［善がらせる意図など無いだろうに
　頭を優しく撫でてくれる掌の熱にも
　贈られる賛辞と執着の言葉にも
　してしまって――抑えられない。

　両手には上手く力が入らなくて
　これでは褒められたばかりなのに
　何時粗相してしまうか解らぬものだ。

　離してやらない、と言う彼へ
　嫌われたくない俺は
　こくこくと素早く頷き］



　　　　全部、うつおぎのだから…あげる、から…っ



［口早に紡ぎつつ、込み上げる羞恥に逡巡する。］