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【墓】 仕立て屋 エリー「今日は三人か」 掲示を見て、くるりと踵を返す。 普段と比べて、いくらか胸元が膨らんでいるが…… 肩口から見える包帯からして、傷口を布で覆っているから膨らんでいるのが容易に想像できるだろう。 そうして歩いていると、ふと見知った人影をいくつか見つけた。 「あれはプリシラと……カリナか」 空を見上げて、ベンチに視線を降ろして。 普段の明るさはどこへいったのか。無気力そうにぽつりとこぼした。 (+3) akoris 2024/02/08(Thu) 21:57:59 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「ちょっとしたコツがあるんだよ。 多少の訓練もしたけどね」 そう、身バレを起こさないように声を変えるのは必須技能だった。 スキルというほどでもない、ただの特技程度。 それでも、今まで役に立ってくれた特技のひとつだ。 「へぇ、いい言葉だね。 それじゃあ次に会う時のアンジュを楽しみにしておこうかな。 あぁ、そういうお礼はいいよ。僕がアンジュに付き合わせてもらったんだしさ。楽しい時間をありがとう。 それで、このお店の陳列とかは勉強になった?」 (-11) akoris 2024/02/08(Thu) 22:05:03 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「ワントーン高くしたりする程度でいいんだよ。 相手に聞き取りやすい声で話すのが大事だから」 電話応対みたいな……と言おうとして踏みとどまった。 電話で伝わるかはわからないし…… 何より、自分はそのために身に着けたものではないから。 「楽しんでもらえてよかった。育ったアンジュが楽しみだよ。 その時も姿を見せてくれる? 提携相手としてさ。 うんうん、すごくよく見えてるね。 これは店舗だからっていうのもあるけど、アンジュが言ったようなことは露店でも真似できると思う。 だからどんどん真似して繁盛してほしいな。 その時は店舗のお金も融資するからさ。融資だからいずれは返してもらうことになるだろうけど」 (-25) akoris 2024/02/08(Thu) 23:59:12 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「うん、多分そういうのと同じだと思う。 風魔法使わないから詳しくはわからないけどね」 軽く屈んで、あなたの前に小指を差し出した。 指切りの義は、この国でも通用するだろうか。 「約束。僕にもしものことがあっても、ちゃんと契約書は残しておくし。絶対に大成してくれるって見越してるからさ。 じゃ、とりあえず今日はお開きかな? 家まで送っていくよ。 露店までの方が都合いい?」 (-32) akoris 2024/02/09(Fri) 0:43:40 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「なんたって一国一城の主だからね」 ただ、店舗を持っているだけだけれど。 肌の色、年齢、性別。そんなの全て些細なことだ。 自分はそれらで苦労したけれど、だからと言って他者にそれを強いるつもりはない。 寧ろ、能力があるのなら積極的に取り立てたいと思っている。 今、指を絡めているあなたのように。 ……業務提携は、登用とは別物だけれど。 そうして指切りの儀を終えればあなたにエスコートをお願いされた。 それならば、それに相応しい返しをしなければ。 「じゃあ露店……ううん、店舗の方までエスコート承るよ。 それじゃレディ、お手と荷物を。 責任をもってエスコートさせていただきます」 恭しく傅いて、あなたの前に手を差し出す。 ……少し気障すぎるだろうか? (-37) akoris 2024/02/09(Fri) 2:10:12 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 宝石集め カリナ「そう思ってくれて構わないよ? 同じ痣持ち同士、仲良くしたいしさ」 痣を光らせるような相手がいるとは聞く。 実際、研究の副産物で光らせることができる毒はできてしまった。 ……まぁ、それは痣を光らせる不届き者以外に使う気はないけれど。 それよりも、結果である他人の痣を非活性化できる毒の方が重要だ。痣の魔力にアテられる前に、誰かに使ってあげたいものだ。 「えー……いいけど引かないでよ? 依頼者とかブッキング以外ではカリナにしか言ってないから」 周りの様子を見てからあなたの手に触れて、レアスキルの『認識阻害』を発動する。 自分から発せられる物事の解像度が一段階落ちるというスキルだ。 発動時に触れあっている相手も対象となる。 これで盗み聞きされる心配はない。 「今使ったスキルで多少察したかもしれないけど、暗殺とかしてなんとか生計立ててたんだよ。 十つくらいの子供が一人で生きていくためだったから…… ……やっぱり引いた?」 (-39) akoris 2024/02/09(Fri) 17:37:08 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 宝石集め カリナ「……だって、モンスターじゃなくて人を殺めたなんて。 穢れた手で服を作ってるなんて、引かれても仕方ないかなって」 叱られるのを恐れる子供のように俯いていたけれど、あなたの言葉で視線を戻す。 「必要だった技術……ていうかカリナ、盗賊ギルドだったんだ。 何? 人の心盗むのが得意みたいな?」 元気づけてくれたあなたに、軽いお返しとばかりに冗談を。 共感だけでなく、理詰めで無理矢理納得させられるのはなんだか心地いい気もした。 「それは困るな。 カリナ暗殺依頼が来たらまず保留にしてカリナと相談しないと」 ま、今は依頼を蹴る程度の蓄えは余裕であるのだけど。 穢れた手で今更ゴミ掃除をするくらいならと足を洗えていないのも事実だ。 そしてカリナは宝石であってもゴミではない。 そんな依頼がきても、受けるつもりは毛頭ないのだ。 (-66) akoris 2024/02/11(Sun) 15:52:29 |
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