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【人】 なんでも屋 アマノ人探ししていた足を止める。 何か、空気が変わった気がしたからだ。 「…………これは」 濃い霧が晴れたような。 長い夢から少しずつ覚めてきているような。 「終わったのか……? くそ、だとするとあのチビはどーなるんだ……っ」 踵を返して走り出す。 スピカがアルレシャと連絡がとれているなら、そこに戻ってくるかもしれないと。 (0) 2022/01/27(Thu) 11:46:10 |
【人】 灯された星 スピカかろん、かろん。 ベルが鳴る。きっと誰かが小さな子供の元に運んでいるのだろう。もう驚くことなどなかった。 「お願いね」 見えぬ誰かにそう託し、あまりに細い糸を握る。どれだけ頼りなくとも、これが唯一彼女と自分を繋ぐものなのだから。 逃すまいと追いかけて、こつりこつりと足音響かせ。 そうして足は、階段へ。 「……アル。アル、いるのかしら」 手にしていた糸から力が抜けたことに気付き、女はそぅっと彼女の名前を口にした。 (1) 2022/01/27(Thu) 15:58:27 |
(n1) 2022/01/27(Thu) 17:37:38 |
【人】 こどもの アルレシャ>>1 スピカ 顔を上げると、大人がひとり。 「……っ、スピカ!」 アルレシャは透明な声を上げました。駆け寄って抱き締めようとしますが──やはり、手は空虚を切るだけでした。 「きてくれたのねスピカ……。 ほんとうに、ありがとう……」 どうにかして、自分がここにいることを伝えたいと思いました。 しかし声も姿も透明です。どうしたものかと唸っていましたが……ふと、貰った手紙が目に入りました。 受け取った瞬間、透明になった封筒と便箋。 なら、再び差し出せば見えるようになるかもしれません。 ……便箋とにらめっこをします。 (2) 2022/01/27(Thu) 18:28:15 |
アルレシャは、スピカの前にいます。 (a0) 2022/01/27(Thu) 18:35:50 |
【人】 魔女 イクリール沢山ねて少し体力が戻った様子の魔女は部屋から出てあたりを見渡します。 「……?」 何か様子が昨夜までと違う様な…… 「あら?」 光が差し込んだ庭園を覗き込みます。 「この国の太陽は随分とお寝坊さんね」 くすりと独りごちに笑いました。 (3) 2022/01/28(Fri) 3:21:28 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>3 イクリール 朝、と言えるのか。 陽光の眩しさに目を開ければ、ここ数日トンと見なかった太陽の白。隣の彼女に声を掛けようとして、その姿がないのに気付く。ため息を吐いてから、勢いよく布団を蹴り、ブランケットを一枚引っつかんで外へと走り出した。 「……バカ。病み上がりでうろつくな。 日に当たるにしてもせめてもう少し厚着しろ」 やや息を切らして貴方の姿を見つけると、その背にブランケットを羽織らせて、さらに自分の上着も被せる。もこもこだ。 「……おかげで、おはようを一番に言いそびれた。 ……お前と太陽が見れる、とはな。 夢だが、……この境目みたいなもんだったのか?」 「イクリール。決めることがある。 ……これから、どうするか。 お前の国になら、多分今ならついていける。 或いは、……ここも消える訳でもなさそうだ。 お前は、どうしたい?」 (4) 2022/01/28(Fri) 4:21:28 |
スピカは、腕を広げ、目の前のものを抱きしめた。 (a1) 2022/01/28(Fri) 12:28:31 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>5 イクリール 「……あぁ」 貴方のそんな笑顔を見たら、もう少しの小言さえ言えなくなるのに。それでも見れた事が嬉しいと思ってしまう辺り、惚れた弱みだ。だから困ったように眉を八の字にして、でも笑顔は本物だった。 「おはよう、イクリール」 「……ってこら、頭を撫でるな子供じゃ…… ……もしかして、俺も薬を飲もうが永遠に歳の差が続く……?」 まさかの永遠の おねショタ(32) の予感を暗に察知した。是非もなし──遠い太陽の見える天を仰いだ。「……なら、お前の国に行こう。 お前の家から出るのが第一歩なんだろうが……俺だって元々似た境遇だ。何度でも挑戦してやる。 ……それに、もし駄目だとしてもお前の家で暮らすだけだろ? なら、……それはそれで、幸せだろ」 (8) 2022/01/28(Fri) 12:45:20 |
【人】 こどもの アルレシャ>>6 >>7 スピカ 「うん、うん……」 広い背中に小さな腕を広げました。やはり抱きしめている感覚などちっとも無いのですが、さっきよりもずっと心強く感じます。 「だから、だいじょうぶ」 「だいじょうぶ、」 自分に言い聞かせるように、何度も呟きます。 本当はちっとも大丈夫なんかじゃないのです。 寂しくて、大声で泣き出してしまいたい程でした。 それでも、スピカは見つけ出してくれました。アマノだって、一生懸命頑張ってくれています。 だから、大丈夫になりたいのです。 きっとそれが、アルレシャにできる精一杯のお礼ですから。 「だいじょうぶ ……っ、?」 (9) 2022/01/28(Fri) 12:45:20 |
アルレシャは、ふと、手のひらに温もりを感じました。 (a2) 2022/01/28(Fri) 12:45:49 |
アルレシャは、……そっと手を動かします。すると、スピカの背中を撫でることができました。 (a3) 2022/01/28(Fri) 12:46:18 |
スピカは、ふと、手のひらに温もりを感じた。 (a4) 2022/01/28(Fri) 13:08:30 |
スピカは、……そっと手を動かす。すると、アルレシャの背中を撫でることができた。 (a5) 2022/01/28(Fri) 13:09:03 |
【人】 灯された星 スピカ「……っ」 小さく息を呑む。 触れられる。小さな背をきちんと撫でられる。 それが何を意味するのか。頭では理解していたけれど。 「…………ね?ほら」 それよりもまずは。 「大丈夫」 優しく抱きしめて、頭を撫でる。 「大丈夫になったでしょう、アル。 ……頑張ったわね、偉いわね」 何を置いてでも君を抱きしめるのが先だ。 友達の為に、皆の為に、頑張ってきた君を沢山褒めるのが先だ。 (10) 2022/01/28(Fri) 13:10:22 |
【人】 こどもの アルレシャ>>10 スピカ 「…………、すぴかぁ〜〜〜!!」 アルレシャは、とうとう大きな声で泣き出しました。悲しくて泣いているのではありません。安心したから、今まで我慢していた分の涙が溢れてしまったのです。 嬉しい時にだって、人は涙を流します。 「ぁ、アルね、もう、おはなしっ、できないとおもっ、た……!」 力いっぱい、スピカを抱きしめ返しました。大人からすれば、決して強い力ではありません。 けれども、幼いアルレシャが示せる『ありがとう』の形です。 (11) 2022/01/28(Fri) 13:33:49 |
【人】 こどもの アルレシャアルレシャが姿を現し、スピカとアマノに無事再会できた後のことです。 使用人達の噂を聞きながら、帰り道について考えていました。ペガサスを呼んでも良いのですが、子馬ですから長い距離は疲れてしまうでしょう。 道にはきっと迷わない筈です。理由はわかりません。ですが、なんとなくそんな気がするのです。 ぶるる、ひひーん。 元気な鳴き声と共に桃色のユニコーンが一頭、湖に降り立ちました。 アルレシャは窓から身体を乗り出し、湖の方角を見つめます。すると、ぱっと顔を明るくしました。 「……ママのおうまさんだ!」 そのユニコーンは先日呼んだペガサスよりもずっと大きく、大人の顔立ちをしています。 首に巻かれた大きなリボンに、柔らかいレースで編まれた手綱。ふかふかの鞍を背中に乗せていました。 二人 をお迎えする為に、うんと御洒落をさせてもらったのです。アルレシャは胸を弾ませて、足取りも軽やかに友達の元へ駆け出します。 (12) 2022/01/28(Fri) 13:37:27 |
【人】 こどもの アルレシャ>>ブラキウム 「ブラキ! でぐち、あいたんだって!」 庭園にいるでしょうか、それとも城内にいたでしょうか。 いずれにせよ、アルレシャはブラキウムを見つけ出します。隠されていなければ、探し出せる筈ですから。 アルレシャは湖畔の方を指さしました。 「それでね、ママがね、おうまさんをおくってくれたの。 おうちまでビューンってかえれるよ!」 無邪気な笑顔がブラキウムを見上げました。すっかり二人で帰るものだと思っています。 二人は普通のお友達ではなく、 ずっと一緒の、特別なお友達 ですから。お別れなんて、有り得ません。 死さえも離別の理由になりません。 (13) 2022/01/28(Fri) 13:45:27 |
【人】 こどもの アルレシャ>>14 スピカ 「……うん、いく」 僅かに身体を離すと、スピカを見上げました。背中に回していた手を下ろし、目元を拭って頷きます。 アルレシャには、まだやるべきことがあるのです。 「アマノにありがとうをして……、 みんなにただいま、って……いわなきゃ」 そうして二人は歩き出したことでしょう。 小さな手と、大きな手を繋いで。 (15) 2022/01/28(Fri) 17:00:39 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>16 イクリール 「そ、それはそうなんだが……人前では、やめろよ。 特に旅の間は。……色々困るんだよ」 丸め込まれている…… 気持ちはわかるし、変に言うともっと厄介な触れ方をされても困るので、頭でいいかともう諦めた。普段は帽子をかぶってるからそこまで撫でて来ないだろうし。 子供扱いが一生続くのは複雑の極みだけれども。 「……お前、さり気に年の差が縮まらないの喜んでないか? 年近くなって喜んだりしな…… と、年下派……?」 そう。実はイクリールの年齢をしっかりは聞いていないのだ。つまりは別に肉体年齢は自分よりも十分下の可能性もあるから、自分は同年代と変わらない扱いだったのだが── 「拉致された部屋の主の部屋に文句言う馬鹿じゃねーよ。 ……鳥のいない鳥籠も寂しいだろ。 だから目標でも決めとけ。何かないのか。 旅で見たいものとか、どの辺に行きたいだとか」 (18) 2022/01/28(Fri) 20:03:01 |
【人】 魔女 イクリール>>18 ミズガネ 「は〜い♡ 二人っきりの時だけ、ね♡」 ちょっと意味深げににまにましながら貴方の腕にするりと腕を絡めます。 「あんまり男性の好みについて考えたことなかったけれど〜 そうね……可愛い方が好みかもしれないわね」 人差し指を唇に当てて ん〜〜 と悩んだ後出した結論。 でもたとえ年上でもあまり扱いは変わらなかったきもします。 そして年齢については……乙女の秘密ということで聞いても濁されてしまうでしょう。 「そうね……海が見たいわ! あと、貴方がいたようなお城も」 書物の中でしか知らないものを実際に見てみたいと思いました。 (20) 2022/01/29(Sat) 2:44:41 |
【人】 こどもの アルレシャ>>17 >>19 スピカ/アマノ 「アマノ〜〜〜!」 一瞬手を離すか躊躇ったものの、結局堪えきれずアマノに飛び付きました。そして、ちら、とスピカを見ます。 ……もう手を離したってどこにもいきません。安心すると、アマノを見上げました。 「スピカがね、みつけてくれたの! アマノもかえってきたんだねぇ!」 泣き腫らした目元のまま、アルレシャは笑いました。 「なんかね、でぐちあいたんだって。 アルはおうちにかえるけど……ふたりはどうするの?」 (21) 2022/01/29(Sat) 9:33:22 |
【人】 なんでも屋 アマノ>>19 >>21 スピカ、アルレシャ 「そうかァ、スピカがみつけてくれたか。 よかったな」 飛びつかれれば、その小さな体を抱きとめて抱き上げてやる。 数日前にもやったことだが、視線は高く、それはスピカの視線をも追い越してしまったはずだ。 「一人でよくがんばったな、チビ。 ……あぁ? そういえばなんか急に明るくなったな? そうか……出口が開いて朝日が昇ったってか」 とんだ不思議なことがあるものだなと思う。 これがあの城主が見せていた夢であるというのなら、この城を出れば俺たちは何処へ帰っていくのだろう。 「……家に帰れるなら俺の仕事はもう必要なさそうだな? 俺は……俺も外に仕事もあるし帰るっちゃ帰る……んだが」 ちらり、と。 頭一つ分は低いスピカの顔を見て、意味ありげな笑みを浮かべた。 「一緒に来るだろう?」 (22) 2022/01/29(Sat) 10:52:38 |
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