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【赤】 オリト シア[ぎゅうっと腕に力を込めて抱きつきながら、キスを乞う。 望んだものが与えられたら瞳に涙を溜めたまま、ふにゃりと笑う。 そんな余裕も、次第になくなっていってただがくがくと身体を揺すぶられて絶頂へと追い立てられていく。] もと、ぃ、さっ…… …… すき 、……すきっ…………――― ぁッ ! [身体の奥で広がっていく熱さを覚えながら、 声にならない声を上げて、彼の腕の中に溶けていった。**] (*283) 2021/05/26(Wed) 0:39:42 |
【赤】 オリト シア[アラームが鳴っても暫くは離れがたいまま、時は過ぎていく。 襖の向こうで朝食の用意に来た仲居さんの声に応える彼にしがみついて、漏れそうになる声を必死に押し殺して背中に赤い筋を残した。 お風呂は部屋の露天風呂しか入れなくなってしまったけれど。 ゆっくりと二人でお湯に浸かるのも悪くはない。 「お背中流しましょうか?」なんて広い背中を泡だらけにして。 自分で付けてしまった彼の背中の痕に気づいて赤面したりもした。 ごろごろしながら見た料理写真の中には、今回出てきた旅館料理の他にも、彼の同僚たちが作った料理も沢山保存されていて、自然とSASANKAの話になる。 彼らの話をする基依さんを眺めながら、本当に好きなんだなぁと再認識して。 楽しそうに話す彼を見て表情が緩んだ。] (*310) 2021/05/26(Wed) 10:57:05 |
【赤】 オリト シア[あっという間に迎えた最終日には、彼が買ってくれたストール>>*305を首に巻いてお土産屋さんへと足を向ける。 会社へのお土産にと定番のクランチチョコや温泉まんじゅうを買っていたら、雑貨の前で立ち止まっている彼に気づいた。] うさぎ? [ひょいと手元を覗き込む。 見覚えのある顔をしてるうさぎが此方を見ている。顔つきがちょっと違うから、おそらく公式のものではなさそうだ。 壁へと目を移せば、なるほど、Tシャツの色の種類が豊富だから目に止まったのだろうと頷ける。 同僚思いの彼に、くすくすと笑いながら、] いいんじゃないですか? みなさんとお揃い、仲が良さそうで。 [あまりに真剣な顔して尋ねるものだから、否定する考えもなく。うん、と頷く。 その中で紫を勧められたなら、小首を傾げた。] ……私も? いいんですか? [スタッフ同士、揃いのものを持つのは仲睦まじくて微笑ましいけれど。 その輪の中に混ざってもいいのか、少し躊躇ってしまう。] (*311) 2021/05/26(Wed) 10:58:17 |
【赤】 オリト シア……嬉しい。 でも、一人だと寂しがっちゃいますから。 私も、これ、買いますね。 [手に取ったのは、既に彼が手にしているものの中にもある灰色のうさぎ。部屋に飾ってあるぬいぐるみ達と同じように。ペアにするつもりで。 灰色のうさぎを揺らして、いつか彼がしたいみたいに唇を寄せる。 まだ支払いの前だから、触れる寸前で止めておいてリップ音を響かせた。 紫うさぎには、いつも灰色うさぎが必要なのだ。] (*318) 2021/05/26(Wed) 14:10:22 |
【赤】 オリト シア[長い休みを取った旅行は、瞬きするほどの時間で過ぎていって、気づいたら帰路になっていた。 繋いでいた手を離し難くて、部屋の前で足が止まる。 温かい手に手を包まれて、この体温が感じれなくなることを惜しみながら、別れ際の彼の言葉に、淡く笑む。] はい、また食べに行きますね。 [二人の合図はそろそろ周囲の人にも気づかれているかもしれない。うさぎが彼の首元で動く度に、好きな味が増えていく。] 次は夏に。 プールか、海……? 楽しみにしてますね。 [それよりも早く、何度もお店や彼の部屋に通うことになりそうだけど。 こんなに長く一緒に居たのは初めてだったから、また次の遠出を仄めかす。 握手が解かれる間際、指先を絡めてきゅっと握りしめて手を解く。 おやすみなさい。と別れを告げる声は密やかに。 彼の手に温められた手を小さく揺らした。**] (*319) 2021/05/26(Wed) 14:11:13 |
【人】 オリト シア―― SASANKAへ ―― [旅行から帰ってしばらくは仕事に追われた。 旅先で買ったお土産は、同僚たちにはまずまずの反応を貰って。 「旅行どうだった?」と尋ねられたら「 すっごく楽しかった! 」と間髪入れずに応えた。留守の間に溜まった書類をこなしていく。 SASANKAへ行くようになってから外食費が嵩んでいるから、 残業は前よりも少し多くするようになった。 いくらかの軍資金を貯めて、書類の山となっていた束も崩せた頃。 今日は久々にSASANKAに顔を出せそうだという旨のメッセージを彼に送る。 SASANKAに行くのも、彼に会うのも旅行以来だから心が弾んだ。] (76) 2021/05/26(Wed) 14:11:47 |
【人】 オリト シア[残業もそこそこに切り上げて、私服に着替えてSASANKAへと向かう。 旅行中に付けられた首筋の痕は、大分目立たなくなった。 おそらく注意してみないと気づかない程度には。 夏が近づいているから、蒸れる首元を出したくて。 髪を纏め直して、サイドに束ねて蝶に巻きつける。 今日も紫の蝶が、髪に揺れている――。 SASANKAまでの道なりを、逸る気持ちを抑えて歩いて。 ようやく見えてきたうさぎのシルエットに「久しぶり。」と再会の挨拶を。 迎えてくれた感謝に指先でしっぽを撫でてから扉を潜った。*] (77) 2021/05/26(Wed) 14:13:56 |
【人】 オリト シア[店内に入れば、すぐに彼が見つけてくれた。>>79 久しぶりに聞いた彼の声が相変わらず優しくて目尻が緩む。] こんばんは。 え、そうですか? 最近、ちゃんと食べてなかったからかな……。 [彼に言われて頬を抑える。 確かにここ数日、帰りが遅かったからスーパー残り物になったお惣菜や、チンするだけの冷凍パスタなんかで食事を済ませてしまっていた。 体重計にも毎日乗っていたけど、最近はサボっていたから体重の変動には気づけない。 見た目に出る程だったら困るな、と眉尻が下がる。] 今日はいっぱい食べるので、大丈夫ですよ。 ハンバーグ、大好きです。 [ぐっと両手を拳に作り変えて笑って見せながら、ブラックボードへと視線を移す。] (80) 2021/05/26(Wed) 15:33:50 |
【人】 オリト シア[ブラックボードに書かれた食材は今日も好きなものばかりが並ぶ。 中でも野菜は特に。トウモロコシもスナップエンドウも、人参も食べたい。] あ、あとトウモロコシで。 一品お願いしてもいいですか? [トウモロコシの黄色は、彼が選んでくれた淡い色のスカーフを思い出す。 スツールに腰を掛けて、そんなリクエストを一つ。] (81) 2021/05/26(Wed) 15:35:19 |
【人】 オリト シア[嵐さんに髪型を褒められたなら>>86、照れ臭さに髪を弄る。] 暑くなってきたので、 纏めてみるのもいいかなと思いまして。 [蝶に触れたらサイドに取った後れ毛が、はらりと束になって落ちた。] 宇張さんはショートカット、お似合いですよね。 髪、伸ばさないんですか? ショートカットもお似合いですけど、 髪を伸ばした宇張さんも見てみたいです。 ね、嵐さん。 [そんな話題を振りながら。 カウンターに有村さんの姿が見えたから、洋ナシのノンアルコールシードルを頼む。 以前、飲んだ時に美味しかったから、同じものを。 その内、ノンアルコールじゃなくて、アルコールが入っているのを作って貰うのもいいかもしれない。*] (91) 2021/05/26(Wed) 16:29:26 |
【人】 オリト シア[基依さんに自分でも気づかなかった身体の変化を指摘されて、よく見ているなぁとしみじみと思う。 ちょっとしたことで見られる体重の変化は、悩みの一つでもある。 太ってお肉がついちゃうのも嫌だけど、あまり痩せ過ぎて骨ばった身体を見られるのも抵抗がある。ほら、抱き心地がどうこうって聞くし。 此方の様子を伺う彼を安心させるように笑って。 これからの食事に気を配ろうと誓いを立てた。] わぁ、コーンスープ好きです。 お店の味? どんなのだろう。 [ハンバーグのソースは耳慣れないもの>>87だったから、小首を傾げた。 彼の腕なら、おいしい以外のものが出てくるはずもないので。そこはおまかせすることにして。 水に口をつけながら、いつものようにカウンターキッチンに向かう彼の姿を眼が追いかけた。] (93) 2021/05/26(Wed) 17:43:36 |
【人】 オリト シア[ホールをメインに働いていた彼も好きだったけれど。 厨房に立つ姿を見るようになってからは、垣間見える真摯な眼差しにどきどきして、やっぱり厨房で働く彼が好きだな、と実感する。 野菜を器用に剥く指先も、大きな鍋を持つ力強い腕も。何もかも。 その器用な手が、力強い腕が、私に触れるのかと思うと―――、 止めよう、これ以上考えたら胸の高鳴りが収まらない。 注文したドリンクが届いて、半分ほど量を減らした頃。 ふわりといい香りが漂ってくる。>>89 コーンスープの甘い香りに、お肉から滴る赤ワインと玉葱のソース。] わあ、……おいしそう! ラップサラダもいいですね。 スナップエンドウもにんじんも好きなんです。 [両手を組み合わせてはしゃいで、まずは料理の見た目を堪能する。 ハンバーグが好きな兄に自慢しようと、スマホでぱしゃりと一枚収めて。 冷めない内に、いただきます。と両手を合わせてからナイフとフォークを手にとった。] (94) 2021/05/26(Wed) 17:44:24 |
【人】 オリト シア[シャリピアンソースはステーキに掛かっているのを何度か見かけたことがあった。 ナイフでハンバーグに切れ目を入れて、一口サイズにして。 みじん切りされた玉葱がお肉に絡む。脂が浮かんでいるのはお肉の脂だけではなさそうだ。バターと赤ワインの豊潤な香りが鼻孔を刺激した。 口当たりは牛肉で作られたハンバーグよりもさっぱりしているのに、玉葱がそこに絡むから甘さが残る。] ん、おいしい [口の中でお肉の脂がとろけてなくなる。 トルティーヤチップスでエスプーマを掬えば、泡がたっぷりとチップスの上に乗る。 歯を立てたら、さくりと音がして触感がいい。一口だけじゃ飽き足らず、二口、三口と口にしてから、コーンスープへと移る。 コーンスープと聞いたから温かいものを想像していたけれど、出されたものは冷たかった。 スプーンで掬って口元へ運べば、コーンのまろやかさが沁み渡る。コーンだけではないのか、溶けた玉葱と崩れたじゃがいもも見つかった。 十分に煮込まれた野菜がほろほろと口の中で溶けていく。] (95) 2021/05/26(Wed) 17:45:12 |
【人】 オリト シアん〜……、お腹も満たされるけど、 気持ちも満たされる〜……おいし…… [ほわり、美味しさに表情が緩んで。幸福感でいっぱいに満たされた。] (96) 2021/05/26(Wed) 17:45:34 |
【人】 オリト シア[美味しいからついつい食事が進む。 半分ほどお皿を空けたところで、カウンター越しから食べっぷりを指摘されて、頬を染めた。] う……、だって美味しいんですもん。 お腹も空いてたし……、ついついお箸が進んじゃう。 [久しぶりのまともな食事。 それがお店であろうとも彼の手料理となれば食べないはずもなく。 好物とあってラップサラダまで追加注文してしまった。 ハンバーグをフォークで刺して、口に含んで。 幸せそう>>109と言われれば、ふにゃりと様相を崩す。] そりゃ、好きな人が作ってくれた ご飯を食べられるんですから。 幸せです。 [完食したお皿は、ソースも残らずに綺麗に空になった。] (113) 2021/05/26(Wed) 20:57:37 |
【人】 オリト シア[ナフキンで口元を拭って、グラスを傾ける。 早くも懐かしい味は、甘い洋梨の香り。 すっきりとした味わいが喉元を過ぎていく。 不意に彼の口から、おめかし。なんて言葉が出てきて。 意図が分からずに「ニョッキ?」なんて尋ね返した。 ニョッキとおめかしの共通点が見つからないけれど、 誘われたなら断る理由もなく、はい。と頷く。] ニョッキって確かじゃがいものパスタ? ですよね? じゃがいももパスタも好きです。 いつになりますか? [ちょうど夏に向けて、 サマーワンピースを買おうと思っていたところ。 食事中に服を汚してはいけないからとずっと避けていたけれど、思い切って真っ白なワンピースに手を出してみるのもいいかもしれない。 なんて、考えながら。 また一つ増えた約束事に、心が踊った。*] (114) 2021/05/26(Wed) 20:58:12 |
【人】 オリト シア[ニョッキにそんなに種類があるなんて知らなかった。] わぁ、どれも好きです。 チーズもあるんですね。 ソースは? トマトソースですか? 生地から作るの、面白そうですね。 [両手を打ち合わせて、「楽しみにしてますね」と、微笑んで。 早速スマホを取り出してアプリのスケジュール帳を確認する。 いくつか候補を上げて、予定が合いそうな日を二人で選んで。 予定が決まったら、うさぎのアイコンをその日に設定した。 来たる未来にわくわくしながら、胸にスマホを抱く。] じゃあ、この日に有休取っておきますね。 朝に一緒に出かけられるの久々だから、嬉しい。 [前もって予定を立てて、おめかしして欲しいなんて注文まで入るということは、何かしらきっと特別な日になるだろう。 サプライズ?まさかね? 膨らむ期待にそわそわして落ち着かなくなったけど、彼が私を喜ばせるために考えてくれたことなら、何だって嬉しい。*] (128) 2021/05/26(Wed) 21:44:18 |
【人】 オリト シア[リマインダには頷きを。 忘れない内に指を滑らせて、送っておくことにして。] 秘密? 当日のお楽しみ、ですか? ジェノバソースってバジルですよね。 それもいいなぁ……。 [顎元にスマホを当てて、トントンとリズムを刻みながら、歯切れの悪い彼>>140をじっと見つめる。 まだ彼は全てを明かす気はない様子。 それならそれで先の楽しみとしてとっておこう。 一度、失敗したプロポーズに出されたビーフシチュー、 パーティの時に出してくれた二人の色が彩られたデザート。 料理に意味を持たせる彼のことを知っている。 何気なく出されたニョッキにもきっと、彼なりの思惑があるのだろうと予想して。] 基依さんが驚くくらい、 めいっぱい、オシャレしてきますね。 [今は深くは触れないようにして、笑いかけた。*] (150) 2021/05/26(Wed) 22:50:20 |
【赤】 オリト シア―― 旅行の幕間 ―― [あえかな声と荒い息遣い、衣擦れの音だけが響く。 朝の明るい日の下で、ゆさゆさと身体を揺さぶられて堪らずに身をくねらせる。 アラームを止めようとした手は遮られて、背に導かれる。 スヌーズに切り替わった時計は定期的に時を訴えるのに、繋がった箇所は未だに酷い水音を立てて、理性を突き崩してくる。] もぅ、……だめっ、…… [弱い抵抗は何の意味も果たさない。それよりも繋がった場所がきゅうきゅうと甘く締め付けて彼を離さないから身体は正直だ。 とろりと瞳が落ちて、甘い快楽に溺れていきそうになる。 そんな折に、隣室から声を掛けられて>>*326びくっと身体が跳ねた。] (*331) 2021/05/26(Wed) 23:56:29 |
【赤】 オリト シア ……っ、……ッ ! [人の気配に身体が強ばる。思わず顔を見合わせた。 ふる、と弱く首を振って彼から離れようと身体を攀じったら、返って悦い場所に当たってしまって咄嗟に口元を覆った。] ……ンッ、 ふ、ぅン…… [普段どおり会話を進める彼に目を見開く。 隣に人が居るというのに再び始まる律動に視界が滲んだ。 仲居さんに気付かれないように懸命に息を押し殺してやり過ごす。 甘く送られてくる刺激にびくびくと打ち震えて、内腿で彼の腰を締め付けた。 羞恥に堪えきれないのに、それが返って刺激になってじわりと蜜が溢れて、彼自身の動きをより滑らせてしまう。] (*332) 2021/05/26(Wed) 23:57:50 |
【赤】 オリト シア[隣室からの物音がようやくしなくなったら。 詰めた息を吐き出して、柔く彼の胸を突く。] もっ、……、ばかっ、ひどいっ…… [涙が浮かび、言葉だけは彼を非難したものの、甘く焦らされた身体は限界を訴えている。 ぎゅうっと抱きついて、更に奥へと彼を誘う。 我慢しなくてよくなった声は、高く、甘く、切なく、彼を求めて。 追い立てられるままに、絶頂へと導かれていく。 その日の朝食のお味噌汁は、猫舌に優しい温度になった。**] (*333) 2021/05/26(Wed) 23:58:23 |
【人】 オリト シア―― *** ―― [久しぶりの有休は奮発して2連休。 昼過ぎに自宅を出て、まずはネイルサロンへ寄って指先を彩ってもらう。 カラーは薄いピンクにグレーを混ぜて。 散りばめらたラメと白い花が指先で花開く。 指に彼のカラーが添えられて、両手を開いて眺めて表情が緩む。 その後は、美容室にも寄ってメイクと髪を整えてもらった。 髪を編み込んでもらって中央で束ねて、ハーフアップにしたら薄紫のリボンで留めて、アクセントに彼から貰った紫の蝶を踊らせる。 メイクは白いドレスに合うように甘めのピンクベースにしてもらった。 ふわふわしすぎないように、口元は鮮明なピンクのリップを引いて引き締めて。 肩口まで開いたオフショルダーのドレスは少し奮発した。 めいっぱいおしゃれをしていくと言ったから、多少大胆なデザインでも許してもらおう。] (173) 2021/05/27(Thu) 0:57:03 |
【人】 オリト シア[その日のブラックボードには、おすすめ料理にニョッキが並ぶ。>>163 料理をしながら語られる彼の言葉に耳を傾けて。 時折相槌を打ちながら、応える。 普段の何気ない「いつも」を特別と言ってくれることが嬉しくて。 「毎日」が欲しいと望む彼と同じ気持ちであることを伝える。] 私も、毎日一緒に居られたらいいなって思います。 [彼の家に通うようになってから、彼と別れて自宅に帰ることが寂しくなった。 仕事を終えた彼を迎える日は、ねぎらいの言葉を掛けて彼を癒やして。 仕事に向かう彼を送り出す日は、いってきますのキスをして見送る。 そんな日が、毎日続けばいいと心から思う。] (175) 2021/05/27(Thu) 0:57:28 |
【人】 オリト シア[締められる言葉と共に、眼の前に出された料理は。 私の好きなじゃがいもがたくさん詰まっていて、紫のじゃがいもにグレーのソースに彩られていた。 お皿の中央でうさぎが笑っている。 「これからの人生」に「紫のうさぎ」それを意味する言葉に胸が詰まる。 料理と、基依さんを交互に見比べて、その言葉が間違いでないか確かめるように。何度も彼と眼を見合わせた。 手を取られて、薬指を指し示されて。 ストレートに言い直された言葉に、間違いはないと知る。 感極まって、胸が打ち震えて。 じわりと目尻に涙が浮かぶ。 答えなどとうに決まっていた。 ずっと、ずっと一方的に視線が追いかけていたその姿が。 今は、真摯に眼差しを返されて私の姿を映し出す。] (177) 2021/05/27(Thu) 0:58:58 |
【人】 オリト シア[目尻に浮かんだ涙を指先で払う。] ――――――はい。 私を、幸せにしてください。 貴方じゃないと、だめなんです。 [これからは、大好きな人とずっと――、 「いただきます」と「ごちそうさま」を、「毎日」一緒に。**] (178) 2021/05/27(Thu) 0:59:23 |