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人狼物語 三日月国


104 【R18G】異能遣い達の体育祭前!【身内】

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【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「あるんだ…………」

あるとは全く思ってなくて素で驚いている。
突然降ってきた未知の知識に、よくわからず首を傾げた。

「場所? ……びっ! や、耳元だめ、背中びりびりする!」
囁き声に慌てて自分の両耳を手で覆うと、ぷいと再び顔を背ける。
「じ、じゃあ、創の部屋行く。迎えの車、学校終わるまで来ないし……一回教室も抜け出したから、迎え来るまでは部屋にいる」
(-131) 2021/11/10(Wed) 11:22:18

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「耳元は駄目でやがりますか。
 こりゃ、先が思いやられますねぇ」

なんて、いつもの調子で笑ってみせて。
自分の鞄とあなたの鞄を纏めて拾うと、空いた手を差し出した。

「……それじゃ、行きましょうか?」

あなたが手を取るなら、そのまま自室へと案内するだろう。
(-132) 2021/11/10(Wed) 11:33:45

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「あ、鞄……ありがと……」
「……ん、うん、今度はオレがアンタの部屋行く番だな」

熱がある程度落ち着きはしたようで、幾許か好奇心で輝いた瞳を向けながら貴方の手を取った。

実家暮らしの身では寮に行くことも殆ど無く、貴方の後ろをちょこちょことついて回り、案内されて辿り着けばそわそわと緊張と興味で落ち着かない様を見せ始める。
(-133) 2021/11/10(Wed) 12:00:29

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

無邪気な様子を見せるあなたに、微笑ましげな視線を向けながら
一歩先を歩く。
そのまま案内を続け、自室の扉を開けた。

一見すると、普通の部屋に見えるだろう。
同室者は元より居ないのか、一人分しか使われてなさそうだ。
あなたの部屋の様に、一切の物を排してるという訳ではない。
教科書や参考書、筆記用具等。在るべき物は全て在る。
なのに、部屋の主の趣味・嗜好を読み取る事は困難だろう。
『比較的片付いている男子高校生の部屋』以上の情報が無い。

……その不自然さに、あなたが気付くかはわからないけれど。
部屋に入ると、鏡沼は荷物を下ろし、ベッドへと腰掛けた。

「普通は、飲み物の一つでも出すべきでやがるんでしょうが。
 別に構わねぇですよね?」

そう言って、あなたへと手招きした。
おいで、と言わんばかりに。
(-134) 2021/11/10(Wed) 12:19:56

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「今更撤回したりしませんよ。
 先輩の方こそ、いいんですね?」

そっくりそのまま、先輩の言葉を返せるくらいだ。
逃げたくなっても、僕は知らない。

少なくとも僕は、逃げたりしませんよ。

 
その点は、安心してください。先輩


唇が触れる。
今度はさっきより少し長い時間、唇を重ねた。
簡単に離してやろうとしなかった。

遠くでチャイムの音が聞こえた気がした。
気のせいかもしれないし、放送室の外では本当に鳴り響いたのかもしれない。
別にどっちでも構わなかった。

今この時間が夢でも幻でもない、その方が。
部活動なんかより大事なんだと、僕は思い知っていた。
(-135) 2021/11/10(Wed) 12:27:57

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

自分の部屋と比べれば明らかな差に、目を瞬かせて興味深そうに室内を見回した。
一般的な学生の自室と、青年自身の環境はあまりにも異なっていて、その影響からか不自然だとは全く思っていなさそうだ。

「おー。すごいな、色々置いてある……。
 ……ん? なんだー?」
手招きされると、大人しく貴方の方へと近寄っていく。
(-136) 2021/11/10(Wed) 12:31:12

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

鏡沼は、近付いて来たあなたへ手を伸ばしたかと思うと
そのまま倒れる様にして、ベッドへと引っ張り込んだ。
どこか悪戯っぽい笑顔を向けつつ、抱き寄せようとするだろう。

「捕まえた、なんて。 ……冗談でやがりますが」

捕まったのは、きっと自分の方だから。
(-137) 2021/11/10(Wed) 12:44:47
守屋陽菜は、確かな暖かさを知った。
(a40) 2021/11/10(Wed) 12:48:11

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「わぷ……!」
ぼすんと倒れた痩身、青い眼が不思議そうに貴方を見つめる。

「捕まったぞー。……この前みたいに寝るのか?
 今度はオレが添い寝すんのか?」

ふと過去に自室で添い寝をしてもらった日のことを思い出したようで。
また首を傾げつつも、面白そうな子供っぽい笑みを浮かべた。……ころころ、ぐるぐる、青年は喉を鳴らして笑っている。
(-138) 2021/11/10(Wed) 13:08:44

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

無垢な笑みに、何だかそれでもいい様な気がして来た。
あの欲と熱が治まっているのなら、急く必要も無いだろう。

「……そうですねぇ。それでもいい気がして来ちまいました」

一度、触れるだけの口付けをして。
抱き締めたまま、あなたの後頭部へと手を伸ばし、ゆるゆると
撫で始めるだろう。
まるで、寝かし付けるかのように。
(-139) 2021/11/10(Wed) 13:23:53

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「っん……創、」
軽く触れた熱に、物惜しそうに僅かばかり蕩けた目線を向けはする。

……するのだが、青年はそうやって頭を撫でられ、寝かしつけられることに慣れきってしまっていた。

「んに…………」

くう、と小さく一鳴きして、そのまますぐに入眠。
他人の部屋であることもすっかり忘れ、望んだ相手の居室という感覚に包まれながら眠りに就いた。ぐっすり熟睡。
(-140) 2021/11/10(Wed) 13:38:48

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

あっさり熟睡してしまったあなたに、思わず苦笑する。
きっと、例の運転手からの連絡で起きるまで、このままだろう。
それでいいと思った。
熱が誤魔化せる内は、今のままの関係で居たい。
この先を望む気持ちと優劣が付け難いほどに、これもまた
素直な自分の気持ちだ。

うっかり自分まで寝入ってしまわない様に気を付けながら
あなたの温もりを享受する。
……きっと、これが“幸せ”というものなのだろう。
そんな事を思いながら。
(-141) 2021/11/10(Wed) 13:52:36
鏡沼 創は、此処に居られて幸せだ。
(a41) 2021/11/10(Wed) 13:53:14

【神】 綴り手 柏倉陸玖

>>G24 >>G25 寮の自室

「あーこらこらこらこら暴れないでください食事中に。
 というか箸奪われたら俺食わないよ馬鹿が。
 お前一人で食べ切れる自信があるならやってみな」

横から口を挟むくせして直接止める気は無いらしい。
しれっと自分がつついていた弁当の段だけ退避させている。
ついでに巻き込まれないようにやや距離を取った。
中立気取りの、カス。

「ついでに言うと、普川に道徳を説いても無駄ですよ。
 だってお前わかった上でやってるもんな。」
(G26) 2021/11/10(Wed) 14:19:28

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>44 >>45 普川

普段は死ぬ程頑張ってるんだよ、わかるだろ、だとか。

知り合いに箸使うか聞いてみろよ意外と居るぞ、だとか。

そんなくだらない反論をした後に。
呼び出しを受ければ、断る理由も今は無い。
とはいえそれも場所に依るけれど、何となく想像は付いた。

確証こそ無かったけれど、まあ。
恐らくはそうだろうな、と
そんな思いがあったのは確かな事だ。
(46) 2021/11/10(Wed) 14:32:46

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>44 >>45 普川

そうして二人、足を運んだ先。
物寂しくて辛気臭い、見渡す限りが鈍色の海。

吹き付ける潮風は重く冷たく湿っていて、
"海"が想わせる爽やかさなんかちっとも感じさせてはくれない。
寄せては返す波に、ただ晒される事しかできない。
そんな消波ブロックを遠目に見て、みじめなものだとさえ思う。

結局、それが自分達には似合いだと。
いっそこれくらいの方が、現実らしくて笑えてくる。
いつもそんな景色の中に居場所を見出していた。

「こんな所でする話かよ、なんて今更か。
 そういうお前はどうなんだよ、って言いたい所だけど
 置いて行かないなら、お前も同じ所来てくれるんだろ?」

俺の志望校の偏差値は高いぞ、なんて笑って。

いつだって、努力は大して報われない。
いつだって、納得の行く道を示してくれる人は居ない。
いつだって、自分達は途方に暮れるばかり。

いつだって、それでもただ、意地を張っていたいだけ。
(47) 2021/11/10(Wed) 14:35:42

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>44 >>45 普川

それでもたまには自棄を気取ってもいいだろう。
一度は離そうとした似た者同士の手を自ら引いて。
何処までも残酷に冷たい海に向けて、一歩踏み出した。

何も別に、深い所まで行こうとしている訳ではない。
ただ子供じみた戯れのように、
意味も無しにざあざあとさんざめく海に足を踏み入れて。
染み入る海水の冷たさに、ただバカバカしいと笑うだけ。

きっとあの時もそうだった。

「あーあ。
 体育祭も、あんな騒ぎの後じゃろくに出る奴減るだろうし
 俺達どうせ、数合わせに呼ばれるんだろうなあ。」

軽口半分、本当に有り得ない、なんて吐き捨てて。
何らかの役員というものは、往々にして
そういった皺寄せが巡り巡って来やすいもので。

「どうせ最後なら、異能の事隠す必要も無いしさあ。
 それに、数合わせって思われるのも気に入らないし。
 いっそこっちから出てやって、
 好き勝手していくのも悪くないかもなぁ。」

勿論、悪名にならない程度に。
そう言って性悪な笑みを浮かべるのは。
結局の所、何処までも抜け目ない男らしい。
(48) 2021/11/10(Wed) 14:36:31
柏倉陸玖は、不慣れな期待を込めて、手を引いて行く。期待に応える為に。
(a42) 2021/11/10(Wed) 14:36:52

柏倉陸玖は、踏み出す先は、今は何処だって良い。
(a43) 2021/11/10(Wed) 14:37:02

柏倉陸玖は、結果や理由なんて、後からついて来るものだと考えている。
(a44) 2021/11/10(Wed) 14:37:25

【独】 美とは? 若井匠海

いつメンも戻ってきた学食はやっぱりガヤってたし、授業前もガヤってたし、授業後もガヤってたし、放課後もなんかガヤっていた。
いつもはHR終了次第即帰る様なやつまで教室に残っている。マジ?レアじゃん。ダル絡みしに行こっかな…

今日の騒がしさはこれにとっては"良い方"の騒がしさだったので、へらへらしながら居たらしい。
最早防音も防護の壁も要らなくなったので人の渦の中心にいる必要は無い。むしろ居ると色々と目立つ。のだが

それでも僕は、やってない。
このセリフを現実で使う時がイマ!って事!?
ハンセイブン?カイテナイヨーあれ昨日の授業抜けたのバレたからカイタンダヨー」
書いてはいるんじゃねぇか!と突っ込みが入った気がする。
男は騒がしいのも好きなので、今日も渦の中心に居た。

「え〜本当にやってないのにぃ〜〜本当にやってないけど俺…スフレチーズケーキ奢られたらあの軽ーい食感と同じぐらい口が軽くなっちゃうかもしれん…」

と言う訳でファミレス行かん!?!?!?!?

調子の良い事ばかりを言っていた。本日も大仰営業でお送りしております。
(-142) 2021/11/10(Wed) 16:52:39
若井匠海は、この後滅茶苦茶奢らせて滅茶苦茶適当言って滅茶苦茶腹いっぱいになった。
(a45) 2021/11/10(Wed) 16:52:51

【人】 風紀委員 普川 尚久

>>47 >>48 >>a42 柏倉

「こんな所だから、こそだろ。
まさかキラキラ輝く場所で未来なんて俺達が語れるか?

ちなみにお答えはその通り。偏差値なんて大した事ねぇよ。
礼すら伝えたい奴に伝えられないこの異能に比べりゃ、さ。
教育だったけど合わせるわ。薬学部で教員免許取るかぁ」

単調に繰り返される波の音は、癒しとは程遠い騒がしさを宿す。
灰の潮騒。その気取らなささが見える現実と被さる。重なる。

架空作品の様に、海と世界の広さを重ね、精神を持ち治す。
そんなのは俺達は無縁の気質だったから、

だからあの頃、ここに来た。何をしていたかと言うと──

「っと、
……めずらし、
っめたッッ!!」


ズボンを捲って浸した足に容赦なく襲い掛かる海水の冷たさ。
あの頃と同じく、死ぬつもりなんてまるでないけれど、その沈むような暗く重い冷たさに足で触れて、全部バカバカしくなって、
“美しい”じゃなくて、“くだらない”と吐き捨て笑う。

何かが変わっても、結局その感性や海は変わらない。
停滞の海を見て諦観をしつつ歩みを止めないのも変わらない。
ただ、あの時と一つ違うとしたら。

ひたすら人に触れたがらないこの男が自ら触れることと、
何も言ってすらないのに、自ら手を引いてきたこと。
それに礼を言うのもおかしな話だから、重なりに力を込めた。
(49) 2021/11/10(Wed) 17:25:28

【人】 風紀委員 普川 尚久

>>47 >>48 >>a42 柏倉

「お、やる気?
俺ももう卒業ぐらいまで異能バレしても問題ないしな。

“苦労ばっかしてた世代”って思われんのもムカつくし。
いっちょ盛大に荒らしてやりますかね、最後に大会を」

異能格闘の経験は互いに昔からある。
折角だ、どうせ参加させられるなら番狂わせでも狙うか。
進路に影響しない程度、逆を言えばその範囲までスレスレに。

現実には諦めきってる癖にこんな所だけプライドはある。
参加すると出してしまえば、絶対格好つけられるよう用意する。
本当に、この海の冷たさと同じくらいバカバカしい。

「いっそ組んじまうか」

ペアの競技として。自分達は馬鹿みたいに異能の相性もいい。
どっちがメインを張って戦おうが永久機関ができる程度には。

それでも当時言い出さなかったし、言い出せなかった。
限界を見出して挫折した彼に、それを提案して何になっただろう。異能の格差を思い知らせるだけ慰めにもなりゃしない。
だからこんな話永遠にする事なんて無いと思っていたのだが。

「“二人”の強さは、この海で散々思い知っただろ?」
 
(50) 2021/11/10(Wed) 17:32:06

【人】 風紀委員 普川 尚久

>>47 >>48 >>a42 柏倉

自殺願望も希死念慮も持った事はなかったけれど。
だからと言って、手にしていたモノを失って足場がない状況が苦しくない訳でも、何もなしで立ち続けられたわけでもない。
苦しいを幾重にも重ね続けてがむしゃらに前に進んだだけ。

もしもの話は分からないけれど、
多分あの時、この海を一緒にいる相手が居たからこそ、今こうして、当時考えもしなかったもう一度の異能格闘を考えている。

案外、永遠なんて容易く引っ繰り返されるものだ。
良い意味でも、悪い意味でも。

ならまあ、期待を捨てた海で、期待を拾い直す。
それだってきっとおかしな事じゃないと──
そう、堂々と言い切れる日が来るといい。

今は無理でも、いつかは。
(51) 2021/11/10(Wed) 17:33:49

【人】 牛丸紗優

>>42 鏡沼

なんか難しいやつなんですね


思考を放棄した言葉が返ってきた。
実際のところ、言葉のみであなたの異能を理解することはできていない。
これから体験していくことになるのだろう。

「ある意味では私でよかったとも思ってます。
間違えて飲んじゃったりとか、異能騒ぎについて知らなさすぎたりもしなかったし。
だから本当に……かしこまったりとか、しないでくださいよ。
今度なにかあったら、助けてください!って言いますから。
それでチャラにしましょ」

ね、鏡沼先輩。
初めて知った、初めて会ったあなたの苗字を呼んだ。
もうすぐ体育祭だ。困る出来事もあったりなかったりするだろう。

あなたの異能に困惑する牛丸の姿が見られる日は、近いのかもしれない。
(52) 2021/11/10(Wed) 17:42:20

【神】 風紀委員 普川 尚久

>>G25 >>G26 シオン 柏倉

「金の使い方ド下手くそ後輩ですか?

あと教わる訳ないでしょうが生憎幼稚園児でハゲの兆候が無かったもので。そちらにはあったのでしょうかねぇ……
って冷たッ!!弁当にかかるって言ってたのお前だろうが!?」


部屋にまき散らされるバイト代。
トニック系特有のスーッとする独特の香りが食欲を阻害する。

「お残しをして平然と居られる副会長様どうかと思いますわね!?
っていうかお前の方が将来ハゲそうなんだよ行け後輩!かけるなら中立気取る最悪なあっちにかけてやれ!」


本当に弁当にかからないか心配になるが、凄い勢いで振るとかしない限り基本は出ない仕組みになっているから大丈夫だろう。

都合の悪い事を言う柏倉の方に矛先を向け──

その目論見が成功したかを知っているのはまた別の話で、知る人物は子の3人のみ。育毛剤弁当の騒がしい日々は、何だかんだでこれも平和と言うのだろう。
(G27) 2021/11/10(Wed) 17:45:12
シオン・グレイヴズは、副会長に育毛剤をかけた。
(a46) 2021/11/10(Wed) 17:48:23

柏倉陸玖は、育毛剤からは逃れられなかったらしい。
(a47) 2021/11/10(Wed) 17:55:26

【独】 牛丸紗優

牛丸沙優は、寮の自室で反省文を書いている。

反省文とは名ばかりの、この騒ぎの間にあったことを、思いの丈を書き出している。

お昼寝スポットを共有できそうな面白い人を見つけた。
部室で友達と話した。
先輩のお弁当がおいしそうだったこと。
屋上でひとり黄昏ていた彼は、やっぱり怒られるべきだと思う。
その屋上から見えた、先輩の後ろ姿。
ありえない人違いをされたり、それはまた別の先輩の異能のせいであったり。

そのような、ささいな、誰にも渡すことのない文章を。
誰にも渡すことのない、自分自身の想いと記憶を。
(-143) 2021/11/10(Wed) 17:55:38

【独】 牛丸紗優

それが終われば、いつものように鏡を見る。

眠る前の習慣として、牛丸沙優は自身に異能を使用している。
いついかなる環境下においても快適な睡眠を約束し、『好きな夢を見る』異能を。
なにもない、まっくろな眠りを得るために。

最初は自分の心を守るため。
心がくずおれたあの日のリフレインを恐れてのことだった。
それがいつの間にかやめどきを見失って、ここまできてしまったという訳で。

だから、少しだけ迷って、鏡の中の自分とは目を合わせずに布団へ潜った。

「今日はどんな夢だろう」

そんな、ちいさな子供のような期待を抱いて。
(-144) 2021/11/10(Wed) 17:56:56
牛丸紗優は、来年の体育祭で、精一杯走れることを夢見ている。
(a48) 2021/11/10(Wed) 17:57:57

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>49 >>50 >>51 普川

「ははは。ほんと、何やってんだかなあ」

すぐ傍から聞こえた悲鳴にあっけらかんと笑う。

容赦なく体温を奪っていく海水の冷たさも。
肌を刺すような、底冷えするほど冷たい潮風も。
今も昔も、何もかもをバカらしくさせるのには十分だった。
それを許してくれる場所が、この鈍色の海だった。

「誰にも軽々しく触れられやしないこの異能でも。
 まあ、少しくらいは良い思いしたっていいよなあ」

この異能は、
"直接触れたものの傷口を操作する"。

今でこそ傷を塞ぐ事もできるけれど、
本来の性質はその逆、傷を悪化させるばかりの異能だった。

とはいえ決して制御ができないわけではない。
寧ろ逆、今では殆ど完全に掌握しているとすら言って良い筈だ。
だからこそ、こうして研鑽を積み、本来の性質とは異なる方向へ
この異能を作用させる事ができているのだから。

それでも、暴発の懸念を、他者の猜疑心を拭う事は難しい。
何事も、直すよりも、壊す方がずっと容易い。
この異能は、たった一つの綻びから
全てを台無しにする事だってできてしまう。

それを知っている人間からは、当然。
度々直接触れる事を拒まれるのも、道理というわけで。
(53) 2021/11/10(Wed) 19:32:23

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>49 >>50 >>51 普川

だから柏倉は、いつだって人と距離を取っていた。
一度人と触れ合う事に慣れてしまえば。
いつかその温度を失った時、苦しむのは自分の方なのだから。

だから柏倉は、自分の異能を半ば封印する事にしていた。
使うとしても、ただ傷を塞ぐ為だけに。
本来の性質が必要になる事など、無い方が良いと思っていた。

「ああいいよ、やるなら徹底的に見返してやろう。
 どんなに物騒な異能でも、卑怯なやり方でも
 結局は勝った奴が正義だって事を教えてやろうじゃあないか」

物騒な異能、卑怯なやり方。
自分が競技に出た後に、専ら受けていた"評価"。
それが実に不本意なものであったのは当然の事で。

それでも、どんなに努力を重ねても。
生まれ持ったものの差は、決して覆す事はできなくて。
結局最後までその評価から抜け出す事はできなかった。
だから柏倉は、それが自身の限界と認めざるを得なかった。

それも"二人"でなら、どうにか開き直れそうだ。
(54) 2021/11/10(Wed) 19:33:11

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>49 >>50 >>51 普川

こんな異能でも必要とする者は居て、
そして、それでも触れたがる酔狂な人間も居たものだ。
現実というものは、本当に自分の仮定を裏切るのが上手い。
そんな事を思って、呆れ混じりにまた笑う。

「俺達のして来た事は、何も"傷の舐め合い"だけじゃない。
 そう証明するなら、今以上の好機もそう無いだろうしさ」

別に、期待だとか命だとか、何かを捨てに来たわけでもない。
現実に打ち拉がれはすれど、大人しく折れてやるのも癪なのだ。
だから暫しの間、言葉を交わし、冷たい波を踏みしだいて。
それで気が済めば、何をするでもなく帰って行くのだろう。

今はもう、握り返された手を離してやるつもりも無い。
だから今は手袋越しでも、それでも確かに手を引いて。
(55) 2021/11/10(Wed) 19:33:47

【秘】 市川 夢助 → 俺 シオン・グレイヴズ

「それもそうかもしれないですね。
 まあ、オレにとっては新しい異能を試すチャンスでもありますから」

手に触れ、同じように見つめ返す。見つめ返して、5秒と経たないうちに目を逸らすのだが。

同じ異能を持っている者同士だ。君の感情が市川に伝わるのと同様に、市川の感情も君に伝わる事だろう。

市川夢助は、性転換の結果とはいえ女性に免疫がない。
普段から女性に接する機会も殆どないため、
普通に恥ずかしくなってしまった。


天才といえど、感情に嘘はつけないのだ。
(-145) 2021/11/10(Wed) 20:29:35

【置】 綴り手 柏倉陸玖

 
稲生学園は、今日も慌ただしい。

それでも日常は滞り無く続いて行く。
これまでも、そしてきっと、これからも。
おおよそ何事も無かったように、全て元通りに。

結局の所。

この数日間であった事が、
何になるだとか、何にもならないだとか。
そんな事をわかった気になってしまうのは、
きっとまだまだ時期尚早、気の早い話なのだろう。

今はまだ、何かを得られた実感は無くたって。

いつだって、結果や理由なんて、後から付いて来る。
今は道無き道でも、足を止めさえしなければ。
そうしてふと振り返ってみれば、確かな轍が残っているものだ。
(L1) 2021/11/10(Wed) 20:42:07
公開: 2021/11/10(Wed) 20:50:00

【置】 綴り手 柏倉陸玖

 
ああ実に妬ましい。

今は藻掻きながら、悩みながら、苦しみながらも。
それでもきっと、自分よりも遥か先を行けるあなた達の事が。
或いは、それを感じない、感じさせないあなた達が。
遠く後方から見詰める事しかできないその軌跡が。
羨ましくて、眩しくて、憎らしくて。

それでもただ嫌いなだけにはなり切れない。

先を行く人間には、それ故の苦悩がある。
それらに対し、確かな敬慕の情を抱えてすらいる。

だからこそこうした役回りを、
その場に留まり、皆の背を見送る立ち位置を。
誰に頼まれたわけでもないのに買って出たわけで。

その隣に並びたがる、何とも酔狂な人間が居た事は
それこそ思ってもみなかった、と言うほか無いのだけれど。
だって今までは、只管上か下ばかりを見ていた人生だったんだ。

だから今まで気付けなかった事には、
少しばかり目を瞑ってはもらえないだろうか、なんて。

そんなふうに考えてしまうのは、ずるいのだろうなあ。
(L2) 2021/11/10(Wed) 20:42:44
公開: 2021/11/10(Wed) 20:50:00

【独】 風雪 世良健人

小さな明かりを黒鉛の文字が照り返す。
同室の住人が自らの道を歩むように、
目指すもののために手を動かす。
いずれはたどり着くものを目指すため。
未来は、手の中にある。
(-146) 2021/11/10(Wed) 20:53:23
普川 尚久は、いつかの日、「ずるいに決まってんだろ」と呆れる。
(a49) 2021/11/10(Wed) 20:53:54

普川 尚久は、それでも、今まで前が後ろしか考えなかった奴の
(a50) 2021/11/10(Wed) 20:54:31

普川 尚久は、隣と言う初めての概念に収めたから、許してやる。
(a51) 2021/11/10(Wed) 20:55:37

普川 尚久は、遮るものは何もない相手の手を握りながら、そう苦笑した。
(a52) 2021/11/10(Wed) 20:57:33