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人狼物語 三日月国


131 蕐の残香、追憶のブーケトス

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【独】 アンネロズ




   それが、貴方の意思だというのなら
   私には、止める権利なんて……。



  
(-23) alice0327 2022/02/25(Fri) 3:48:22

【秘】 アンネロズ → イングラハム



[ 貴方へと贈る柔らかな、誓いの口付け。
  私にとっては初めての感触だった。

  初めてなのに、懐かしく感じるのは
  私が何度も夢見ていたからなのかしら。


  私が言うべきではない一言を告げても
  貴方は優しく微笑んでくれるから。
  撫でてくれる手に込められた気持ちに
  泣いてしまいそうになるの。 ]

 
(-24) alice0327 2022/02/25(Fri) 3:49:18

【秘】 アンネロズ → イングラハム



[ ごめんなさい、って続けようとしたのに
  謝罪を遮るのはお互い様、なのね。>>2:G40


  清らかで優しい口付けをお返しに貰って
  柔く微笑むと、貴方に抱きあげられる。
  
  乱れてしまった服をすっかり取り払われれば
  雪のように白い肌と、紅い華が所々に散る素肌を
  すべて貴方に晒すことになるの。 ]

  
(-25) alice0327 2022/02/25(Fri) 3:49:53

【秘】 アンネロズ → イングラハム



   
―――――……。


            
私、は……。


  
(-26) alice0327 2022/02/25(Fri) 3:50:33

【秘】 アンネロズ → イングラハム



[ 貴方の優しさに、甘えようとして…。
  貴方の頬に軽く触れて―――――。

       違和感に気づく。気づいてしまった。
       私達を隔てる壁が、薄くなっている。
       貴方から微かに熱が失われているの。 ]


  
(-28) alice0327 2022/02/25(Fri) 3:50:59

【独】 アンネロズ



[ 生者が死者に、近づいている。>>-12 ]


 
(-27) alice0327 2022/02/25(Fri) 3:51:24

【独】 アンネロズ



   私のせいだ、全部、私の。
   何処かで望んでいたのに
   いざそれを目の当たりにすると
   それも嫌だと思ってしまう。
 
   同時にかなうはずのない二つの願い。
   貴方と傍に居たい。
   貴方を死なせたくない。

   死の恐ろしさは誰より知っている。
   未練を残して死んだときの虚無も
   きっと誰より知っている。

   貴方には、大切な貴方には
   そんな苦痛味わって欲しくない。


  
(-29) alice0327 2022/02/25(Fri) 3:51:59

【秘】 アンネロズ → イングラハム



   
……………。


       私の事を言う前に。
       ひとつ、訊いていいかしら。



[ いい?と聞きつつ
  私は貴方が話してくれるまで譲る気はなかった。
  そうね、ヒロインにはなれなくても
  ヒロインの真似事くらいならできるから。 ]

 
(-30) alice0327 2022/02/25(Fri) 3:52:33

【秘】 アンネロズ → イングラハム



   エドワード。
   貴方はあの日からの5年間。
   心から幸せだと思ったことはあった?

   生きていて良かったと思ったことは、あった?


[ 困ったように微笑んで。
  もし、貴方が幸せだったと答えたなら。
  そのときは、このヴェール秘密は天国に持って行こう。 ]


 
(-31) alice0327 2022/02/25(Fri) 3:53:27

【秘】 アンネロズ → イングラハム

 
 
   もし、なかったのなら。お願いがあるの。
   
   エド、私の事を愛してほしいの。
   私も貴方のことをずっと愛し続けるから。


            
傍に、いて欲しいの。



         
[ それが私の、最期の願い。 ]**


 
(-32) alice0327 2022/02/25(Fri) 3:54:38

【秘】 イングラハム → アンネロズ



   生者が死者の気持ちを知らずとも
   死者は生者の気持ちを良く知っている。

   大切な事にいち早く気づくのは
   いつだって死者の方。>>-27

   生者に出来ることなんてせいぜい
   遅すぎると後悔し、泣き喚くことだけ。


   だから僕は、君の答えの続きを待った。>>-26
   最愛の人の心を追い込んだ愚か者だという
   自覚すら持たぬまま。>>-29



(-33) 西 2022/02/25(Fri) 19:16:57

【秘】 イングラハム → アンネロズ



    「え...?」



   その問いかけは、唐突だった。
   絶対に譲らないという強い姿勢も
   僕は滅多に拝んだことがない。

   それだけに、緊張が走り
   静寂の中、僕は思わず息を飲んだ。


(-34) 西 2022/02/25(Fri) 19:17:25

【秘】 イングラハム → アンネロズ



   幸せだったことはあるか。

   あるわけがない。


   そうだね。君に出会った頃は幸せだったかな。
   君は暗闇に辟易とする僕に光をくれた。
   君さえいてくれれば、僕はそれでよかったんだ。



   生きていて良かったと思ったことはあるか。

   そんなこと......あるわけ.........。



(-35) 西 2022/02/25(Fri) 19:18:30

【秘】 イングラハム → アンネロズ



   いや、幸せの証とは違うが
   ひとつだけ思うことがあった。

   それはほんの小さな一欠片で。>>1:6>>1:7
   永遠にも思える虚無の中で
   僕が生命活動を続けるいい理由付けだったけど。

   それでも君と比べれば些細もいいところ。
   幸福と呼ぶにはあまりも遠い。



(-36) 西 2022/02/25(Fri) 19:19:01

【秘】 イングラハム → アンネロズ



   けれども君のヴェールを上げる僕が
   その秘密を脱ぎ捨てないわけにはいかず。


    「ひとつだけ、生きる動機は作っていた。
     でも、ここで君を手放す理由にはならない。」


   自分の正直な気持ちを口にした。
   それは僅かばかりの罪悪感>>8
   成長を遂げた子どもへの信頼。

   彼にはもう、私なんて必要ないはずだ。
   その証明が、あの演奏会なのだから。


(-37) 西 2022/02/25(Fri) 19:19:56

【秘】 イングラハム → アンネロズ



   「君をもう...独りにはさせたくないんだ。」



(-38) 西 2022/02/25(Fri) 19:20:39

【独】 イングラハム


   「私はもう...独りにはなりたくないんだ。」
    

(-39) 西 2022/02/25(Fri) 19:22:48

【神】 イングラハム



     それが......僕の、答えだ.........。


(G0) 西 2022/02/25(Fri) 19:23:35

【秘】 イングラハム → アンネロズ



   君の香りに包まれながら
   僕は段々と身体の力が抜けていく感覚に襲われて
   アンネに覆い被さるように抱きしめると


      ヴェールを全て脱ぎ捨てて
      最初で最期、君の願いを、受け入れる。*



(-40) 西 2022/02/25(Fri) 19:24:25

【秘】 アンネロズ → イングラハム



[ 貴方の答えに私はどこか期待してたの。
  少しでも幸せなことがあったなら
  それを理由に何とか止められる気がして。

  私が貴方を不幸にしたなんて思いたくなかったの。
  だから、一片の幸せが貴方にあればいいと。

  愚かな私は理由がなければ止められないから。 ]


  
(-41) alice0327 2022/02/25(Fri) 20:06:36

【秘】 アンネロズ → イングラハム



[ でも、心のどこかで自惚れていた。
  貴方は私がいなければ幸せじゃない。
  私がいる世界こちら側を選んでもらえるのかもしれないと。


  もし、もしもそうなら。
  私がいまからすることは
  ゆるされるんじゃないかって。 ]


 
(-42) alice0327 2022/02/25(Fri) 20:07:19

【秘】 アンネロズ → イングラハム



[ だからね。
  最低な私は、愚かな私は。
  貴方の答えに安堵してしまうの。

  それが、間違いだと知っていながら。
  貴方を止めるという正解を選び取れない。 ]



   ――――― そう、なのね。
   
   貴方が、そう言うのなら…………。


  
(-43) alice0327 2022/02/25(Fri) 20:08:00

【神】 アンネロズ




[ 貴方のことが大好きだから。


      
あちら側からこちら側へ、手招きを。 ]



  
(G1) alice0327 2022/02/25(Fri) 20:08:44

【独】 アンネロズ



[ 蕐の香りが強くなっていく。
  貴方に抱きしめられると、
  罪悪感が私の心を引き裂くの。

  
心が痛い。痛くて痛くて仕方ない。

  
あぁでも、痛くない。

  貴方が背負ったはずの痛みはきっと。
  もっともっと、辛かったはずだから。
  私が泣いてはいけない、泣けない。


  全部私のせいなの……。
  死ぬかもしれない、そんな人が
  貴方と仲良くなっては、いけなかった。
  好きになっては、いけなかったのよ。
  私のせいだから。
  泣くなんて、ダメよアンネロズ。

  泣くのではなくて―――――。 ]

  
(-44) alice0327 2022/02/25(Fri) 20:09:48

【秘】 アンネロズ → イングラハム



[ 貴方と出会わなければ、なんて
  私は言えるはずがなかったから。

  
貴方と出会えてよかったと心から思うから。

  貴方のことを連れて行ってしまうのを 
  どうか、どうか許してほしい。 ]


 
(-45) alice0327 2022/02/25(Fri) 20:10:27

【秘】 アンネロズ → イングラハム



   エドワード。
         貴方を誰よりも愛してるわ。

   私を、貴方の花嫁にしてほしいの。

         永遠とわに。貴方の傍にいるから。

         
もう、置いて行ったりしないから。


  
(-46) alice0327 2022/02/25(Fri) 20:11:04

【秘】 アンネロズ → イングラハム



   ねぇ、エド。
   もっともっと、愛して……?



[ 秘密をすべて捨てて。
  何も纏わない花嫁は、愛する人の色に染まろうと
  ふわり、と微笑んで。

  さっきの清廉な口付けからは程遠いキスを
  煽るようなキスを、貴方へと贈るの。 ]*

  
(-47) alice0327 2022/02/25(Fri) 20:11:33

【秘】 イングラハム → アンネロズ



   赦すよ。

        僕の選ぶ道が、正解だから。




   赦してほしい。

        私のせいで君に間違いを犯させることを。



(-48) 西 2022/02/26(Sat) 22:58:10

【秘】 イングラハム → アンネロズ



  私の辿るこの道を誰かが愚かと言うだろう。
  私が選んだこの結末を誰かが哀れというだろう。

  亡き者の残香に惑わされたままに
  その未来を手放してしまうなどと。

  だが私が追いかけていたその香りが
  幻想じゃないことことなんて私が一番知っている。

  次第に冷たくなっていくこの身体は
  その細胞の一つ一つが目を閉じていくようで。
  けれどもその一つ一つが、君の残香を噛み締めている。



(-49) 西 2022/02/26(Sat) 22:59:07

【秘】 イングラハム → アンネロズ



   たとえば此処が君の未練だとして

   死者が未練に囚われる絶望感と
   私が君との追憶に囚われる虚無感に
   なんの差があると言うのだろうか。

   そうだ。僕と君は、同じような存在だから。
   君が僕を連れて行くことが罪ならば
   僕が君を想い続けてしまうのも罪なんだ。



(-50) 西 2022/02/26(Sat) 22:59:57