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人狼物語 三日月国


86 【R15RP】君と僕の、夏祭り

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【人】 二年生 鳳 凛

─ 花巻庵の屋台 〜楓と〜─

[声をあげた楓を凛は見る。>>2:285

知っている。
あの時も、楓の祖母は気にすることはないと言ってくれた。
楓の父親も、楓だって、“おれい”を渡しに行ったとき、何もなかったように凛を祖母の元へ案内しようとしてくれていた。
花巻の家で、凛を拒絶していたひとは居なかった。

だから尚更、思ったのだ。

謂れのないことを、受ける必要のない悪意を、
彼らに向けるようなことはしたくない。

幼い凛には何もないから、せめて。]


──ええ、楓さんが…お祖母さんが…

そう思ってくれていること、知っていました。
お祖母さんも、気にすることはないって言ってくれました。

でも私が、嫌だったんです。

私が居ることで、花巻の家のひとが悪く言われてしまう事。
責められてしまう事。
(4) 2021/07/27(Tue) 11:18:48

【人】 二年生 鳳 凛

[あの人たちが凛を厭う人間の気持ちもわかる。
みすぼらしい身形で、前世が貧乏神などと言っている放置子。
縁起も悪いし、貧乏神云々がなくても、関わりたくない、自分たちの店や家の近くに居て欲しくないと思ってしまうのだろう。
ネットでも、凛のような子を家に近づけない対処法などが纏められていたりする。]


…………フフ、そうですね。
真夜中だったら、みんな寝静まってて大丈夫かもしれませんね。


[楓が付け加える説明に凛は笑う。
きっと本当に、花巻の家のひとはあの頃から変わらず、凛に来て欲しいと思ってくれている。
そのことが楓と話していて、十分すぎる程伝わってきた。]


──、こちらこそ、ありがとう。

…何時でも伺えるように、私も考えてみます。
私も楓ちゃんと一緒にお茶したいですから。


[貧乏神を自称していて有名な凛だけれど、商店街でも花巻庵のように、篠田屋のように、受け入れてくれる人たちもいる。
少しずつでもその輪を広げることが出来たら、あの人たちが持つ悪い印象も変えることが出来るかもしれない。]
(5) 2021/07/27(Tue) 11:18:51

【人】 二年生 鳳 凛



…──私も、
今日の楓ちゃんみたいに綺麗にしてたら違うのでしょうか。

私は一般的なお洒落の感覚がわからないのですが、それでも、
今日の楓ちゃんは奇麗だと思いました。

その浴衣、とてもお似合いですわ。


[楓が笑うたびに揺れるヘアクリップの小さなリボン。>>1:161
お化粧が施された顔は眼帯をしていても、とても綺麗だと凛は思った。]*
(6) 2021/07/27(Tue) 11:18:54

【人】 二年生 鳳 凛

── 花巻庵屋台 ──

[近くで落川が店のひとにあれこれ話しかけている傍ら>>2:318、凛はたい焼きに悩んだり楓と話したり。
時間にしてどれくらいだったのか。
凛の体感では本当にあっという間にたい焼きは出来上がった。>>2:239


…わ、このべっこう飴、かわいいですわ。


[たい焼きの紙袋とともに手渡されたべっこう飴に、凛は目を輝かせる。
凛のものは籠、落川のほうを見れば帽子の形をしている。
凛と落川、それぞれをイメージして作ってくれたのだろうか。

落川がお礼にと楓に飴を渡す様子を見て、凛も何かないかと手持ちを探り、財布から四葉のクローバーを取り出した。]


公園で見つけて押し花にしたものですが…
受け取っていただけますか?


[無理をしているわけではなく少しでも、楓の気持ちをにお返しがしたくて、凛はそう申し出た。]
(7) 2021/07/27(Tue) 13:09:36

【人】 二年生 鳳 凛



ありがとうございました。またね。


[落川から声が掛かれば>>2:319、凛はそう楓に告げる。

花火はまだ始まったばかり。

歓声に賑わう神社の中、座れる場所を探して歩き始めた落川とはぐれないよう、凛はまた、そのシャツの裾に手を伸ばした。]**
(8) 2021/07/27(Tue) 13:09:40

【人】 二年生 鳳 凛

── 花火の歓声の中を歩きながら ──


[色鮮やかな華が夜空一面に咲いて、自然に沸き上がった声が終わるのを待たずに、今度は巨大な柳のような花火が暗闇に現れる。
一際大きく上がる歓声の中、凛はいう。]


先生がこのシャツを着てきてくれて良かったです。
いい具合ヨレてて、手に馴染みます。

離すのが名残惜しくなるくらい。


[たい焼きの紙袋は左手に抱えるようにして、べっこう飴はオルゴールの包みと共に巾着に入っている。
歩調を合わせて、ゆっくり歩いてくれる落川に微笑む凛は勿論、誉め言葉を言っているつもり。]**
(9) 2021/07/27(Tue) 14:02:23

【人】 二年生 鳳 凛

── 花火の下で ──



…え?



[不意に零された落川からの指摘は凛の胸を貫いた。>>46
凛自身には、落川と父親を重ねていたつもりはなかったからこそ、波のように全身の血の気が引いていく。
頭が真っ白になって、花火の音も歓声も、何もかもが遠くなっていく感覚だった。

冷静になって考えれば、落川がどのように考えて、そう思うに至ったかは理解出来ることなのに、そのように思われていたという事実が、その事実だけが凛の頭に響いて、思考を奪っていた。]
(59) 2021/07/28(Wed) 6:17:59

【人】 二年生 鳳 凛



私、は…


[ともすればあるいは、そういうこともあるのだろうか?という戸惑いが凛を詰まらせる。
だが、潜在的に落川に父親を求め、彼の中に父親と共通する何か見ていた可能性を考えると、すぐに心の中に否定が浮かんだ。

落川に父親と重ねられる部分は男性だという一点くらいしか見当たらない。

けれど、凛の応えを待たずに、凛の答えなど関係ないかのように背中越し、落川は言葉を続けた。]
(60) 2021/07/28(Wed) 6:18:02

【人】 二年生 鳳 凛



学校に、いる間は…



[衝撃を受けたように、凛は反芻する。

先生と生徒、学校にいる間だけ。
卒業したら、今みたいには居られない。
どこか突き放すように告げられた真実は、凛が漸く見つけられたと思った居場所は永遠ではないのだと念を押すかのよう。
まるで、壁を作って拒絶するかのようで。



────私の答えがなんであれ、
言う事が変わらないのなら何故、聞いたのですか?



凛の手から握っていた布がするりと、解けた。]
(61) 2021/07/28(Wed) 6:18:06

【人】 二年生 鳳 凛


………


[ベンチを見つけた落川は手を離した凛を気にすることなく、そのまま先へと歩いていく。>>48
凛はその場に立ち尽くしたまま、少しずつ滲んでいく背中を見ていた。
まるで身体が地面に縫い付けられたかのように、動かなかった。]



────…っっ


[落川が笑いながら振り返ると同時、凛の瞳に溢れた熱いものが頬を伝い、零れ落ちる。
この距離なら暗闇であれば、気付かれることもなかったであろう凛の顔を、爆音とともに新たに打ち上げられた花火が浮かび上がらせた。]
(62) 2021/07/28(Wed) 6:18:09

【人】 二年生 鳳 凛



…大丈夫ですよ。
“貧乏神”に好まれる素質は、先生は父の足元にも及びませんから。


[落川は学校の教師として、当たり前のことを言っているだけだというのに。
ついさっきまで、あんなに楽しくて。
今からだって、花火を見ながら一緒にたい焼きを食べて、他愛のない話をして、いつものように楽しく過ごせる筈なのに。


初めて流す涙の理由が、凛には自分でもわからなかった。]**
(63) 2021/07/28(Wed) 6:18:14

【人】 二年生 鳳 凛

[あの時、夢はないかと聞いた理由。>>57
それは本当にただ、知りたかったから。

“先生”なのに、見るからに怠惰で、それを隠そうともしないで。
でも、本当は面倒見が良くて、慕われている。

何か好きで、何が嫌いなのか。
何か、心の中を占めるものがあるのかどうか。

ただ、先生のことを知りたくて。]
(69) 2021/07/28(Wed) 14:13:01

【人】 二年生 鳳 凛




『今みたいな生活が長く続けばいい、
ってのが夢かもなー。』>>58



[何か心を占めるものはないのですか?なんて聞きながら。
でも、その向上心のなさは尊敬します、なんて言いながら。

私はきっと笑っていた。

お金持ちとは無縁、足るを知るひと。
でも、そんなことよりも。


今みたいな生活がずっと続けばいいのに。



先生もそう思っているんだって。
嬉しくて。]
(70) 2021/07/28(Wed) 14:13:05

【人】 二年生 鳳 凛


………私はずっと、“甘え”てたのですね。
先生はただ、“先生”として対応せざるを得なかっただけで


[今日も、楽しいと思っていたのは凛だけなのだ。
いつも美術室から声をかけてくれるのだって。
育てた野菜で作った料理を美味しいと言ってくれたのも。
リメイクした拾い物を使ってくれているのも。
用がなくても来る凛に、何も言わないのも。]


ずっと、私だけが…


[同じように思ってくれていたのじゃなかった。]
(71) 2021/07/28(Wed) 14:13:11

【人】 二年生 鳳 凛


一緒に居る時間が心地良くて…
勝手に先生もそうだと思って


[“甘え”て、]


良かったです。
“先生”に言われなければ、気付きませんでした。


[流れるものをそのままに笑う凛の頭上。
夜空に咲いた華がパチパチと乾いた音を立てて散っていく。]


“先生”のお立場を知ってしまった以上、
もう“甘え”られませんわ。


[貧乏神のように姿が見えなければ、決めたひとの傍にずっと居られるのに。
凛は人間で、花一高の生徒で、
先生は“先生”だから。]


…今まで、ありがとうございました。


[抱きかかえていた紙袋がクシャリと音を立てる。
凛は落川に頭を下げると、背を向けて歩き出した。]**
(72) 2021/07/28(Wed) 14:13:14

【人】 二年生 鳳 凛

── 花火の下で ──

[落川が自身のことを“先生”だと強調するたびに>>166、凛の胸に痛みが走る。
その悲しみとなって溢れる感情の源泉は、間違いなく、目の前の人間と、これまでの日々の中で育まれてきたもの。
思い出される暖かい記憶が苦しい理由は、その時間が限りあるものだと、やがて消え行く夢なのだと、他でもない落川自身が言っているからだ。

経験を積んだために生まれる諦念>>165が経験が未熟であるが故ともいえる純粋な希望>>70を闇と光の狭間で呑み込む。]



────…生徒と教師、学校という繋がりがなくなれば、
先生の中で私の存在は消えてしまうのですか?



[いっそ何もかも。
思いの丈を吐き出してしまえたなら。]
(180) 2021/07/29(Thu) 12:53:18

【人】 二年生 鳳 凛



───もう、会えないのですか?


[生徒でなくなっても、会いたいのだと。

伝えられたら。]
(181) 2021/07/29(Thu) 12:53:20

【人】 二年生 鳳 凛

[困らせるだけだ、と凛は心に目を伏せる。

当然のように、卒業しても、これまでのような時間を作ることが出来ると凛は思っていた。
生徒でなくなれば、流石に今のように美術室に入り浸ることは出来ないだろうが、それでも。

その気になればいくらでも、どこであっても会える筈。
二人が同じ気持ちであるならば─── ]
(182) 2021/07/29(Thu) 12:53:22

【人】 二年生 鳳 凛

[───しかし、それは凛の幻想だった。

落川にとって凛は卒業までの一生徒で、学校から離れればもう無関係。
だから、“学校に居る間は”と“先生”だということを強調するのではないのか。
そうであるからこそ、どんなに辛くとも、もう甘えることは出来ないと決めたというのに。

歩き出した凛の背中に落川は、まるで凛の考えが誤解であると思わせるようなことをいう。>>167
(183) 2021/07/29(Thu) 12:53:25

【人】 二年生 鳳 凛



[どうしようもなく湧き上がる想い。
はらり、声を震わせる凛から、
またひとつ透明な雫が零れ落ちていった。]**
(184) 2021/07/29(Thu) 12:54:56

【人】 二年生 鳳 凛

── お祭りの後で ──

[祭りを機にあからさまに凛が落川を避けるといったことはなかっただろう。
声をかけられれば普通に話すし、用事があれば自分から声をかけた。
傍から見れば何も変わりなく、今までのような“誉め言葉”を言う事もあっただろう。
ただ、その笑顔が今までとは違い、どこか静かなものになっていることに、当人の落川であれば、気付いたかもしれない。
不必要に美術室を訪ねることはもう、なくなっていた。]


…あ、楓ちゃん。
お祭りの日はありがとうございました。
あの後、お祖母さんを訪ねさせて頂きました。

──、あの日、私、少し色々ありまして、楓さんとお話していなかったら、ひとり、だったと思います。
いえ、基本、家ではひとりで居るのですが…………、
おかしなこと、言ってますね。

何を言っているかわからないかもしれませんが、お祖母さんを訪ねるという約束に救われたんです。

顔を出した私にお祖母さんは変わらずとても良くしてくれました。
お父様も夜にも関わらず、あの頃のように試作品をいくつか持って来られて。
味見してほしいって。
(185) 2021/07/29(Thu) 17:28:45

【人】 二年生 鳳 凛


[校内で楓を見かけることがあれば、凛はそう伝えて微笑む。

柊一は小牧とのことを凛に話しただろうか。
話してくれたならば、凛は心から嬉しそうに良かったね、と伝え、小牧にも、柊一をお願いします、と謎の立ち位置からお願いしていたに違いない。
更に、柊一のことで何かあったら言ってくださいね、などと言って、篠田屋を訪れた際には幼馴染特権を振りかざして情報提供もしていたとかいないとか。
凛のために余分に用意してくれるようになった端切れから、制服に使うならと小牧よりアドバイスを受けるようになってからは、凛の制服のツギハギは少しずつ目立たないようになっているという。>>65
(186) 2021/07/29(Thu) 17:28:49

【人】 二年生 鳳 凛

― ドクダミの花の頃 ―

[夕鶴に声をかけられたのは、いつだったか。>>133
放課後、美術室で過ごしていた時間を凛は、園芸部部室で過ごすようになっていた。

園芸部は当番制で花壇の世話をすることがメイン活動なため、部室は殆ど倉庫状態になっていたが、掃除して綺麗にすることで、顧問より許可を得、放課後ひとりでも自由に使わせてもらっている。

その日、凛は日課の野菜の世話が終わると部室を訪れ、宿題も借りてきた本もそのままに、肌身離さず持っているオルゴールの音色に耳を傾けていた。]


…え?


[控えめに開けられた部室の扉の隙間、覗くようにしてこちらを見る夕鶴>>133に凛は机に伏せていた顔を上げる。]
(187) 2021/07/29(Thu) 17:49:22

【人】 二年生 鳳 凛



…確か貴女は、書道部の田邊夕鶴さん、でしたよね?
名前を憶えて下さっていたなんて嬉しいです。


[夕鶴を部室に招き入れながら、凛は笑う。
書道部には以前、パフォーマンスの練習用に使いたいという事で、園芸部で使っているバケツを貸し出したことがあった。
その際、どういった流れか家族の話をすることになり、例に漏れずドン引きさせて(困らせて)いたこともあったかもしれない。]


え!
ドクダミって古くから生薬としても活用されてきたという、あの万能薬の?!



[漫画に出てくる説明キャラのような台詞を言いながら、凛は手を合わせると夕鶴の申し出に目を輝かせた。]
(188) 2021/07/29(Thu) 17:49:25

【人】 二年生 鳳 凛


でも、どうして私に?


[不思議そうに尋ねる凛に夕鶴は事情を説明してくれたのだったか。
引き取ることが助けにもなるなら、凛は遠慮なく喜んで夕鶴からドクダミを譲り受けただろう。]
(189) 2021/07/29(Thu) 17:49:31

【人】 二年生 鳳 凛

[それ以来、夕鶴から声を掛けられるようになった凛。
第二、第三のドクダミ戦争の際には、もしかして?うん、というやり取りだけで事情を察してドクダミを譲り受けるようになっていた。

そのうち、花壇で育てている野菜の話をすることになったなら、彼女の祖父母やご近所さんの知恵を教えて貰ったりもしただろう。
世話を手伝って貰ったり、収穫野菜レシピをスマホで調べて一緒に作ることもあったかもしれない。

三年生になる頃には、夕鶴は凛を見つけると笑顔を向けて、手を振るようになっていた。>>134]**
(190) 2021/07/29(Thu) 17:51:21

【人】 二年生 鳳 凛

─ 変わらないものと変わっていくもの  ─

[たとえ、祭りで何かあったのか、と聞かれていたとしても凛には答えようがなかっただろう。
落川は普段と変わりなく凛に接していたし、その中で凛がただ、気付いてしまっただけ。

凛は今までと何も変わらない振る舞いをしているつもりだったが、幼馴染にはわかってしまったのだろう。
小牧と付き合うことになったと報告してくれた柊一が、ある日凛を呼び出した。>>196



…柊一はいつも突然、語り始めますね。



[空を見上げながら、凛は笑って。
勇気を出してという幼馴染にはゆるりと首を振った。]
(314) 2021/07/30(Fri) 17:01:55

【人】 二年生 鳳 凛



私は偉くなんかないですよ…………
勝手な思い込みで、楽しく過ごせた筈の時間を壊してしまったから。
同じだったって、言ってくれたのに。


[落川の言葉を思い出して>>-363寂しげに笑う凛の頭に柊一の手がぽん、と乗る。
落川がしそうな行動に凛は目を見開いて、]


イケメン限定かどうかはしりませんが、、
こういうことは小牧さん限定にしたほうがいいですわ。


[小牧に嫉妬されているとは微塵も思っていない凛ではあったが、微笑みながら、冗談交じりに幼馴染を窘めた。]
(315) 2021/07/30(Fri) 17:01:57

【人】 二年生 鳳 凛



───…ありがとう。


貧乏神だったら、姿が見えないし、勝手に好きな人に取り憑けばいいのですが、
人間は相手の同意を得なければいけませんので大変ですね。

でも、そういう得難い関係だから、
尊いのでしょうね。


[頑固者の幼馴染は未だ、凛のことを、優しくされるべき人間で、幸せになるべき人間だという。
そして、絶対曲げないという意思の強さで、そう言ってくれる柊一を、凛はやはり優しいと思うのだった。]
(316) 2021/07/30(Fri) 17:02:00

【人】 二年生 鳳 凛

[卒業しても会いたいと思う気持ち。
卒業しても傍に居たいと願う想い。

それは少なからず友達に対してだってあるし、それぞれの進む道が分かれれば難しくなることだってわかっていた。
だから、あの日まで凛は自身の内にある特別な感情に気付かなかった。
どうしようもなく溢れる涙の意味、悲しみを生み出すもの、それがどれ程凛にとっては大切で、かけがえのないものなのかを。
けれど、これまでも幾人もの生徒を送り出してきた落川にとっては凛も例外ではなく、その時が来れば別れなければならないことは決定事項。
そして、そのことを理解出来ない程凛は子供ではなかったから、取るべき選択肢はひとつしかないと思っていたのだが、]
(317) 2021/07/30(Fri) 17:07:28