【人】 ツァカリ[旅館までのタクシーの道のりは、道中。 湯気が吹き上げる温泉街を通り抜けてのことだった。 その湯気の香りは、タクシーから降りても香り立つ。 周囲の風景が代わり、浴衣で往来を行く人々が増えてくれば、 一気に異世界へ訪れたような気分になる。 隣で同じように見上げるアルも感嘆を上げていた。] そういえばアルもニホンは初めてなわけ? [今更ながらにそんな質問を交わしつつ、大きな門を潜り抜け、 旅館の玄関へと向かっていく。 チェックインが出来るなら荷物はひとまず、 部屋に置いたほうがいいだろうから。] そだな、とりあえず部屋に行くか。 [チェックインは予約を取った彼に任せるつもりで後に続く。 もちろん、旅館で出迎える人たちも和服の姿だから、 思わず口笛を軽く慣らす程度に囃し立てながら。] (36) milkxxxx 2023/04/22(Sat) 23:08:41 |