キエ
「んだよ…。……ん。かろうじて、生きてる」
言葉の意味はいい方に捉えた。
これも合ってる。…きっとな。
「声は……まぁ、そうか。いや……這いずる音で……。
この場で俺んとこ来る物好き、あんたかなって」
わざわざ這ってまで来る人間がいるとは思えなかった。
だから少し笑いながらそんな言葉を返して。
水溜まりが跳ねたような音が聞こえて、それは多分己の血溜まりで。
きっと近づいてきたのだろうということも理解出来た。
「……別に、俺は狙われてただけ……だしな。
言葉は有難くいただいておくけど……」
と素直さを見せたところで。
ビビり
「あ?……大丈夫じゃねぇよ当たり前だろが
」
威圧。でも元気そう。勿論元気ではないが。
見えないから何処にいるかも分からない。
ので、こっちに来いというように手招きした。来い。