[嵐と共に帰宅したのは、マンションの最上階。
広いリビングはモデルルームのように家具と観葉植物が配置され(実際モデルルームをそのまま買った)、生活感を感じさせなかった真白なキッチンにも、今は少しずつ食器や調理器具が揃ってきている。
1室は仕事部屋である書斎。1室は本だけの部屋。1室はキングサイズのベッドが置いてある寝室。遊んでる部屋が1部屋と、ゲストルームとしてシングルのベッドと家具が置かれた部屋が1部屋。
ゲストルームは、今は嵐の荷物を置いてもらうのに使っている。
夜寝る時は、一緒に寝ようと我儘を言うけれど。
何時もより大きな荷物。
持たせてくれたそれをゲストルームに置いて。
彼女が荷解きをする間、自分はキッチンへ。
タルトの箱を開けたら、忍ばせてくれた紅茶に気付いた。
紅茶の淹れ方は教えてもらったけれど、自分の紅茶は少し味が落ちる。
それでも今日は、ウォーターサーバーからお湯を出して、湧かし直すと、手ずから紅茶を淹れた。
嵐の荷解きが終わる頃には、タルトと紅茶の用意が出来ただろう。]