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人狼物語 三日月国

138 【半突発R-18】隠り世への送り雛【飛び入り歓迎】


【置】 白い大蜘蛛 カガリビ

ー??? かつての日/咲夜ー


ーーたしか、その日もひな祭りだったと思う。
多くの人々の中で、親と離れ、ひとりぼっちになってしまったのだろう。
小さな女の子が一人、泣いていた。

『どうしたの?』

女の子の背後から、声を掛ける。
口を動かすたび、ぎちぎちと耳障りな音が響いて、カチカチと牙と牙がぶつかる音がする。

ーー女の子は隠り世に迷い込んで、行き交う人ならざる者達の中で、立ち竦んでいた。
女の子は、ここが現世ではないと気付いていないのか、気付いてはいても幼さ故に理解できないのか。

『大丈夫、これは夢だ。
だから、忘れてしまうといい。』

八本の足を互い違いに動かして、ゆっくりと近づく。
そうして、脚を一本、女の子へと差し出した。
(L1) 2022/03/17(Thu) 14:32:48
公開: 2022/03/17(Thu) 14:35:00