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お疲れ様です。しまむらです。こちらこそお声いただきありがとうございます！
ひとまずこちらの経歴と、すり合わせ必要そうな内容を添えて返信いたします。

・ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリアは一般家庭で産まれました。
家ぐるみで酒造を営んでいましたが、ヴィンセンツィオが15歳の頃から経営が悪化。
外圧による急速なものであるとの噂があり、酒蔵はやがて破産し業界から消えていきました。
評価の高かったワイナリーが消えることを惜しむ声も少なくなく、
アレさんの上司だったり目上の方がワインがお好きであれば話を聞いたこともあるかもしれません。

・17歳から少なくとも5年程度の間は貧困から家族を失い働き口を求め、スラムで売春をしていました。
アレさんと会ったことがあるとするならば、その頃のことかもしれません。
かなり自暴自棄になっており、金払いさえ担保されれば誰でも相手をしていました。

・真っ当に陽の下に戻りはじめたのは22歳の頃でしたが、荒れた性格はなかなか戻りませんでした。
子供や弱者に対しては親しみやすい一面を見せてもいましたが、
犯罪結社の一員や島外からの参入組織の人間には、懲罰ものになるほど荒々しく接してもいました。
おそらくはアレさんに対しても同等であり、私闘になりかかることもあったかもしれません。
今のような性格や素振りになったのは28歳の頃（17年前）です。

・警察官になった頃から養育院に顔を出しているようです。
この養育院は、元々はノッテファミリーが監督していたもの候補者養成所を兼ねており、
今でも一人は監督者が出入りしているようです。尤も、それを知る人間は限られています。
当初は知らずの内に顔を出していたようですが、8年前から密に訪問し介入するようになりました。
養育院がノッテと繋がっていることについては、アレさんが知っても知っていなくても構いません。

・2年前から何かの密売に手を出しているようですが、アレさんには秘密にしています。
これについては知っても知っていなくとも構いません。
ノッテ、或いはアレさんの持つルートとは別のルートを確保しているようです。
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/*ここからはすり合わせの部分になります。

>何かを押し付けてくる
わーい。押し付けられます。
荒れていた頃であれば文句を言いながら、以降であれば渋々受け取るでしょう。
ここ2年程は、漠然とうっすら距離をおいてやんわり断ることもあるかもしれません。

1)初めて会った、またお互いを認識し始めたのはいつ頃になるでしょうか？
ヴィトーの方からしてみると、荒っぽい年下の少年の様子は多少目についたかもしれません。
初対面の印象は芳しくなかったかも知れませんが、記憶には早い内から残ったことでしょう。

2)スラムの風景の一つであった頃はどこか捨て鉢で厭世的に、
荒れていた頃は不良警官とソルジャーらしい一触即発の態度ながら見下したふうに、
『いい警官』になってからは殊更大人の対応をすることが多くなりました。
それに対して、アレさんの対応はどのようなものだったでしょうか？

ほかにも気になる点などありましたらお申し付けください。

時間としては夜のうちのいずれか。
貴方が帰ってきた頃か、そうでないなら明日の仕事のために店舗から出てきた頃だろう。
ひょっとしたら日が暮れてしまったならもうテナントへは戻らないのかもしれないが、
それだったら連絡の一つでも寄越すわけでもないまま、夜更けまで待って帰るだけ。

もし貴方がその様子を見かけたなら。
店先で誰ぞ待ち合わせでもしているみたいに、サイズの小さい銘柄の葉巻を吹かす姿があった。
高い夏の空が段々と低くなって遠くの星が霞んであるのを眺めながら、
べつだん居ると報せを飛ばしもしないのに、勝手に人を待っている。
繁華街だったならば目立つ姿も、こっちまで来たなら然程ではないだろう。

どれくらい待っていたかは定かではない。
咥えた葉巻は大振りのものではなく、ショートタイムスモーキングにも向いているタイプだ。
どうあれ、見つけられたならば偶然だと言うみたいな億劫な視線を投げかけて、
葉巻を支えた指をひらりと小さく揺らすのだ。

#Mazzetto

「俺が来るって言ったら、呼び出しになっちまうだろう」

息だけで笑うような声はかつてよりも真意の捉えがたいものとなった。
張り込みにしては目立ちすぎるし、相手から姿も見えすぎる。
流れていく煙からサングラスの奥へと視線を移して、
当たり前に数歩後からついていくように革靴は並ぶ。

「けれども案外呼び出しをするのだって、これが最後かもしれないな。
　最近あちこち、お偉方は内緒話に勤しんでいるらしい」

この国では珍しい貴方の背丈を、もうひとつ超える長駆が付き添う。
とても立場を思えば褒められた行動ではないようなことをする男の横顔は、
どことなく張り艶を失って疲労がこびりついたような面持ちをしていた。

#Mazzetto

「ちゃんと距離感ぐらい弁えているさ。街もこの様子だったら殊更だ。
　いち役職持ちが立場も忘れて遊び歩いていいわけがない、だろう？」

さも、自分はわかっていると言いたげに戯けた調子が声に乗る。
葉巻のトーストの香りが染み付いた指先が誰の前でもそうであると知る人間は少ない。
振り払われればいつでも退散出来るような距離を置いて、
互いの指が硬質な金属のグリップを握れば音でわかるくらいの距離を詰めて。

「一杯いただいていこうか。
　ちょうど手土産を持て余していたもんでね」

対して、男はいつでも自然体なふうであるように振る舞う。
次ぐ言葉がわかりきっているみたいな顔をして言葉を置く様子を、
ひっくり返すギャンビットを持つ者がどれだけいるのだろう。
見た目には少し気軽なふうの紙袋の中には、ビニエがひとつふたつ包まれている。
バニラクリームの匂いは、冷めた今はそれほど香り高いわけではない。

#Mazzetto