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【人】 千早 結──別の世界の話── [とある地方の美術館で、とある画家の個展が開かれていた。チケットやポスターに書かれている肩書きは現代アーティスト、ジャンルはインスタレーションとなっている。数ヶ月をかけてさまざまな地域の美術館で開催されている近年注目を浴び始めた日本新鋭アーティストの一人だった。 >>32芸術大学やデザイン専門学校短期大学の学生たちも多く足を運んでいただろうか。毎度会場にアーティスト本人が赴くことのない規模の個展なのだが、この年の開催は少し変わっていたという。 それは会場のあるひと区画にだけ、彼女の作品ではない無名の抽象画家の作品が飾られている事だった。作品の展示名も作者名すらない油絵が数点、そして特に目を引く中央に飾られた一点は「未完成」のままであった。 余談だがどの美術雑誌のインタビューに於いても、この作品類については個展の主催者ならびにアーティスト本人ですら、ノーコメントを貫いたという] (134) 2022/08/18(Thu) 21:29:39 |
【人】 四谷 隆史― 後日:とあるひのふたり ― [1年に一度、俺は光樹に我儘を1つ言っている 傍に居たいとか、ぎゅっとしてとか そういったものを含めればいつも我儘だろうけれど、 そこは目こぼしして欲しい 1年に一度。貴方と出会った日 その日は俺の生まれなかった子供の、命日 その日に行くお墓参りに、大事な貴方に ついてきてほしいのだと、願う 本日はその予定に1つ、追加で美術館に寄ることを 願うのには少し貴方に驚かれたかもしれない どうしても見てほしいものがあったんだ。 って、言って 美術館に持っていくには不釣り合いの 造花とお水の入ったペットボトル それらを持って2人でやってきた個展>>134 見てほしいものは、その作者のものではなく 一区画にある、中央の絵である] (136) 2022/08/18(Thu) 22:00:22 |
【人】 四谷 隆史 ……これ、返そうかなって思って。 [同じ”チハヤ”なのか、別のチハヤなのかはわからないけど 若しかしたらあの日探した”チハヤ”さんに関りのある人かもしれないから アーティストにか、それとも個展の開催者にか。 あの日拾ったスマートフォンを渡そうと思って。 その時に世話になったお礼と それからとある廃墟にて途中ではぐれてしまって未だ――…… といったことを話せたらな、と思う できなければ、関係者の方にこれをと、預けようとするだろう。] (137) 2022/08/18(Thu) 22:00:38 |
【人】 四谷 隆史[それがもし、できたなら。 俺は君の指に己の指を絡めて 行こっか、って微笑むのだ ――今日は我が子の命日であり そして世界で一番大事なあなたに、出会った日**] (138) 2022/08/18(Thu) 22:00:54 |
【人】 千早 結[少しずつ、ぼく生がきみの虚を埋めていく 代わりにきみの抱えた過去はその存在を失って行くだろう 死を選んだ行為がやむ得ないものであったとして、それがきみの中の正しい行いであったとしても。それでもきみを縛った過去そのものはゆるすつもりもない。ぼくはきみの虚を埋めて過去を消す きみの伸ばす掌が死を誘う希望なのだとしても。ぼくの心臓はきみの虚を消し去るまでは止まることはない>>127 ぼくの遠ざかる心音はきみの死に近づいていくバージンロードのようなものなのだ 生と死が二人を分かつなんて誰が決めた? 生と死こそがぼくらを繋げる絆になるのだ>>128] (139) 2022/08/18(Thu) 23:12:42 |
【置】 千早 結ありがとう、かれん 生まれて、そしてきみに会えて、よかった ぼくとずっと、ずっと一緒にいてください (L16) 2022/08/18(Thu) 23:18:58 公開: 2022/08/18(Thu) 23:20:00 |
【人】 千早 結[購買にあった雑誌などを見て二人で作った食事が並ぶテーブルへ、君の手を引きエスコートをする。 向き合う形で席に着き、スパークリングの赤ワイン風炭酸飲料 (中身はファン○グレープ) を注ぐグラスを渡すふりをしてきみが差し出す手をとれば 乾杯の前に少し静止して。ぼくはポケットから取り出した箱もない質素なリングをきみの指に滑らせるだろう] (142) 2022/08/18(Thu) 23:24:12 |
【置】 千早 結不恰好でごめんね、 きみの誕生日に間に合わなくって・・・ その、鋳金とかは出来なくて ほんと、おもちゃみたいだけど─── [まち針を曲げてリングを模した。縫い糸にビーズを通し、花のようなリングトップをあしらった やめる時も、すこやかなる時も、生と死を超えても、永遠を誓い合うためのもの]* (L17) 2022/08/18(Thu) 23:28:13 公開: 2022/08/18(Thu) 23:25:00 |
【人】 XX タチバナ― 0年12月24日 ― [死に近づこうとも決して消えることのない命>>139が ゆらめき、瞬き、微笑む。 ふと何かに気づいた様子で目の前の彼を見上げた。] また……伸びたね。 [物も、場所も、私も。 ここに在るものはすべて解放されているのに、 彼の心音だけが未だ正しい時を刻んでいる。 己の目覚めだけが「刻」を示す中で、 彼は狂うことなく、順応すらしてみせて 今、ここに在り続けていた。 彼が元来持っていた思考>>86が この地に会っていたからなのか、 吞み込まれたことで少しずつ変異したのか。 彼が傍にいれば理由なんて何でもいいけれど、 私の存在が意味になればいいと思う。] (148) 2022/08/19(Fri) 0:25:15 |
【人】 XX タチバナもちょっと切っておけばよかった? [過去は影になった。 彼にとっての己の価値を見誤ることはないし、 彼の好意も素直に受け止められる。照れるけど。 だから彼へ伸ばした手が拒まれることはありえない。 躊躇も怯えもなく前髪に振れ、毛先を揺らす。 少しずつ、結が私を埋め尽くしていく。 欠片の誇張もなく、彼だけのものになっていく。] (149) 2022/08/19(Fri) 0:25:27 |
【人】 XX タチバナ[しっとりと肌を滑る空気が彼の声>>141で霧散した。 注いだ黒は材質まで再現することはできず、 重さも感じさせないまま上着の形で停滞している。] ふふ……あは、 主役はお姫さまだったの? [珍しくくすくすと声を漏らしながら笑ってから、 彼に心からの祝福を贈り、願いを受ける>>L16。] いるんだよ。 ずっと、一緒にいるの。 [彼の差し出してくれた手を取りながら返事をする。 XXの言葉というには陰湿で、 誓いよりも呪いに近い響きを有していた。 この場に似つかわしくない温度を持って、 彼がくれた白を纏い、光の下、花のように笑う。]* (150) 2022/08/19(Fri) 0:26:04 |
【人】 XX タチバナ[花が咲いたのはどの指だっただろう。 彼が触れたことのない場所などないに等しいから いずれの指であってもサイズはぴったりだろう。] ……。 [一瞬、言葉を忘れた。 初めて会った時のように何も返せなかった。 ただまじまじと手元を見つめ、 驚いた表情を隠さずに彼の方を向き直す。] …………いつ、作ったの? [最初に出たのはそんな気の利かない言葉だった。 実際、彼の傍を離れることはほどんどない。 それなのに気づかなかった。隠されていた。 彼に関して知らないことがあった。 不満が炭酸の泡のように、ふつりと浮いて弾ける。 けれど、それは心地よい刺激だった。 足りないことがもどかしくて、新しい彼がXXしくて、 何より彼が与えてくれたものすべてが嬉しかった。] (152) 2022/08/19(Fri) 0:26:48 |
【人】 XX タチバナううん……っ、ううん、 いいの。 これがいいの。これしかやだ。 [おもちゃみたいなんて言う彼に慌てて首を振った。 指輪を嵌めた手を抱きしめ、胸元に仕舞う。 押し当てた手の甲が布の向こうにある穴を感じた。] ……うれしい。すごくうれしい。 ありがとう結。ずっと大切にする。 [この穴に広がる感情を、 どうやったら言葉で伝えきれるだろう。 口から出た言葉はありきたりな物ばかりで、 音の不自由さにもどかしさを覚える。 うっとりと手元を見つめた。 細い何かを曲げて作ったのだろうか。 それなのに指先に何かが引っかかる感じはなく、 丁寧に作られたであろうことは予想できた。 彼から与えられた物が私に傷をつけても、 それもまた悦びでしかないのだけれど。 今は何よりももどかしさが勝って、 指輪を贈ってくれた彼の手を捕えようとする。] (153) 2022/08/19(Fri) 0:27:16 |
【置】 XX タチバナ[――"結"ばれたのだと思った。 生と死を超えて、刻さえも制して、 あなたとわたしが永遠である証だと信じられた。] (L18) 2022/08/19(Fri) 0:27:58 公開: 2022/08/19(Fri) 0:30:00 |
【人】 XX タチバナ……わたしは、何をあげられる? [邪気を感じさせない穏やかな声で尋ねる。] 私には、私しかないの。 でも私はもう全部結のものだから……。 [そう、プレゼント。誕生日には必要な物。 随分と遠ざかっていたせいで思いつかなかった。 相手の目を盗んで準備する器用さもなく、 彼を捕らえた手も反対の手も空っぽだ。 だって、元々全部あげてるし。 だって、結が寝ている時も離れたくないし。 そんな言い訳が頭の中を巡る。] 教えて、結。 [だから、今、ここで。彼の願いを求めた。]* (154) 2022/08/19(Fri) 0:28:10 |
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