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人狼物語 三日月国


104 【R18G】異能遣い達の体育祭前!【身内】

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世良健人! にじり寄る死に恐れ戦け!

/* いや鏡沼吊れろよ(ガチトーン)


「……さて、一日後はどうなるか、ですねえ」

ぽつりと呟いた。

ピンポンパンポーン









 
              』

ピンポンパンポーン

 鏡沼

「ブチ犯……………………」

そんなつもりで言ってなかったのに。
やっぱりこの先輩怖い。
(※被害妄想が多分に含まれています)

怖い、けど。

「………………。
 じゃあ。…………なんか。
 あったまれる、もの。…………ない、すか。
 ぼく。屋上で、寝るんで」

自分のせいで怪我とか死人とかがうっかり出たりしたら、そっちのほうが怖い。多分一生引き摺る。
だったらワンチャン凍死チャレンジのほうがまだマシだ。

「おっつ〜(万国共通挨拶)
飲んだ薬、遅効性…ってコト!?ま何にせよお疲れちゃん💛」
今日も緊張感が無い男

一昨日はサボり、昨日は保健室。
今度こそ部活に穴を開けるわけにはいかない。

今朝も早くに登校していた僕は、定刻通りの朝の放送の音を聞く。

「…………?」

放送に、声はない。
本を読んでいた顔を、上げた。

席を立った。

【人】 紫の苧環は咲く 御旗栄悠


「チャリで女の子乗せて2ケツって憧れたことあるけどさ。
 シオン・グレイヴズがその女の子って点考えると、
 なんか……怒られるリスクに見合わないと言うか……」

無礼なことを言っている。
自転車より自分が走った方が早いし、
漕いだのも何だか久しぶりだ。転ばなくてよかった。
(6) 2021/11/02(Tue) 22:55:47

【人】 紫の苧環は咲く 御旗栄悠


「ばっ……とっとと降りろ馬鹿。
 あんたといるとよりかわいい女の子が逃げるだろうが、

 それに、なんで青春成分の足りなさを、
 態々論われなきゃいけないんだ。泣くぞそろそろ」

こんなものアオハル仕草だとは断じて認めない。
(8) 2021/11/03(Wed) 0:36:10
御旗栄悠は、屋上に視線を向けた。もしかすると、ひょっとして?
(a7) 2021/11/03(Wed) 0:36:29

  鏡沼 柏倉(昨日)

「いえ…………
 夜は、さすがに…… 中に…………入ります…………
 人いないし……」

新たな来訪者に震えながらも頭を下げた。
震えているのはこのあとやっぱりボコられたり薄い本的展開になったりするのでは? と思っているためだ。
神谷は基本的に他人を信用していない。

……『見間違え』は、この状況でも起こらなくはない。
が、今は『会いたい』度合いに比例して発生率が上がっているようで…… それがなければ見間違えることも、転送されることもないだろう。


「…………あの。ところで……、…………これ…………」

異能抑制剤。
本来ならそれは文字通り、異能を抑制するもの。
だが自分の体にはそれとは別の薬が効いている。
……果たして、抑制剤はまともに効くのだろうか?

88%効いた。


静かに、放送室の扉を開けた。

  鏡沼 柏倉(昨日)

えっ……。めっちゃ効く……。


頭がずしっと重くなる感じはした。これはいつも飲んでる薬でも感じるものだが、重さが激しすぎる。
なんかもうまともに思考すら回らない。だるい。眠い訳じゃないけど寝たい。

「………………ぅあ ありがと ござます」

「あの ぼく おかえし なにすれば いい」

「くすり つくえに はいってて
 でどころ わからない ……けど」

「できること します なんでも」

思考が回ってないときほどまともに喋れる男、神谷。

【人】 紫の苧環は咲く 御旗栄悠


#泣かすぞシオングレイヴズ」

運転中だからろくに抵抗できない。
いっそ振り落としてやろうかな、この子。
(12) 2021/11/03(Wed) 0:59:26
 鏡沼

「はい それで いいです
 どうぞ おすきに」

両手を手首辺りで揃えて前に出す。
手錠をかけられるときのポーズ。
なげやりにも程がある。

 柏倉(昨日)

「やすむ はい わかりました。
 おさわがせ して すみません……」

出した手を引っ込め、
その場に座り込んだ。寝る気だ。


異能は周囲に全く効果を及ぼしていない。
転送も悲鳴も発生していないようだ。
安心して……寝られる……。

 放送室
しんと静まり返ったその場に、人が集まっていく。
楢崎大地が訪れた頃には、
鏡沼創、朝日元親の両名の姿があった。
そう、その二名しかいない。

ブースの奥、女物らしい鞄。
脇には空の小瓶とペットボトル。

それだけだった。

>>放送室

「……」

嫌な予感は的中したのかもしれない。
前髪の下で僕は目を伏せて、匂いを辿ると空の小瓶とペットボトルに近付いた。

…………そう


それが何か、僕はよく知っている。
だから、まず小さくそう漏らした。

「僕が来た時には、彼しかいなかったよ」

後から来た楢崎に状況を伝えた。
ブースの中に、鏡沼の姿があるだろう。

>>放送室
その言葉の通りに、ペットボトルは揺れることもなければ、
持ち上がることもない。
中の水面が凪いでいるだけだ。

>>放送室

「ここにいる、っていう判断に理由はある?
 もしあるんなら、もう少し気を引き締めて探す。
 ここにいないんなら、ここをどんなに探しても無意味だよ」

僕は鏡沼に尋ねた。

>>放送室

「僕は精神系の異能のことは詳しくないけど。
 つまり、先輩があんたを認識してるから、僕にはあんたが見えた。
 そうでなければ本当はあんたはここにいない。
 ここにあんたがいることが、先輩がいる証拠……ってことかな」

「……それなら、納得はできる。
 前は先輩のこと、匂いで見つけることが出来たけど。
 今は、どうだろうね。やってみるけど」

────ぴちゃり。


水音がする。
机の上のペットボトルからではない。壁際の床。

見ればそこには滲んだ土色。
酸い臭いのする、水溜り。

なんだと見れば。

────ごん。


鈍い音。
そこから紅が染まっていく。広がっていく。

まだ見えない。

聞こえた水音に振り返った僕は、つんと酸っぱい匂いに一瞬顔を顰めた。
顰めたところで前髪の向こうだ。
大してわかりはしないだろう。

慌てた様子で駆け付けたもう1人の鏡沼。
さきほどまで居た彼が消えている以上、こちらはこちらで何かがあったということだろうが。


「何か、した?先輩が? ​
──​─あのバカ!



僕は盛大に舌打ちをした。
見つけられるかわからないなんて悠長なことを言っている場合ではないらしい。

何がなんでも、見つけなければならない。

 

そう思った僕の視線の先に、
空の小瓶とペットボトルが映った。

あの薬を飲んだ時、僕がどうしたか。
そして先輩も同じようにしたとしたら。

そう思った時にはもうペットボトルを手に取っていた。
この中が、
ただの水
でもそれはそれで構わない。

そうでなかった時、
少し確率が上がる
程度の博打でしかないのだ。これは。

 

ペットボトルの栓を開け、残った水を飲み干した。

ペットボトルの中身はただの水のように見えた。
透明な液体。ラベル。緑のキャップ。
市販の水のようにしか見えない。

だが、口にしたあなたならわかるだろう。
この味には、感覚には覚えがあると。

傍らに置かれたままになっている小瓶も、
同じ人物から受け取ったものであるのだから。



​──​──正解だ。


あながち僕の勘も、馬鹿にはできないらしい。
勘と言うには推理に近かったけど、無事正解を引き当てた。

口の中に残る、ただの水とは違う味。
ぐらりと足元が揺れるような眩暈。
吐きそうだ。でも、意識を手放してなんかやらない。


今回は、この副作用の覚悟も決めて飲んだんだ。


でもこれ、また部活に顔出せそうにないかもな。
でも今回は、謝ってなんかやらないよ。守屋先輩。

そこにいたはずの鏡沼の姿が消える。
あいつはあいつで何かしてるんだろう。
身体を張るのは何も、僕だけである必要はないだろうから。

感覚がまた鋭くなるのを感じる。
吐き気を堪える口許から、骨砕歯と裂肉歯が覗く。

僕は、先輩の匂いを探す。先輩の匂いを辿る。
絶対に僕が見つけてやるなんて約束は出来ないけど。

今回ばかりは、必ず見つけると。
執拗いハイエナは、そう強く思う。

白い世界で、手を伸ばす。そこに誰かがいるかもしれない。誰かが握ってくれるかもしれないと。

楢崎大地を見送った。今はマトモな言葉が出そうにはない。

僕≠ナはない、僕は。先輩の匂いを辿り、漸く。

​──​──​──見つけた。

手を伸ばす。引き寄せる。
引き摺りだそうとする。

精神系の異能には詳しくない。
誰にも認識できない世界なんて、僕は知らない。

だからこっちに戻ってこい。
僕の知っているこの世界に、戻ってこい。

先輩がいないと、マイクに向かって下手な放送を披露しないといけなくなるじゃないか。



おかえり、バカ先輩


その手で先輩に触れる直前、僕は小さく、そう呟いた。

「────……
…………」


気付けば手が目の前に見える。
誰の手かは、わからない。
それでも……こちらに差し伸べられた手を。
────掴んだ。

「────────」


────瞬間、白と黒の世界に彩が溢れる。
赤が、青が、緑が、黄が。
あらゆる色が、ちかちかと瞬いて。

あなたたちの前に。
涙と汗と涎と紅に塗れた、不細工な顔がそこにはあった。

「────


安心したのも束の間、現実の世界が塗りつぶされていく。
白く白く、色彩を奪って。
だけど、違うのは手をつないだあなたを、
あなたたちを引き込んで。
また白に沈んでいく。

とぷんと。
孤独な世界は三人を飲み込んだ。
あとに残ったのは、ただの静かな放送室と、保健委員。