【人】 黒崎柚樹[数ヶ月前の冬の夜、武藤に言われたことがある。 "目の届かないとこにいる時はいつも心配にはなる"って。 それはあの美術館の一件での、後遺症のようなもの。 その言葉は偽りではなく、どころか私が思っていた以上の程度だったようで、共に夜を過ごして迎えた朝、目覚めた時に私の姿が見えないとなれば、武藤は血相変えて私を探そうとした。 同じ室内、数メートル離れた距離に居たとしても不安気に視線が揺れ、離れた部屋に居るとなると、建物内駆けずり回る勢いで私を探しに来る。 "一人でどこにもいかないで"、と。 強く抱き締めてくる、微かに震える腕に、ごめんね、と謝って。 "武藤の傍にいるよ。ずっと" 宥めるように告げれば、漸く、ほっとした笑顔を見せてくれるんだ。] (2) Valkyrie 2023/03/04(Sat) 22:04:54 |
【人】 黒崎柚樹………………。 [ここ、どこだっけ……と、丸太が組まれた風な、見慣れない天井を見上げ、何度か瞬く。 明け方は冷え込むのが常なのに、ぽかぽかと温かいことに違和感を覚えたら、武藤の腕が私の背に回っていた。 あれ?と考え……、] …………っ!?!?!? [驚きにがばりと身を起こした。 だって、この武藤は、"同級生の武藤"で、"恋人の武藤"じゃない。 私は昨夜、これ以上なく取り乱してしまい、武藤にしがみついて泣きじゃくったまま眠りこけてしまったようだった。] (3) Valkyrie 2023/03/04(Sat) 22:05:26 |
【神】 緑山 宗太朗「 ……朝? 」ベッドの中。もぞもぞと身じろき。 目を擦って、電気がついてなくても明るいのを確認する。 時計を見れば……6時ぐらいか。今日は自分の方が早めに目が覚めた様子。 隣で横たわっている人に、おはようと声をかけるか迷って…… "起こすにしても朝飯作ってからでいっか。" と、結論が出た。そうと決まれば動かねば。 (ごめんなぁ)と心の中で謝りながら腕をどかして、布団から出て来たら、もぬけの殻の腕の中に自分が使ってた枕を抱かせておいた。 湯たんぽから抱き枕へのクラスチェンジ。 これでよしとした男は、さっさと作るかと数歩歩き。 気づいたように小さく、後ろに声をかけた。 「 もうちょっと寝てていいからな〜 」これでさらによしとした男は、手を緩く降って仕切りを超えて台所の方へ消えていった。 (G0) zazakiti 2023/03/04(Sat) 22:05:41 |
【人】 黒崎柚樹 …………ごめん、武藤……。 [疲れた風な顔をして眠っている武藤の頬に、手を伸ばす。 起こさなくて大丈夫だよね? 今の武藤は、私を探すことはしないよね?と、寝息を確かめるように指を輪郭に辿らせた後、私はそうっと起き上がった。 窓外はまだ薄暗く、でも朝の気配が感じられつつあるくらいの時間帯。 泣きながら眠ってしまったせいで腫れぼったい瞼に眉をひそめ、静かに顔を洗いに行って。その足でそっと着替えを手にして寝室を滑り出た。 半袖Tシャツに陸上部のロゴ入りジャージの上下。 頭ぐちゃぐちゃな時、悲しいことがあった時、叫びたいことがあった時、そんな時は、走るに限るんだ。私はいつもそうしてた。 ジャージのポケットにコテージの鍵を入れ、早朝特有のひんやりした空気の中を走り出す。 昨夜歩いたおかげで、道は頭に入っている。湖畔に行って戻ってくるのを3往復くらいすれば、いくらか気も晴れるだろう、と。 誰かから名を呼ばれた気がして立ち止まったのは、どのあたりだったんだろう。] (4) Valkyrie 2023/03/04(Sat) 22:06:06 |
【妖】 黒崎柚樹だから、代わってあげるって、言ったのに。 …………ぇ……、 [それは聞き覚えがある、聞き覚えしかない、自分の声。 でもそれは、己が知るそれよりもいくらか高く、舌っ足らずのような甘えた響きがあって。 振り返れば、自分によく似た、自分が立っていた。 けれどその姿は、間違い探しのように、あちこち、どこか、違っていて。] あの武藤に愛されたくはないんでしょう? 私が代わりを務めてあげる。 ちゃんと、女の子として愛してもらってあげるから。 うるさい……っ。 [唸るように奥歯から声を出し睨めつける私へ、その女は紅く艶めく、私には持ち得ない蠱惑的な唇をにい、と持ち上げた。] ($0) Valkyrie 2023/03/04(Sat) 22:06:35 |
【妖】 黒崎柚樹[この、もう1人の自分が現れたのは、あの美術館の絵画の中。 あの時は、"あの人の隣に居て、恥ずかしくない私に代わってあげようか"と、この女が現れて。 けれどあの時は、絵画の中から実体を伴って出てくることまでは無かった。 私と同じジャージ姿だけれど、でも、あきらか違う、身体の線。 薄く華奢な肩。 控えめに、けれど明らかに隆起している胸の膨らみ。 二の腕も太腿も。女らしいたおやかな曲線が隠れているのが見てとれて。 背が同じでも、体型が異なればこうも変わるのかというくらい、目の前の自分は正しく"女"だった。 今の己より数段艶やかで軽やかな黒髪が、傾げた頬にさらりとかかる。] 貴女の気持ちを楽にしてあげる。 "私"が愛されれば、解決。でしょう? ($1) Valkyrie 2023/03/04(Sat) 22:07:11 |
【人】 黒崎柚樹……ッ、そんなの、要らない! 私の武藤におかしなこと、しないで……! [叫んで眼前の"敵"に掴みかかろうとした刹那、その姿は最初から無かったもののようにかき消えていた。 あれの言うことが本当なら、私は急いでコテージに戻るべきではあったのだけど。 ────でも、だからと言って、どうすれば? 心も足も、鋼の板でも貼り付けたように重たく感じる。 だって私は、目覚めた武藤にどんな顔をして会えば良いのか、解らないままこうして走っていたのだから。 結局私は、自分たちの滞在コテージに至る曲がり角を曲がらないまま直進し、水音に誘われるままに川辺へ辿り着いていたのだった。*] (5) Valkyrie 2023/03/04(Sat) 22:07:40 |
【神】 緑山 宗太朗簡単なのでいっかとパンの袋を開けて、冷蔵庫からベーコンと菜の花とスライスチーズを取り出して。 パンの上に適量を載せたら、またパンで挟んで、ホットサンドメーカーに入れて蓋を閉める。 あとはガスコンロで火にかけて、両面焼ければ出来上がり。 そのまま出すと見栄えがイマイチなので、具がでろっと出ないように斜め切り。 こうやって綺麗に切れるようになったのも、パン屋で働き始めて少し経ってからだっただろうか?生前は料理をする機会もほぼ無かったものだから。 「 あっつ……あちっ! 」と四角形のあつあつと小声で格闘しつつ……。湯が沸いたら粉を入れて……。 出来次第、机の上にセッティング。 何かしらの絵が描かれているかもしれない、紙コップの花瓶の中にホトケノザがぽちっと1輪咲いている。 探すとアメニティのひとつらしい、ランチマットがあったのでこれも机に敷いておく。……へー、リナリアflower柄なんだな……。 (G1) zazakiti 2023/03/04(Sat) 22:08:53 |
黒崎柚樹は、メモを貼った。 (a1) Valkyrie 2023/03/04(Sat) 22:10:46 |
【神】 緑山 宗太朗皿の上には季節の菜っ葉とベーコンのホットサンド(チーズ入り)に、紙コップに入ってるのはインスタントのたまねぎスープ。 家から持ってきたコーヒーの抽出待ちの間に、眠り姫を起こしてしまおうとベッドへ再度近づいた。 「美海〜!おはよ!」 朝だよと屈んで声を掛けて、朝食を作ったと報告すれば。 「旦那様におはようのちゅーは〜?」 ベッドのふちに手をかけて座って、朝っぱらから、この始末。 昨日は1回でお預けとした親愛の印を、昨日貴女が欲しがった所と同じ所に欲しがっている。 応えてくれるかどうかはそちら次第。断っても、ちょっとの間ぶぅぶぅとなくだけだ。 貰えたにせよ貰えなかったにせよ、コーヒー片手に朝食は始まって。食事の最中には、 「 今日はバーベキューするぜ! 」と、男の方から宣言が入ったとか。 「昨日の夜、肉漬けちゃったし……な! なっ!? 」と、朝から押しが強い男。 (G2) zazakiti 2023/03/04(Sat) 22:11:36 |
緑山 宗太朗は、メモを貼った。 (a2) zazakiti 2023/03/04(Sat) 22:15:14 |
【赤】 一匹狼 “楓”[彼女の復唱を聞いて、楓は黙り込んだ。 誰の命も奪わずに暮らせたなら、当然、それが最上だろう。 けれど誰の命も奪わないことを望んだがために、身近な人たちを殺す可能性こそ楓が最も恐れる出来事。 共に生きたい仲間と友達にとっての最大の“敵”、それは自分自身。 何故って、彼らは──] (*0) Siro_neri 2023/03/04(Sat) 22:18:39 |
【秘】 一匹狼 “楓” → 片連理 “椿”(“美味そう”なんだ、あいつらは。 どうしようもないぐらいに。 飢えたら絶対、抑えられない。 だからオレは……飢えるわけにはいかねェんだ) (-3) Siro_neri 2023/03/04(Sat) 22:19:03 |
【赤】 一匹狼 “楓”[──だからその“敵”を御するために、彼は人間の命を理性をもって奪う道を選んで、ここまで生きてきた。 その過程で自分がもう人間ではありえないと、何度も思い知りながら] ……椿は、どうなんだ。 いつから“そう”なんだ……、 どうやって、今まで……。 [彼女は自分がヒトではないと認めているようには思える。 その上で、それを悲しんでいるようにも。 彼女は生を楽しんでいるわけではあるまい。 そう思うからこそ、改めて尋ねてみたかったのだが……問う言葉は曖昧に途切れた。 赤が全体に混じったヨーグルトを口に運ぶ。 味を感じることはできなかった。]** (*1) Siro_neri 2023/03/04(Sat) 22:19:36 |
【雲】 月島 雅空[いつものように幻想的な空間だった。 恋人になる前は口にはしなかった。恋人になった後はよく口にした。 幻想的で綺麗だ。と、恋人としての時間に囁いてもいた。 だがそれが命懸けによる儚さ故だとしたら―― 手を振っていってくる。といった幼い仕草とは真逆に広がる光の粒子が、優しく暗い夜を照らす。 紡がれる祈りの言葉を聞きながら、不意に、とても、嫌な予感がした。] (D0) S.K 2023/03/04(Sat) 22:23:58 |
【雲】 月島 雅空[バシャリと音をたてた。 気づいたときに自分が湖に足を踏み入れたときの水飛沫の音だ。 最後の瞬間、彼女が見たものは、俺が見たものは―――] ・・・・・・・・・・・・ [腰までの半身が浸かったところで止まる。 水に彼女の力を伝えていって、風が彼女を見失った。] (D1) S.K 2023/03/04(Sat) 22:24:24 |
【雲】 月島 雅空 ・・・・・・なぁ・・・・・・ [息が苦しい。喉が渇き張り裂けそうに胸が痛い。 風がいつもより重く感じて、動くことさえ叶わないで、先程まで巫女が――ペルラがたっていたところを見つめる。 冷え切った体が幾時その姿勢のままでいたのかわからない。ただ、もう少しだったのに――もう少しだったのに―――] (D2) S.K 2023/03/04(Sat) 22:24:52 |
【雲】 月島 雅空 ・・・がんばったな・・・・・・ペルラ。 [消えてしまった。役目のためにいきて、役目のために消えた。 否応もなく自覚した。 悲しみはあった。怒りもあっただろう。だが覚悟もした。 彼女は、俺は、満足いっただろうか。いいや、いったんだ。 全部が全部叶ったわけじゃなくても、今この時まで懸命に 手の中のイヤリングをぎゅっと握る。 振り返り庵を目指して歩いていく。 満足したのだといおう。思いっきり愛したのだといおう。だが今日だけは――*] (D3) S.K 2023/03/04(Sat) 22:25:48 |
【秘】 大学生 寿 達也 → 大学生 要 薫[彼の探索に行くとしたら明日、という言葉にうなずく。2人で過ごすという何よりの時間に今日くらいは甘えたい。 自然の中で彼を撮影するという夢は明日までのお預けにすれば、もっと期待で待ちきれない気持ちが高まっていくだろう] 何言ってるんっ……ですか。 貴方の方が、よほど……やらしい……。 [美味しそうに自分のモノを舐める要に喉が鳴る。 自分の匂いなんてわからない。 ただ、遺伝子的に相性がいい相手は好ましい体臭を持つというから、自分が彼の香りがこ好ましいと思うのなら、彼も同じように自分を好ましいと思っているのも納得で] (-8) momizituki 2023/03/04(Sat) 22:31:51 |
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