へえー………そうなんだ……
なんかダンジョンみたいだね……

[奥に行けば行くほどディープになるってあたり。

端的な感想を述べ、手前の棚を見回せば
所謂使い捨てのオナホールやコスプレ衣装、
セクシーランジェリーなんかが並び、
この程度ならまだディウカウントストアっぽくも見える。]

ナース、チャイナ、制服に警官…
いろんなラインナップがあるんだねえ……

わー……だ、男性用？
まあ…そっか、そういう需要もあるのかあ……

[フリルをたっぷり誂ったメイド服は
普通に女性用かと思われたが
その中には明らかにサイズが大きいものも。
色んな趣味の人がいるなあ…なんて
他人事のように思いながら眺めていると、
ふと元親がそれを胸に当てて来て。]

……………。

[ぽかん、と虚を突かれ。
元親とふりふりメイド服を見比べて一拍。]

……き、着ないよっ！？
似合わないでしょ！？！？

[似合いそうだな…と顔に書いてある元親に
ぱっと顔を赤らめて抗議する。**]

…き、着ないよ……？？？

[何か？みたいな至極真面目な顔で
きょとんと首を傾げる元親に
何だかこっちが変なこと言ってる気分になって狼狽する。

そういえばいつだったか元親に
エプロンとガーターベルトつけてって
要求されたこともあったんだったっけ。
あの時も確かに喜んでたみたいだけど…。]

……そ、そう…かなあ……

[それはまあ確かに屈強ではないけれど
特に女性的な体格や顔立ちってわけでもない。
似合うか……？？？と、
元親の見解がいまいちぴんと来ずに首を傾げていると
元親が近くの棚からランジェリーを手に取った。]

[男性用の白のTバック。
スケスケのレースに覆われた煽情的なそれは
もうほぼ下着とは言えない…というか
露骨に「エッチのための下着」って感じで
さっきよりも顔が赤く染まる。]

え、ええー……

……も、元親は、その……
こういう感じの服着た僕と、



[せっかく二人でこういうお店に来たわけだし、
元親の好みなら……いや……でも…と、
もじもじ葛藤していると
元親も戸惑いを察したのか、さらっと衣装を棚に戻し。
他のも見てみようと促されて少しほっとする。]

[と、思えばぼそ、と耳元で囁かれて
また耳朶に熱が集まるわけだけど。]



[小さな声でそう返したのだった。]

[そして、少し通路を進めば
棚には本格的に、アダルトグッズ、って感じの品々が並んでいた。

電マにバイブ、ローターにディルド。
別の棚にはオナホールなんかも。
こうしてみるとなかなか壮観である。
サンプルとして置かれているものを元親が手に取り、
此方に手渡してくるのをおっかなびっくり触って。]

へえ〜〜……うわ、ぷにぷにしてる。
なんかこのへんのはエッチなグッズって言うか
マッサージ器みたいだね。

こっちのは透明で硬い感じ……
動きもそれぞれ違うんだ……へえ……

[バイブと言ってもつるりとした作りで
そこまでいやらしさは感じない。まあモノにもよるけど。
ディルドの方はもうちょっと本格的に"男性器"って感じだ。
暫し圧倒されたように棚を眺め。]

え。ええ〜〜……

[そんな中。
じいっとこちらを見つめてくる元親に
思わず赤面して視線をそらしてしまうけど。]

……そ、そう言われても、初めてだし……。
どういうのがいいのかなんて分かんないよぉ……

[なんせアダルトグッズ初心者であるからして。
うーん、と少し考えながら再びバイブの棚を見て。]

……えっと…じゃあ、こ、このへんのとか……？
そこまでハードでもなさそうだし……

[アナルバイブコーナー、と
書かれた場所からひとつ手に取る。
柔らかめの素材でできており、
棒がカーブを描いて先端がぽっこり膨らんでいるモノ。

形状や振動機能は女性用のバイブとそこまで変わらないが
アナル用ゆえに所謂クリバイブはついておらず
前立腺にもしっかりフィットする形状で、
奥まで挿入できて抜けない安定感…らしい。
パッケージ文曰く。

バイブ初心者におススメ！と書かれたものを
そのまま手に取ってみたわけだけれど。]

……あ、でも。
元親のと比べるとだいぶコンパクトだね。
大きさも合わせた方が良かったりする……？


[そこまで言って、ふと気づき。
特に他意はなく浮かんだまま呟く。
つい元親の下半身に視線が向いてしまったのは許してほしい。**]

[素で疑問を口にすれば元親が固まって。
気恥ずかしそうな表情に釣られ、
こちらも遅れて照れが浮かんでしまい。]

あ、ああ、そ、そうだよねっ……


[振動するから大きさに制限でもあるのだろうか。
ラージサイズ、と謳われているものでも
コンドームのサイズで言えば精々Lくらいで。
…それでもまあ平均より大き目ではあるのだろうが、
元親の大きさに見合うものはなさそうだった。]

[何となく眺めていると、元親が
ディルドコーナーからそれらしきものを手渡してくれる。

バイブに比べて明らかに男性器を模した
グロテスクな形状のそれは
何となくまだちょっと抵抗があり。
ふるふると慌てたように首を横に振った。]

………い、いいよ、別に。無理に大きさ合わせなくても。
さっきのバイブにしよ。
折角オモチャ使うなら動きがあった方が
普段と違う刺激とかありそうだし……

[それに、と一拍置いて。]

[ぼそぼそ。]

[そんな折、尻の割れ目を撫でられて
食い込む指に咄嗟に変な声が出てしまった。
慌てて周囲を見回したが
幸いこのあたりに他の客はいないようである。]

ちょ、ちょっと、もぉっ……！！

[かあああ、と顔を赤くしながら
しれっと他の玩具を手に取る元親を見る。

一つは犬の尻尾がついたエネマグラ。
もう一つはピンクのアナルパール。

楽しそうな元親の説明を聞きながら、
…実際に自分がそういうことをされるのだと思うと
何とも言えない気持ちになって、俯いて目を逸らす。]

[なんというか、変に意識すると
この場でうっかり反応してしまいそうで。
もじもじと恥ずかしそうにしながら頷くのだった。**]