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【人】 舞台役者 ヴィクトル─ 回想・影を照らす光 ─ [ 友の姿を見たのは何日ぶりだろう。 少なくとも一ヶ月、長ければ数ヶ月位は経過している筈。 「久しぶり」という言葉に違和感を覚える。 大学を卒業し、互いに別の道を歩むことになったが オフの日には定期的に会っていた。 こんなに会っていなかったのは、初めてかもしれない。 長期出張から帰還し、「久しぶり」に見た友の姿は 一層輝きを増し…………酷く眩しく見えた。 ──やはり、俺とつるむべき男では無い。 ] ……頑張り、努力した結果がこれだ。 ……今の俺は、一体何なんだろうな……? [ 居場所の出所に関しては想定内>>1:177。 返答を否定したい訳では無い。 気遣いで言ってくれたのだろうと、頭では理解出来ている。 ただ、底へと堕ちたこの心は、肯定の言葉を 素直に受け止められることすら出来なかった。 世界から取り残されたかのような静寂の地の中、 時が止まったままの男の心は ──── 未だ癒えず。] (0) 2019/04/15(Mon) 23:03:45 |
【人】 舞台役者 ヴィクトル[ 今まで意地を張り、頑なに会おうとしなかったことが 嘘のように、お高く止まったプライドとやらは 砂のように音も立てず、地へと流れ堕ちた。 止め処なく落ちる雫を、差し出されたハンカチで拭うが 数秒で使い物にならなくなってしまう。 追い打ちを掛けるかの如く、耳に入る声>>1:178>>1:179>>1:180 には、時には頷き、時には首を振り 言葉を発する事無く聞いていた。 言葉を発せられる状態では無かった上、 ]たとえ発せられたとしても、 何を言えばいいのかが分からなかった。 最適解な言葉が分からないのでは無く、 純粋に、言葉が出なかった。 (1) 2019/04/15(Mon) 23:04:01 |
【人】 舞台役者 ヴィクトル[ ただ、確実に感じ取れたことは。 ──背を包む 硬くも柔らかい腕が。 頭を埋めた先の 鼓動を感じる胸が。 この温もりが、離れて欲しく無いと。 自分を包み込んでくれることに、安堵を覚え 一条の救いの光が、微かに見えたような気がした。 何故、リーベルトがずっと眩しく見えていたのか。 今この瞬間、理由を全て理解できた気がした。 ] (2) 2019/04/15(Mon) 23:04:06 |
【人】 舞台役者 ヴィクトル[ 涙雨が止むまで、どれほどの時間が経過しただろう。 ぐちゃぐちゃになった顔は短時間で戻らないが、 やがて、幾らか話せるまで、落ち着くことが出来た。] ……ヴィクと、リー……勝利……か。 上手いこと言うな。流石だぜ。 [ 先程、呟いていた言葉が頭から離れない>>1:180。 先の舞台はリーが不在だったから失敗した訳では無いが、 次があれば、今度こそは再び足を運んで貰い ── 奴の為に、勝利を捧げることにしよう。 ]( ……はっ、また舞台に上がること考えちまってた。 昔からの夢、やっぱ簡単に諦められねぇな……。 ) [ 己の往生際の悪さが、ここにきて顔を出してきたようだ。] (3) 2019/04/15(Mon) 23:04:10 |
【人】 舞台役者 ヴィクトル[ 差し出された南瓜コロッケを受け取り食すが 奴がここに来て既に数時間が経過している。 当然ではあるが冷え切っていた。 温め直せば良いのだが、そのまま口にする。] ……ありがとう。うん、……やっぱ美味い。 [ 冷えた南瓜コロッケの味は、普段より数倍も美味に感じられ 腹だけでなく、心までも充満された気がした。] …………。本当に、ありがとう……。 [ この日は、リーが多忙であると知りながら、 結局長時間引き止めてしまった。 家を出る頃にはすっかり暗く──日付は変わってない筈だが、 もしかしたら変わっていたかもしれない。 きっと、今まで会えなかった分の反動と、 邪魔をしていたプライドが、消えてしまったこともあっただろう。] (4) 2019/04/15(Mon) 23:04:16 |
【人】 舞台役者 ヴィクトル─ それから ─ [ 翌日、逃げるように離れた劇場を、数ヶ月ぶりに再び訪れ 団長、団員達の前で座り込み──頭を床に押し込んだ。] 先日から今日までずっと 身勝手な行動をして申し訳ありませんでした! 私は私を育てて下さった団長に、皆に、 何も恩返しが出来ていません。 むしろ、恩を仇で返す行為をしてしました。 ですから…… どうか一からやり直させてください! 何でもしますから! [ 頭を上げ、宣言し終えれば再び床へと付ける。 周囲のざわめきが聞こえるが、何を言われようが、 どう思われようが関係ない。 これは己にとってのけじめであり、一度全て捨て置いた故。 己の愚行を許容しただけでは無く 「いつでも戻って来るといい」と、居場所を残し、 様々な物品を差し入れ援助してくれた団長の為。 ] (5) 2019/04/15(Mon) 23:04:22 |
【人】 舞台役者 ヴィクトル[ 頭を丸刈り──にはしなかったが ここから、俺の第二の人生──裏方生活が始まった。 小道具作りに絵描き、楽器演奏、炊事洗濯、 一応 掃除。特に絵は昔から得意だった為、描くことも多かった。 皆の為に汗水垂らし、働き続けた裏方生活は数年間── ほんの少し前まで続いていた。 役者として汗水垂らし稽古に明け暮れていた数年、 遠ざかっていた基本の基本。 文字通りの一からのスタート。 ──やがて、舞台に再び上がる日が、 ]*遠くない未来に訪れるのだが、それはまたの話。 (6) 2019/04/15(Mon) 23:04:25 |
舞台役者 ヴィクトルは、メモを貼った。 (a0) 2019/04/15(Mon) 23:09:16 |
【人】 舞台役者 ヴィクトル─ 少し前・車内にて ─ [ ラジオの音量が元に戻ると聞こえてきたのは、 俺にも聞き覚えのあった声だった>>1:222。 運転中なので飲料を口には含んでいなかったが、 同じように吹き出しそうになってしまう。] ……あいつも随分と元気そうだな。 ラジオにまで呼ばれるとは、随分と出世したものだな。 [ ゲストがリーの弟であることは知らなかった。 以前家族の話が出たが、リーの弟がどんな人物か、 名前すらも知らずにいる。 真面目な堅物か、一癖あるのか。 是非一度会ってみたいものだが。] (24) 2019/04/16(Tue) 2:17:15 |
【人】 舞台役者 ヴィクトル[ 過去、リーからサバクンジャーの話を持ち掛けられた時は、 驚きはしたが、全くの予想外という程では無かった。 当時の俺は役者復帰前とはいえ、 メンタルもある程度持ち直していた時期。 裁判所の戦隊ものショーの出演依頼かと思っていた。 元舞台役者への依頼としては、特段珍しくは無いだろう。 俺自身の復帰の糧となるかもしれない、 さらに友の頼みとあらば、と快諾したのだが>>223 想像以上に多くの仲間が集結したことには驚いたものだ。 リーの人脈と人望を改めて思い知っていた。 エクスキュートブルーとは、サバクンジャーの頭脳にして 悪を挫く執行者 ─ EXECUTIONER ─ リーダーであるリーの右腕に相応しい色を誂えてくれた辺り、 ] 流石の人選だと頷き、満足だったのはここだけの話。 (25) 2019/04/16(Tue) 2:18:12 |
【人】 舞台役者 ヴィクトルぐっすり寝られたということは それだけ疲れてたってことだろう。良かったじゃないか。 ははっ、なら素直に受け取っておこう。 裏方人生、回り道の経験が生きたってことだ。 [ 運転を褒められて悪い気はしない。自然と表情も緩んでいた。 実際、地に堕ちてからの裏方人生は、 様々なことを見つめ直す良い機会だった。 トップを張る役者として上を目指せば目指す程 「当たり前」に用意されていた周囲の環境は、 全て仲間達の手によって用意されていた、という基本を 思い返すことが出来たのだから。] 冗談半分で言ったら、本当にその夢だったのか。 根に持ってたら此処には居ないし、 一緒に旅行なんて当然行ってないだろ? まぁ、話のネタには事欠かないとは思ってるさ。 [ 冗談めかしにやっと笑む。 徐々に己との思い出となれば、さらに表情は柔らかく。 ラブソングで「私達の出会いは奇跡で運命」的な歌詞が 出ることがあるが、俺達の出会い、そして今に至る現状を 考えれば、本当に奇跡だなと過去を振り返り──苦笑する。] (26) 2019/04/16(Tue) 2:18:24 |
【人】 舞台役者 ヴィクトル─ サービスエリア売店 ─ [ 蜜柑味のソフトクリームを先に買い、戻りを待っていると リーが買ってきたのは、随分可愛いソフトクリーム>>1:227。 劇団員の女性達が噂をしていたのを、横で見た記憶がある。] 随分と可愛らしいもの買ってきたんだな。 しかも嫁入りとは……っと。 [ 早速スプーンに載った、嫁入りおいりソフトが運ばれて来た。 冷えたクリームにパステルカラーのおいり。 おいりは見た目からラムネのようなものを想像したが、 どうやら”あられ”らしい。 リーが先に食うべきだろう、と思ったものの、運ばれた ものを拒否する理由は無い。それに食欲は常に旺盛な俺。 自然と口は開き、スプーンにぱくりと食いつく。] (27) 2019/04/16(Tue) 2:19:11 |
【人】 舞台役者 ヴィクトル……うめぇ。甘さもしつこく無くて良い感じだ。 だがな、俺に先に食わせてどうするんだよ。 俺いつもそんなに飢えてるように見えるか? [ 見えている、と言われたら否定できないが。 カラフルなスプーンが握られた手を上から掴み、 お返しとばかりにリーの口元へと運ぼう。 次には、俺が頼んだ蜜柑ソフトも差し出すことを忘れずに。 運ばれたものは口にしただろうか。どちらであれ 「クリームがついてるぞ」と理由を付け 完食後、顔を近づけ不意打ちがてら軽く唇を舐めようか。 クリームが付いてなくとも構わずにしているがな。 ] (28) 2019/04/16(Tue) 2:19:17 |
【人】 舞台役者 ヴィクトルよーし、じゃあ行くか! あと数時間もあれば着きそうか。 このまま俺が運転してもいいが、どうする? [ 暫く休憩を挟み、飲み物と軽食を購入し、 再びドライブを再開することに。 リーの車で移動していること、 (疲れて)よく眠っていた様子を見ていたので 引き続き俺が運転しようか申し出るが。 ──運転が上手い、と褒められたことが 単純に嬉しかったのも勿論ある。 次の運転は果たしてどちらになったやら。 もしリーが運転していたのなら、先程と同じように、 今度は助手席の俺が、途中で舟を漕いでいたことだろう。]** (29) 2019/04/16(Tue) 2:19:21 |
(a2) 2019/04/16(Tue) 2:23:09 |
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