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人狼物語 三日月国


94 【身内】青き果実の毒房【R18G】

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【人】 4432 貴戸 高志

「………………」

端末の投票結果を静かに見下ろしている。
(0) 2021/09/20(Mon) 21:42:40

【妖】 4432 貴戸 高志

>>$0
側位?とも思ったけど違いますもんね なんなんでしょうねあれ(?)
($3) 2021/09/20(Mon) 22:13:29

【念】 4432 貴戸 高志

/*
この窓が見えてるよいこの皆へ。

【回想】とついているものは貴戸の過去ソロールなのでPCは見えないものとして扱っていただけると嬉しいです。
ついていないものは貴戸中心カメラとして楽しんでね。
(!0) 2021/09/20(Mon) 22:41:43

【秘】 4432 貴戸 高志 → 9949 普川 尚久

貴方がどんな顔をしてもどこ吹く風。けれど、面白そうに笑う貴方を見た時は不思議そうに少しだけ首を傾げた。

「貴方は大して変わらないと言いますが、受け入れる側はやはり大変だと思いますから。それに性交渉の話を持ちかけたのは俺だ。だから動くのは当然です」

けろりと答えた。
それから、暫く考え込んでから口を開く。

「普川先輩はここでしばらく休まれますか?俺がいると休みにくいのであれば、先にここを出ましょうか」

しばらく体を丸めて眠っていた姿を思い出す。
(-22) 2021/09/20(Mon) 23:20:22

【念】 4432 貴戸 高志

時系列は普川と某所(>> 2:$7)で過ごした直後。
企画開始直後に赴いた時と同じ、自室から随分遠く離れた場所のトイレに足を運んだ。

ネクタイを取り去り、シャツのボタンを少し外してから鏡を覗き込む少年が映し出されている。
指を這わせた鎖骨や首筋。触れなくても未だかすかな熱が残っている。外してシャツをずらせば、きっと噛んだような痕の上から"爪で引っ掻いたような痕"がついているのだろう。

普川が付けたものじゃない。彼はただひたすら横向きに転がり事が済むまで大人しくしていた。

じゃあ一体誰が?そんなもの、一人しかいない。

首筋をしきりに撫でる。相手を揺さぶる途中から「何かが足りない」と気付いたけれど、半分無意識のうちに己の首を引っ掻き始めたのは自分でも思ってもみなかった。

考えを振り払うように頭をゆるく振って、ネクタイを再び結び始める。着衣に乱れがないことを確認してから、少年は何もなかったかのように平然と歩き始めたのだった。
(!1) 2021/09/20(Mon) 23:36:16
貴戸 高志は、食堂に顔を出し、バイタルチェックなどを済ませてからふらりと部屋へと戻っていった。
(a0) 2021/09/21(Tue) 0:31:17

【秘】 9949 普川 尚久 → 4432 貴戸 高志

「……そぉ……理屈が分かりやすくて助かるな貴戸さんは。
 “正しい”に君なりの理由があるの」

 視線だけを一度あなたの方にやって、それから目を閉じた。

「僕はさ、貴戸さんの方が居る理由ないでしょって言うよ。
 話したいこと話して、追加のご用事も終わって。
 動いたから別の用事も出来たよな、汗流すとかね」

 ここでした会話を思い出しながら言う。

僕これと似たことここで言ったけど、

 
黒塚さんみたいに自分の“正しい”がなくて、

 
他の人の評価基準でしかない人のことすごいわからない……


 愚痴を言うように吐き捨てた。聞いてもらいたいだけで意見を求めているわけではない女子のそれを彷彿とさせるテンションだ。

「ずっと言ってるけど、僕のことて気にしなくていいの。
 それでも気にする人が居るのは知っているから、
 別に要らない、って言われた上でするんならしてたらいいさ」

 少し身じろいで、数度の深呼吸をする間が置かれる。

「僕はここでしばらく休みますね。休みにくくはないから、
 貴戸さんがご用事持ってるとこに行くんでいいんと違うかな」

 居るんなら口だけなら動かすよ、付け加えて言った。
(-28) 2021/09/21(Tue) 1:09:02

【秘】 4432 貴戸 高志 → 9949 普川 尚久

黒塚のことを耳に入れると、はぁ……とただ相槌のような言葉をこぼして黙って聞いた。自分も彼のことはよく知らない。貴方の話を聞いても「謎に包まれた人物だな」と今までのさほど変わりない再評価をして終わった。

「そうですね。気にするなと言われても気にしてしまうものは気にしますから、これからも好きなようにします。普川先輩に怒られない限り」

一通り話し終えて、用事が終わったことを確認し……最後に、一つだけ疑問に思ったことがあったのでなんとなしに拾い上げて貴方へ放り投げた。

「それなら、ここを出る前に質問を一つだけ。
先輩はその……先日一人で行為に及んでいた時がありましたけれど。その直前に何かしましたか?例えば薬を飲んだとか、おかしなものを食べたとか。
俺と及んだ時は性器があまり反応なかったのに、あの時の映像ではきちんと射精できていたから少し不思議に思いまして」
(-29) 2021/09/21(Tue) 1:35:30

【念】 4432 貴戸 高志

【回想】

兄と目があった。
同じ血が流れているはずで、顔つきもそこまで違っていない筈なのに、感情豊かに顔が変化する彼をどこか羨ましいと思っていた。泣くことは許されていなかったし、責務を果たそうと努力するうちにどうやって笑えばいいのかも忘れてしまっていたから。

兄は俺と目が合っただけで泣くように笑い、笑うように泣いて、時折火がついたように喚き散らして怒っていた。器用な人だと場違いな感想が浮かんだ。

俺は無実だ。この女とは別れた筈。それでも迫ってきたのはあちらのほうだ。
そもそもお前は何故ここに来た。俺を馬鹿にしにきたのか。良いよな、お前は何でも手に入って。

"完璧なお前に俺の苦労が分かるか"。

そんな事を言っていた気がする。もう正確に内容を覚えていない。
人は他人の存在を「声」から忘れていくのだという。実際、内容も声も忘れてしまった。ここにいると決めた時から、たいていの物は不要だと脳が認識してしまっていたからだろうか。
あれだけ過ごした屋敷の細部が、ところどころ陽炎のようにぼやけてしまっている。

閑話休題。
捲し立てる兄へ一歩踏み出した。大量に血を飲み込んだ畳の感触がやけに気持ち悪かったような気がする。
あれだけ言葉を吐き出し続けていた兄は「ひ」と短く悲鳴を上げて黙り込んだ。そちらのほうが都合が良い。

全てを投げる選択をするというのに、頭も心も冷め切っていた。
ああ、むしろ、熱を帯びていた時間など、"俺"には一体どれだけあったというのだろう。

「兄様。俺に協力してくれますか?」

ただそれだけを告げた。
今まで積み上げてきたものを捨てるにしては実にあっけない別れの言葉だった。


結局、俺にとって"俺"という時間の価値なんてそんなものだったのだろう。
(!2) 2021/09/21(Tue) 2:37:33

【独】 4432 貴戸 高志

パソコンから書くと完全に小説を書く気分になってしまうからめちゃくちゃ文章量が増えてしまいますわね
(-36) 2021/09/21(Tue) 2:43:25

【念】 4432 貴戸 高志

【回想】

流石に死体を綺麗に処理する方法は勉強してこなかった。

今から調べるにしても時間が足りないし、そもそも屋敷の人間に自分の動向は常にチェックされ続けている。今日は父も祖父も不在で、普段より屋敷にいる人間の数も少ない。俺が離れにいると気付いている者もいない筈だ。それでも、必要な道具を取ってくるのは難しいだろう。
自分の状況を振り返って、兄はいったい自分の何を見て羨ましいのかと疑問に思ってしまった。

兄によって既にあちこち千切れそうになっていたり、欠損していたりする女性の遺体を離れに備え付けられている浴室に運んだ。
それから仕方がないのでまず整理箪笥から裁ちばさみを持ってきた。兄が殺した女性と、兄の二人分の服を裂いた後、自分が作業をする間に兄にそれらを細かく刻んでもらうように頼んだ。それらはまとめて自分が持ち帰り、後で処理をする。
次に兄が女性を殺すのに使った三徳包丁を丁寧に洗って、素手のまま運んで物置の奥に捨てた。そのまま物置内を物色する。剪定鋸が見つかった。これと裁ちばさみ一本で出来ることをやるしかない。

それからどれくらい時間がかかったのかは分からない。女性を出来るだけ傷つけた。

不思議と気持ち悪さは起きなかった。ただただ、作業を無心で行っていた。
(!3) 2021/09/21(Tue) 3:30:00

【念】 4432 貴戸 高志

【回想】

兄の犯行現場に手を加え、自分がいた証拠を複数撒き散らした後。今度は異能への対策を行った。とはいっても、これはすぐに解決した。
兄の異能は"他者の異能の無効化"であった。それも対象は自分自身だけでなく、場所さえも指定できるもの。異能を使った離れの記憶念写などは兄のお陰でどうにかなるだろう。
自分への介入は己の異能による遮断でどうにかするしかないが、今こうして少年院にいる事ができるのだから上手く切り抜けられたはずだ。

何もかもが惜しい人だと思う。兄に対する気持ちはそれだけだった。稀有な力を持っていることを誇ればいいのに、彼は随分と勿体ないことをしていた人だ。

その後も屋敷を出ようとする兄の根回しをしたり、身辺整理をしたり、思いつくことを済ませてから然るべき場所へ連絡を入れた。出来ることをしたといっても、所詮は管理され続けている高校生の行いだ。父や祖父が動けば逃げ出した兄などすぐに見つかるかもしれないが、今はもう関わりのない話だ。

連絡を入れる時のことは今でもよく覚えている。
手が震えていた。あの感覚はきっと恐怖ではない。高揚だ。
あの時確かに胸が高鳴っていた。瞳に薄い水の膜が張られ、視界がぼやけた。泣きたくなる気持ちはこういうことを言うのかと感慨深ささえ抱いた。

ようやく心が息を吹き返した気がした。


外から隔離されれば、自分に向けられていた鎖も重圧も何もかもが無くなる。
やりたいことをやっていい。感じたことをそのまま表に出していい。
もう我慢しなくていいんだ。楽になれるんだ。

俺はようやく、自由になれる。
(!4) 2021/09/21(Tue) 3:36:22

【念】 4432 貴戸 高志

食堂から自身の部屋に戻ってきていた。

端末をテーブルに投げ出して一人本を読んでいる。が、貴戸ただ一人にだけ焦点を当てたこのカメラには本人はきちんと文章を読んでいない様子が映し出されていた。

小豆色の視線が動いていないのだ。読むために文字を追いかけていたのであれば、少なからず瞳は上下に忙しなく動くはずなのに。

ただ本を読むふりをして、何かを考え続けている。
(!5) 2021/09/21(Tue) 3:43:51
貴戸 高志は、自室でのんびり読書をしている。
(a2) 2021/09/21(Tue) 3:46:09

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


「おい!!貴戸は居るか!!!!!!」




ルームメイトがバージョンアップされ、
更に煩くなって帰ってきた。

両手でカメラやケーキを持っているので
足で蹴破ったらしい。

読書をしている貴方の姿を認めれば、
そっと机にそれらを置いた。


「……………今、時間、ありますか……?」
(-66) 2021/09/21(Tue) 14:26:48

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「俺は居るぞ暁!
扉を開けるのと声は静かにしないか!」


(-67) 2021/09/21(Tue) 14:48:27

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

平時であれば、そう返していたことだろう。己の行動を厳しく躾ける者はもう誰もいないのを良いことに、好きに振る舞う事ができるからだ。

「……ああ。暁。おかえり」

それなのに、今は極めて静かにそう返した。
両手に抱えているものを見やる。
ケーキ。ああ、それなら珈琲を淹れようか。
カメラ。ああ、ああ……。…………。
貴方は誰と撮るのだろう。


「時間ならある。なんだ」

本を置いて隅に追いやった。栞は使わない。初めからまともに読んでいないのだから。
(-68) 2021/09/21(Tue) 14:48:55

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


「たっ……ただいま……。」

部屋の中は、嫌なくらいに静かだ。
いつも通りに叫び返してくれたら良かったのに
そうではない空気が、更に己を緊張させた。

ぱたん、と本を閉じる音が、やけに室内に響いた気がした。

「……その、
 お前と話がしたいし、
 言いたい事もある……んだけど、……
 先に心の準備をさせて欲しい……………。」

どうぞ、食べながら、と
ホールの半分あるチョコケーキを寄せて
フォークも差し出した。



貴方の正面、腰を下ろす。
足を整えて正座をする。
す、と長めに息を吸って、吐く。


「………お前、
 報酬、何が欲しいの。」

貴方がこの企画にやる気だと耳にした。
まずはその理由を知りたい、と思った。
(-69) 2021/09/21(Tue) 15:01:02

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

ケーキを勧められると、少し待っていてほしいとの旨を告げて席をたった。ほどなくして二人分の珈琲を淹れた二つのカップを手に戻ってくるだろう。

「いただきます」

さくりとフォークを沈ませる。
食べやすい大きさに切り分けて、貴方が作ってくれたケーキを口に運んだ。予想していた通り、いやそれ以上だ。
少しだけ和らいだ声で「美味しい」と紡いだ。

珈琲を一口啜り、真正面から貴方と向き合う。
少年はいやに平然としていた。肝が据わっているのか、或いは"取り繕うのに慣れているのか"。いずれにせよ、今の貴戸の心情を知る由はないだろう。

報酬の内容。
己が己のために貫かなければならない部分。

「その話か。決まっている」

(-70) 2021/09/21(Tue) 15:54:08

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「……、」

口を開く。瞬きするよりも短い刹那の空白が生まれた。
おかしい。どうして言葉がつっかえてしまう?


「俺の収容期間を伸ばすこと。


出来るだけ長く。可能な限りずっと。
俺はこの罪を生涯かけて償わなければならないからな」

胸が己の言葉によって締め上げられる。それは何故?
おかしい。おかしい。おかしい。

ああ、でも大丈夫。取り繕うのは平気だ。
だってそのように振る舞えと躾けられてきたから。

俺は、平気だ。

ああ、苦しい。
(-71) 2021/09/21(Tue) 15:54:48

【念】 4432 貴戸 高志

【回想】

最初はただの好奇心と、かすかに芽生えた欲求からだった。

迷彩、鏡沼。彼らは相手を愛称で呼びたがる。特別な名前を付けたがる。
その気持ちがあまり理解できなかったけれど、だからこそ興味があった。

だから、いつからか闇谷を暁と呼ぶことにした。最初はただの好奇心と、かすかに芽生えた欲求からだった。

暁は良いルームメイトだ。
まっとうな価値観を持っていて、真っ直ぐで。共に過ごす時間がたまらなく穏やかで、温かくて。

彼と過ごす時間は俺にとって一番落ち着くものになっていた。
外であれだけ苦痛に感じていた眠る時間も、その上隣に人がいても、もう何も感じない。
人の視線が心地よいと感じる日が来るなんて思ってもみなかった。


暁。
たった一人、そう呼ぶことで俺がどれだけお前に心を許しているか、分かってくれるだろうか。
(!6) 2021/09/21(Tue) 16:13:39

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


貴方が飲み物を用意して
ケーキを口にして、それから語り出す。

その間、ずっと姿勢を崩す事なく貴方だけを見ていた。


「そ、じゃあ、
 俺もそうする。」


そうして、容易く言葉が返された。
貴方の葛藤を、貴方の心情を知らぬまま
此方も語らぬまま、さらりと。

「建物爆破とか、復讐とか、自死とか
 何かとんでもない事考えてたら
 どうしよって思ってたけど、それなら良いんじゃない。
 お前がそうしたいんだろ。」

はー、とあからさまに息を吐く。安堵。
貴方は時々頑なで頑固な一面を持つので、
自分が寄り添えそうならば、それで良かった。


グラスを手に取り、珈琲を飲み下す。

………

(-72) 2021/09/21(Tue) 16:33:28

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志






     「
俺は、お前が、好きだ。




      
つまり、あなたは恋をしているのです。



(-73) 2021/09/21(Tue) 16:34:58

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


またグラスを取る。
飲み干す。音を立てて机上に置いた。

「言うつもり、無かったんだけど
 まあ……心境の変化、とか。」

弟分を放っておけない一心で駆け出して、
そんな弟分に背中を押されて、
貴方との関係の変化に怯えるのが、馬鹿らしくなった。


「別にお前に何かして欲しい訳じゃないし、
 返事はいらない。
 俺の
片想い
を知って欲しかった……だけ。
 ただ、隣に居るのを……
 着いていきたい思いを、許して欲しい。」



ここまで言って、やっと息を吸う。

今の自分はきっと、必死に縋るような表情をしているのだろう。
わがままでも、かっこ悪くても構わない、
この気持ちだけ、伝えられたらそれで良い。


でも、ああ、もう一つだけ欲張るなら────

(-74) 2021/09/21(Tue) 16:39:06

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志





正座を崩し、貴方に近寄る。
手を伸ばし、頬に触れる。


        もっと感情を、貴方を、
            取り繕わずに見せて欲しい。






「……嫌だったら、嫌って言え。」


このまま拒絶されなければ
貴方の唇に、唇を触れさせるだろう。
(-75) 2021/09/21(Tue) 16:40:36

【秘】 9949 普川 尚久 → 4432 貴戸 高志

は?
見ててもそこ聞くなよばかやろう


 秒速で怒ってきた。

「あれ絶対昼食べてんになんか入ってたよ食べ終わってすぐだったしさあ本当信じらんない。あの最初のからは当たってないけどさぁ……あのね今とか薬はいってもきもちくならんのはマジの話なんけど、ええ……や、ちがうくて。薬で欲情するにはするからと人いなくて一人でならイくのってできるからとで、……」


 余計な事を喋った気がする。見られているのは嫌だがこの際構わないとは思ったが、見た上で持つだろう疑問については全く気が回っていなかった。
いや疑問に持っても聞くなよ(全ギレ)


「ほら出る前の質問ひとつだけなんだろもういいよな??」

 だるそうに腕を持ち上げて、それでもしっかりと出入り口を指差した。帰ればか。
(-76) 2021/09/21(Tue) 16:42:52

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

"俺は、お前が、好きだ。"

たったそれだけの短い言葉。

貴戸高志の世界を作る全てが停止する。
思考が、呼吸が、動作が、何もかもが止まって。
あらゆるものが使い物にならなくなる。

ゆっくりと咀嚼して、次の言葉を拾い上げて──唇が戦慄いた。

俺もそうする?
隣にいる?

それはつまり、俺の都合のいい自由に付き合わせるということ?
本来なら本当の自由を謳歌できる筈のお前が、俺のせいで?

嬉しくて、悲しくて、嬉しくて、苦しくて。
視界が歪みそうになる。唇は未だはくはくと薄く開閉したまま。

指先一つも動かせないまま、うまく焦点の合わない視界がどんどん貴方で満たされていくのをただ受け止める。ああ、近づいてきた。

(-79) 2021/09/21(Tue) 17:13:19

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

唇が重なる。
性に溺れるための戯れの一環などではなく、純然たる恋心によって齎されたささやかな重なり。

それを拒まなかった時点で、それを欲しがった時点で、

ああ、俺は、俺は。


お前のことが。


(-80) 2021/09/21(Tue) 17:13:53

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「……、め、……だ」

柔らかな感触を受け止めた直後、少年の両腕が貴方へ伸ばされる。
避けないならば掻き抱いて、逃がさないようにきつく、きつく。

「だめだ、だめだ、だめだ」

声が震える。喉が引き攣るのを感じながら、舌をもつれさせながら必死に感情を吐き出していく。

「……っ駄目だ。
お前は、罪を犯していないだろう?冤罪なんだろう?
俺なんかに付き合ってはいけない。俺のような身勝手な人間の傍にいてはいけない。

お前は本当の自由の中で幸せになるべきなんだ。
お前はもっと好きなように生きるべきなんだ。

だから……だから、いけない、いけないんだよ、暁」

必死に首を振る。それなのに、両手は貴方に縋り付くように掴んだままで。

誰よりも大切な貴方に日の当たる場所で幸せになって欲しい。
でも、自分と共にこれからも過ごして欲しい。

もう何もかもがめちゃくちゃだった。

こんなの、初めてだ。

(-81) 2021/09/21(Tue) 17:14:54

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

だめだ。いけない。

ただそれだけを繰り返す。

貴方を拒む「嫌」は、ただの一度も出てきていない。
(-82) 2021/09/21(Tue) 17:15:14

【置】 4432 貴戸 高志

欲しいものはただ一つだけ。
"俺にとっての自由"。

それだけ手に入れられたのなら、もう何も要らない。
きちんと呼吸できる時間が欲しかった。頭と体を休められる場所が欲しかった。自分が自分でいられる場所が欲しかった。

それだけあれば、良かった筈なのに。


求めてはいけないんだ。
自分から罪を利用した俺と違って、お前は本当に良い奴だから。

お前の幸せを願うなら、俺はお前を求めてはいけないんだ。

ああ、俺の本当の罪はこれだ。
他人の罪を利用した俺の罪はこれだったんだ。

だから全身がちぎられるようなこの痛みは俺への罰なんだ。


ああ、だから、だから──。
(L0) 2021/09/21(Tue) 17:16:05
公開: 2021/09/21(Tue) 17:30:00

【置】 4432 貴戸 高志




暁。
俺はお前を好きになってはいけないんだ。
俺はお前のことが、好きなんだ




(L1) 2021/09/21(Tue) 17:17:11
公開: 2021/09/21(Tue) 17:30:00