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【神】 美術 エノ───今日の合議は。 裁判場に運び込まれていたとしても。 どこかで安置されたとしても。 どのみち、話し合いに参加は出来ないだろう。 (G0) arenda 2022/03/01(Tue) 21:05:42 |
【人】 美術 エノ>>薬局・医務室 医務室まで運ばれ、介抱をされる。 されるがままだ、たとえ今ここで再度ナイフを刺されたって、 もう何の抵抗も出来ないくらい。 「……死にたいわけじゃないからね………」 「………休んでるよ……ありがとう………」 「…君達は、好きに過ごしたらいい………」 ぐったり、まだ浅い呼吸を繰り返しながら。 しかしもうあとは、どうしようもない。 か細い命をつなぎ留めながら、少しずつ回復するしかないだろう。 ………最も、VRの世界であるからして。 自分は大丈夫である、と暗示をかけるレベルで思い込めば、何とかなるのかもしれないが…… 今はそんなことできそうもない。 この日は、医務室で休むことになるだろう。 (1) arenda 2022/03/01(Tue) 21:42:34 |
エノは、今しばらくは、ベッドで呼吸をするだけで過ごすことになる (a5) arenda 2022/03/02(Wed) 0:34:04 |
エノは、医務室が少し静かになる頃に目を覚ます。きっと、もう少し後。 (a14) arenda 2022/03/02(Wed) 18:02:36 |
【秘】 美術 エノ → 普通 ナツメきっと最初に目を覚ましたのは、医務室に君しかいない頃。 いつの間にか失っていた意識を取り戻すかのように、瞼が僅かに震えて。 そうして、薄く開かれる。 「………っ。」 眉を顰めたのは、少し灯りが眩しかったから。 ここはどこだと、緩く首を回して……… 「………あぁ………。」 目に入ったのは、ちょうど傍にいた君の姿。 まだ視界がぼやけるけど、多分、君だろうなと思った。 「……なんか………歌ってた………?」 だって、声がそうだったから。 体を起こそうとして、そうしたらまだ痛くて。 がくり、とついた手を折って、またベッドに沈んだ。 /*わ〜!お話ししたいけどお出かけしちゃったかな?と思ってたので、嬉しいです! (-122) arenda 2022/03/02(Wed) 18:19:14 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ起きて、状態を少し確認したら。 端末をゆったり、痛まぬよう操作して。 『フカワくん、怪我しちゃった。』 『君の事、言えないね。』 『寄りかかれなさそう。ちょっと残念。』 そんな、日常の延長のようなメッセージを送る。 (-123) arenda 2022/03/02(Wed) 18:31:06 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワベッドに転がって端末を弄る。 上手く打てない、腕は怪我してないはずなんだけど。 やはり、抜けた血と言うのはなかなか戻らないのか。 『急に後ろから刺されて。』 『あぁ、この人は殺したいのか、と思って』 『同じようにしたら、理解できるかと思って。』 ただ、銃を咄嗟に作ったのは失敗だったな、と思う。 ちゃんと同じ様に背中をナイフで刺してあげるべきだった。 あんまり、理解が出来なかった。 『寄りかかりたいね。』 君の温もりが好きだよ。 (-131) arenda 2022/03/02(Wed) 19:43:30 |
【秘】 美術 エノ → 普通 ナツメ「っつつ…………。」 痛みに顔を顰めて、ベッドに沈む。 そういえば、あの子と殺し合ったんだったっけ。 随分と記憶が曖昧だ。 君の声を聴く。 「……医務室………そう………」 「……ありがとう…他の人にも、伝えておいて……」 多分、君だけで運んだわけではないだろうから。 ぐったり、仰向けになりながらそう告げて。 まだ汗が出る。多分寝てる間もかいてたんだろうな。 背中が気持ち悪い。シャワーを浴びたかった。 「………ずっとここで診てたの………?」 「いくらなんでも、お人好しすぎると思う………」 気だるげな瞳で、君の顔をぼんやり見た。 君の顔を見ると、オレンジジュースが飲みたくなるよ。 (-158) arenda 2022/03/02(Wed) 21:57:20 |
エノは、まだ体は痛む。本当の体は、どこも怪我なんてしてないはずなのに。 (a20) arenda 2022/03/02(Wed) 21:58:47 |
【秘】 美術 エノ → 普通 ナツメぼんやりとした意識で、名前を聞いた。 お礼は言わないとな、と思いつつ。 何故助けたのだろう、とも思う。 自分が死ねば、その分誰かが助かるし、それに。 ───自分は人を殺しているのに。 「より一層意味が分からないね………」 「放っておいて、良かったのに。」 寝てる横に居るだけって暇そうだな、と思いながら。 タオルを受け取ろうとした手が上手くあがらなくて。 「……拭いてほしい………。」 素直に甘えることとする。 目元を拭かれれば目を細めて、それ以外の時は君を眺めて。 「……君ってさ。」 「…なんでいつも、飲み物を用意するの?」 そんな、何とも突拍子もない質問を投げかけた。 (-174) arenda 2022/03/02(Wed) 23:58:37 |
【秘】 美術 エノ → 清掃員 カミクズ目を覚ますのは、きっと日が暮れ始めるくらいの頃で。 すこし、状況確認などした後に、端末を見る。 入っていたメッセージに、自分に連絡を取る人がいるんだ、なんて驚いて。 中を、見て。 『薬局、だいぶ汚しちゃった。』 『お掃除してくれるとうれしいかも。』 『あと』 『会いに来てくれたら、嬉しいな。』 まだ痛む体で、そうメッセージを送った。 (-198) arenda 2022/03/03(Thu) 11:44:48 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ『へぇ、同じことした人がいるんだ。』 『誰だろう、ちょっと興味あるな』 『理解できそう。』 その後の文字に、少し、目を細めて。 『うん、来て。』 『会いたいよ。』 (-199) arenda 2022/03/03(Thu) 11:46:42 |
【秘】 美術 エノ → 普通 ナツメ「うん、ありがとう。」 「結構さっぱりしたかも。」 蒸しタオルで少し拭かれた箇所に温もりが残り、 その温もりで顔が上気する。 タオルが離れた後は外気の冷たさを感じて、 すぐに、少し白いくらいの肌に戻るだろう。 「なるほど、自分の為なんだ。」 「まぁ、仕方ないよね。普通、そうなんだと思う。」 死を受け入れ建設的に話し合う事が普通、だとは思わない。 現にそうだった。 見てきた中 で、ちゃんと話し合いが出来そうな人など指折り数えるほどだった。「今はどう。」 「昨日、名前を書かれてたよね。」 「やっぱり怖かった?逃げていた現実が付きつけられると。」 「生きたいって、思った?」 それはさながら問診のように。 君の一つ一つを理解せんと、刃を振るうように。 君をじっと見つめて、問いかけた。 (-200) arenda 2022/03/03(Thu) 11:55:23 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「やぁ、フカワくん。さっきぶり。」 これが何度目かの来訪。 と言っても君が人と話してる間は、青年はぐったり、ベッドに寝ていることが多かったから。 しっかり言葉を交わすのはこれが初めてかもしれない。 寝転がりながら、君を見上げる。 「足を斬られてしまってね。」 「人の思い込みは凄いね、現実で怪我なんてしてないし、斬られたことだってないのに、ちゃんと痛みがある。」 「想像が人を滅ぼすというのは本当だね。」 本当に、死ぬところだった。 青年が現世に意識をとどめた理由はただ一つ。 『まだ理解されていないから』ただそれだけ。 「まぁ、最悪ではないくらい。次の合議には出られるといいけれど。」 「………うーん。」 「あの子と同じことをしてあげられなかったんだ。背中を刺してあげたかったんだけど、できなかった。」 「から、あの子がどんな気分だったのか、理解できなかったよ、残念。」 「あぁ、でも。」 「…死にたくない人って、死を間際にするとき、心を剥き出しにしてくれるんだなって、思ったな。」 その命の最後の時の彼女の様子を思いだしながら、呟いた。 (-218) arenda 2022/03/03(Thu) 13:43:04 |
エノは、起きて目に入った人と話したり、その後お見舞いに来てくれた人と話したり。一人は掃除後に来てくれるらしい (a27) arenda 2022/03/03(Thu) 16:52:46 |
【秘】 美術 エノ → 普通 ナツメ「ついでに拭いてくれればいいのに。」 なんて、デリカシーもないようなことを言って。 レンジで40秒……と何度か呟く。 未だ血の回らない頭でも、それくらいは覚えられそうだ。 「まぁ、フカワ君は普通、ではないよね。」 「でも、素直だよ。凄い素直。」 「可愛いところもある。」 だからまぁ、わざとではないんだろうな、と思う。 自分とて、決して普通に沿ったような思考をしてるとは思わないし、 きっと、同族のように思っているのだ、彼の事を。 「………?」 君の淀む言葉に一度、首を傾げて (-241) arenda 2022/03/03(Thu) 17:01:43 |
【秘】 美術 エノ → 普通 ナツメ風がぴゅぅ、と窓から流れる音が聞こえる。 沈黙の間、揺れ動く髪を眺めていた。そして。 「…あぁ、そうだね、お願いしよう。」 「合議、好きなんだよ。話し合いの場が好きなのかな。」 「人の事を知れるから。」 とはいえ今回は、さほど話し合いもされてないらしく。 ちょっぴり残念だ、この場に居ればもっと話し合えたのかな、なんて。 きっとログを見せてもらったときに思うはずで。 本人とは裏腹に、熱さを感じる茜色の眼が君を見る。 ベッドは窓際から少しばかり離れていて、 外から差し込む日は顔に当たらず、だから眩しさに目を細めることもなく。 「………はっ」 君の言葉を聞いて、笑った。 面白いな。 理解したいな。 「それは脅し文句だね。俺が恩を踏み倒す人間だと何の意味もないけれど。」 「…いいよ、でも理由は教えてほしい。」 「君の事、何でも知りたいんだ。」 君の心はどんな形なんだろう。 (-243) arenda 2022/03/03(Thu) 17:08:24 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「…………そう。」 「やっぱり、ただ真似るだけじゃ理解ができないのかな。」 分からなかった、華奢とはいえ体格差を無視してでも男に切りかかる思考が。 人を殺そうという時に、靴の汚れを気にすることが。 殺しに来たのに、傷つけられて信じられないという言葉を吐くことが。 アイドルなのに、なぜ傷つけるんだと言われたことが。 ────普通が嫌だとその最後に言っていた、彼女のことが。 何一つも理解できないのは、完璧にやり方を真似られなかったから、じゃなくて。 そもそもが、違う人間だからなのだろうか。 じゃあどうやったら、俺のことは理解されるんだろう。 悩みと言う悩みもなく、不幸もなく、恵まれ、きっと愛され、持て囃され、 だというのに何一つ満たされないこの珪藻土のような心を。 きっと、本当は。 理解されるほどの中身もないこの軽すぎる心を。 「……へぇ?」 意外だね、と紡いだ。 別に、君がそんなこと考える悪い子だと思わなかった、とかじゃなく。 ただ、人にそこまでの感情を抱く人だったのだ、と。 理解してない君が顔を出して、目を丸くして (-248) arenda 2022/03/03(Thu) 17:47:06 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワそうして、君の言葉を聞いた。 それはある種の、別れを告げられるかのような。 なんだか、不思議な感覚だった。 ただ、怪我をしてないはずの胸が、少し痛んだ。 「……生きた先に、なにがあるの。」 「上辺だけの親密さを寄せられて、お金持ちは良いねって言われて」 「それに反論できるような不自由もしてなくて。」 「ただ自分が人と違って恵まれたという事だけが露呈して」 「近づけば気を遣われて、離れれば安堵の息を漏らすような。」 「同じ部屋に居る事すら息苦しいような存在として」 「何の目標もなく生きて行くことが。」 そんなに、大事なことなの? わからない、君の言っていることが。 「……わからないよ。」 「分からないままでいいって、思えない。」 「俺は、君のことが何でも知りたい。言葉が無くても考えてることが伝わるような、そんな関係で」 「無言でも一緒に生活できるみたいな、そんな風な仲に」 「俺の苦しみを、わかるよ、辛かったねって言ってくれて」 「安堵の息をついて、そばに居続けてくれるような」 「そんな人が、欲しかった。」 言葉がまとまらない、支離滅裂だ。 きっと、今自分は、ショックを受けている。 宝物を取り上げられたような、そんな感覚だった。 (-249) arenda 2022/03/03(Thu) 18:00:06 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「………わかんないよ。」 普段表情のなだらかな青年は。 今、眉を歪めて、苦々しそうな顔をして。 君の言葉を理解したい気持ちと……… 初めて芽生えた、 理解したくない気持ち を心の中に宿して。「なんでそんなこと言うの……?」 「未来に何か展望なんてあるわけじゃない。」 「人は、生きていたらずっと変わっていくもので」 「たとえ一緒に生きて帰っても、きっと数か月後には」 「お互いに興味も持てなくなるかもしれなくて」 「だったら今、今、お互いに興味を持てるうちに」 「理解して、分かり合って、大切になって」 「その頂点で死んで、その先を消すことで」 「それが幸せなんだって」 「もう落ちることのない、永遠に幸せなままで終われるんだって」 「俺は、そう思ってて」 言葉が溢れる。息継ぎも忘れてしまうほどに。 視界がくらくらする。 ▼ (-265) arenda 2022/03/03(Thu) 20:41:55 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「……理解できないよ。」 「君の事、ちょっとは理解したつもりだったのに。」 「離れてく。」 「………寂しいよ………」 ぽたり、と枕が濡れた。 目から零れるそれに、自分は気づかない。 そんなもの流した事、もうずっとなかったのに。 何で流れているかもわからなかった。 「……なんで、そんなこと言うの………」 「理解できないならもう、放っておいてよ。」 「上辺だけで仲良くして、離れて安堵して」 「そんなただの、"普通の人"になってよ。」 「わかんないよ。」 「わかんない。」 「なんで。」 「なんで理解できないのに、一緒に居ようとするの?」 誰にも言われたことがない。 親にも、兄弟にも。 そんな風に、なにも理解もされぬまま、ただ。 ただ、未来に生きてほしいだなんて。 君の考えてる事、なにも理解できないよ。 ちゃんと教えてよ、ねぇ。 そうじゃないと。 寂しくて、死んじゃいそうだよ。 (-266) arenda 2022/03/03(Thu) 20:48:06 |
【秘】 美術 エノ → 普通 ナツメログを共に見る。 話し合いにも満たない、まばらに言葉を交わすだけのそれを眺める。 これといった情報もなくそれは終わりに向かい。 そこで、君が指をさした映像を見る。 「なるほど、ハナサキさんを助けたいんだ。」 「お友達だから助けたい、でも立候補は無理だから。」 「俺の票で、他の人を陥れたい。」 「そう言う事だね。」 うーん、と悩む素振り。 君の顔を見て。 別に、それそのものが嫌なわけじゃないけど。 「君、自分が何をしようとしているか、分かっていっているんだよね?」 「今日を夢に見ないために」 「急に思いだして、苦しくならないために」 「おやつを美味しく食べるために」 「後輩と、楽しくデートするために」 そのために。 ▼ (-267) arenda 2022/03/03(Thu) 20:53:34 |
【秘】 美術 エノ → 普通 ナツメ「自分の手で、人を一人代わりに殺そうとしてるんだよね?」 確認する。 君がなにをしようとしているのか。 その自覚があるのか。 身を捨てるほどでもない、特段仲良くもない友人のために。 より仲の良くない人を一人、殺そうとしている。 その罪を背負ってまで、やる事なのか。 やりたい事なのか。 人の票を使って、その票で人を変わり身にして。 今日を夢に見ないのか。 急に思いだして、苦しくならないのか。 おやつがおいしく食べられるのか。 後輩と、楽しくデートができるのか。 気になるよ、俺。 「別に、あげてもいいんだけどさ。」 「だれに投票するかだけは、聞いておきたいかも。」 「俺にも仲のいい子はいるからさ。」 「その子に投票されたらちょっと嫌だなって思うし。」 「逆に」 「その子に、投票先をお願いする事だってできるかもしれないから。」 「教えてほしいな。誰なら死んでもいいと思ってるのかを。」 (-270) arenda 2022/03/03(Thu) 20:58:27 |
エノは、問いかけた。 (a30) arenda 2022/03/03(Thu) 20:58:34 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ抱きしめられる。 体が少し痛んだけれど、でも。 それ以上に、心が痛くて。 君の涙なんて、自分の視界が滲んでるせいで全然見えなくて。 なんでそうされるのか、わからなくて。 「俺は。」 「………おれ、は……」 鼻に詰まったような声が出る。 生きてほしい、なんて願われたって。 未来を信じて、なんて祈られたって。 わかんないよ。わかんない。 幼子のように、そればかりを繰り返してしまう。 涙が溢れてやまない。 なんでこんなに悲しいのかもわからない。 君が、俺を理解してくれなかったから? 俺が、君を理解できなかったから? 捨てて諦めた未来を見ろと、言われているから? 辛い現実を生きろと、諭されてるから? 「お……れ、は…………。」 君にしてほしい事なんて。 そんなの、そんなの。 ……一つしか、思い浮かばなくて。 ▼ (-305) arenda 2022/03/04(Fri) 0:42:49 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「……生きてよ………君も………」 俺がどうとか、俺にどうしてほしいか、とかじゃなくて。 ただ、ただ。俺も、君に生きてほしいって、おもって。 例え君が変わってしまっても。 君が進んだ未来の先で、まったく理解の出来ない人になっても。 もう俺のことなんて忘れ去ってしまっても。 それでも。それでも俺は。 最初に声をかけてくれたことが。 部屋で話し合って、理解しようとしてくれたことが。 連絡が遅れて、謝ってくれたことが。 焼肉屋で、甲斐甲斐しくお世話してくれたことが。 帰りに、背負って帰ってくれたことが。 全部、全部俺にとっては、嬉しかったことで。 きっと君を好きになれるだけの、十分な思い出で。 だから。 「………生きて………生きてよ……」 「一緒じゃなくてもいい、嫌いになってもいい。」 「……それでもいいから……………」 「君も………生きて……………」 初めてなんだよ。 自分のことなんてどうでもいいって思ったの。 理解できないな。 (-309) arenda 2022/03/04(Fri) 0:54:08 |
【秘】 美術 エノ → 普通 ナツメ君の言葉を聞いた。 折られていく指、その一つ一つを見て。 奇麗な手だな、なんて場違いなことを考えて。 最後に二本、指が残って。 それが一本になって、唯一人を指し示した時。 あぁ、と、小さく声を漏らした。 「話さなきゃよかったのに。」 「こんなところで時間を潰さないで。」 「ただ、動けもしない俺にナイフでも突きつけて、脅せばよかったのに。」 そうしたら、そんな顔をせずに済んだだろうに。 そのキレイな指が、自分へ向くことも無かったろうに。 なんて不器用で、弱くて、強い人なんだろう、と思った。 「……別にいいんだよ、俺に入れても。」 「君はまだ、俺のこと殆ど知らないよね。」 「まだ間に合うよ。」 なんて言葉も、意味がないのかな。 聞かなきゃよかった、と思った。 俺の事、人が死んでもなんとも思わない、 感情の希薄な、自分のことだけ考えてる男に、見えてるでしょう? 話した人が死んで悲しいの、俺だって同じだよ。 ▼ (-310) arenda 2022/03/04(Fri) 1:03:52 |
【秘】 美術 エノ → 普通 ナツメ君を眺めて。 茜を見せて。 見せて。 見せて。 ……そうして、日が落ちるように、瞼を落として。 深い息を一つ、吐いた。 「端末を貸して。」 手を伸ばす。 貸してもらえたなら、まだうまく動かない手で操作して。 「君のそれが全部演技だったらどうしようかなって考えてる。」 「その時は、せめてフカワ君にだけは入れてほしくないなって思ってる。」 そんな、言ってもどうしようもない事を呟いて。 ぽん、ぽんとタップする。 「……正直、命の恩人とかどうでもいいんだ。」 「勝手に助けたくせに、恩を着せるなって思っちゃったな。」 「俺、良い人じゃないんだよね。知らなかったでしょ。」 はい、と端末を返した。 「でも、オレンジジュースは美味しかった。」 SYSTEM:投票権の委任 エノ→ナツメ SUCCESS:承認。 (-313) arenda 2022/03/04(Fri) 1:13:17 |
【秘】 美術 エノ → 清掃員 カミクズ「起きてるよ。」 短めの返事。 青年は体を起こして、ぼんやりとしていたようで。 君がそろり、と扉を開けるのを見ている。 「皆結構遠慮なく入ってきてたよ。」 「君もそうしていいのに。」 「待ってたよ。」 近くにおいで、と。 ベッドの横の椅子に目を向けて。 (-314) arenda 2022/03/04(Fri) 1:19:41 |
【秘】 美術 エノ → 清掃員 カミクズ「まぁ、昼寝位しようかと思ってたけど。」 合議まで時間があるしね、と 少し軋んだ椅子の音を聞きながら、君を見て。 「………?」 「別に、用事があるとか、なんか責めたいとかじゃなくて。」 「ただ、顔が見たかったってだけだけど。」 君と彼女の間で何があったのか、青年は知らない。 知ってたとしても恐らく、何かを責め立てたりしない。 ただ純粋に、君が来てくれると言ってくれたので、それが嬉しくて。 君が来るのを待ってただけだ。 「ごめんね、掃除してもらったでしょ。」 「結構血が出ちゃって。あそこら辺の薬はもう使えないだろうな。」 (-321) arenda 2022/03/04(Fri) 3:10:30 |
【秘】 美術 エノ → 清掃員 カミクズただの寂しがりな人、と言う認識は、間違ってはいない。 きっと青年は、唯寂しいだけだ。 理解だのなんだの、本当はそんな、難しい話じゃなくて。 ただ、傍に誰か、自然体に接してくれる人が欲しいだけ。 本当はただ、それだけ。 「そう、それならよかった。」 「………うーん……。」 齎される質問に、少し考えて。 たしかに、それなりの人数が来た。 と言うより、ほぼ、全員か。 軽く話しただけの人もいるけれど。 きっと誰かといる間は、寂しくはなかった。 「……まぁ、理解は誰にもされてないけど。」 「寂しさ、はなかったかも。」 人がいなくなるとまた寂しくなったけどね、と。 ふんわりとした答えを返す。 もし誰かに心から理解されていたら。 独りでいても寂しくはないのだろうか。 (-341) arenda 2022/03/04(Fri) 11:34:18 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「やだ」 君が語る未来の一つ一つに。 「…やだ」 駄々をこねるように首を振って。 ぽろぽろと零れた涙が、君の肩を汚してしまって。 「……やだ………」 なんで叶えてくれないの。 俺、ニジヤ製薬の息子なんだよ。 お金もあるし、地位だってある。ほしいもの、言えば、 何でも買って貰ったりしてたんだよ。 「……やだよ……………」 なんで俺のお願いを聞いてくれないの。 なんで。 なんで……君の語る未来に、君がいないの。 「……君が生きてなきゃ、嫌なの………っ」 おかしいじゃん、俺、人だって殺したんだよ。この世界で。 その俺が未来を願われて。 君の未来がどこにもないなんてそんなの。 意味が分からないじゃん。 「……君が、生きてくれないなら………俺は………」 「…俺は………笑って、未来に行けないよ………」 君のせいなんだよ。 君のせいで俺………こんなに泣いてるんだよ? ねぇ……… お願いだよ……… (-346) arenda 2022/03/04(Fri) 11:42:30 |
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