【置】 小さな心 サルガス"明日、また明日、また明日と、 時は小きざみな足どりで一日一日を歩み、ついには歴史の最後の一瞬にたどりつく、 昨日という日はすべて愚かな人間が塵と化す死への道を照らしてきた。" 「いやだ――いやだ!」 手を振り払う。叩き落とす。無我夢中になって、必死の力で振り払った。 ここで捕まるわけにはいかない。いかないのだ。かれらに何もしてやれていないのに。 連れて行かれることに怯るかれら、連れて行かれ傷ついたかれら。 その手、その腕に、託すものひとつなしに、終わってしまいわけにはいかない。 暴れた腕は、足は。夢中になって、大人の体を打ち払い。とうとうバランスを崩させた。 (L19) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:37:57 公開: 2021/05/30(Sun) 19:50:00 |