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人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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到着: 神置 穂村

【人】 神置 穂村


雨は蕭々と降っている

ぽつりぽつりと寄り集まった雨粒は
地表に溢れて道や畑や庭との境界線を
たちまち曖昧にしてしまった

果てが分からない水溜りは
今の季節、村や島でよく見る光景で
ひとも鳥も他の獣も動くものは他に何もなく

   ── 雨だけが、ただ蕭々と降っている
 
(36) 2020/05/15(Fri) 12:50:20

【人】 神置 穂村


雨粒は水溜りに数多の波紋を作っていき
波紋は互いにぶつかり合いながら
輪郭をすぐさま相殺していった

空はしばらく晴れる気配はない

どんよりとした雨雲は上空に居座ることを
決めたようで、分厚く色濃く空を覆っている

水溜りに無数の波紋を作りながら
雨は静かに全てを閉ざしていた
 
(37) 2020/05/15(Fri) 12:51:25

【人】 神置 穂村

  ── 夢のまにまに ──


それが止んだのに気付くのは
雲間から射す光にの眩しさに目を細め

    夢の外に出た後のことだろう
 
(38) 2020/05/15(Fri) 12:52:30

【人】 神置 穂村


どうしても夢でないと悟らねばならなかった時、
自分は茫然とした。そうして懼れた。
全く、どんな事でも
起り得るのだと思うて、深く懼れた。

しかし、何故こんな事になったのだろう。
分らぬ。全く何事も我々には判らぬ。
 
(39) 2020/05/15(Fri) 12:53:36

【人】 神置 穂村



理由も分らずに押付けられたものを
大人しく受取って、
理由も分らずに生きて行くのが、
我々生きもののさだめだ。


 
(40) 2020/05/15(Fri) 12:55:01

【人】 神置 穂村


自分は直ぐに死を想うた。

しかし、その時、眼の前を一匹の兎が
駈け過ぎるのを見た途端に、
自分の中の人間は忽ち姿を消した。

再び自分の中の人間が目を覚ました時、
自分の口は兎の血に塗れ、
あたりには兎の毛が散らばっていた。
 
(41) 2020/05/15(Fri) 12:56:34

【人】 神置 穂村



  
── 中島敦「山月記」 ──


 
(42) 2020/05/15(Fri) 12:58:01

【人】 神置 穂村

  ── 空港にて ──

[数えきれない人々が通り過ぎていく

人々は川のように通路を流れていた
生み出す雑踏は、天井と床に反響し
長く広い通路の中に漂い満たしていた

そんな通路の一画に
ロープで区切られた空間が設けられ
一台の飴色のピアノが置かれていた

自由に弾いていいと書かれた札が立ち
椅子にに座って鍵盤カバーを上げれば
通りすがりの旅行者たちが
思い思いに弾いて、立ち去るのが常だった

が、しかし ──]
 
(43) 2020/05/15(Fri) 12:59:23

【人】 神置 穂村



 穂村、もう少しだからな
 …いい子で待っててくれよ


[蓋やカバーが分解され、
ピアノはその内臓を剥き出しにされていた

近くにはナイロン製のキャリーバッグと
リュックサックから出された大量の工具が
敷布の上にバザーかと思う状態で並んでいた]
 
(44) 2020/05/15(Fri) 13:00:13

【人】 神置 穂村


[離れた壁際にある椅子にかけて
本を読んでいたこどもは、無言で頷いた

父の作業はすぐに終わるものではない
そういう仕事なのだというのは分かっている
故に、いつものこととも分かっている

そのまま、視線を本に戻して
文字の作る言葉や文章を追い始めた]
 
(45) 2020/05/15(Fri) 13:01:07

【人】 神置 穂村


[父の神置燈夜は「ピアノ調律師」であった

どんな仕事かと問われれば
「ピアノのお医者さんみたいなもの」と
穂村は答えていたし、そう彼から教わっていた

違いといえば、ピアノが自ら来るのではなく
島の診療所の先生みたいな往診がほとんどで
調律師自身が歩く診療所であること

それから、楽器店勤務ではなく
調律師を抱える事務所に所属している関係で
主に一般家庭のものではなく
学校やホテル、コンサート会場やホール

それから、駅や空港、街中に置かれている
多くの人々が行きずりで弾いていくピアノ

それらを調律することもあった]
 
(46) 2020/05/15(Fri) 13:02:35

【人】 神置 穂村


[いつもは学校があるから留守番だ

しかし、ちょうど夏休みだったのもあり
本やゲーム、宿題道具などを持ってきて
父につきそい空港の通路の片隅で過ごしていた

こんな時は漫画はかさばるから
大抵小説をもっていくことにしている

ハードカバーやソフトカバーも荷が重くなる
そう考えた結果、こども文庫と呼ばれる
新書サイズの本や文庫本に落ち着いたのだった]
 
(47) 2020/05/15(Fri) 13:05:03

【人】 神置 穂村


[読んでるシリーズものも既に最終巻
あと数ページで結末が分かる
そこまで読み進んだ時のこと

流れる雑踏から、ひとりの男が現れた

そろそろ、作業が終わったのか
父はピアノを元通りの姿に組み終えて
ピアノもすっかり綺麗に磨かれており

仕上げの弾きの作業に入っていた]
 
(48) 2020/05/15(Fri) 13:05:57

【人】 神置 穂村


[本業は調律師とはいえ、
父の音色は押しつけがましいところがなく

土に染み込む雨粒みたいに
スッと耳に馴染むから、穂村は好きであった

その曲が彼の出現と共にぷつりと途絶え
視線を移すと父は弾くのをやめて]
 
(49) 2020/05/15(Fri) 13:11:16

【人】 神置 穂村



 …フェイ、久しぶり


[男は四角い楽器ケースを背負った旅行者で
様々な人種国籍の入り乱れる流れにいたから
おそらく、海外から来たのだろう

父はピアノから顔を上げ
彼 ── フェイに笑顔で手を振り挨拶をした

どうやら互いに親しい間柄だったらしい
再会の握手とハグの様子から
穂村にもそれは朧げながら理解でき
気づいたら、フェイからハグをされていた]
 
(50) 2020/05/15(Fri) 13:12:16

【人】 神置 穂村



 …トーヤの息子は、ボクの息子
 ハジメマシテ、ホムラ

 
(51) 2020/05/15(Fri) 13:13:30

【人】 神置 穂村


[父以外にされることなど島でもなく
況してや父の付き添いで他国に行った時にも
してくるのは、ほぼ女性だけだったから
驚きはこの上なく

しばらく、雑踏の音が世界から消えた

当の父はそれを笑いながら眺めて
店仕舞いの作業をしているではないか

驚きつつも、嫌ではなかったし
彼もすぐ解放してくれたから無害な知人
穂村の中でもそう認識された

そして、後片付けが済んでから
3人でラウンジへと向かったのだった


    ── 雨音みたいな雑踏を聴きながら


十年余り昔の、父と彼との思い出である*]
 
(52) 2020/05/15(Fri) 13:16:35

【人】 神置 穂村

  ── 中華飯店 ──

[昼時の店は喧騒が時々起こっていた

学生街の一角にある店ではよくあること
小雨と思っていたら
突然雨脚が強くなったみたいに
誰がが声を上げ食器や椅子やテーブルが
音を立ててというのも日常茶飯事

通って2年を越した穂村も
いい加減になれた風景だった

高い位置に置かれたテレビは点いてはいても
画面では司会のタレントが話してる声は聞こえず
消音してるのに等しい

その内、誰かが消すかも知れない]
 
(55) 2020/05/15(Fri) 13:20:06

【人】 神置 穂村



 …おっちゃん、炒飯と湯麺
 別々にどっちからでもオッケーだよ


[午後の休講は確認済みである
学食かコンビニでサッと済ませて
慌てて練習室に駆け込む必要もない

となれば、空いた時間に何をしようか考えて
ゆっくり食べることも出来るということ

結果、選ばれたのはこの店だった]
 
(56) 2020/05/15(Fri) 13:21:11

【人】 神置 穂村



 …あちーっ、おばちゃんサンキュー


[先に来た湯麺を受け取ってにっこり笑う
ポケットから100均で買ったシュシュを出し
無造作に髪を束ねるとそれで結んだ

手にしていたスマホは
既にメッセージを送信していたから
アプリを閉じてバッグのポケットにスッとしまう

返信を待つなら出しておく方が合理的

とはいえ、それに伴うリスクの方が重大だった
ある意味命綱ともいえるツールを
無防備に晒せるほど能天気にはなりたくない

過去に失くしたぬいぐるみやお気に入りの本
それらを思い出せば嫌でもそうなる]
 
(57) 2020/05/15(Fri) 13:22:46

【人】 神置 穂村



 …いっただきまーす


[割り箸を割って口の中を火傷しないよう
ゆっくりと麺を啜る

返信が来るなら後で見ればいいし
来ないなら、それはそれで向こうの都合

自分の方が突発で出来た空き時間だし
こちらが目くじらを立てたり
感情的になるのは明らかに筋違い

食べ終わるまでに返信がなければ
彼は暇ではないということだろう

果報は食べて待つことにした**]
 
(58) 2020/05/15(Fri) 13:24:33
神置 穂村は、メモを貼った。
(a7) 2020/05/15(Fri) 13:35:23

神置 穂村は、メモを貼った。
(a13) 2020/05/15(Fri) 23:18:03

神置 穂村は、メモを貼った。
(a14) 2020/05/15(Fri) 23:22:27

【人】 神置 穂村


[麺を啜り始めた頃だった
突然、戸口がガタガタ鳴ったかと思うと
大声で話す男が入って来た

忌々しげな様子で話していた相手は
目の前にいる人物ではないらしい

手にしたスマホを耳に当てていた

しばらくして、通話も終わったようで
切ると、舌打ちをしながら店内を見回して
目の前の席に座ったではないか>>95]
 
(123) 2020/05/16(Sat) 4:55:40

【人】 神置 穂村


[咽せないよう麺に意識を集中せねば
スルーを試みるつもりで無言を決める

とはいえ、無反応というのも些か気が引け
結果、中途半端に頷くだけに留めた]
 
(124) 2020/05/16(Sat) 4:56:14

【人】 神置 穂村


[ところが、そうはいかなかった

流暢な大陸の言葉でオーダーを済ませると
自身の首筋を指差しながら、
話しかけてきた内容に思わず咽せかける]
 
(125) 2020/05/16(Sat) 4:57:20

【人】 神置 穂村



 
…可愛い、だ…と?



[髪を結んでいたシュシュのことか
というか、それ以外に考えつかない

聞き捨てならない言葉に思わず
ムッとしながらも、はたと我に返ると
バッグから自分のスマホを取り出し
保存してる画像を彼に見せた]
 
(126) 2020/05/16(Sat) 4:59:01

【人】 神置 穂村



 …あのな、可愛いってのは
 こういうのをいうんだ…分かる?


[画像の中では、生まれて数ヶ月の
ほわほわのパンダがわらわらといて
たくさんのぬいぐるみが転がっている

いわゆるネットで拾いものだった]
 
(127) 2020/05/16(Sat) 5:00:19

【人】 神置 穂村



 …あと、俺は…可愛いじゃなくて

 カッコイイ、イケメンっていうんだ
 、、、、、、、、、、
 カッコイイ、イケメン…な?

 そこは、ちゃんと覚えてくれろ?


[そう告げると、にっこり笑った**]
 
(128) 2020/05/16(Sat) 5:03:31
神置 穂村は、メモを貼った。
(a22) 2020/05/16(Sat) 5:12:16

神置 穂村は、メモを貼った。
(a24) 2020/05/16(Sat) 5:17:21

【人】 神置 穂村


[向かい側の席に
エビチリとご飯のセットが並んだ

赤みの強い橙色のソースは目にも鮮やかで
唐辛子も利いてるに違いない
ふわっと揚がったエビは中もぷりぷりで
ソースに抱かれた衣はしっかり味を吸ってそうだ

というか、それが美味しいのを知っている
伊達に通ってはいないのだから]
 
(229) 2020/05/16(Sat) 21:29:40

【人】 神置 穂村


[刹那、それに釘づけになっていたものの
目の前の男が運んで来た女性へ
流暢な大陸の言葉で、問いかける様子に
内容は分からないのに何故かザワザワする

見せる笑顔の端々に
役者の違いを見せつけられたような
居心地の悪さを覚えたというか

小馬鹿にされたようなニュアンスで]
 
(230) 2020/05/16(Sat) 21:31:03