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人狼物語 三日月国


176 【R18】実波シークレットパラダイス外伝【身内】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「ネコと同じ大事にされ方は、……それはそれでどうなんだあ?」

同じとは言っていないが、同じラインであると妙な勘違い。話題の都合上仕方のないことではあるのだが。

それこそ猫のように撫でられた気がして、珍しくジト目でキミの手をゆるく払う仕草。本気で払ったりしない。叩いたりもしない。

「一日温泉漬けってのも悪くないけどねえ。
朝飯に顔出さんわけにはいかんなあ。今日は誰かねえ……」

まさか自分が含まれているだなんて微塵も思っていない腑抜け顔だ。基本的には楽観主義。どうにでもなるだなんて思っているものだから心配なんてしていない。
程々にあったまって、ずぶ濡れのまま入口まで。全体的にだらしがないものだから、タオルを取りに行くまで濡れたままの足が足跡を残し。

「まだあんのかあ……。
ああもういいよお、どんだけでも好きにしてくれえ……」

体を拭き終わった後に提示されたものに、ちょっとばかり辟易とした様子が見てとれるはずだ。
髪の毛を撫でる仕草にもぼっ立ちしたままで全てをされるがままに委ねているものの、二度目は断ろうと強く心に……誓おうとするが、できるかちょっと不安になった。頑張ろう。
それが終われば今度こそもういいだろうと、パッとその場を離れて身支度を整えたはずだ。
キミに没収されたものだって返してもらうが、全身すっかりクオリティが上がってしまって、落ち着かないったらなかった。
(-0) 2022/10/01(Sat) 21:53:55

【独】 経理課 望月 ロビン

時は旅行の最終日のいつか。
いつもみなが朝食会場として使っている、プールサイドに立つ。
浴衣、はさすがに気がとがめたのか、限りなく襟を抜いたビジネスカジュアルの範囲だ。
テラスに居るのは、社長と望月の二人だけ。

「……はい、はい。そうでしたか。解決したのであればよかったです。
 富武クンに異動届を取り出された時は、覚悟はしたとはいえかなり冷や冷やしました。
 部下として、決して失いたくない人材であるのは確かですから。

 鹿籠クンも、おそらくは……ただ、長期的なケアは必要なんじゃないかと思います。
 結局は自身の心の持ちようの話であるわけですから、解決とは言いづらいかと」

言葉は堅苦しいものの、内包する気持ちとしては純粋な心配だった。
彼らにとって今より満たされる環境は、もしかしたらどこかにはあるかもしれない。
けれどもそれは衝動的にこの場を離れて、当て所なく探して見つけられるものではない。
いつか羽ばたくことを選ぶのだとしても、それまではちゃんと面倒を見ておきたいというのが本音だ。
それが、傲慢な言い回しと立場であったとしてもだ。

そう、と同意する旨の言葉が社長から向けられる。
報告はきちんと受け取られ、これからの彼らの苦難を可能な限り取り除こうとするものがあるだろう。
社長は、彼らを見てくれるはずだ。もう取り落としかけたりすることなんて無い。
それで、と話は続けられる。水を向けられたのは自分の方の事情。
以前より考えたことは、どうするのか。望月は少しだけ笑って、口を開いた。

「はい、それで
海外事業所への異動
の件は……もう少しだけ、保留にしようかと。
 まだ僕はこちらに居て、彼らのことをきちんと見守っていかなければならないと思うので。
 教育のし直し、ですね。彼らも、……勿論、僕も。精進いたします。もう少しだけ、社長の元で」
(-2) 2022/10/01(Sat) 22:42:52

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

珍しく払われた手は、ちょっとびっくりしたような顔で自分の眼前に掲げて見つめたりしてたけど。
気にしない、それくらい。そんな一手を気にするような繊細な人間ならこんな態度はしていないのだ。
もうちょっとばかり、それこそ猫じゃらしで遊ぶみたいに頭を撫でようとして、
払われたり払われなかったり、物珍しい態度を受けていることを楽しんでいたかもしれない。

果たして自分の番、あるいは相手の番かもしれない、ということをきちんと理解していたか。
理屈としてはわかっていても、人間そういう想像は直面しないとはっきり浮かべられないもの。
誰だろうね、なんてあんまりにも呑気な相槌を返していたかもしれない、ところで。

「ははは、もっと色々やってる人もいるもんだよ。
 なんて苦労を語っても仕方ないな。……でもこれでちょっとでもいいなと思ったらさ。
 もう少し楽な手段だとかグッズだとか、選ぶくらいなら手伝うよ。髭周りは特にね」

少なくとも髪はあんまり興味が無くても、口周りがすっきりするのは気持ちいいものではあるだろう。
ね、なんて押し付けがましく言って、ようやく離れて自分も浴衣に袖を通す。
ほんのりと漂う甘い匂いはいつもどおり、朝から完璧な生き物の出来上がり。

その後は、件の朝の風景があったわけだ。
(-4) 2022/10/01(Sat) 22:59:04

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「信クン、おかえり」

ようやく食事に迎えるだけの準備が出来たのは、朝ああして声を掛けてから、
あの大変な野球拳があって、落ち着いてからのことになった筈だ。
尤も望月のほうは軽く一発抜いただけにとどまったのに対して、
貴方はけっこう散々な目にあったあとだろうから、ちょっと疲労困憊かもしれない。
その辺りは社長から栄養ドリンクが配られているだろうから、元気になっていただいて。

四日目のその日は互いに同じ部屋を充てがわれていて、仕切りのこっちがわを使うことになってた。
他に同じ部屋となっていたのは榑林に緑郷。女性と混ぜるわけにはいかない。
だから必然、前後に何があろうと四人部屋内部の部屋の割り方まで決まっているはず、多分。
先に部屋に戻ってきた男は、夜気に晒された体を温めるために温泉を浴びたあと。
ただ、服装は浴衣ではなくて、ネクタイこそ締めてないもののジャケットにシャツ、
足元はチノパンツに革靴としっかりビジネスカジュアルに着替えていた。

「お店、二階のダイニングバーにしたんだけれどいいかな。
 キミが僕を探しに来た時に、僕が夕食を食べていたところだよ。
 テラス席も静かなんだけどさ、半個室のブースがあるから話はしやすいと思う。
 ……すぐ行ける? それとも向こうで待っていようか」
(-5) 2022/10/01(Sat) 23:08:43

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「あ゛ーーー…………よっす」

何もかもを搾り取られ、精神も削られて摩耗した。
かなりのローテーション、呻き声も酷く低い中で、軽く手を上げてキミに応じるはいいけれど、ちょっとばかり直視をすること自体に覚える罪悪感。
それは勝手に抱いているだけのもので、キミに咎められたりした事なんて一度もないのに、その姿を見て感情に拍車がかかる。

「あそこかあ……。
ちょいとお邪魔するだけならいいけど、流石に浴衣じゃあれだな。服着るかあ……なんか持ってきてたかねえ。
先行っていいよお、すぐに後追いかけるからさあ」

社長からはドリンクをいただいたし、粘液まみれになったのだから、風呂にも入ってきた。
それでも浴衣はよろしくないかと、カバンから糊もアイロンもかけていないシャツとチノパンを纏って、一応は靴下も出して、キミが先に行くにしても、行かないにしても、急いで着替えておこう。
どれだけ胸中穏やかでなくても、キミを疎かにするような事はしたくない。

とはいえ、似たような格好でも、何もかもが決まらない。
安物であったり、よれていたり、サマにならないこと、この上ない。
(-7) 2022/10/01(Sat) 23:42:21

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

ひどい声だな、とは言わないものの表情にはちょっと表れた。片眉を上げる。
短い待ち時間を他の場所に行って過ごすわけにもいかず、部屋のベッドに座ってくつろぐ。
手元にある本は相手にとっては知らない国の言葉で書かれたガイドマップだった。
一旦目を上げてから、着替え始める様子を見てまた本に目を落とす。

「折角着替えるてのに、焦って来させて汗だくにさせるのも悪いよ。
 予約だって部屋内の端末から連絡できるし、向こうに迷惑かけることもない」

さすがに着替えているのを凝視するほどデリカシーがないわけじゃない、なんて。
人が触手に襲われてあっぷあっぷしてるところは凝視するんだから妙な話だ。
そこはまあ、きちんと社長や技術者が見張っているかどうかの違いでもある。

相手が着替えるのを待って、足元もきちんと履き替えて。
連れ立って、今日の目的地に行く。他には部下しか知らない、ちょっとした穴場だ。
社員旅行で来ているんだから揃って食事をするのが概ね当たり前だし、
食事の出る時間と被ってたら当然旅館サイドに食事を頼んでる人間はそちらの施設に縁がない、
というごくごく単純な話の結果でしかないのだが。

店に着けば、席の予約をしていたとおりに奥へと通される。
前述の通りもともと人気の少ない店内の、奥の半個室は余計にがらんとしている。
イベントがあったり、食事の時間とズレていればもうちょっと賑わうのだろう。
配慮か時期に恵まれたのか、壁の一方は窓に面している。
とっくに日の暮れた風景は空と建物の境界もわからないが、灯る明かりは夜景を綺麗に魅せた。

「コースでお願いしちゃったけど、大丈夫かな。
 酒は飲み放題じゃないからちゃんとセーブしてね、あんまり飲んじゃダメだよ」
(-8) 2022/10/02(Sun) 0:14:52

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「汗掻くほど急ぐつもりはないけどねえ……」

革靴まで持ってきた自分に、思わず、おお、と声が上がった。
すでに数日前の記憶が若干怪しい。旅行の準備だって適当にしてきたものだから。
スリッパから靴へと履き替えて、襟を雑に正せば準備は完了。
いくら風呂場で綺麗に磨いてもらったとしても、二度目の風呂やら夕暮れの野球拳ですっかり5割減だ。

「うまく食えるもんなら何でも。
ええ、飲んじゃだめえ? ……うそうそ、いくら同室でも、飲み過ぎて潰れちゃ、その後の処理に困るって言われてるから気をつけるってえ」

普段通わない店、通わないような席、であるとはいえ。
仕事上の付き合い、管理職、外食の類もゼロではないだろうから、落ち着かないというほどでもないだろう。
パンツのポケットに手を入れて歩く、行儀の悪さはその直前まで相変わらずであったが。
とりあえずビール、を店員に宣言するぐらいは許してもらえるはず。きっと。

「……んで、ええと、話があるんだよなあ?」

初めは何かしらのお叱りかと覚悟をしたがその後の諸々でそうでもないらしいと落ち着いた今。
とならば、全く見当もつかないというのが現状だ。思いつかないから考えないことにして、即座に本題に入ってしまおう。
(-10) 2022/10/02(Sun) 0:50:31

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「少しならいいけど。潰れてもいいけど、話を忘れでもしたら僕もちょっと怒るかも」

冗談だ。相手が潰れてしまったとして、呆れこそすれ怒る自分の姿は想像出来ない。
そんなだから甘やかしているだとかなんだと言われるのかもしれないが、
実際、怒る気もしないのだろうから仕方がないだろう。

「僕もビール、ヒューガルデンで。……はい、瓶二本。大丈夫です。
 ……うん、何から話そうかな。おいそれと人にするような話じゃないからなあ。
 どんな順番で話すべきか、てのはわからないけど」

イタリアからひょっとするとスペインあたり、日本風にアレンジしたイタリアンが運ばれる。
格式高い、というよりかは洒落たものであることを優先したような店の佇まいだ。
実際、こうして色んな人を呼び込むリゾートの店としてはそれくらいのほうが客も親しみやすい。
6種前菜の盛り合わせに、旬の肴料理、マデラソースの牛フィレ肉。
それから雲丹のトマトクリームソース。
ドルチェには、いちじくのソースが掛かったクレマカタラーナが運ばれてくると説明があった。
一通り目を通し耳を傾けつつ、あとは運ばれてくるままに任されるだけ。
料理を待つ間に、最初に頼んだビールが運ばれてくる。
ピルスナーに慣れた相手には、爽やかなホワイトビールは少し新鮮かもしれない。
他に誰も見ていないから、当たり前に瓶の半分を注いでグラスを傾ける。
下戸、と嘘をついているのを忘れたかのように、自然な仕草だ。

「……信クンは、子供の頃どんなふうだった?
 僕は中学の途中まで、向こうに居たからあんまりこっちの習慣がわからないんだ。
 前に言ったよね、確か。半分スウェーデンで、四分の一がノルウェー。
 こっちの血は残りの四分の一だけ。母の家の都合でこっちに定住することになったって。

 名刺の名前と名義の名前、違うだろ。"望月諒"じゃ、あれこれ聞かれて大変なんだ。
 だから開き直って、名前は呼ばれ慣れてるほうで名乗ることにしたってのも、言ったっけ」
(-13) 2022/10/02(Sun) 1:13:41

【秘】 経理課 富武 瑛 → 経理課 望月 ロビン

少しだけ。
軽蔑されたのではないかなんて、思ったりした。
だけどそのまま行為は続くから、なんとなく言えないまま―――

「んっ……は、ぃ、
 もどかし……けど、きもちいぃ………ふぁ」

乳頭を弄られる度、素直に跳ねる身体が、大分感じやすい身体に作り変えられてしまっていることの証左だ。
自分の両手を使って、握らされた性器の亀頭を合わせながら竿をすり合わせるように擦って。
互いの先走りがぬち……と控えめに音を立てて合わさって流れていく。
それを見てまた頬の温度を一層上げて、恥ずかしげに腰を揺らした。

「ろび、さ、の、おっきぃ」


日本人としては平均的か少し大きめくらいのサイズはあるはずだが。
相手は20cm以上背の高い、外国の血が入った人だ、きっと比べること自体間違っているのだけど。
それでも体格通り自分が子供にでもなってしまったみたいで、これが自分に入るのか……と期待が少しずつ膨らんできてしまった。その分少し性急になった手が二人一緒に高めあって、息は互いに熱いものになってきただろう。
上を向いて、キスをしてほしくて。静かに目を閉じて「ん」と強請る様は、高まってきている熱で少しずつ、少しずつ。
羞恥がマシになってきたようにも映るかもしれない。
(-14) 2022/10/02(Sun) 1:16:59

【秘】 経理課 望月 ロビン → 経理課 富武 瑛

指の腹でさんざんにいじめぬいた胸元も、いくらか腫れが目立ってきたなら手を放す。
代わりに、部屋から持ってきたサコッシュの口を開けて中身を取り出した。
プラスチックの飾り気のない瓶の中には、粘度の高い液体が入っていた。
それが何で、どうするためのものなのか、なんてのは説明する必要もない。

「そうかもね、でも不安にならなくていいよ。
 日本人のよりかは柔らかいから。……圧迫感はだいぶ強いかも」

じんわりと硬度を増すごとに息は深く、荒くなる。
相手の手の中で寄り添いながら膨れてきた肉棒は、グロテスクな色味を増してきた。
それが先走りを絡めてそそり立つ様子にちら、と目を落として、
その際に相手の唇が何を求めているか、というのも視界に収めた。

「素直だね。雛が餌をねだるみたいにしちゃって……
 次はどうしてほしい? 自分の口できちんと説明できたなら、ご褒美をあげるよ。
 瑛はいい子だから、ちゃんとできるね?」

なのに、欲しい物を与えるまでにはもうワンテンポほどお預けを食らわせる。
下を向いて唇同士の距離を近づけて。息が触れ合いそうなくらいなのに、何も与えない。
相手に任せたぶんだけ空手になった手は、急に相手の尻肉を持ち上げた。
押し上げた肉質、それによって露出させられた秘部が、今どうされたがっているか。
わかっているからこそ、相手に言わせるのだ。
(-15) 2022/10/02(Sun) 1:46:33

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「……え。
うわ、どう、……どうしたのお、本当に」

アルコールが頼まれるのを見て、本格的に目を丸くした。
一体、この場がどういう場になるのかと、軽く困惑の感情すら抱いて。
酒の力を借りたい程の事なのだとしたら、気軽に身構えるような事は良くないのだろうか。ほんのり姿勢を正す。

通ったことがない類の店というわけではないけれど、その横文字のメニューを並べ立てられて理解できるかというと……実のところ正直怪しいが、そこは大人だ。
わからないまま黙っておくという行為を貫いた。
うまいものはうまい、だけの話。

「オレかあ?
悪ガキって呼ばれて、しょーもない遊びをして、後はちょっとイタズラで母親に死ぬほど怒られたり、無茶な冒険をするからしょっちゅう怪我したりだねえ……」

「……ん。なんか海外住まいの事とか、うっすら事情とかは覚えてるよお。もうロビンちゃんで呼び慣れちゃって、諒って言われても誰?ってなるなあ。
ん、色々と日本は日本人以外は物珍しいからね。ロビンちゃんみたいな格好いい身なりでその名前だと身構えちゃうのもあるかもねえ」
(-16) 2022/10/02(Sun) 2:07:14

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「はは、僕飲めないわけじゃないよ。……ああでも、多分信クンは覚えてないんだけど。
 最初の歓迎会の時さ。僕がまごついてた時に目の前にドン! って水のピッチャー置いた人がいて。
 なんだと思って見上げたら、信クンだった。多分飲めない酒に困ってると思われたんだろうな。
 ……ぜんぜん、そのときの信クンのほうがベロベロに酔ってたけど」

だから、もし覚えていたならそのときのイメージが強いのかもね、なんて添える。
下戸ではないのは相手は知っているはずだけど、酒が好きか嫌いかまでは言っていないかもしれない。
互いに長い付き合いだ。片方しか覚えていないことは、多分きっと様々にある。
自分が、相手にとっておぼえていないことを覚えているのと同じように。

「ははは、信らしいな。元気な子供だったの想像つくよ。
 怒られても凝りずに危なっかしいことして、……なんだか今も変わらないな、それじゃ。
 今でも子供みたいなところあるもんな、信クンは」

他愛ない話をしている間に料理が運ばれてくる。食器を扱う手先は手慣れたものだ。
箸を使う所作にも申し分ないのと同じ。なんら不都合があるようでもない。
他人に食事風景を見られるのをいやがるほど、不格好な手付きをしているわけではなかった。
切り分けた料理のひときれを、口に入れる。ふつうに、食事をしている。
そういう風景だって、やっぱり相手には物珍しい姿に感じられるかもしれない。

「で、子供の時は、向こうの家は結構広くってさ。帰ると仕事で両親もいなくて。
 誰かが帰ってくるまで、父さんのコレクションの映画を色々見てたりしてたんだ。
 ……その中の一つが印象的でね。1920年代くらいのアメリカを舞台にした作品で、
 今じゃ考えられないような、派手で向こう見ずなパーティの様子が映されてたんだ」
(-17) 2022/10/02(Sun) 2:22:09

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

お互いに社会人だ。
酒が必要な場面だってある。20代であった頃は特に、何とかのハラスメントなんてものが声高らかに叫ばれる頃合いではあったけれど、だからといって浸透しきっている訳ではないものだから。
だからキミが酒を飲めない事はない、程度は覚えている。
でもすすんで飲むというのは予想外ではあったし……。

「いや、それたぶんオレじゃないって。
そんな、うわ、超空回っててるあたりはオレかもしんないねえ」

記憶にない。
それこそ、さっぱり。
あまりに心当たりがないし、そして酒によってやらかしの事案も一度や二度ではないから、口元を押さえながら真剣に考え出してしまった。
答えは出ない。
そんな酒の失敗について悩みながらビールを飲む滑稽な図。

「ネコって言われたり、子供って言われたり今日はせわしないねえ。
朝っぱらから丸洗いされたり、夕方には……あんなこともあったし、今はこうしてロビンちゃんと飯を食ってるんだから、調子狂うったら。
……1920年……っていうと、いつ頃だっけ。第一次世界大戦あたりだっけか?」

昔話をしたい気分なのだろうか。
だとしても、わざわざこんなところに呼ばれてナイフやフォークを握っている理由はちょっとわからないが、だからと話の筋が見えないと腰を折ったりはしない。
海外のドラマだとか何だとか、どれぐらい自由であったか、純日本人の己に想像もつかない。
(-18) 2022/10/02(Sun) 2:46:58

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「いや絶対信クンだったね。普通、ピッチャーごと置かないでしょ。ちゃんと覚えてる。
 でも別にからかってるとかじゃなかった、多分真面目に気を使ってるんだろうなと思った。
 それがなんか、おかしくてさ。……でも気遣いは嬉しかった。そう、覚えてる」

相手を見る目が和らぐ。遠いいつかの記憶を辿って、懐かしむときの顔。
その頃から相手はそういうことをする人だったのを、望月はきちんと記憶している。
普通からしてみれば論理的ではないことをするのがかえって人の気を和らげる。
なんでも理屈立てた行動で解決を試みようとする自分には、出来ないようなことをする人だ。

互いに、目の前に置かれた食事に着手している頃だろう。
脂の乗った旬の魚であったり、質のいい牛フィレ肉をカトラリーで扱って、口に運ぶ。
少し口の中がくどくなっても、ホワイトビールの爽やかな風味で唇を湿らせればさっぱりする。
普通の、食事だ。値段相応の質の良さに囲まれた、ちょっと気取ってはいるものの、ありふれた。

「はは、確かに。今日は忙しかったな、本当に。
 ……そうそう、第一次が終わった直後の話だったかな。狂乱の時代の話。
 色とりどりのドレスに豪華な食事、へべれけな人々がジャズに合わせてダンスを踊る。
 すごい映画だったな。……映画自体も結構語りたいとこはあるけど、ひとまずおいといて。
 その頃からかな。自分の中でなんとなく、映画を見るときの傾向を理解し始めた」

食器が皿を掠る音。カトラリーを扱う手先。一口、唇を開いて肉を口の中へと運ぶ。

「白雪姫。セブン。バベットの晩餐会。アメリカン・ビューティー……色々観たけど。
 印象的に感じるのはいつも同じだった。同じ、共通する場面ばかり。
 最初のうちはどうしてこんなにドキドキするかもわからなかったのに、とにかく求めた。
 ただ感動してるんだと思ってた、気づくまでは。気づくまでは、わからなかった」
(-19) 2022/10/02(Sun) 3:05:23

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「え。それは別におかしくないだろ。
ちまちまとおかわりもらうと店員さんも面倒だろうし、合理的だろお?
いや、覚えてないけどさあ」

本当に自分だとは思っていないけれど、おかしかったと言う評価には納得いかないと、存在しない自分の記憶をフォローする。
何から何まで、かなりその時任せの勢いの自覚はあるけれど。

はく、とナイフで切り分けた肉をフォークで口元に運ぶ。
キミほどは綺麗な所作はできてはいないが、目を伏せる程の不作法者というわけではない、食事自体はスムーズに進んでいく。
キミの話だって逃しはしないで耳に入れているが、ゴールがまだ見えやしないのは、さっきも今も状況は変わらなかった。

妙な方向に話が向かったな、とようやく違和感を覚えたのは、映画のタイトルがいくつか並んで、それらにキミが覚えた感想からだ。
知っているものも知らないものもあるから。すべてに共通するものは探し出せない。
教えてはくれるようだから、おのれの無知を恥じる必要はなさそうだけど。

「……ただの映画好き、ってわけじゃないんだよなあ。
その言い方じゃ。たぶん」

また一口、ビールを口に含んで。
(-20) 2022/10/02(Sun) 3:19:08

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「僕だったらコップ一杯を差し出すと思う。
 ……でもそれってあからさまだし、後で何かお礼しなきゃな、って思うだろ。
 そういう強迫性は全然感じなくて、ただ、胸のつかえが下りる感じだったよ」

傍から見ればこっけい話だ。けれどそのほうが場に適していることもある。
まばたきをする。湖の底を映し出したような、青緑のアクアブルーが睫毛の向こうに見える。
金のふちどりの間で、はっきりと目の前を観ていた。シャッターのように、瞬きが重なる。

「胸が高鳴るのは感動しているからじゃなかったし、映像美にやられたわけでもなかった。
 あれが一つの目覚めだったのかもしれない。……出来ればもっと普通のものでよかった。
 とにかく自分でも説明しきれないものがあって、きっかけは、ソレだったんだと思う」

店の中にはごく小さな音で音楽が流れていた。トランペットの音の印象的なジャズ。
ちょうど、最初に言っていた映画に似合いそうな音だ。それで会話がかき消されることはない。
けれど、隣の音は聞こえない。店内の音はほとんど、少しも。
ごく近い、テーブルを挟んだ向こうの音だけが聞こえる。

食器が皿を掠る音。カトラリーを扱う手先。

一日目、ちょっと食事の時間をずらしただけで済ませようとしたら、声を掛けられて。
ほんの短い時間、不慣れな食卓を囲むことになってしまったこと。
二日目、酔いつぶれて部屋で休んでいるあなたに水を飲ませた時にわざわざ目を塞がせて、
見せないようにしていたものがなんだったか。追い縋るような指が何に触れていたか。
今目の前に映る風景の、何を印象的な色の薄い目の中に捉えているか、だとか。

あなたは、思い出すことがあっただろうか。わざわざ思い返しただろうか。
きっと無い、そんな些細なこと。些細な話。ありふれた日常の、何の変哲もないもの。
だからこそ誰から隠匿すべきと思ったこともないだろう、そんな些細なことが。

(-21) 2022/10/02(Sun) 3:33:36

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「……信はさ、僕が"そういうもの"に縁あってほしくないと思っているみたいだけど。
 僕がキミの仕草に何を眼差しているかってのは、とうとう気付きゃしなかったな」

手元、口元。おとがいが動くさま。咬合面が噛み合わされ、喉の奥へと嚥下する。
その僅かな筋肉の動き、伴う所作。唇に残った僅かな食物の油脂。
それを一つも見逃さないまま見つめ続ける碧眼の、瞼はわずかに血色が滲んでいた。
空調はなにも悪いところもなくちょうどよく効いているというのに、僅かに首筋に汗をかいている。
肉の薄い鼻筋や頬骨に明らかに朱がさし、息はゆっくりと深く、熱く沈んでいる。
いくら相手が目を背けようと今までいていたのだとしたって、もう、わかるだろう。
答えは目の前にあり、相手自身もまたその答えの一つなんだから。
 
 

望月ロビンは実は、
他人の食事風景に対して性的興奮を覚える
性癖の持ち主だ。
 
 
 
(-22) 2022/10/02(Sun) 3:40:07

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン


「お礼、ねえ。
たかが水の一杯二杯で、なんてのは困ってない側の意見なんだろうなあ。
いや、別にロビンちゃんの場合は酒が飲めないってわけじゃないから困ってたわけじゃないんだろうけどさあ」

きっと余計な気を回してしまったのだろう。
その記憶がない間抜けな誰かさんはと、からからと笑って。
粗雑に扱われるくらいでちょうどいいから、よりにもよってキミという存在に持ち上げられてしまって落ち着かない部分もある。
キミはそう言うが、きっとその場面の他の誰かさんを見たら、自分より余程スマートに、なんてのは幻想なのかもしれないけれど。

恋人同士か、そうじゃなきゃ夫婦、それなりにしっかりとした人格者が訪れるような、穏やかな世界の中で自分はどうしても浮いてしまっているだろうに、キミの瞳は何処までも真っ直ぐで、自分といてもちっとも動じはしないんだから──。

なんてものは、自分の勘違い、思い込みであったのは、その後に続く言葉で気づいた。

1/2
(-23) 2022/10/02(Sun) 4:01:01

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「…………ぁ……、っと」

「その、なんだ」

キミの話を聞くときですら、ちっとも黙らずに相槌にしては多すぎる言葉を返していたというのに、急に食事を詰まらせたかのように口を閉じた。

もしかしたら、この場に置いてすら、今までならば気づかない、気づかないふりをしていたかもしれない。
キミに限ってまさかだなんて、天上人か何かのような扱いは……出来ない。
夕暮れ時に見たキミの姿を忘れたふりなんて出来ないし、今のキミはあの時と同じ艶を見せている。
食事をしていた手が、一瞬止まる。キミに瞳を奪われてしまって。

「………………今のオレ見て、興奮してる?」

きっと、真剣な告白だ。
それはわかっているが、万が一、勘違いなんてしたくはないから、食事時であるとわかっていながら。
は、と何かを思い直して、ふるりと首を振る。逸らされる目線と、再開する食事。

「なんで、それをオレに言ってくれるかなあ。
ヘキ、……バラされて、妙な趣味してんのお前だけじゃないぞってつもりなら、そりゃ、言ってくれるのは嬉しいけど……」

2/2
(-24) 2022/10/02(Sun) 4:01:46

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「……信。僕もさ。キミはずっと憧れに足る人間だと思ってたし、人に話してきた。
 僕は信のこと大事なものだと思ってたし、でも、どっか手放すべきだと思ってた。
 でも多分今までが、知らない時間がちょっと、長すぎたんじゃないかな、僕たちは。
 信がどうして今みたいに僕の事を持ち上げて語るのかってのは、僕は知らない。
 僕のほうは、……今話した通りだよ。歓迎会の時からずっと、すごいやつだなと思ってた」

ちょっと差し出して揺さぶったところで、簡単には受け取らないだろうというのは目に見えていた。
だからこうして勝負を仕掛けている。きっとここで諦めて曖昧な言葉を受け取ってしまったなら、
これから先は二度と相手の印象を払拭する機会なんてのは得られないかもしれない。

グラスの中のビールを一口二口含んで、口の中をさっぱりさせる。
既に食器からは手を離して、代わりに椅子の背に手を掛けて引き、立ち上がった。
少し身を乗り出して腕を伸ばしたらそれだけで届きそうであるのに、わざわざ机の横を回る。
通路側を背にして相手の座る椅子の前に立つ。つまり壁際に追い詰めた形になっている。
のらりくらりとかわされてしまうことのないように、視界を塞いで。

「本当に、そうだと思ってる? ……思ってるなら、そんなふうに予防線張るみたいに言わないよね。
 僕は、キミの秘密を知ってしまった時にさ。……そりゃあ混乱もしたけれど。
 でも自分だけは知って、知らせないままで、ずっとやっていくのかなって考えて。
 キミと対等で居たいから、自分も打ち明けようと決めたんだ」

床材に片膝をつく。いくら背丈に差があってもこれなら自分のほうが見上げるようになる。
まるで傅くように見上げた相手の、片手を取って、食器を指の間からはずさせて。
空になった手を、代わりに己の顔に触れさせた。頬骨、口元にかけて。
僅かに顔を傾けて、自分よりも小さく細い指に自重をうっすらと乗せた。

「信、もう僕たち互いの理想化した姿を追いかけるのは、辞めにしないか。
 ……今ここにいる僕のことを見てくれ。普通のありふれた人間としての僕を。
 僕はキミに性的魅力を感じているし、すごくドキドキしてる。
 信は、どう思う。僕のこと。……軽蔑した? キミで興奮する僕は、認められない?」
(-25) 2022/10/02(Sun) 4:33:01

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「知らないってえ……まさか。
オレはずっと言ってたぞお。オレと違って身なりも所作も人柄も、何もかもしっかりしてる、仕事も出来るのに気取らないで、こんなちゃらんぽらんな男が付き纏ってんのに、嫌な顔ひとつしないでまあ、……なんて懐が広いやつだって、オレには逆立ちしても、ロビンちゃんのようにはなれないなあって」

本人には言ってない。
周りには様々に言いふらして、何故か自分が誇らしげにしていたが。
尊敬、信頼、そういったものが当たり前にあって、何か特別なものを返してもらおうだなんて気持ちはまるでなかった。既に充分、キミからは様々なものをいただいているから。
一方的な心の傾けは、今キミに指摘をされて狼狽を見せる。
知っているものだと、思い込んでいたので。

混乱は……していないと言えば嘘になる。
わざわざ席を立ったキミの目的が、己の逃げ道を封じる事なんてまるで考えも及ばないから、傍に寄ってくれた事によりずっと近くなって見上げる瞳は、ああ、やっぱり綺麗で……その美しい瞳の映す先が自分だなんて、頭を抱えたくなった。


1/2
(-26) 2022/10/02(Sun) 5:08:05

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「……軽蔑なんか、するかよお」

「あのなあ……ロビンちゃんは知らない事だろうけど。
オレは本当、性欲に関しては旺盛でさあ、時々ロビンちゃんとヤりたいなって目で見てた」

食器から指が解ける。
振り解くなんて、まさか。相手はキミだ。
何よりも優先させようと勝手に誓っていた人物だ。
だから罪悪感に塗れながら、キミの言葉に応えるように口を開く。

「それは今だって変わんないんだよなあ。
だってロビンちゃん、今、クソエロい顔してたんだぞお。あんな顔見せられたらさあ……飯ぐらいいくらでも食ってやるからヤらせろってなるんだよなあ!!」

「……でもそういうオレが、ロビンちゃんに触れるのかって考えるとすげえイヤな気持ちはあるから、ちょっとまだ完全に切り替えるのは難しいから待ってなあ……」

キミの手を取りかえして、もしくはその腕の中に飛び込んでハッピーエンドとはいかない。
他の皆と同じように、同じ等身大の人間としてとするには、ちょっとばかりキミは特別すぎるし、自分という存在の厄介さを多少は自覚して、何とも複雑な胸中を正直に。
それでも横にいる、膝を床につくキミに体を向けて。

2/2
(-27) 2022/10/02(Sun) 5:08:36

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

自分に自信のある人間だ。恵まれた体と精神を持ってここにある、金色の獅子だ。
だからこうして称賛を受けることになんら引っかかりは感じないし己を"そう"だと思っている。
けれど、その上で。そんなふうに相手が自分を卑下するのはあんまりおもしろくない。
そう言いたげに眉をひそめ、大きくゆっくりと首を横に振る。

「僕と信は、違う人間だ。同じようにはならない。
 僕はキミのこと尊敬してるし、キミもそうなら、……嬉しいよ、たぶんね」

それから。頬に当てたあなたのてもそのままに、相手の表情を見上げる。
これだけ近くなった瞳は少しも逃すこともなく相手を見つめたまま、逸らされもしない。
頷いて、相手の言を聞いて。……少しだけ間があってからため息を付いた。
勿論、相手がこの旅行中にどんなふうに他者に振る舞ってきたかなんてのは聞いちゃいない。
けれど、"知らない"なんてことはない。あったら、シャワーブースでキミと二人になったとき、
適当なところでほっておいてお開き、なんて呑気なことをしていたはずだ。

「……待ってあげたいつもりは、ある。出来れば僕だって信の望みは聞いてあげたい。
 でも僕はキミが追いついてくるまで、待てないかも。キミが思うような上等な人間じゃない。
 今だって自分がどういう人間かを黙ったままこの場に連れてきてキミの所作に欲情してるんだ。
 キミとセックスしたいし、頭の天辺から爪先まで全部食らいつきたいくらいに思ってる。
 僕がどれくらい、キミに触れるのを我慢して、大事にしてきたかわかるかい、信」

目線は焼け付かすように見上げたまま。手の内に収めた手を、掬うように握り直す。
好きなようにしてしまえてしまっている相手のてを己の顔の真正面に持ってきて。
指の節目、骨の浮き出ている起伏に至るまでに丁寧に口づけを落とす。勝手に、だ。
まるで淑女に忠誠を誓うみたいような構図ではあるが、そんなお綺麗なものでは残念ながら無い。
相手はどんな思いで我慢してきたのだか、なんてことを全て推し量ることができるわけじゃない。
だから、こちらからは勝手に追いすがらせてもらう。触れたいから、耐えられないから。

(-28) 2022/10/02(Sun) 6:09:11

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「キミが我慢するのは、いい、別に。キミが納得できるまで僕だって待ってられる。
 ……でも僕のほうはもうキミにお預けを食らって待ってられない」

溜息が手の甲にほうと落ちた。熱っぽい息は体の内側の炎に炙られたその熱だ。
ここで余裕ぶって待てるとそう伝えて、それでお開きにしたなら格好ついただろうな。
けれどもそんなふうには出来ない。してしまえない。
己の胸中を曝け出し、箍を一つ外してしまったのだから。今まで通りになんていかない。

シャワーが床を叩く音が響いていたあの時、きっと望月は今と同じ目をしていた。
あなたの目元を覆い隠して己がどんなふうな目であなたを見ているかを隠していたとき、
自分が見つめる目の熱をまだ恥じていられた時、今と同じ目をしていた。
すぐ傍にあるアクアブルーの内側に、どうしようもなく浅ましい熱が抱え込まれている。

僅かに、背伸びをするように背筋を伸ばして体を前に突き出した。それだけで距離が近づく。
もう息がかかりそうなくらいだっていうのに、瞬きも少ない目は他へ惑ったりもしない。
手放すのさえ名残惜しいまま握りしめた手から、大げさな心臓の拍動が、伝う。

「信。……キスしていい?」
(-29) 2022/10/02(Sun) 6:09:23

【秘】 経理課 富武 瑛 → 経理課 望月 ロビン

「ぁ……キス、してほし……っん、
 うし、ろも焦らさ、ないで、っふ、弄って、くださ」

上を向いて、少し頑張れば届きそうな距離で。
震える声でそんな風に呟く。
自分からはきっと何もできやしない。許可を貰わないと動けないから、強請るように甘えて命令されるのを待ってしまう。

「いい子、だからっ、
 上も下も、ろーしょ、垂らして、……っん、犯して、ほしぃ。
 ごほーび、くださ……っ、あ」

こうやって相手にわかるように喋ることは全部説明になっていることなんて、それが自分を刺激するものだなんてわかりきっているけれど。
それだけでゾクゾクと言いようもないものが駆け巡って、己の肉棒をより硬くしてしまう。
先走りの量も増えて、ぬちぬちとその音も大きくして、互いの息遣いも大分荒くなってきただろう。
(-31) 2022/10/02(Sun) 8:31:45

【秘】 経理課 望月 ロビン → 経理課 富武 瑛

ふ、と小さく笑うような吐息が落とされる。
望まれる通りに、突き出された口元に同じものを重ね、舌で唇をつつく。
これまでの前戯で荒くなった呼吸が、抑えがたいように口端から溢れた。
性急でないものの、じんわりと全身を高めるような行いが体温を上げる。
緩慢な責め立ては、肌が触れ合うだけでぴりぴりと滲みていくような刺激になった。

「とんでもなく淫らな子だな。……よく今まで隠せていたなと思うよ。
 大丈夫だよ、こんなところで止めてしまったりやしない。
 淫乱なお尻の奥深くまで、ちゃんと満たしてあげるからね」

ローションボトルの中から適量を取り出し、一部は性器に絡む相手の指を包むように塗りつけた。
手を取る、というには強引に指を開かせて隙間にねじ込み、また熱の塊を握らせる。

もうひと掬いは、相手の胴を越えて向こう側に渡した手指の中に。
求められている先、肉の間で焦らされて待ち構えている窄まりに這わせ、
肉襞を押し広げるようにして馴染ませ、徐々に液体を奥へと押し込んでいく。
初物でもない穴はさほど時間も掛けずに済むのだろう。無理の無い程度に、体の中に指を捩じ込む。
体躯の大きさに見合って長く太い指は、今まで相手がされてきただろう性交の痕跡をたどるように、
徐々に関節から先を埋めて腸の中をかき回した。
(-37) 2022/10/02(Sun) 12:41:19

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「そりゃ……そうだろお。同じなわけ、ないよお。なんだか妙な話だなあ」

嬉しいと断言するには、拗らせているし捻くれている。
自分に何一ついいところなんてありはしない、とまでは言うつもりはないが、劣っているところはずっとキミより多い存在であると、そこは揺るぎはしないから、緩く首を横に傾けて、くしゃりと情けなく苦笑いだ。
目の前でこんな己に欲情していると告げたキミは、全ての所作が、指先ひとつまでこんなにもスマートに見えるのに。

「……ぁー……。
マジかあ。マジだよなあ。人間だし男だし、性欲がないとは思ってなかったけどさあ。

でも、すげえ身持ちは堅いだろうとか、ちょっとでもアブノーマルなのは嫌悪しそうだとか、ましてや、ロビンちゃんに人と違うようなヘキがあるとすら考えてもなかったり……参加者なのにねえ」

少しずつ、話をする中でも現在進行形で情報を噛み砕いてはいる。混乱気味の頭を回転させて、情報の上書きをしないといけないことがいくつもある。
キミを軽蔑なんてしない、あり得ない話。つらつら並べていくのは勝手な理想像を作り上げて拗らせていた己の中身の告白だ。
まだキミに向ける言葉の端々にはそれは残っている。完全に消えるなんて事はないだろう。それだけキミは黄金のように輝いてみえる、人を魅せる憧れだ。きっと変わらない。
でもそんな全ての感情を踏まえても。

「……ロビンちゃんさあ……」

「今どんだけいやらしいツラしてオレのこと煽ってるかわかってるう?いや、わかってんだよなあ、きっと……」

今のキミはどうしようもなく、セクシーだ。

1/2
(-38) 2022/10/02(Sun) 13:25:53

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

手のひら一つぐらい、どれだけでも好きにしたらいい。キスだって口に含んだって、何も嫌がるような素振りもみせない。
手首に指を添えれば血流の速さも知られてしまうだろう。
キミの表情、言葉選びや甘い香り、形取るもの全てに心を奪われているのに、節くれだった荒れた手のひらにキミの感触まで加わればどうしたって熱が灯る。ズボンが少しばかり窮屈に感じているのだって隠しはしない。

眉尻を下げて、キミを見つめる表情はちっとも格好がつかない笑い顔。
キミに向けたことのないセリフを、此方から映る視界が、目の前に広がるキミという景色がどれだけ劣情を催すのかを、ちゃんと伝えなければ。

空いた片手がキミの立髪に伸びる。
頭部に添えて、息がかかるほどに近いんだから自分の背をただ丸めるだけ。
許可の言葉を返して瞳を閉じて待つなんて乙女じゃあるまいし、此方から奪いに行く。
今はまだ、触れるだけですぐ離すだけの。

「そんなんオレだってなんぼでもロビンちゃんとセックスしてえよ。昨日だって今日だって誘うのどんだけ我慢したか…っ!
こんな食いでのないオッサンでよけりゃ、気が済むまで食ったらいいよお。

でもその前にメシだなあ、まだコースは残ってんだから、最後まで食うし。もったいない。
……それ見て盛ってくれよ。
見たくない、なんて事はないんだろお?」

2/2
(-39) 2022/10/02(Sun) 13:26:20

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「どんな人間なんだよ、僕は。……そりゃあ、人に見せる顔くらいはちゃんとしようとしてる。
 でもどうしようもないところだってあるし、みっともない真似を晒すことだってあるさ」

今みたいに。普段の望月からしてみれば、こんなに余裕もなく詰め寄って懇願するなんてのは、
どうしたって考えられないことだろうというのはわかる。それくらい珍しい振る舞いだ。
形振り構わずに何かを推し進めるなんてことは、いつもだったら選ばない手段だ。
火を点けたのはあなただし、それを良しとして覆い隠すのを止めたのは自分だ。

頬骨の上の皮膚を染めるのは単純な欲情や性欲ばかりでない。緊張だってする。
相手に抱いている気持ちのどれだけが通り一遍の言葉で代替できるものなのかはわからないが、
きっとそれらもまた心臓から染み出して熱を灯すのに貢献しているんだろう。
己に向き合い、相手に向き合っていきたい。その思いで目をそらせずにいる。

「……必死な顔になってるんだろうなってのは、わかる……」

内側から表出した自信がそのまま顔に張り付いたみたいな普段の面構えに比べれば、
今は眉の力も緩み、目尻は僅かばかり下がって。唇は緊張で動きも固い。
息をするたびに、熱っぽい息のせいで薄く開いた口元から僅かな空気の流れる音のする、
プロムに出たティーンエイジャーみたいな取り繕いようも知らない顔だ。
踊りに誘うように手を取ったまま、追い縋って手放せもしない。

髪に触れる指の感触に、息を呑んだ。口元に固く力が入って、感触は良くはなかっただろう。
余裕を持って待ち構えられていたなら、もう少しくらい甘やかなものになっただろうに。
ほんの短い間の感触を追って、細く息が吐かれる。追いかけようとした動きは、言葉で留められる。
僅かばかり不満そうに唇を尖らせて、けれども相手の言葉を覆してまで捕まえはしない。
指の間に収めたままの、節くれ立った手へと少しだけ力を込めてはおく。
今ばかりは余裕があるのも、手綱を握っているのもどうやら自分ではなく彼の方らしい。

(-42) 2022/10/02(Sun) 15:26:30

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「わかった。ちゃんと戻る。折角の料理が冷めちゃうのは、お店側にも失礼だ。
 ……今、自分で言ったんだからね。気の済むまで貪ってかまわないって」

ゆっくり、ゆっくりと息を吐いて、鎖を引きちぎってでも飛びかかりそうな気持ちを押さえる。
掴んだままの手をそうっと相手の膝の上に戻し、膝を立てて立ち上がる。
まだ背を丸めたままの姿勢、片手は机について、片手を己の顔に近づける。
人差し指と中指の裏に、リップノイズを伴った口づけを落とす。
それを返すように、相手の唇へと。人差し指と中指の裏側を一瞬寄せて、触れて。
一旦は抑えが利いたように、自分の席へと戻った。

それからは、まだ胸の内に穏やかな熱を秘めたままではありつつも食事に集中する。
リングイネに絡んだ雲丹のトマトクリームソースは美味しいし、
続いて出てきた素朴なドルチェは、表面にフォークを入れたなら音を立ててカラメルが割れる。
小気味いい音と、シナモンの香り。
甘いものは好きだったろう、なんていつも通りの気楽な言葉を投げかけて、
相手が甘いクレマカタラーナを口に運ぶ様子を、コーヒーを片手に眺めたりなんかして。

……真意のわかった上でこうして眺められる食事が、落ち着くものかはわからない。
けれども対面する男はなんとも、満足そうだった。己を苛む嗜癖ばかりのためではない。
それを打ち明けて、受け入れて。自分と食事をしてくれる人がいる、というのは、幸福だ。
単純な欲動のためばかりでない火が胸の内に灯るのを、なんとなく感じていた。

食事を終え、ホワイトビールもしっかりと空にしたなら、さもなんでもないことのように会計を。
望月は、下戸じゃない。少し口にしたくらいじゃそもそも酔ったふうにはなりもしない。
酒には強いし、酒は好きだ。様々な言い訳に支障が出るから、誰かに教えたことはない。
そんなことも、短い食事の合間にぽつぽつと打ち明けたような気がする。
言えなかったことがある。今だからこそ言えることがある。
そういうことを頭のどこかで強く実感しながら、部屋までの道を歩いて帰る。
(-44) 2022/10/02(Sun) 15:31:54

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「取り繕う、なんてのが出来るのがまず立派だよお。オレはその姿だけ見て、勝手に思い込んでいたわけだしい?
今のロビンちゃんは……取り繕ってないんだよなあって思うと、興奮するよお。……まだ複雑だけど。
あー……オレ、飯食い終わるまで我慢できっかねえ」

情けない顔なら負けない。
いや、ずっとキミに向ける表情は、苦みが残る笑い方。破顔して、心の底から笑う姿を見せられたらキミを安堵させられるだろうに、ままならない己の感情が今は憎い。

本当にキミに、自分のこの欲望を向けて良いのかなんて自問自答が時折入る。
決して綺麗ではないものを、キミにぶつけて良いのかなんて揺れるものを、伝えて、慣れて、そのうちこれが当たり前になればいいのだけど。どうしたってキミは唯一で特別だから、厄介なこの感情も含めて受け入れてもらうしかない。

精神的な緊張は……葛藤を除けばそれほど、してはいないはずだ。
興奮して、昂って、この熱に浮かされているのを本来恥じたりするような立派な男じゃないんだから。
口付けも終えて、此方の提案に乗ってもらっただけなのに、キミが離れていけば、ああ、惜しいななんて、髪の柔らかさも、その唇の熱をも一時的に失った己の指を、ぐっと握って憂う、ひととき。

「おう。任せとけえ。
折角今日は同じ部屋なんだしよお、同室の二人に見せつけるぐらいの気持ちでヤるかあ、なんてなあ。

……うわあ、まだちょっとロビンちゃんにこういう事言うの胸がチクチクするう」

やっぱりソースや料理名を説明されたところで右から左に抜けていくような代物を、ただ美味いだなんて簡素な一言で終わらせる。
わざわざ見せつけるような真似も今はしまい。極力、ほんのりと気をかける程度に自然に食事自体は済ませたはずで。
そのうち調子に乗って煽る材料にはするかもしれないが、それは多分もっと後の話しだろう。
今はむしろ、キミには言っていなかった言葉を向けては悔やむ、そんな滑稽さを会話の最中、時折向けて。

んじゃ、今度こそ一緒に飲もうなあ、と。
部屋に戻るまでの途中、打ち明ける中で、返した言葉にようやく、心底嬉しそうに笑ってみせたかもしれない。
ずっと何度だって懲りずに誘ったくらいだ、それだけキミとは共に酒を酌み交わしたかったのだから。
(-45) 2022/10/02(Sun) 16:14:52

【秘】 経理課 富武 瑛 → 経理課 望月 ロビン

「ん……ふぁ」

重なった唇を薄く開け、その舌を口腔に迎え入れて、
その舌を求めるように絡めて水音とともに唾液を混ざり合わせていく。
口の中を弄られるのが酷く気持ちが良くて、くぐもった声を漏らした。

「は……頑張った、ん、ですよ。
 えらいでしょ? 褒めて、ください」

これまでは、俯いて耐えて、どうにもならなくなったら席を外して対処していた。
そういう時のための相手は外にいたから、定時まで必死に堪えてることが多かったのはそうだけれど。
でも、これからはあまり我慢しすぎなくてもいいのかもしれない。
キツくなったときの駆け込み寺はできたし、セフレを申し出てくれる人だっている。
我慢しすぎなくてもいいのなら、必要な説明だって今までよりはできるかもしれないという淡い期待はできてしまった。

その分箍が外れて、淫れに淫れる人間になってしまった気がするが、それはもう後の祭りだ。
淫乱と言われれば恥ずかしさに頬を染めたが、言い返せる材料など何一つ無い。

「ん、ッ、……ぬるぬる、して、きもち……
 ロビ…さ、は、きもちぃ、ですか? もっと、激しい方が、いい?」

ローションを伸ばし擦って、亀頭同士を合わせるようにしてぐにぐにと弄る。
先走りがローションと混ざって、響く水音は大きくなって、滑りも良くなって、だんだんと出したくなるような感覚に襲われてきた。

「ぁ、あ……指、おっき……、ローショ、つめたぃ……んっ、あ、あ。
 やわらかく、て、ごめなさ……、んっ、そこ……ッ、そこ、が、いい、です」

実況するように説明を重ね、普通に触られている以上にゾクゾクして身を捩った。
その拍子で力が籠もった手が擦る速さは、快感を追い求めるように速くなっていく。
素直に快感を受け入れていくから、解れるのも、快感を掴むのも、早かった。
(-46) 2022/10/02(Sun) 16:53:43

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

普通の恋人同士よりかはなんとも遠く、もどかしく、その癖肌の距離の近い関係性。
机を囲んで向こう側で、あなたが当たり前に過ごす様子を見ている。
銀に光を照り返すの食器が口に運ばれ、一口ずつを咀嚼する様子であったり。
顎が動く間隔、息をする合間。吸い込まれる酒の流れさえ、鮮明に視界に収める。
人からすれば奇妙な話だろうな。けれどもどうしようもなく目が惹かれるのだ。
それさえ、許容されている。……それが何より大事だ。

まだ己に向けられる言葉に遠慮というか抵抗の混じる様子を、仕方なさそうに眺めもする。
急になにか変転があるなんてのは難しい話だ。だからこそ、ゆっくり、これから。

部屋に入り、足元をスリッパに履き替える。あとはもう出立まで使わないだろう。
ここで過ごすにあたって必要になる場面はほとんどないような施設につくりだし、
かしこまらなきゃいけないような用事というのも、今きちんと終えてしまったわけで。

間仕切りを挟んで片側。自分と、彼が今日この日宿泊しているほうの空間。
ここまで歩いてくる間にはいつもどおりに会話があったのが、
扉を開けて部屋に入って以降、スイッチを切り替えたみたいにぱたりと止んだ。
ゆっくりとした足取り。多分、ほんの数歩のうちに相手に追い越されてしまった。

「信、」

引き止めるというにはなんとも抑揚の察しづらい声だった。呼気と紛うような小さな声。
振り返るより前に、後ろから手を伸ばして抱き竦めて両腕の中におさめてしまう。
背丈の違いを有利に働かせて肩をしっかりと抑えて、首を傾けて髪の中に鼻をうずめる。
朝よりかは時間が経って、同じシャンプーの匂いはだいぶん薄れてしまっているだろう。
夕方の余興のあとにひと風呂浴びたとしても、洗い晒してすぐではない人間の体温。
かすかに嗅覚をくすぐる人間の匂いがある。生きた人となりを思わせる匂い。
ぴったりと寄せた体温はじんわりと酒精の影響もあって暖かく、ごくかすかに汗ばんでいる。
それに、相手からすれば腰の上の辺りにあたる弾力のある固さは明らかに興奮を示すもので。
他の誰でもなくあなたにそれだけのものを感じているのだと、伝わってほしいところだ。
(-48) 2022/10/02(Sun) 17:23:11

【秘】 経理課 望月 ロビン → 経理課 富武 瑛

「ふ、そうだね、今まで……頑張ってきたんだろう。
 えらいね、瑛。キミは、よくやってきているよ」

ついばむように唇を食み、神経の通るところを尖らせた舌先でなぞる。
荒い呼吸を挟む度に、混じった唾液が唇の合間からこぼれ落ちた。

「僕は、……そうだね、ちゃんと気持ちいいよ。安心しなさい。
 でもどうしようか。今ここで一緒にイキたい?
 それともお腹の中まで抉られて、一番奥まで満たして欲しい?
 ……選んでいいよ、どっちがいいんだい」

直接与えられる快楽の強さに、僅かに眉がひくと動いた。余裕を保つのも大変だ。
深く息をして抑え込みながら、何を求めるかを丁寧に聞き取っていく。
血管の浮いた表面は脈打ち、それ自体が生き物のように時折跳ねた。
内股に力を入れている辺り、責めに快楽を得ていることはちゃんと伝わるか。

それに負けてしまわないように、肉の合間から体内に割入った指がぐるりと粘膜をかき回す。
陰茎が勃起すればその裏の前立腺の位置もわかりやすくなる。
指で押し潰し、押し返すようにぐりぐりと刺激しては追い詰めさせる。
果たしてちゃんと最後まで我慢できるか。責め立てる手は優しいが、容赦はないかもしれない。
(-51) 2022/10/02(Sun) 19:23:10

【秘】 経理課 富武 瑛 → 経理課 望月 ロビン

「んぅ……」

瞳は甘く蕩けて、口をだらしなく開いて、わざと恥ずかしい気分になる言葉を選ばれているのは頭ではわかっているけれど、それでもその一つ一つに反応してしまう。
思えば、これは恋なのか錯覚なのかと迷う相手は、当たり前だが物を教えてくれる目上の人が多かった。
学校の先生だったり、部活の先輩だったり、それから、上司だったり。
そういう相手と身体を重ねることなんてなかったから、ある意味においてはこれが初めてといえよう。

「っ、ずるい。
 そん、なの……あぅ。お腹の中、いっぱい、満たして欲し……っ」

欲を言えば両方、なんて言えない。
たった一度の関係なら、どちらかしか選べないなら、自分の中に全部欲しいと思った。

「あ、あ、っんん」

前立腺をぐりぐり刺激される度、素直な身体はびくびくと跳ねる。
そこを刺激されてしまえばもう後は喘ぐばかり。
外に人がまだいるかもしれないなどと思って、できる限り抑えているつもりだけど
トントンと押されるのもぐりぐりと擦られるのも気持ち良すぎて止めることなんてできない。
互いに開かれた唇から流れる唾液は、クッションに落ちて染みになってしまっていた。
(-54) 2022/10/02(Sun) 20:46:08

【秘】 経理課 望月 ロビン → 経理課 富武 瑛

「よく言えたね、……じゃあこっちは、先に楽にしてあげるよ」

相手の手指に己の手を重ね、性器を握る指を一本一本伸ばして外していく。
代わりに相手のペニスに指を添えると、亀頭のほうへと送り出すように擦る。
もう随分と苦しそうなのだから、これだけはっきりとした刺激を与えても問題ないだろう。
あとは指の輪で振るようにフィニッシュを迎えさせてやるだけだ。

いくらか呼吸を整えたなら、体を起こし浴衣の裾を払う。
ここまで来たら少しばかりの動きづらさが勝ってくると、上半身も袖と肩を脱いではだける。
ほとんど腰に巻き付いているくらいでしかないものの、きちんと脱ぐほどの暇もない。

「片足上げて。もうだいぶほぐれたみたいだし、問題ないだろう。
 ……そんな不安そうにしなくていいよ、これっきりってわけじゃないんだ、何もかも」

相手は横向きに寝そべらせたまま、縦に重なる足の間に身を滑らせる。
上げて、とは言うものの片足の腿に掌を添えて体側へと折り曲げてしまえばそれで十分だ。
もうだいぶん固く勃起している性器の先が、温められたローションに塗れた尻穴に添えられる。
あともう少し押し込めば満たせるだろうものを、その寸前で止めてしまう。
寝かせられた相手の顔を見下ろして、余裕ぶった顔で微笑みかける。

「教えて。どんなふうに、犯してほしいか。キミがたまらなくなるまで」
(-56) 2022/10/02(Sun) 21:36:18

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

汚しい食べ方をしている事はないだろうが、見惚れるほど美しい所作をしてはいないだろう。
キミの目線に、がらにもなく不安がよぎる。こんな食い方でいいのだろうかなんて、全く馬鹿らしいことで悩むものだと、ビールの残りを煽って、ついでにもう一杯追加を頼む程度は許されるだろうか。
デザートだって、最後まで美味しかった。
キミにだって良いひとときを届けられただろうか、美味しかったねえ、なんてとりとめのない対話をしながら廊下を歩く。
いつも通りの猫背で、隣を歩くが背丈にも差がある、足の短さだって此方が相当だから、本来はキミと歩調を合わせるなら早足になる……のかと思ったら何やら小難しい顔をして、速度が落ちる。小難しくて面倒くさい事を考えているせい。
もしかしたらそこは、自然と合わせてくれるのかもしれないが、今この時ばかりは歩幅を調整出来ない。

部屋に入って、靴を、反対側の足に引っ掛けるような行儀の悪い脱ぎ方をして、キチンと揃えもせずに隅に寄せながらボタンをとめていた襟に一番近い場所を解く頃には、キミを追い越していて。

「── 、っと  っ」

また一歩前にというところで、くん、と後ろに引き寄せられた。
一度はキミの使う香で包まれた体も、夕暮れ時の風呂でまた元のシャンプーと石鹸、それに混ざる煙草の香。食後の一服はしていない。この旅行では人と過ごす事が多く、匂いのきつい煙草の愛煙者である自分は控えていたが今の理由は違う。

……早くと盛っているのは、何もキミだけじゃない。

「……おう」

まじまじと凝視するものじゃないが、それにしたって幾度か風呂場で見たキミのものの大きさを忘れたわけじゃない。日本人の感覚からしたら十分すぎる筈の大きさに、背筋を抜けるものがあった。
ああ、つい先日の妄想が頭をよぎれば、食事の最中は一度萎んだ筈の下半身に血が寄る。

「……ヤる?」

キミの顔は見えないが。
短く、問いかけを。
(-59) 2022/10/02(Sun) 22:32:34

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

いつも、誰かの隣を歩く時は相手に歩幅を合わせるようにしている。
長い脚から繰るコンパスに合わせられる相手のあることなんてのは、ほとんどないからだ。
ただ、その日はほんの少しばかりいつもより合わせる足にはムラがあったかもしれない。
互いにうまく隣に並べずちぐはぐになりながら、やっと部屋までたどり着いたりしたんだろう。

ジャケットから腕も抜かず、部屋に入るより前とほぼ変わらない服装のままだ。
すう、と髪と皮膚の匂いを嗅いで、かすかに腕の力を強めた。言い様のない心地で満たされる。

くしゃりと潰すように頬ずりをして。髪の先にめがけてリップノイズを響かせる。
自身の指先を通じての口づけもそうだし、貴方の指へ落とした口づけも、そう。
顎元によく触れた手もそうだし、卓球の後にあなたの後頭部に触れた唇もそうだ。
何かと、これまでの関わり合いの中で己や他者の口元に係る動作が多かったのを覚えているだろうか。
それらもまた、先程明かした人には言えない性癖に由来するものの一つなんだろう。
あからさまにすることに、躊躇はだいぶんなくなったらしい。

「……セックスしようか」

例えばいつもであったなら、ジャケットはちゃんとハンガーに掛けて、
身だしなみの基盤であるものをさりげなく保持してから持ちかけることも出来たろうに。
今はそうした余裕もなくて、ただ愚直に余裕もなしに働きかけるのが精一杯だ。
そろそろと息を吐く。こみ上げる感情をなんと呼んだものか。
どきりと心臓の動きを早くするものをどうにか押さえつけて、腕の中から相手を解放する。

近い方のベッドに向けて、ほとんど寄り添うように連れ立って歩く。
相手にもやりたいこと、動く自由はあろうに、それを優先させてあげられるほどの余裕が無くて。
半ば、腕の力と歩いた時に軽く肩を推してしまうような動きで誘導してしまうようになるのだろう。
あんまり格好の良いものじゃない。いつもはこんな無様な導入はしない。
願わくばいつもこうじゃないとわかってもらえるのを祈るばかり、そう考えるのさえ後のこと。
近い方のベッドサイドに相手を座らせると、肩に手を掛けて背を丸める。
目の前の顔に近付いて、柔らかく唇を重ねた。ついばむような口づけは、徐々に深くなっていく。
(-61) 2022/10/02(Sun) 23:15:27

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

先ほどまでいた場で、キミに手を預けていた時も、今だって、好きにさせている。腕の力が強まったとてちっともイヤではない。
多少まだそれを自分という存在が受け入れて良いのかという点で残る葛藤が僅かな積極性を奪って、いつもの調子が出ない。からかったり、煽ったり、誘ったり、キミにだけは上手くやれないんだからと、そんなものは黙ってしまうと伝わらないのだけど。

「おう。やろうかあ。
好きなだけ食ったらいいって、言ったもんなあ……」

「──……はは、やべえ。
口にしたら、めっちゃ興奮してきたあ。
ロビンちゃん、ヤりすぎてダメにさせたらごめんなあ」

この場に置いて、キミ以外に優先する事だなんてない。
誘導されているつもりもない、自らの意思で進む近いベッドの位置、腰掛けるところまで押されたなんて自覚もろくにないだろう。

もう、パンツが窮屈にする事も隠す必要もない。
取り繕う事もないから、唇を重ねて受け入れる側にばかり回る事なく、角度を変えて、唇が触れる位置を変えて、啄んで食んで吸って、口を開いて更に深く繋がりを求める。伸ばした舌がキミの唇を舐めて、キミの舌を誘い出そうと。
(-63) 2022/10/02(Sun) 23:37:21

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「……そう?」

曖昧で対象のない言葉が何に向けられたのか、あなたの理解が追いつくのは後のことになるだろう。
望月当人としては、ヤリすぎて、と言う言葉が果たして相手の言うべき言葉であったかに尽きる。
そもそも単純な体力だって見た目通りの差があるのだ。別に、指摘したりはしない。

相手の唇を追うように口を動かしては、はふ、と息を吐いて唇を食む。
まだ遠慮がちなところのあったキスは、相手がついてきているのを理解すると徐々に奔り始める。
舌先を捩じ込んで、口腔の奥深くまで追い詰めて神経の走る箇所を舐め上げる。
唾液の落ちるのだって一切構ったふうではない。噛みつくみたいに粘膜を押し付ける。

目もくれないまま乱雑にジャケットを脱ぐと、ベッドの下に落とした。
同じように、ベルトの金具を指で弾くように外して抜き去る。しゅる、と音がした。
アクアブルーは間近にある相手の表情を追い、反応があるのを見逃さないように視界に収める。
息を大きく吐いて、次に相手の衣服に手を掛けた。シャツのボタンを手早く外していく。
そのまま、服の合わせから肌に触れた掌が首の付け根から臍まで辿るように下りていく。
触れる掌が熱い。まるで、同じくらい熱のある箇所を探しているみたいだ。

「ごめん、……大事に出来ないかも。
 無理はさせないつもりだけど。熱くて、苦しい」
(-64) 2022/10/03(Mon) 0:00:18

【秘】 経理課 富武 瑛 → 経理課 望月 ロビン

「んっ……ふぁ、あっ」

ゆっくりした手付きで自分の手を外されて、握り込まれるとそれだけで声がでた。
擦られるたびに気持ちよくて我慢できない声が漏れ出て、どんどん高みへと導かれていく。
出させるための強い刺激を与えられれば、そう時間はかからず限界を知らせて、震えながら白濁したものをびゅくびゅくと出してしまっただろう。

小刻みに震えて弛緩しながら絶頂の余韻に浸っていると、浴衣が擦れる音がした。
見上げると、上司のあまり見慣れぬ胸板が覗いて、
自分よりもしっかりと鍛え上げられたそれは、厚く、それからいい匂いがした。

課長も、興奮してくれているのかな。

なんて、半端に脱がれて巻き付いてるだけの浴衣を見てそんな事を考えて。
言われるままに足を少し上げて、あなたの身体が滑り込んできたならこれからされる事への期待と恥ずかしさで、かぁっと顔を赤くする。

「っ、ロビン、さんの……で、俺の中、かき回して、満たして、ほし……っ
 俺のいいトコすりすり、して……全部俺の奥に、出して、ぇ……ください……」

早く挿れて欲しくて、求めるように素直に口に出すけれど。
それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。
言えない単語はもごもごと、言葉を濁した。
(-66) 2022/10/03(Mon) 0:07:56

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

こちらの言葉への、応答にしては妙な一言。
あんまりにも短いものだから、そこがどこを示すのはやっぱり気づけなかった。
何を、と問うよりは、口付けを味わっていたかった。潜り込んでくる舌が己を探ってくる。多分、最後に飲んだビールの味がキミの舌にうつる筈。……キミの唇、舌も違うビールの味がするんだろうか。粘膜を絡めて、唾液を啜って飲み込んで垂らして、ああ、もっと欲しいなと両手でキミの髪をくしゃりと優しく押さえて、更に深く、深く。

両手はキミを捕らえるのに忙しいから、脱がしてくれるのはありがたい。一番下までボタンが外れて、何とも頼りない胴が現れる。もう見慣れただろう貧相な身体を、手のひらがなぞればまた印象は変わるのだろうか。

大きな手のひらが滑り落ちていく。
薄っぺらい胸板や肋骨が浮く体も触られるのは別にこれが初めてというわけではないのに今は、まるで、受ける印象が異なる。
粟立つ感覚は、どうしようもない。口付けの合間に、はあ、と零す息は酷く熱い。

「ガキじゃないんだから、遠慮すんな……、や。違うなあ。オレもさあ、今熱いし、苦しい。

でも、さあ。
オレ、ロビンちゃんがセックスんとき、どんなことしたいのかなんも知らなくて。

しゃぶられるの好きなら喉に突っ込まれたっていいし、突っ込んでほしいって言うなら喜んで突っ込むよお。
ロビンちゃんの一番好きな形でヤらせてやりたい、ヤりたいからさあ、大事にしなくても構わんから、そこだけ聞きたいなあ」

このまま流されて何となく抱かれて、それで満足は多分、出来ない。
ここばかりは性分。自分の邪な妄想はあれどそんなものよりずっと大事なものがあるから。
(-69) 2022/10/03(Mon) 0:32:06

【秘】 経理課 望月 ロビン → 経理課 富武 瑛

亀頭を包む指の中で、奔流が外へ湧き出すのを感じた。
親指の腹で鈴口をなぞり、最後の一滴まで絞り出すように小さく通った孔を潰す。
溢れた精液を指に絡め、まだ萎えきらない幹に塗り付けるように擦った。
まだこれきりで終わりじゃないのだ。もうすこしだけ元気でいてもらおう。
やがて睾丸のほうまで下りた指は、つうと体液をなすり終わって離れる。薄く、糸が引いた。

「……悪い子。キミは思っていたよりずっと、欲しがりだ。
 ひとから線引して離れて、なんてのは合わないよ、そう思う。
 何もかも、欲するままにしたならばいいさ」

セックスのことばかりで話が終わればいいのに、案ずるのはどうしても相手の行く先。
こんなこともまた一つ、明くる日のための原動力になったならそれが一番いい。

頷いて、濡れた入り口に亀頭を押し込む。減り込むように徐々に進み入る。
呼吸とともに少し、また少しと内側に収められ、前立腺に当たる頃に腰の動きは止められた。
足の付根に添えられた手は、掴んだ腿を起点として固めて。
そこを基盤に揺さぶるように、亀頭が何度も浮き上がった痼を突いた。
亀頭の僅かな起伏に引っ掛けて、ローションで濡れた内壁が執拗に抉られる。
揺さぶる力は強く、それだけで相手の上体はつられて引きずられるかもしれない。
(-73) 2022/10/03(Mon) 0:55:42

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

混じり合った唾液がどことなく甘いように感じる。滑らかに互いの体液が混紡する。
その中にホップの苦味がごく薄く混じることで余計に、生々しい粘膜の味を感じる。
髪の間を梳く指の感触にぞわりと震えて細く息を吸い、鼻の奥で掠れたような声を上げた。
僅かに細められた目が恨めしそうに相手の顔を見て、唇が外れる。

代わりに、口づけは耳元に落とされた。耳を食み、ごくわずかに歯を立てる。
耳の形をなぞって濡れた唇が点々と触れて、舌先が耳朶の起伏に差し込まれた。
十分唾液で濡れた舌は耳の孔を舐ってさすり、水音を立てながら繊細な器官を犯す。
その合間に問われる言葉に、ふ、と考えて。

「僕は、……、
 ……"どっち"でもいいつもりだったけど、こうして対面するとダメだな。
 キミのこと抱き潰して細い体にペニスを突っ込んで、メチャクチャにしたい。
 外聞もなく乱れて、僕の名前を呼んで欲しい。死にそうなほど欲しがってほしい。
 キスしたいよ、どこもかしこも。歯を立てて齧る代わりに、痕をつけてもいい?」

聴覚へ、吐息混じりの声が回答を告げる。まるで口説き文句だ。
肌を撫で回していた手が再度腹の上で止まった。皮膚と肉の下には腸がある。
肛門から遠慮もなしに突き込んだならどこまで入ることになるのだろう。
卑猥な想像に喉を鳴らして、臍を指の腹で浅く穿った。かり、と爪が立てられる。

「信は? 僕もキミのお願いを聞きたい、聞かせてよ。
 遠慮じゃない、僕のエゴとして、キミの願いを満たす権利を僕にちょうだい。
 ……スパの後、シャワーブースでどんな想像をして満たしてたか、僕に教えて?」

指はもう少しばかり下りて、相手のベルトに。
これまた見えもしないのに、ベルトの金具を外していく。先よりかは少し落ち着いた動きだ。
ベルトを引き剥がして、チノパンツの合わせを解いてジッパーを下ろす。
その下で膨れたものがあるなら、開放するのは些か苦労したかもしれない。
下着の上から、手を触れる。ひとなでしたところで、腰を浮かせてチノパンツごと腿の半ばまで下ろさせ下着に手を掛けた。
(-76) 2022/10/03(Mon) 1:34:00

【秘】 経理課 富武 瑛 → 経理課 望月 ロビン

「あっ。っ、っ……イった……ばかり、なのに……んんっ」

新たな刺激を与えられて、若い身体の陰茎はまた、ゆるりと固くなる兆しをみせた。
すぐに兆すなど、本当に、どれだけ淫乱な身体をしているのかと自問自答したくなる気分だが、そんな事をしている暇は勿論ない。

「そ……な、むり。
 こん、なの……誰か、の、めーわくに……しか」

欲しがりなのはわかっている。
それでも理性と、相手のことを考える気持ちが邪魔をして、蓋をする。
この蓋は重くて、とても開けれそうにない。
そんな事をしては、当たり前に生きることすら難しくなってしまうだろうから。

「あっ……」

ほぐれてとろとろになった後孔の入り口にぐり、と先端が押し入ってきて、言葉は喘ぎに変わっていく。
たったそれだけで吸い付くように、欲しがるように孔は広がって、熱く質量を持った亀頭を受け入れていく。
言葉よりもなお素直な下の口は柔らかく、何も我慢などしやしない。
もう少しで気持ちのイイところ……と思った所で動きが止まった時は、ひゅ……と喉すら鳴って。
待ち望んだ痼への刺激には背中をよじらせて、その快感を体全体で受け止めた。

「まっ……あ、あああ、ふぁっ」

掴まれて、抑えられて、突かれて。
逃げられぬ、逃しようもない強い快感が全身を駆け巡っていく。
痼を刺激される度、喉を反らせて普段よりも高い嬌声を上げてしまっていた。
(-77) 2022/10/03(Mon) 1:49:31

【秘】 経理課 望月 ロビン → 経理課 富武 瑛

「もっと、素直になってごらん。
 体も、心も。誰に構うこともなく振る舞ってみたらいい」

言葉とともに、指は身体の稜線を伝って再び胸先とつうと掠る。
先より滑りの増したせいで皮膚同士が密着する。くる、と乳頭の周りで指が弧を描いた。
大きな手でいっぱいに指を開けば、多少無理はあっても左右両方に届いてしまう。
弱々しくじれったい刺激は、体の中心に抜き差しする間に亘って絶えず与えられる。

「、……本当に。身体はこんなに、素直なのにね」

耳へ聞こえる嬌声の甘さに、しようのない子だとまた微笑む。
陽物全体を締め上げる柔らかい感触に僅かに眉に力を入れて耐えながらも、
今優先すべきは自身の快楽よりも相手のそれだろう。
身体を揺さぶりながら腰を大きくグラインドし、開発の進んだ神経塊を丹念に突く。
生来の性感帯ではないふたつだけでどれだけ上り詰められるのだろう。
腸壁を抉る執拗な責め苦は、あなたが達するまで続けられた。
(-80) 2022/10/03(Mon) 6:43:03

【秘】 経理課 富武 瑛 → 経理課 望月 ロビン

「そ……あっ、ら、めっ
 っふ、あ、りょーほ……っ、きもち、んんっ」

上も下もとにかく気持ちが良くて、逃がせなどしない快感をどうにか逃がそうとふるふると頭を振った。

会計課が一番マシ、から。
会計課に一番居たいと思うようになったのはいつからだっただろうか。
そもそも自分は行けない部署が多すぎる。
同じ総務部でも、お客様と対話をするような営業やクレーム処理課などには絶対に行けないし、企画なんてもってのほか。
研究だけしていればいいと思われがちの研究科とて、自分が開発したものをアピールするにはプレゼンが必要だ。
それに耐えるのはあまりにも酷で、数字と向き合っていればいい会計は一番マシだと思って希望したのだ。

実際は説明が皆無なんて部署は存在しない。
それでもここがいいと思っていたのは、たとえ錯覚による想いでもあなたがいたからだ。

「ぁ、んっ、んんッ、ふぁっ、あ」

執拗な上下への責めが、どんどん絶頂へと導いていく。
開発を受け快感を上手に受けることができるようになった2箇所はとっくに性感帯になってしまっている。
焦らすように弄られる胸も、中で動くだけで刺激されてしまう前立腺も、気持ちが良くてたまらない。
声にならない嬌声をあげて、酸素を吐き出し、はくはくと唇を動かす。
もうとっくにそうなってる気はしているけれど、溺れてしまいそうだ。

「も、またっああ、んっ、イ、く……っ――――――!!」

頭のそばにあるクッションをぎゅう、と握って目を瞑る。
強い射精感が身体を伝って、吐き出す。
先程よりも勢いも量も減ってはいる精が、流れて、自分の腹に広がった。
(-81) 2022/10/03(Mon) 8:14:41

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

いつも、会う時はこの青い瞳が己を捉えていたなと。
気づくのが本当に今更、その瞳が細められて何やら訴える眼差しを向けられるが、咎められるようなことはしているつもりはないから、首を捻ったところでキミの唇は他所へとうつる。耳のそばで、つい先ほど散々味わった舌が這いずり回る音が響いて、うぁ、と思わず声が出た。
キミが言う、食うという行為を聴覚と触覚で思い知らされるよう、ああ、きっとこうして全部、五感でキミを覚えて、離れ難くなってしまうのだろうなと、ふと笑う。
頭の高さが同じにきて、ようやくキミの髪に己の顔を沈めた。長い髪の中で呼吸をして、朝に散々嗅いだ香を吸い込む。キミ自身のものと混ざって……やっぱり自分なんかよりキミが纏わせている方がいいなと、笑った。

「──そ、っ、……そっかあ。
いくらでも食えよお。そう言ったろお?

あーーー……どうすっかなあ、改めて言われると、……ああ、イヤじゃないよお、むしろ、その」

一瞬、声が上擦るようにつまった。

元々興奮して腫れていた衣服の中のモノが、キミの言葉を聞いて一層膨らんで硬くなってしまったものだから、脱がすには些かの苦労があった筈だ。
今更になって本当にこんな事があっていいのかなんて葛藤が腹の中で渦を巻く。

今、キミの指が触れる場のずっとずっと奥が満たされると想像しただけで、ぶるりと震えた。

「いや……丁度いいかあ。あーあ言わされる日がくるとは思ってなかったよお。
……ロビンちゃんのデカチン、オレのケツの穴に突っ込んで散々ヨガってんの想像して、っ、……あんときも、部屋で別れた後もずっとオナってたんだよおこっちは。くそ。言っちまったあ……。
がつがつに突かれて、オレは情けなく鳴いてヨガって……っ。
──きっと、そうされるのが、一番だよ……っ、ああもう情けないなあ」

下着に手をかけるのなら、ゴム地の部分を下ろした途端、触れずにそのままであった為に半ばまで皮が被ったままの、苦しいほどに勃起して先走りの汁を垂らす男根を晒す。
(-83) 2022/10/03(Mon) 9:13:03

【秘】 研究員 鹿籠 吉弘 → 経理課 望月 ロビン

支えられている箇所が熱い、その崩れない微笑にも、聞き取りやすい言葉の間合いも、僕の胸は高鳴って。

芯を持って硬くなったそこは、服の上からでもわかる程主張している。ぞくりと身体の芯が震え腰が動きそうになるのを座った姿勢で抑えた。


「……どんな人でもお店は受け入れてくれますから。
 触れらるとの、撫でられるのと、
 ……刺激をもらえるのが好きなんです」


なんとなくだった趣味も、口に出してしまえば没頭したのも納得だ。触れられたらおかしくなってしまうのに、触れられたくて仕方ない。押さえ込むために別の快楽で自分を慰めて、本当にこうして触れられるのを願っていた。


「こうやって、僕を周りと同じように見てくれる人に、」


優しい人がひどくするのが好き。
ひどい人が優しくするのが好き。
見てくれるから、手をかけてくれるから。そんな天の邪鬼な好みよりも、ずっと暴いてくれる人が好きで。


「その大きな手と、熱で
 さわっ、てほしいです……」


貴方は優しいから、その庇護は皆に与えてるものだとわかるから。誰かを大切に見ているのがうんとわかるから。こんなにも素直に小さな願いを囁けて。"怖くありません"、そう呟けばあっという間にその身を委ねてしまった。
(-90) 2022/10/03(Mon) 14:26:48

【秘】 経理課 望月 ロビン → 経理課 富武 瑛

敷いたクッションがずれるくらいに体が揺さぶられる。大の男の体重と力では当然だ。
触れ合った肌が弾むくらいに体を合わせて、呼吸や相手の身じろぎに追従するように抜き差しする。
締め付ける内臓に何度も擦り付けていれば攻め手であってもずっと余裕でいられるわけではない。
大きく息を吐いて、喉を鳴らして。次第に呼吸だけで己を落ち着かせるのは難しくなってくる。

あなたの体が震えて昇り詰めて、絶頂を迎えるのを見届けてからゆっくりと陰茎を引き抜いた。
まだ張り詰めたままの性器を、ひくつく肛門に擦り付けるように扱いてようやく息を詰まらせ、
臍の下に渦巻く欲求を吐き出す。どろりと、白く濁った精液がまだ収縮しきっていないだろう穴を汚す。
てらてらと体液やローションで生々しく濡れた性器から手を離し、僅かに呻きの混じった息を吐いて。
サコッシュからウェットティッシュを取り出すと、手先や性器を拭って清め始めた。

「……どうだろう、気分は落ち着いた? それとも、まだ足りない?」

相手の着衣や体に気を遣ってやる前に、まず今の状態について聞こう。
一時の慰みのつもりではあっても相手の気分が落ち着いてくれなければ仕様がない。
子供を寝かしでもするみたいに、穏やかに声をかける。
(-94) 2022/10/03(Mon) 19:34:03

【秘】 人事課 緑郷 溢 → 経理課 望月 ロビン


「あら、良い事聞いちゃいました。
 なら一度くらいは挑戦してみるのも良いかもしれませんね?
 いつかは。なあんて」

結局のところ、趣味嗜好というのは付加価値だ。
それが満たされようと、満たされなかろうと。
そもそもの話、何某かの触れ合いそのものを好んでいるのだから
だから何方でも構わないし、何れかを求められればそれに沿う。
恐らくはきっと、幾らか同じようなところがあるのだろう。

「フフフ……お上手ですね?
 そんなに褒めちぎられてしまっては、
 ちょっとした悪戯心も引っ込んでしまいそうです」

なんて、これもまた冗談。
ほんの少し悪戯心を出したって咎められやしないのだろうけど。
こちらも丸めた背に腕を回して、身体を寄せて。
楽しげに潜めた声は、二人だけの内緒事。

緑郷 溢は、誰かと触れ合う事が好きだ。
物理的なものも、精神的なものも、どちらも同じだけ。
その二つのコミュニケーションの延長戦上にあるような、
気易いじゃれ合いに近いこの触れ合いだって、もちろん。
(-97) 2022/10/03(Mon) 19:52:34

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

耳元に寄せた唇は、問うた声が終わるとともに熱い息を吐いて、耳朶を柔く食んで。
代わりに己の聴覚へかえる回答に、溜息めいた声がこぼれ、さらさらの唾液が糸を引く。
頬に触れるだけの口づけをするのは、あなたの言葉と態度に愛らしさを覚えたから。
急には動かない。丁寧に、慎重に。あなたの手付きや行動を阻害しないよう、感じ取って。

「……かわいいひとだな、キミは。
 そんなふうに告白されて嬉しくないはずがないだろ。もっと情けなくなってくれたっていい。
 姿勢は、どんなふうだった? 前から、それとも、後ろから?」

口にするつもりのなかったのだろう言葉が、どれだけ己の欲情をそそることだろう。
下着の内側から姿を表した性器の、皮と幹の間に人差し指を添えてゆるゆると刺激する。
鈴口から外側に向けて指で線を引いて、けれどきちんと手で扱いてやったりはしてくれない。
代わりに足の付根に落ちた掌は、恥骨の形を浮かび上がらせるように撫でて、ゆっくりと腰に回る。
一度は発散して使い古した妄想を再度呼び起こして、それを再現させようとする。
頭の中に思い描くほどの望みであるなら、叶えてやりたいと思うのが普通じゃないか?

「余裕があったらで、いいんだけど。
 僕のことも脱がせて。触れられたいんだ、キミに。
 タイミングだとか順番だとかはなんでもいいよ。したいように、して」

乗り出した上体は、肩で肩を押すように近付いて。相手の腿の外側に片膝を置く。
脱がして欲しい、というのだから相手の腕の稼働が悪くならないようにはしないといけない。
けれどもこれだけ近くにあなたの匂いが、肌の温度があって耐えられるわけがない。もどかしい。
僅かな時間さえ離れているのが惜しいように、首筋に埋めた面は顎の下に口づけた。
舌を這わせ、吸い付いて痕をつける。浮いた筋や骨に歯を立てれば、浅い傷がつくだろう。
浴衣の袂から見えそうかどうかなんてのは、今は配慮さえ出来やしない。
ただ、目の前にある肌を苦しめない程度に口先で味わいたいだけだ。
獣みたいに上がった息が、シャツと皮膚の間で溜まってほんの少しだけ湿気を増す。
(-103) 2022/10/03(Mon) 20:34:40

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

自分はどちらかというと性急で、堪え性がなくて、いつだって何事にもがっつきがちだ。
キミの唇も、指先も、何処までも焦らすような仕草で、些細な変化を受けるたび、指の腹が滾ったものの繊細な箇所を撫でてくる。
ふ、と息を漏らし、眉に深い皺を寄せて、下唇を噛んだ。
ひく、とやけに素直に性器が揺れて、鈴口から滲む先走りの量が増え。

「ッ ……あんま、いじめんな、よお。
触るなら、ちゃんと扱いてくれ、ッ 、……っ。
ッ 、まだ言わせるのかよお、ロビンちゃん性格悪いなあ、もう……っ」

軽く捻くれ口を叩くくらいなら許されるだろうか。
近づいて、キミの香りに包まれて、こっちは興奮しっぱなしだというのに。じんわりと汗が滲む。アルコールだって入っているのだからいつもより体温はきっと高い。

勝手にこぼれる吐息の中で、呻き声に混じらせ。

「後ろからさあ、ッ 四つん這いに、っ、されて尻穴壊れるんじゃないかってぐらい、ガンガンに突きまくられてさあ……っ。
ロビンちゃんのちんこ、ぱんぱんに膨れて、オレん中でいっぱいになってよお……っ。
……っ、一度も抜かないまま、一晩、中ぅ、…っ、…」

勿論、性癖の問題がある。
自慰に耽る時には欠かせないくらいにはもうどっぷり自己開発に嵌って、それ自体に躊躇なんてもう無い。
それでも、その対象がキミであり、その妄想で如何に都合良く使っているかを語るには、罪悪感がどうしても頭をよぎるから、とうとう最後には声を詰まらせた。
丁度、キミが噛み付く先、喉がひくりと動き。

「っ、したい、ようにしていいなら、それなら……」

迷うことはない。
直球に手を伸ばすのはキミの下腹部、履き物の留め具やジッパーを外して、パンツごとずり下ろそうと。余裕がまるでない。一刻も早くキミのが見たい。触りたい。
(-108) 2022/10/03(Mon) 22:14:59

【秘】 経理課 富武 瑛 → 経理課 望月 ロビン

「―――――ッッ!」

何度も腰がぶつかって、無意識にその精を搾り取らんばかりにきゅうきゅうに締め上げる。
いつも余裕たっぷりにしかみえない上司の、少し余裕のない表情が視界を掠めて、ふ、と目を細めると全身が弛緩てゆっくりと崩れ落ちた。

「は、……はっ」

肩で息をして、ゆっくりと呼吸を整えようとしたら、腹の上に自分のとは違う白濁が落とされて、混ざる。
本当は中にほしかったけど、という言葉を飲み込んでこくりと頷いて。

「……ぁ、だ、大丈夫、です。自分で……ふき、ますから」

上司に身体を清めるまでやってもらうというのは如何な事か、と。
困った顔をして、自分で、自分でというが、きっとさっさと拭き取られてしまっただろう。
それにしても。
最中のこれきりではないという言葉の意味は、一体何なのだろう。
たった一度の慰めだとばかり思っていただけに、そこだけがよくわからなかった。
(-109) 2022/10/04(Tue) 1:35:27

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

抗議されている声をよそに、頷きながらあなたの声に耳を傾ける。
聞きようによれば可笑しく思えそうな妄想を聞かされて、けれどそれが相手の望む姿なら。
聞かされた側だって、それを想像しないわけではない。吐いた息に、震えた声が混じる。
既に斑な模様の描かれた首筋にいっそう強く吸い付いて、黒ずんだ点を刻みつけた。

下からいくんだ、というのはさすがに虚を突かれたらしく、物申したそうに唇を引く。
けれどもその性急さに愛らしさを感じるくらいには今は夢中になってしまっているのだ。
焦らすように腰の横を抱えていた指に力が入り、薄い身体に食い込む。
今すぐにだってひっくり返してしまいたいのを耐えながらに、臀部を大きな掌が抱え持つ。
さんざ撫で回してから、足回りにまとわりついた着衣をちゃんと膝まで下ろしてやる。
あとは自分で足を振るってどうとでも振り落とせるはずだ。

「そんなに、欲しいんだ。焦らなくていいよ、取り上げたりしないから。
 ……わかる? 僕だって、信に触れられる前から、もうこんなになってる」

元より体型にフィットして窮屈そうな下着は、脱がすにはちょっと物理的な抵抗もあるだろう。
黒い布地の中に収納されていた性器が、薄い布の中からはずみをつけて現れる。
張り詰めて上を向いたペニスは、自重で揺れながら目の前のあなたに向かって振れる。
規格外というほどではないまでも、何度も風呂場で見たときのそれよりかはずっとグロテスクだ。
腹筋に力が籠もる度に大げさに揺れる血管の浮いた肉棒は、ちょっと穏当でさえないくらい。
そう遠くないところにあるだろう相手の性器と隣り合って、違いがよく見える。

(-113) 2022/10/04(Tue) 6:43:48

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

下衣を全て脱がして、シャツだけ残っている腕を一度万歳でもさせるみたいに上げさせる。
その際にシーツの上に押し倒すように力を掛けて、ベッドの上に痩せた身体を横たえる。
あまりやたらに皺にならないように肘まで少しずつ腕を抜いて、背側を引いて。
顕になった脇を見下ろして、赤い舌を潜り込ませた。唾液の滴る肉が皮膚をぞりぞりと舐める。
下がそうなのだからこちらもすっかり整えて、なんてことはないだろうに、構うことはない。
その間にもシャツをすっかり引いたなら、上半身も無防備にさせてしまう。
先んじて丸裸にしてしまった身体はちょっとずつ位置を変えて、シーツの中心に移動する。

「……存外いい眺めだな。すごく唆る。さして変わらない、見慣れた身体なのに。
 これから抱き潰してさんざんにファックするんだって考えるとたまらなく愛らしく思えるよ」

顔を上げて。白いシーツの中に横たわる相手を見て、小さく感嘆の声をあげた。
部屋に帰ってきた後に、間仕切りの向こうに気を使って明かりは弱めただろうけど、
光がもれない程度にベッドサイドの明かりはあるだろうし、カーテンを透かす月光はあるはずだ。
弱い光を受けた身体は、言いようもなく扇情的に見える。
覆いかぶさって下肢の上に座り込むようにしたなら、腹の上で己の性器が揺れているのだろうから、
余計にこの先を想像させられてしまって胸が苦しい。やっとのことで息をしたような気分だ。
(-114) 2022/10/04(Tue) 6:44:08

【秘】 経理課 望月 ロビン → 経理課 富武 瑛

「そう? 無理しなくていいよ。身体も辛いところあるだろうし」

こちらでやってしまって問題ないのならあちこちの体液は拭き取ってしまうだろうし、
されるがままにしているのが情けない気持ちになるようだったら相手に任せるだろう。
こういうことも後戯のうちだ。なるべく、相手に気分のいいようにはしてやりたい。

どうしても行きよりかは少し形の崩れた浴衣を着直して、相手の横に座る。
手は頭にぽんと添えて、髪でも撫でてやるみたいに。目元は少し陰になるだろう。
早々に行動させようとはしないし、相手に多くを求めたりやしない。
身体が冷えてくるようであれば、傍に設置されてあるだろうブランケットを被せる。

「……どうせしばらく誰も来やしないだろう。
 落ち着くまで休んでいたならいいよ。キミも色々、考えることはあるだろう」

少しの戯れではありこそすれ、思い詰めるような気持ちを払拭できたなら、いい。
ひどく回り道にはなりはしたものの、彼を突き放すつもりであったわけではないのは事実だ。
子供を寝かすような穏やかな態度のまま、相手の気が済むまでは傍にいるだろう。
もう少しだけ、キミが巣立っていくまでは、ちゃんと。
(-115) 2022/10/04(Tue) 7:32:50

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

夕方の湯浴みでは髭なんて剃ってはいない。
日々石鹸をシェーバーがわりに使う顎から喉は特に皮膚が荒れる箇所に、剃刀負けに混じってキミの与えた痕が増えていく。キミのものだといういう証。

脱がしてと強請られ、真っ先に伸ばす箇所が下肢であるぐらいには盛った犬のような有様で、尚も皮膚の上を大きな手が這うのだ、もどかしくて抱えられる腰を揺らす。何かにこの滾った肉棒を擦り付けたい、扱きたい。

「欲しいに決まってんだろお。
ズリネタにする、ぐらい、だぞお。
……ッ 、ぁーーー…… はは、やっぱでけえやあ。これ入れんのかあ……」

性急に求めた結果、下着と衣服を一気にズラすようにして剥いでも、精々腿までといったところ。
多少の苦労、引っかかり等があったとしてもそこでもう怯む様子は見せれない。散々解釈違いを起こして拗らせていた男も、一皮剥けばこんなものだ。
目下のキミの性器は、別に初めて見たわけではないのに、今は生唾を飲むくらいには視線が奪われる。比較対象が半端な皮被りの自分のだ。剥いてしまえば多少はマシだろうが色も太さも長さも何もかもが違う。
より一層、感じたい。触れたい衝動は迷わず手のひらでキミの逸物を包むよう掴もうとするけれど。

1/2
(-117) 2022/10/04(Tue) 11:48:58

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

片手でキミのシャツに手をかけるから、ボタンを外すのもちっとも上手くいきはしない。
もどかしげに苛立つ声が漏れた。
ただ、キミの動きを阻害したくはないから、己の衣服に手をかけるようであれば止めるから、キミの衣服は随分中途半端な形になってしまったかも。

髭ですらあの有り様であるこの身が手入れされているはずもない。体毛だって放置されたままであるから、流石に上げた腕の付け根に潜り込めば、うぁ、などと声を上げてキミの頭を押さえに。止めにかかったが、それでも舌が体を這うものだから、手入れをしていない箇所を嬲らせる、その罪悪感と背徳感で、ひどく情けない顔を見せるだろう。
風呂を浴びたとはいえ、もう汗ばんだ身を、一層溜まりやすい其処をキミのような存在に味合われるのだからたまったものじゃない。

「…いや、そこはッ 、さすがに、やめ、とけよお。
見てて楽しい体じゃないだろうに、ロビンちゃんっ。

…………ッ、これから尻、っ、慣らすよなあ。その間ちょっとだけでいいからロビンちゃんのちんこしゃぶらせてくれよお。
ダメだこれ、ッ、くそ、ああ、どこでもいいからオレんなか突っ込みたくてさあ、頼むからさあ?」

一度は触れたにしても止められたにしても、ベッドの上に転がされて上に乗られる頃にはもうその手にキミのモノは触れられちゃいないだろう。
腹の上で揺れる。そこまで、入るのだと予感させてきて、もうどうしようもなくなってしまった。
泣き言を言うかのような声で強請る。
月明かりの下なんてロマンチックな状況で口にするにはあまりに直接的な言い草。

2/2
(-118) 2022/10/04(Tue) 11:49:25

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

随分と余裕をなくしているくせに、矜持ばかりは立派に持って、相手が動けば待つ姿勢は取る。
もどかしげに外されたボタンがやっとのことで外されるのを待ち、両腕が解放されるのを待ったろう。
その間に己に触れる指があったなら、いかにも獣みたいな呼吸をして己を抑えもしたが。
背中の表皮がぞわりと泡立って肩先まで温度をあげる様子は、いっそ威圧めいている。

「楽しいかはわからないけど、喚起されるものは色々、ある。
 キミの肌の匂いから骨の起伏まで何から何までほしいんだ、それじゃ理由にならない?」

骨や筋の間に皮膚の張った関節の裏を舐めている時間はそう長くはありはしなかったろうが、
けれどもちょっとばかり制止を受けたくらいで止めたりもしない。やりたくてやっているのだ。
心臓から離れた毛細血管の伸びた指先から、こうした体温や人の匂いの濃いところまで、全部。
肩の下からあげた顔、目つきは何も恥じらう姿だけを愛でているものじゃなく、真剣だ。
テーブルの向かいを超えてあなたの手を取ったときからずっと捕食は続いているのだ。
……そうは言われたって、やられる側はたまったものじゃなく恥ずかしいのだろうけども。

「……ん」

懇願する声を聞いて、考える。短い間ではあったものの頭の中に思考を巡らせ。
なにかを天秤に掛けて、小さく頷いた。

「いいよ。……あっち向いて、僕の上に乗って」

一度、覆いかぶさっていた身体を引いて足側に座り込む。
それからあなたの手を取って体勢を入れ替え、自分がシーツの上に寝転んだ。
手先を中心にあなたの身体の位置をあれこれ操って、自分の頭を跨がせ四つん這いにさせた。
つまるところシックスナインの体勢まで持っていって、望みは叶えさせるつもり。
代わりに何をするかは想像の通りだ。肉付きの薄い腿を、両手でしっかりと掴む。
(-120) 2022/10/04(Tue) 20:19:03

【秘】 経理課 富武 瑛 → 経理課 望月 ロビン

「ありがとう、ございます……」

気にかけてもらえるのは嫌ではなく、なすがままに身体を清めてもらって。
少しだけ恥ずかしそうに頭を撫でられながら、ブランケットに包まった。
大人と子供のような対応に全く思うところが無いとは言わないが、それでも、やっぱり安心したような気持ちになった。
今朝まで仕事を辞めようとか、引きこもって過ごそうとか考えていたのが嘘みたいな変化だ。

「は、……い。
 じゃあ、もう少しだけ……このままで」

あなたの浴衣をの裾をおそるおそる掴んで、離さない。
優しくしてくれたから、全く動けないなんてことはないけれど直ぐに動きたいと思うほどの元気はなく気怠げだ。
抱かれた後特有の色気のようなものを出しながら、ブランケットの中で静かに目を閉じた。

そんな穏やかな時間の中で、思う事は。
自分のような特殊な性癖を持つ人間が、普通の人と一緒に仕事ができるのかということ。
どの部署にも適さないならいっそ、人と関わらぬ倉庫業務とか?
などと考えもしたがそれでは引きこもりと大差ないし、今まで身につけてきた力を震えないのは嫌だと思うのだ。

それにやっぱり、まだこの課長のもとで働きたい。
錯覚だろうとなんだろうと、慕っている気持ち自体は本物だ。
どうすべきなのかなんてわからないけれど、経理課からは離れたくない。

そんな風に思考をしめくくって、申し訳無さそうにあなたを見上げた。
(-121) 2022/10/04(Tue) 20:43:53

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

手におさめて、単純に上下するだけの単調な動きを繰り返すだけなのに、キミの息が僅かでも乱れたならばそれだけで頬が緩んでしまう。
このまま手の内で果ててくれればそれだけでだってきっと嬉しくはあるのだろう。浅ましく渦巻く肉欲がそれを許しちゃくれないが。

手の内に残るのは熱だけで。
今はキミに転がされてしまっているわけだけども。舌が好き勝手に窪みをなぶってようやく解放されれば慌てて腕を下ろした。流石にもうやらせないぞという意思表示ではあるけれど、キミの言葉一つで全てを許してしまいそうになるんだから、まったくたちが悪い事だ。お互いに。

「ロビンちゃん、全身舐め回し、そうな勢いだねえ。いや、流石に止めとけよお」

苦笑い混じりに。
今のキミならもしかしたらその冗談まがいの事を本気にやりそうだななんて一瞬過ぎったものだから。
妙な理想像から離れたものの、まだキミという存在はさぐる最中だ。

このまま寝転びの姿勢で跨ってくれても構わなかったのに、わざわざ体位を変えてくれるから、潰れるとでもおもっているのかねえ、などと零す苦笑い。
でもそこに生まれる遠慮でまごついていられる程の時間すら惜しいから、身を起こして、頭の位置をキミとはあべこべにして。
丁度君の股間の位置に顔を置いたとしても、背丈の差からキミに見上げる位置にあるのはきっと跨る足や臀部の筈。

重力に従う気のない男根が、キミの胸板の上あたりで、ひくりと揺れる。

「……ッ 、ぁ、……あ。いいなあロビンちゃんのチンコ。でっかくて、グロくて、どちゃくそエロいなあ。
想像してたよりずっといいよお」

頬擦りでもせんばかりに近くに顔を寄せて、実際に頬においては髭がかかるだろうから、鼻筋に合わせるようにして擦り寄って。
すん、と匂いを嗅ぐ辺り、つい先ほどキミの行動を咎めた男の行動とは思えないが。

匂いを嗅ぐだけで足りるわけない。
顎をいっぱいに開けて、迷いなく己の咥内へと先端を押し込み。口いっぱいに頬張って、キミを文字通り味わおうと。
(-124) 2022/10/04(Tue) 22:04:11

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「叶うならそれくらいしたい」

単純に無遠慮に舌を這わせただけじゃ、さした快楽も幸福感もないだろうからしないけれど。
いずれは本当に、キスをしたことのない場所はなくなるんじゃないかってくらいの気構えだ。
実際、肩や首周りに自分が座ったら潰れて息の出来なくなってしまいそうな身体を見上げて、
まだ触れられていなかった下肢へと、しばらくは手を這わせる。
当然目に見える範囲だって気を使った女性の肌のようには綺麗ではないだろうに、
磨くように肌の上を動く指先は、繊細なものでも扱うように触覚を刺激する。

「う、……く、あんまり、いじめないでくれよ。
 空中に吐き出してしまうんじゃ、格好もつかないし、勿体ない」

かすかな空気の動きに、期待してそわついて息を呑んだ。
鼻筋に寄せられた熱に応えるように一瞬腰が浮いて、顔に腫れた肉の塊を擦り付けてしまう。
想像したり間接的なペッティングを互いに行うのと、直接性器に触れられるのとではわけが違う。
口内粘膜に包まれぬるい温度が取り囲むと、それだけで腹筋に強く力が入った。
みっともない真似をしてしまわないように堪えて、息を整えて、粘膜に掠る感触を耐える。
実際にすぐに射精に至ってしまうということはないだろうが、気持ち的には見栄は張りたい。

技量のほどはわからないものの、気持ちが後押ししてどうにも受容する快楽は多い。
さて、このまま咥え込まれるのを待っているだけのつもりならこの体勢にはならない。
目の前で揺れる腰を両手で鷲掴むと突き出された尻を押し上げるよう揉みしだく。
持ち上げて、左右に引っ張って。平時であれば隠れている尻の穴を引くように伸ばす。
しばらくそうして遊んでいたかと思えば、首を起こして。
臀部の奥に控えた肛門に、舌を宛がう。
それ自体が濡れているから、唾液を奥に押し込むような動きだ。
唾液腺から伝うさらさらとした唾を、外側から直腸へつながる内側へと。
後できちんとローションは使うつもりではいるものの、からにこそ、今だけの特権とも言える。
それとしてこの行為を相手が許してくれるものかな。
(-126) 2022/10/04(Tue) 22:44:59

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

回り道をするような悠長な真似が出来ないから、キミを求める仕草はどこまでも直線的だ。
頬張った肉棒の窪みを舌先が突く。僅かでもキミの体液が滲むなら味わう為の仕草。先端ばかり触れたところで良くなると限らないと知っているのは同性だからこそで、頬張り切らぬ分は手で添えて指でリングを作り裏側に親指を添えて何度も上下に揺らす。

「……ん、っ、う、……、は。
外に出すなんてもったいないことするかよお。
イきそうになっても全部オレんなかに出させるからさあ……」

此方の意思を伝えるには、しゃぶっていては出来ないのがもどかしいところ。
話している間もリップノイズを鳴らして、根本から、幹、亀頭の窪みに、一番上にと合間合間に口付けを返す。
本当に愛おしそうに、キミが先ほど己にしたように。こっちは何だか随分と局所的ではあるけれど。
キミが暴発というのは、決して男同士の行為自体にそこまで慣れているわけではない自分の技量も含めてなんだかちょっと想像できないが、もしもがあるならばその時は一滴残らず喉の奥に流し込むと、宣言をひとつ。

「──……、ッ 、  ぅ、っ。
っ、……うう、ロビンちゃん、それ、さあ。
今すぐ止め、…っ、…… なきゃいけないって、わかってんだけどさあ……。

……っ 止めたく、ないのどうしてくれんのお」

腋でも嫌がった程、汚れているという点においてはずっと上。
体毛が薄いわけじゃない自分の下肢は、下腹部から生えた体毛の見目は決して良くはない筈だ。
臀部の肉だって撫でても弾力の薄い肉の少ない硬いものだから、揉みしだいても面白味もないだろうし、何もかもよろしくない筈。

なのにキミに躊躇はなく、穢らわしさに自覚はありながら、先程は止めた筈なのに、今は……止められなかった。
窄まりは自ら開発した快楽を感受する塊だ。
玩具等とは異なる人の身、骨もない蠢く舌が入口を抜ければ、息を詰まらせて悶える有り様。
あまりに情けない状況、罪悪感も酷いったらない。責任転嫁、八つ当たりじみた声すら上げた。
(-127) 2022/10/04(Tue) 23:22:35

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

耐えるように規則的に大きく上下する腹筋と、そこから繋がる根本の筋肉。
鈴口を窄めた舌が触れるならそれに遅れて、声とともに息を吐き。
指が幹を擦れば、指先が筋の凹凸を押しつぶすためにぐっと腹に力が入って、
それに合わせるように天を突くような陰茎自体が揺れた。
身体の動きくらいは抑え込めたところで、随分と相手の行いのために快楽を享受していることは、
溢れ出す先走りのために相手の味蕾を通じて悟られてしまいそうだ。

「……信、上手だよ。すごくイイ、……それ、好き?
 それじゃあ、そうだな。最後まで音を上げなかったら、口の中にくれてやろうか」

一瞬、頭の中で天秤に掛けられる。魅力的な誘いだ。
結果のところは天にしまおう、決めかねている間に本当にイカせられかねない。
実際相手の頬張る技術が手慣れたふうというわけではないのだろうから、
これには己が相手によほど弱いことが貢献しているのだろう。
昨日まで、これまでの間柄で、相手がこうして己の性器を頬張る様子が信じられるか?

「よかった。……止めないよ。気持ちいいかな。
 僕の舌で、あんなふうに道具を咥えこんでたココが……
 ……感じさせられてるなら。こんなに嬉しいことは、ないな」

舌先で可能な限り刳り、押し上げ、舌で皺を伸ばす合間合間にとろとろと語る。
指で皺を推し広げて、可能な限り尻穴から奥へ突き込んで。
筋肉の塊とはいえ芯がとおっているわけではない器官は、指のようには中に入らない。
ただ、押せばそのぶんだけめり込むし、濡れた水音がいやらしく聴覚を刺激する。
舌先だけで補助が足りないなら、親指を穴のすぐ傍にあてがって無遠慮に伸ばす。
引きずられた僅かに内側の色がさらされるのを、舌で辿って丹念に濡らす。
その奥に控えた前立腺なりに触れているわけじゃないから、やはり強い快楽ではないだろう。
唾液が乾けば足して、また皺の一本一本を均すように濡らして。
それこそ、相手が音を上げるまで続くかもしれないと思うほど。
(-128) 2022/10/05(Wed) 0:00:52

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「オレさあ、しゃぶられるの好きだから、よくしてもらってたんだけどさあ……。しゃぶる方も、……好き、だわあ、はは、……口を犯してもらってるみたいでさあ……。
手なんかで触るよりよっぽど、…っ、ロビンちゃんが盛ってんの伝わって、やばいねえ……、ちゃんとオレに突っ込みたいって思ってくれてんだなあとか。
音を上げないってなんだよお。……言っとくけど、オレはマジでさっさとぶち込まれたくてウズウズしてるからな、あ!」

最後まで、というのが何処をさしているのは自分にはわからないが、ご褒美のような言い方に、確かに吐き出されたらきっとたまらないだろうなと、随分と拗らせを加速させた自覚が、ひとつ。
ここまで来たらキミの台詞や行動を疑うわけじゃないが、それでも体感で、身体の至る所で感じ取りたいのだ。嗅覚や味覚で興奮を覚えたように、触れる箇所は多いほどいい。

拗らせを語るだけ語って、また、あむ、と口を開いて咥え込めば、今度はそう簡単に退ける気はないのだろう。
根元まで咥えることもできないんじゃないだろうか、足りない分は先ほどと同じで手で補うが、ほんの少しの好奇心、深くまで咥え込んでみようかと、頬を窄めたままに咥内の空気をなくし舌や頬の内側、口蓋など、肉襞全体で包みながら喉を突く前にどこまでいけるか、なんて。

「──…… ッん゛ …ぅ、う、…ぶ、…っ、ふ、……ぅ、ン……!」

此方が熱の塊へしゃぶり付くのを止めないと同様、キミの舌にも容赦がない。
咥えたままの口から、時折、くぐもった呻き声があがるように。
ふやける程に唾液に塗されて、赤い肉の裏側も僅かながら暴かれて、それでも奥まで入り込むには舌は短く柔らかすぎる。
足りない。欲しい。奥を穿って、情けなく弱音を吐く程に掻き回されたい。
後輩の性癖を笑えぬような受け身の願望ばかりが浮かぶ。足りないからつい、尻がキミの視界の前で揺れて、押し付けるような一幕さえ。
(-129) 2022/10/05(Wed) 0:33:50

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「……そうだよ。僕だって早く欲しい。今だって気持ちいいけど、……fy」

欲を言えばこの時間だって惜しく、もっと味わってもいたいけれど、
相手がどんな表情をしているのか確認出来ないのはそれまたもどかしく、
互いの口淫だけで事足りるわけじゃない。足りない。積もり積もったものを解消するには足らない。
ぬるい温度が幹を取り巻く言いようのない感覚に、深呼吸をして耐えていたところだ。
急に、それが喉輪で締め上げられれば明らかに膝下がシーツの上で振れるように動いた。
相手を蹴ったり大音を立てたりやしないが、どれくらいの快楽だったかは伝わってしまうかもしれない。

「っく、ぅ、それ……続けられたら、まずい、かも」

鼻に掛かった声が、俄かに切羽詰まったような様子を伝える。膝を起こさず伸ばしていた両脚が、
シーツの上で僅かに膝を浮かせている辺り、身振りに構えないほど苦しいんだろう。
そればかりに構って受け身になってはいられない、もつとしてやりたいことはある。
滴るほどに唾を舌の上に集めて丹念に窄まりを舐ると、皺を伸ばしていた指をあてがったかと思うと、
関節の一つ、ほんの指先程度突っ込んで浅く掻き回して内側から指が抉った。
潤滑としては程足りないから本当に少しだけだ。けれども舌先でつつくのとは全く感触が違う。
普段道具で押し上げているのだろう腸壁を、指の腹がやわやわと押し返す。

本当はもう少し今の姿勢からできることもあり、やってやりたいところだが。
そもそも元は相手が言い出した話で、慣らしてほぐすまで、と言われたのだ。
手遊びはこれくらいにして、自分のベッドサイドに置かれたままのサコッシュを片手を伸ばして取る。
中身は、"万が一"の時のための用品だ。ローションだとか、コンドームだとか。
自分を慰むための道具をあれこれ持ってきたのだろう相手と比べると内容は簡素かもしれない。
片手の指で探るようにしてプラスチックの容器を手に取ると、中身を掌に伸ばして温める。
人肌くらいまでぬるくなってきたなら、上体を僅かに起こして丹念に尻穴に擦り込み徐々に中に埋める。
舌と違いはっきりと中に食い込んで締め付けられる触感に、思わず息を呑んだ。
想像して喉を鳴らし、しがみつかれた下肢を前に押し出して相手の顔に押し付けるほどだ。
(-134) 2022/10/05(Wed) 8:21:55

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

表情が見えないのはお互い様だ。
今はキミのものを思うままに頬張ってがっついて、他に見えるものなんて何もありはしない。
得られる情報は身の捩り、体が流れる方向、または筋が強張る様子、口腔内を満たす陽物、そんなものばかりだから、どうしても些細な動きに意識を割く。足の筋肉が動いた。何だか嬉しくなってしまって、手を伸ばしたって膝下に届くわけないから、せめてそこに続く場所、足の付け根から腿を荒れた手のひらが撫でて、愛でて。

「ん、ぅ、うう  っ ふ、……っ」

潤滑油には心許ない唾液であっても、中にと求めたのは他ならぬ自分。滑りのよさはなく、内側の肉の感触をダイレクトにその指に与えてくる筈。
入り込む指を咥えるのは圧迫感というのにはまだ足りない程度には自ら躾けた箇所だ。指程度なら異物感で悲鳴をあげる様子もなく、咥えた分だけ広がった皺が、物欲しげにきゅぅと収縮を見せた。事実、こんなもので足りはしない。

ローションを準備する時間すらももどかしい。ぱんぱんに腫れ上がったキミの目下でぶら下がる肉棒が期待に震えている。

「── ッぅ ーーー ッ っ う」

くぐもった、声。
艶かしいような甘い声には遠い、男の低い呻きが隙間すらない唇から漏れる。喉から漏れた音だ。
がっつき気味の自分からしたら散々焦らされた結果となれば指の一本だって嬉しい、鼻息が荒く、キミの陰嚢にかかる。
柔らかな内側の壁が、まるで排泄口なんてウソのように指に吸い付いて求めて。

もっと、とキミのモノを咥えたままにねだるが声になんてなるわけがない。舌が揺れるだけ。
もう離す気なんてないから、下品な唾液を啜る音を立てていくものの。前に押し出される腰に、……一線を越えたくなる。
鼻から思いきり、また息を吸い込んだのちにキミの腿の裏側に両手を添えて。えづくのも苦しいのも覚悟で喉の奥へと。当然咽喉は異物を拒絶しようと生理反応で一層締まった。
(-135) 2022/10/05(Wed) 9:55:29

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

下腹部に溜まる性感が振り切れてしまわないよう、堪えて息をするたびに低い声が混じる。
どこにどんなふうに刺激を与えて甚振ってやれば気持ちがいいのか、実地で知っているのは有利に働く。
そそり立った性器に頬の内側を擦り、包み込まれて吸い上げられればどうにも耐え難く好いもので、
射精を堪えたままでいるのも苦しくなってきた。第一、これだけ丹念に構われていて平気なわけはない。

「ン……、ほんとうに、指、……入っちゃうもんなんだな、こんなにあっさり……
 ……どれくらいの持ってるの? っ、ぅ……僕のくらいの、やつも?」

尋問するみたいな問いかけだ。でも知りたいのだ、普段の相手を想像してみたい。
目の前でひくつく穴が普段はどう扱われてるのか。白山とは想像できても知識としてはわからない。
今朝方、短いながらに上映された衝撃的なシーンを頭の中で思い返し。
ゆっくりと第二関節まで入り込んだ指を抜き差しして、横に引っ掛けて、二本目を捩じ込む。
ローションで濡れた指と腸壁はすっかり馴染んで、無理をしている類の抵抗感ではないのだろう。
筋肉の収縮に飲まれながら探るように指を動かして押し広げ、指先に感じられる僅かな弾力に触れる。
女のそれとは違うものの感覚は近しい。丁寧に、傷めてしまわないように痼りに指の腹を沈める。
あらかた、下準備は終わったものの。

「っ……は、ぅ……信! だからまずいって、
 ……ァ、っ、……出る、……!」

形の良い眉がぐっと顰められる。押し返す喉の収縮に締め上げられればこちらは搾り取られるわけで。
少しの間は耐えられたものの、散々ここまでねぶられているのだ。
太い肉竿が震え、腹筋に力が入って押し出すように力が入り、煮えた欲動が渦を巻いて吐き出される。
手近にある太腿に指が食い込み、下側に向かって押さえつける。
相手の喉の奥へとどろりとした性液を吐き出しきると、やっとのことで息を吸って脱力した。
(-138) 2022/10/05(Wed) 16:26:14

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

指が中へと潜り込み、壁を解して抜けていく。そんな単純な事がたまらなく気持ちいい。
指よりもっと太く深い玩具でいつも弄っているのだから、これで限界だなんて泣く事はない。二本に増えた指だって十分な手順を踏んでの今なのだから、ただの性器、肉穴と化したような後孔は何とも美味しそうに指を頬張っている筈で。
二本の指でも同じよう出し入れを繰り返すなら、ぐぽぐぽと空気の音が混ざった。

けれど、キミの問いかけに今ばかりはちょっと答えられそうにない。今は離したくない。
言葉を無視するようでほんの僅かに胸が痛むが、今はキミを食べているんだから、其方が優先されると信じたい。食べていいよと言った自分が今は食べる側なのは、妙な話ではあるが。

だから、声の代わりに首を横に振る。
投げかけられたものに対してあまりに不十分な回答。何に対しての行動か伝わるわけもない。

「       ──── ッ ン 、
んんんぅ!」

無理に体内に、喉奥に、口いっぱい、根元まで頬張ろうと無茶をするから、どれだけ堪えても吐気ばかりは生理現象、どうしようもない。
体が喉を締めたところでそれだけの質量のものが押し出せるわけもなく、先端に喉がまとわりつくだけ。
呼吸も困難になって、体に力が入るから尻穴も一時的に強張って、この時ばかりに指をしゃぶるのではなく締めてひり出すような動きとなり。

それでも懲りない。
キミの抗議の声だって聞きはしない。
性急な己をこれだけ焦らしたのだ、おかしくなったって不思議じゃないと言い訳をして、咥内で爆ぜるのも喉奥に直接流し込まれる精液も、全てそのままにして。

鼻の奥に独特の香を覚えて、跳ねるのが収まり出した頃にようやく、ずるりと口内からキミのものを解放し。

「……ッ ぅ゛ ぁ、…っ、は はは、ッ げほ、っ、げほ。
あ゛ー……ロビンちゃんの飲んじまったあ、……やべえよお、めちゃくちゃ興奮する、変な趣味に目覚めたらどうす、っかなあ」

心臓が高鳴っている。
酸素不足で頭がくらくらするのもあるが、憧れであった、汚れないと思っていた存在の欲望の塊が、今喉に絡まっている。己の腹を満たしている。
掠れた声で笑う。咥えている間ろくに唾液も飲めなかったせいで、顎まで唾液まみれであった箇所をようやく手の甲で拭い。
(-139) 2022/10/05(Wed) 17:14:48

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

刺激に反応してひくついていた腹筋はやがて呼吸に寄り添って落ち着く。
なんとも言い難い格好のつかなさに溜息が落ちた。相手の下で、目元を抑えて低く唸る。
自分へのちょっとした落胆を片付けたなら、肘をシーツの上について顔を上げる。
笑う顔と、声を前にして、ぐ、と浅く唇を噛む。悔しいわけでなく、仕草に色気を感じたので。

「飲、
 ……んだのか。そう……」

声が焦ったように上ずるものの、言ったところで仕方がないと声の調子を落とす。
口の中の浅いところに出したならまだしも、喉の弁より先に注ぎ込んだならどうしようもない。
目の前の彼の食道から胃の腑に落ちる道に己の精液が絡むのを考えて、……複雑そうに呻いた。
うっすら目元に宿る朱が決してそれが嫌な気持ちでないことを物語ってもいる。

「僕ばかり構われてちゃ、不公平だ。もう準備も十分だろ。
 これきりで満たされたくない、あたりまえだけど……」

身体は薄っすらとした倦怠感を帯び始めるものの、心はまだ欲し続けている。
生理現象に飲まれてしまう前に、相手の下から抜け出て身体を起こし、シーツの上に座って。
強請るように腕を引いて再度体勢を変える。既に足元はしわくちゃだ。
即座に同じくらいの元気を取り戻すわけではないものの、体力そのものはまだ有り余っている。
四つん這いになってもらうのは同じだが、今度は腰を突き出させて、背中を反らせて。
今から獣のような格好で交わるのだと思うと、その姿勢だけで淫猥だ。

「向こうむいて。……関節とか、案外痛むから。クッション抱えててもいい」
(-141) 2022/10/05(Wed) 19:53:05

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「……。

……中出し、されちゃったあ」

喉に引っかかりはどうしても残る。
絡みつく感覚はいくら唾を飲んだところで暫く消えてはくれないだろう。
呻き声が、聞こえて。
複雑そうなそのトーン、顔色もうかがってしまった。興奮しているのもあるし、そして本当に些細なプライドであり、尚且つフェアな勝負ではないクセに、自分より先にキミがイった事が妙なところの征服感を満たしており、にぃ、と意地が悪い笑みを浮かべて、たちの悪い、それこそ普段、キミ以外の同僚に向けるような性的な冗談を、ここにきてようやく。

勿論、これで終わられてしまえばこの熱は行き場をなくしてしまう。
おそらくキミに泣きつくような事態になるのだろうがそれは回避してもらえそうだと、笑い方にちょっとばかり情けなさが混ざる頃。
くしゃくしゃになったシーツの皺を、自分の服の皺にすら無頓着な己が気にするわけもない。
改めて、ぺたりと手を置いて。

「小さい女の子じゃ、あるまいしよお。
そんなこっちの体、気にかけなくっても大丈夫だってえ……。
ぁー…………、今から本気でヤるんだなあ、ちょい緊張するかもなあ」

背を逸らし、尻を突き上げるなんて随分屈辱的な姿だ。
一応はアドバイスにしたがい、枕なんかを縦に抱えてはみる。顔半分を埋める位置で、また心臓が高鳴るのを、意図的に声のトーンを明るくして誤魔化そうと。
そうでもしないと、熱くて仕方がない。
(-146) 2022/10/05(Wed) 20:52:25

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「こら」

下世話な言い方を窘める。伸ばした手がくしゃりと髪をかき回して離れた。
膝で歩いて相手の後ろについて、背中を見下ろす。華奢、なんてことはない。
けれども己に比べれば十分に頼りなく痩せているし、骨がところどころに浮いている。
掌が背中側から肋をなぞって、熱の在り処を確かめる。左胸の裏側に当てた手が止まる。
拍動を確かめるように撫で下ろして、両腕が相手の身体を跨ぐ。

一度、相手にぴったりと覆いかぶさるようにのしかかって肩に、首筋に口づける。
またむこうを向かれてしまって表情もうまく見えないし、唇も遠ざかる。名残惜しいし、寂しい。
肌の上を這い登っていく唇は、耳の裏に掛かる髪を退けるようにして。
ほう、と熱い息を吐く。数秒、唇を触れさせたまま静止してから。

「……まだ・・してない」

先の叱りつけに繋がる。まだ、これから。
後ろから見える表情の変化を見届けてから、背中に張り付いた熱が離れる。
上体を立てて、相手の臀部に手を添える。念には念を入れて、無色透明の潤滑液を追加する。
薄らぬるい温度のローションが足の付根からゆっくり垂れ落ちるほど慣らす様子というのは、
"壊れるんじゃないかってくらい"というのは剥離するのか……なんてのは、思っても口にはしない。

尾骨の裏の辺りにペニスを擦り付け、一度落ち着きかけた熱を取り戻す。
すぐに、とはいかずともこれだけ興奮材料と刺激があって、これきりにはならない。
指先に残るローションを絡めて薄い尻で扱いて、ある程度勃起させて、指で擦って確かめて。
そのまま、手を添えた性器を相手の肛門に宛がう。息を吐いてからゆっくりと先端を埋め込む。
喉で呻くようなごく小さな音の乗った呼吸と共に腰を沈める、その興奮だけでまた硬くなった。
組み敷いている身体の内側に肉棒を捩じ込む、その昂揚に満たされる。
角度を覚えたなら後は指先の補助もなく、奥まで挿し込んでしまえた。

「ふっ、……は……信、大丈夫?」
(-149) 2022/10/05(Wed) 21:27:26

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

叱るような一言に、懲りるような男のはずがない。また軽薄な調子で笑うだけに留める返事。
先ほど以上に、此方から得られる情報量が減った。
視界には白いシーツが広がるだけ。背後に立つキミの事など何も見えはしないから、手のひらが背骨と一部が浮く腰や、蛇腹上の横脇のあたりを撫でるものがたどり着いた場所に、俯いたままに鼓動のありかに手が置かれ。
……大きな手のひらに伝わるだろう、心臓の鳴り方が。

手のひらの次は唇。
首や耳や、比較的人が触れればむず痒く感じるようなところばかりに触れてくる。
今度はキミが此方を見下ろす番になろうが、いい歳をした男が、たかがキスひとつでもどかしげに身をこわばらせたり腰をくねらせたりと情けないったらない。

「……ッ 、まだ?」

「……ぁ、あ。ああ、そっかあ。
生ハメすんのかあ、ッ ……ぁ ぶっといの、とうとう、オレんなか、に はは……」

薄い尻の僅かな谷間に置くモノがどれだけの質量を持つか、もう身を持って味わっている。早くなろうとする呼吸を無理におさめて、深く息を吐くのだ。
意識的にでも腹の力を抜いて、……どうしたって期待に勝手に強張りそうだから。

微かに笑う、声を上げたのが、多分この男の余裕のある最後の姿。
十分に解されて、潤滑油を得て、凶悪なモノを受け入れたとしても裂けるなんて事はない。指と同様にとは流石にいかない、ぎちぎちに開かれた菊門と、押し広げられる腸壁。腹の中を全部圧迫するような錯覚。

つぅ、と先ほどから勃起したままの肉棒から、先走りの汁がとうとう粘っこく糸を引いてシーツに垂れた。

「あ……   ぅぅぅ──……ッ 。
あ、ぅ ぐ。イイ、ロビンちゃん、めちゃくちゃイイ……っ。でけえ、入ってるだけなのにヤバい。
ぁ、あ゛ ……は、やく。なあ、動いてくれ。
オレのケツアナ、ぁ ッ で、ロビンちゃんのちんこ、コいてくれよお。
オレのいいトコ、ガンガンに突いて情けなく喘がせろよお……っ!」

懇願の時点で既にかなり情けなくはある。
元々羞恥心というものは薄い生き物だ。抱える枕に半分顔を埋めながら、はー、はー、と犬のように音を立てて息をして。
(-154) 2022/10/05(Wed) 23:01:24

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

腹の中を抉られる相手に比べれば異物感は少ないまでも、取り囲む肉の筒に締められれば、
どうしたって単純な圧迫感による苦しさと、蠢動の伝達されるような快に息が詰まる。
眼下の薄っぺらい身体の中に収まり、内側から押し開くイメージが興奮を煽る。
別にもっと華奢な女性や、逆に体躯のしっかり詰まった男性とセックスをした経験もあるのに。
やけに想像も感覚も頭の中を鮮明に占めるのは、どうしたことだろう。

「はぁ、……ふ、あんがい、締まるなあ、……温かくて、……気持ちいいよ、信。
 ……はは、さっき出したばかり、なんだけどね。いいよ、いくらでも、あげる」

形が馴染むまでゆるやかに動いているその間も、奥までぐりぐりと押し付ける。
どうしたって構造上、身体の大きさの都合上、全て収めようとしたって苦しいだけだろう。
それは頭では理解しているのに、柔毛に隠れた付け根まで突き込むのを止められない。
可能な限り相手の内臓の温度を感じて、締め付けられてしまいたいのだ。
やがて動いても問題ないくらいまでなけなしの自制心で耐えて、
ようやく相手の腰を両手で抱えて動き始める。速度を落としてゆっくり抜き差しするのは最初の内。

「ちゃんと、……壊れちゃいそうなくらい、乱暴にしてあげるからね」

肉襞を雁首で掻き出すように引きずったかと思えば、一番奥まで遠慮なしに捩じ込む。
尻肉と恥骨が何度も合わさって、手を叩くような音が部屋の中に響く。
痩せた腰を引き寄せて、引き抜いて、それこそ道具のように扱う。
息が弾んで大きく吸って、吐いて、鼻の内側で呻くような声を投げ落とす。
背中を丸めて片手の指で相手の腹回りを探ると、ずっとお預けを食らっている性器を握った。
ちゃんと気遣うだけの余裕はないから、ピストンに合わせて乱暴に扱き上げるのが関の山だ。
相手は玩具相手にある程度慣れているからという保証はあっても、
これだけ重たい身体を受け止めたことはないだろうに。同じシチュエーションは道具じゃ再現できない。
激しくスプリングが軋み、腕脚と腰の力で押し付けられる細っこい身体をマットレスが受け止める。
繊細に緩急をつけて焦らして、だとかって小細工も無く、根本から雁首まで引き抜いては押して、
けれどもそれだけでもこれだけみっしりと質量が詰まっていたら、自然と前立腺は抉られ、
精嚢だとか比較的神経のあるところだとかは、全部内側から押し上げられることにはな
(-155) 2022/10/05(Wed) 23:33:30

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「ほん、とかあ? ッ ぁ、……だ、ったら、よかった。……ぁ、あ、本気で、オレ、ロビンちゃんとセックスして、んだなあ。
昨日まで、ッ 絶対、考えられ、なかったってのに」

つい先日まで、何せ、くどいほどに飲みに誘っては振られたり、全力で卓球をやったり、関係性としては同期以外の何者でもない存在であったから、たった1日でここまでも変わる状況、現金な己に呆れる気持ちだって無くはない、やっぱり拗らせは早々に解消するものじゃないから。
ぽつりと漏れた言葉は、こんな場面だというなに妙にしみじみとしてしまったかも。喘ぎにもポーズにも足りない色気に台詞まで情緒が無いったら。

どうしたってこの体格差と人種の差はある、キミの逸物を受けて、圧迫感もなく、という訳では流石にない。キミの根元までの長さのモノを咥え込む経験などそうもなく、腰を押し付けられる間は、口をだらしなく開いて、ぁー…… と鳴いて。直腸を越えて奥の壁を突いてしまうのではないかとすら。
キミとの行為をはじめてから、いくつか起点が生まれてしまった気がする。絶対に良くない。きっとこれはもう、戻れない。

「……ッ あ゛ ッ !?
ッ ぁ、  ッ ぅ、   あッ 。

ロビン、ちゃ、……今ちんこ触るの、ナシ……ぃ!! っひ、ムリ、ぁあ゛ っ、うごかしたら、出るって、バカぁ!!   マジで出る、ぅッ っ!」

初めこそは優しかった抽送に、少しずつ異物感に慣れようと呼吸を整えかけていた頃合い。
ずる、と奥まで挿入ってしたものが、一気に引き抜かれて、また押し込まれて。雄々しい唸り声が上がる。
後はもう、ある日の妄想の通りのありさまだ。いや、肌を打つ物音や背後より挿入される事によって膝や腰にかかる負担、犯されているという現実が全身にかかって、その相手が他ならぬキミなのだから倒錯感に酔い知れる。

そんな中でぱんぱんに腫れ上がった逸物が、単純ながらも扱かれたらたまったものじゃないに決まっている。
ほぼ刺激を受けてこなかった箇所への愛撫はほんの僅か、最早暴発に近いような有様で、叫きながらキミの手の中、またはシーツの上に、びゅる、びゅる、と溜まっていたものをはきだしてしまい。
その間もピストンが止まらないなら、絶叫の最中でも犯されるのだから、ひぃひぃと啼かされ、声を出すのが止められない。
(-158) 2022/10/06(Thu) 0:56:14

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

「んっ、そう、だな。もうちょっと、遠くから見てる、つもりだった」

事実、相手を手中に欲したことはない。腕の中に独占するつもりなんてのは今もない。
諦めだとか小暗い感情でさえなく、相手が幸福であるのが一番うれしいと思っていて、
今こうしてあることなんてのは、全く考えたこともなかったのだ。
己の秘密を打ち明けたのだって、自分だけが相手のそれを知るのはフェアじゃないと思ったからで。

決して質の悪いものではないベッドが、巨漢と言って差し支えないだろう重量を受けて軋む。
相手がフェラチオの間に己の性器を扱いていた手付きに比べればだいぶん拙いものの、
手放すことはなく手の内で皮をこねるみたいに遠慮のない力で指を上下させる。
耳に聞こえる悲鳴じみた声に応えるように、熱い息を吐いて笑った。
単純なものとはいえ、相手に自分に対して"バカ"なんて言わせるほどなんてのを噛み締める。

「かわいいよ、信。っ……ぞくぞくする。もっと、聞かせて。
 どんな、気分? く、ぅ。ほら、きっとこの辺まで、入ってる」

指の輪で相手の男根をホールドしたまま、指先でつうと臍の下をなぞる。
実際にははっきりと外側からわかるわけではないものの、想像力を煽るように。
こうしていると、泣き叫ぶ身体を見下ろしているだけ、というのもまたもどかしくて、
激しく自重を叩きつけるようなピストンは止めないまま、空いている片手をシーツについた。
ちょうど腕立て伏せでもするみたいに、体ごと動かして相手の身体を揺さぶる。
腕の力で引き寄せているようだった時と比べると、入る角度も力の掛かりもまた違うだろう。

「ぐ、ああコレ、結構すぐ、イケそう……っ、」

両腕がふさがり、それでもまだ足りないみたいに舌が相手の背筋をそうっとなぞる。
セックスを始めた当初のように、今度は裏側から首筋にふれる唇はまた何度か痕を残す。
痩せた首を白い歯がとらえたかと思うと強く力を入れる。僅かに皮膚が破れて血が滲んだ。
その間にも容赦なくペニスで腸壁を掻き回し、前立腺を轢き潰しているのだから、
些細な刺激に構っていられる余裕てのはないかもしれない。
(-161) 2022/10/06(Thu) 6:29:32

【秘】 開発部 忌部 永信 → 経理課 望月 ロビン

「オレ、だっ てぇ ……あ゛ ぃ、っ!
ッ あああムリだっ、こんなんまともに話せ、るかよお!」

陽の光の中にいるはずのキミに、よこしまな手で触れる事などあってはならない事とすら思っていたはずなのに、なんて心のうちを穏やかに語って聞かせるには、打ち下ろすような繋がりの箇所や、今尚、吐精の余韻が消えない肉棒に触れる指が愛撫を続けるのだから、泣き言のような、わめき。

腹の下、ここまでと外側から戯れのような指の腹を撫でる動き。自分だって何処まで入っているかなんてわかったものではないが、外側から示されたとなれば話は別。
臍の下までキミで満たされていると教え込まれて信じるぐらいには頭の回転がよろしくない。出したばかりの肉棒にまたこみ上げるものがある。前にも数は少ないが知った事がある感覚。よろしくない。

「かわい、ぃのは、向ける言葉がちがう、だろお……っ。
ぁ、あ゛ ぁー、いい。めちゃくちゃ、いいけど、ヤバ、ぃい、ケツマン壊れそお、ロビンちゃんのデカチンに改造され、てくう。

あ。…っ、ぃ、ひ!?
ロビンちゃん、出していい、中出しして、いいから、っ、……離し、ちんこ、離し、っ、離しとけえ、多分漏らすこれえ……っ!!」

腹の内側から内臓を押し出されそうだ。
ただの錯覚で、実際のところはそんな筈もない、何処か苦しさを覚える行為はそれ以上に勝るものに上書きされていく。
前に留まらず後ろにも赤く残っていく跡、もう明日の見目なんて気にかけていられる筈もない。捕食されて、残る歯形も皮膚が裂けるのにだって気付いているのか怪しい。

枕の端に顎を乗せて首を逸らしながら、中出しよりも気にかかる、キミの手の場。
何も本当に漏らすわけではなく、込み上げてくる衝動もっと別のものではあるが、これ以外の表現方法を知らない。
どの角度であろうとも、前立腺の膨らみを内側から何度押されたか。出したばかりの男根の先端の窪み、先走りではない白がにじむ。とろ、と垂れて。
(-163) 2022/10/06(Thu) 12:37:26

【秘】 経理課 望月 ロビン → 開発部 忌部 永信

荒く吐き出した息は相手の首に掛かる。そよ風というには熱くて湿っぽい。
幾人かに言われたように、たぶん普段の振る舞いからしたら望月は天上の人間なんだろう。
それっていうのは根拠のない嫉みに僻んだりせずに評価してくれる周りのおかげでもあるが、
けれども骨の髄までそういう人に見上げられるような存在であるわけもない。
どちらにせよ、そういう俗っぽさを知っているのは、あなただけだ。

「す、……ごい言葉使うな、キミは。でも、そうだね。
 今は僕のペニスをこんなに、おいしそうに咥え込んで……は、女の子みたいに鳴いてるんだものな。
 もう帰っても……ふふ、おうちの小道具じゃ、っ……満足、できないかもしれない、ね」

自分だって品のない言い回しはするものの、時折相手の言葉遣いには驚かされる。
でもそれで心底怯んだり引いたりはしない。そわつくものが背筋を駆け上る。
代わりに、すぐ下にある耳元へと丁寧に、詰まる声に混じって言い聞かせてやる。
それなりに積んできた経験上、実際に小水を漏らすわけではなく別の感覚を指しているのはわかる。
自分は味わったことはないが、他者からそういうものに近いと聞いてはいたから。
けれどもそれを丁寧に教えてやる必要も余裕もない。笑って、鈴口を執拗に指で絞り上げて。

「別に、いいよ。……っ、漏らしたって、さ。
 ほら。僕の指にはしたなくひっかけて、僕の名前呼びながら泣き喚いてよ、信、……っ」

相手には見えない表情にいたずらっぽい笑みが混じる。わざと辱めるように言い換えてみせる。
ひときわ弾力と抵抗のある膨らみに向かってしつこく突き込むようにして、
腸内に居座ったファルスの先を好き勝手に人の体温で扱く。何度も、追い込むように。
それが相手を再度追い詰めるくらいまで繰り返された後に、ようやく一際声のトーンを上げた。
く、は、と吐かれた声は喉の表面を上り、それと共に直腸にべっとりと精液を塗りつけた。
最初の一発に比べれば些か薄くはあるものの、確認したり比較したりは出来ない。
どちらも位置は違えど相手の体の中だ。最後の一滴まで扱くように腰を揺すって、押し付ける。
じ、と。肩越しに見える相手の顔を眺めて、暫し。甘えるような声で問いかける。

「……ね、信。まだ、つきあえる?」
(-167) 2022/10/06(Thu) 19:47:25