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【雲】 三月ウサギこの一夜が終わってしまえば、 俺達の関係は「被害者」と「加害者」 互いの人生を、奪い、奪われたふたり。 見方を変えたところで、くるりくるり。 その立場が入れ替わるだけ。 結局、交わることはない。 それでも、と薄く開いた唇は、 きちんと微笑んでいられただろうか? それを知るのは、きっと君だけ。 そのまま、祈るような想いを落とす。 (D37) 希 2021/07/14(Wed) 17:13:03 |
【雲】 三月ウサギ俺と君の世界は決して交わらない。 なのに、この痛みを分かち合えるのは 世界で唯一、君だけで。 脱線した電車。 一番最初から、間違っていたんだから。 目的地に辿り着けるわけがない。 「 ─── トト。 」 (D38) 希 2021/07/14(Wed) 17:13:32 |
【雲】 三月ウサギ…… だからきっと、 最後まで間違えたまま。 真実が白日に照らされる前に、 夜の帳が覆い隠してくれているうちに。 君の名前ではない、君の名前を呼んだ。 (D39) 希 2021/07/14(Wed) 17:13:46 |
【雲】 三月ウサギじわり、眸が歪む。 視界には霞がかかり 君の顔が上手く見えない。 それがとても恐ろしいことのように感じられて。 その存在を確かめるように、 求めるように。 華奢な体躯を抱きしめて、 君の綺麗な髪を、純白のシーツの上に散らしたら。 (D40) 希 2021/07/14(Wed) 17:14:10 |
【独】 三月ウサギ…… そのまま、手を伸ばして。 痛みを、ぬくもりを分かち合おうとするだろう。 波打つシーツの海に溺れながら。 まるで失った酸素を求めるかの如く。 貪るように、唇を重ねようとしたのなら。 ─── あとは、深い深い、奈落の外へ。** (-121) 希 2021/07/14(Wed) 17:14:18 |
【独】 三月ウサギ/* 諸々確定はさせていないつもりなので、問題あるところは回避してくださいー;; わわ。切ない…… 全員で公園のベンチに集合すればいいですか?(何も良くない) (-123) 希 2021/07/14(Wed) 17:15:45 |
【独】 三月ウサギ真白なシーツの上で、 花が散るように、薄紫のワンピースが乱れる。 そこに甘さなんて、微塵もなく。 貪るように互いを求め、苦しみを吐き出すための行為。 吐息交わす度に、互いの熱が、痛みが どろりと溶けて絡み合い。 …… 愚かしいゆめをみる。 このままふたりでひとつになれたらよかったのに。 (-178) 希 2021/07/15(Thu) 20:38:47 |
【雲】 三月ウサギもしかしたらただの独り言で。 返事など求められてなかったかもしれないけど。 生まれた瞬間から間違っていたと言うのなら。 …… 行き着く先だって、きっと。 それでも互いを離すことだけはしなかった。 傷を隠すために、別の傷で上書きした。 愚かしくて愛しい一夜の記憶。 (D46) 希 2021/07/15(Thu) 20:40:55 |
【雲】 三月ウサギ─── ずっと夜ならばよかった。 心に負った傷も、涙も、名前も。 全部深い黒が覆い隠してくれるから。 何度も何度も窓に視線を送っては、 そこに広がる闇に安堵して。 このまま朝が来なければ良いのに、と。 心から願った瞬間。 生まれたての太陽が、世界を照らした。 (D47) 希 2021/07/15(Thu) 20:42:24 |
【人】 三月ウサギ─── 友人、恋人、契約者。 俺達は、何かになれたんだろうか? 確かめることはせず、ゆっくりと身体を起こと。 白い太陽を、背負いながら。 ようやく重なった視線を惜しむように 真っ直ぐに君を見つめたあと。 目を細めて微笑んだ。 (42) 希 2021/07/15(Thu) 20:43:12 |
【人】 三月ウサギ最初から、一夜だけの約束だった。 このホテルを出た後は。 それぞれの別の世界に分かたれて。 君の家族が俺の家族になり。 俺の家族が君の家族になる。 なのに、俺と君は家族にはなれない。 そんな当たり前のことに対して。 心底不思議そうに、首を傾げれば。 (43) 希 2021/07/15(Thu) 20:43:51 |
【独】 三月ウサギ最初から一夜限りのことだった。 夜が明けたなら、本来あるべき姿に 他人同士に戻るのが約束だった。 だから俺も、約束を守る。 (-226) 希 2021/07/16(Fri) 23:51:51 |
【人】 三月ウサギ…… 少し考えたのは、俺の家族だった人のこと。 「そんなこと考えてなかったのよ、どうしよう?」 ほわんとした笑顔で搾取する。 そんな悪意は、俺が偽物だったからで。 君が晒されることがないといい。 心からの願いを浮かべて。 (76) 希 2021/07/16(Fri) 23:52:38 |
【秘】 三月ウサギ → トト (-227) 希 2021/07/16(Fri) 23:55:15 |
【独】 三月ウサギ芽吹くことなく散った想い。 太陽の下では咲けない花。 その名前を告げることはなく。 それから、チェックアウトのため、 ルームカードをフロントに手渡せば。 二人はそれぞれの世界に分かれていき。 主役になれない二人 三月のウサギとトトの話はこれでおしまい。 (-228) 希 2021/07/16(Fri) 23:56:03 |
【人】 三月ウサギそのあと、俺は両親と出会い。 そのあと、俺は両親と別れた。 「 品のない子ね。 やはり育ちが卑しいとああなのかしら? 」 「 あれなら、あの偽物の方がまだ ─── 」 俺の前では穏やかに微笑んでいたけれど。 陰でそんな話をしているのを聞いてしまえば、 嫌でも気づく。 (79) 希 2021/07/16(Fri) 23:56:40 |
【人】 三月ウサギそうか、俺には家族なんていなかったんだ 気付いた瞬間、目の前が開けた。 迷いはなかった。 そのまま、あの大きくて息苦しい家を出た。 名前はどちらでもよかったけれど 下手に変えて詮索されるのも煩わしい。 なので、一番最初にもらった。 俺は俺の嫌いな、 俺の好きな女の子の 名前で生きていて。元々大学は奨学金で通っていた。 再びキャンパスに戻ることも可能だっただろう。 生活費もバイトして稼いでいた。 家族を養う必要がない分、余裕ができたくらい。 そうか、俺には家族なんていらなかったんだ 気付いてしまった、幸せで不幸なこと。 (80) 希 2021/07/16(Fri) 23:57:14 |
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