2020/06/01(Mon) 1:50:48 |
【置】 ★中学生★ 五十鈴 雨音 ── 未来のいつか ── …… 雪也 私も、誓います これからも 誕生日には チョコじゃなくて クッキーを贈り続けることを ………… なんてね ちゃんと言うわよ 相星 雨音は 相星 雪也を永遠に愛してます もっと、幸せに なろうね** (L4) 2020/06/01(Mon) 6:38:35 公開: 2020/06/01(Mon) 6:55:00 |
【人】 賢者 メルキオール─ after xxx years ─ [あれから。 私たちは数々の依頼をこなして、名声を高めていったの。 そんなことをしていたらドラゴンスレイヤーになんかなっちゃったりしたり、王国へと見染められてしまったり……] 可愛いお嫁さんを見つけてしまったり、ねぇ? [私たちの間には絆がある。 切っても切れぬ強い強い絆。 ただ、その絆の名前は恋愛などではなく、友情、そして信頼なだけ。 貴方が結婚するんだ、なんて言い始めた時は私の事のように喜んだのだっけ] (454) 2020/06/01(Mon) 6:51:46 |
【人】 賢者 メルキオール[私のこと? そうね、今でも時折依頼をアロイスと受けることはあるわ。でも、ドラゴン討伐の報酬でたんまりとお金を稼いでしまっては、お嫁さんに危ないことはしないでなんて泣かれてしまってるものね。 そんなだから緊急性の高い依頼は受けるけれど、普段はそもそも依頼を受けないのよね。 だいたい、貴方の今の所属は騎士なのだから。 みんなから"赤の騎士"様なんて言われているの、私は知ってるわ? 経歴がちょっと特殊だからギルドへと所属もしていて、依頼も受けられる身ではあるのだけれど] (455) 2020/06/01(Mon) 6:51:59 |
【人】 賢者 メルキオール[閑話休題。 話が逸れてしまってるわね。 私は今はギルドの内部へと所属を変えてみんなへの依頼を出したり、受付業を行ったり、後継者の育成を行ったり、それなりに楽しい人生を送っているわ。 今日も今日とて、受付に立って、外から来た貴方を見て微笑むの] アロイス!今日は何の依頼を受けるのかしら? [そうしていつもの日常が今、ここに] (456) 2020/06/01(Mon) 6:52:13 |
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