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人狼物語 三日月国

258 【身内】冬融けて、春浅し


【赤】 靖国 冬莉



 ………そんな顔すんなっての。


[彼のその表情に視線を伏せて、ごめんなと ぽつりと呟いた。少しとは言い切れない照れと歳甲斐無しに新たな境地へと赴く躊躇いと。幾つもの駆け巡る感情が入り乱れるのを気取られないように、云わば自身を護る為に言い放ってしまった言葉が彼を蝕むことはあってはならない。———言葉にしてしまった、それを悔やみながら。]


 何方としても 覚悟は出来てんのよ。お前さんと出会って、その後から。あんな言葉になってしまったのは、俺の弱さの問題で、

 ………いや、すまん。駄目だな。
 お前さんのこととなると 言葉を尽くしたくなってしまう。


[頬に触れる厚い皮膚の感触に人知れず すりと擦り寄り 目を細めては そんな弱い己ごと受け止めるような真摯な眼差しを受けて。 ]


 ………… どうか、俺でお前さんが


気持ちよくなってくれれば、いい
と。心中で込めた本音は胸に抱きながら 敬愛を示す口付けに 彼の腕の中で 静かに微笑んだ。] 
(*14) teco 2024/05/02(Thu) 1:05:03