よろず屋 シラサワ(匿名)は、メモを貼った。 souko_majyutu 2021/07/28(Wed) 1:21:33 |
【人】 左方舞 五十鈴「待ってたよ、僕……私も、私のママも……そのママも、ずっと…… ”この日” をさ!」左足を踏み出す。 まるで右方のようにリズムを切って。 「……出てきなよ、 神狼! 僕と楽しく踊ろうよ!!」 (0) tamatamasuka 2021/07/28(Wed) 8:48:26 |
五十鈴は、笑いながら踊っている (a0) tamatamasuka 2021/07/28(Wed) 8:49:04 |
ユヅルは、五十鈴の舞を粛々と眺めている。 (a1) dome 2021/07/28(Wed) 9:29:57 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 呪術師 リェン「はぁ……は……。」 狂い人の男は『神狼の祠』を歩く。 奥へ、奥へ向かって、最早戻れぬだろう地獄への道を。 首に縄をかけるように刻まれた印が、 呼吸を狭めるように、身体を苛んでいく。 ゆらゆらと、それでも一歩ずつ、獣の胎を、奥へ、奥へ。 最早狂い人としてこの場の狂気に抗う術もない。 己は最後の贄、己は最後の食事。 …これで良いんだよ。 様々な失敗を繰り返し、傷を負い、出身を追われ、 それでもこんな身体にまだ使い道があった。 死に場所を見つけたとばかりに、シラサワは征く。 獣の胎の奥から伸びて来るは無数の手。 神狼派であり、この場の爛れにあてられた人間達。 贄を奪われ、二体分の贄を要求し、 出てきたのはこの傷んだ贄の男ただ一人。 神狼はお怒りだ。 最早巫女だけでは鎮まらぬ。 (-0) souko_majyutu 2021/07/28(Wed) 9:40:23 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 呪術師 リェン「ん、ぐ………ッぅ!!!」 数多の手が男の身体を引き倒し、 壁へと勢いよく叩きつけ、地へと伏せさせる。 衝撃で男が元々持っていた傷が開き、 服にじわりと 血 痛みが、呼吸が、意識が朦朧とする。 ずるずると引き摺られていく。 首に手が掛けられる。 喰わぬよりはマシだとばかり、男が贄にされていく。 「ハ、ァ……ガ……ッぁ˝、……ッ」 首を絞める手に無意識に両手をやったとて、 傷付いた獣である男に振りほどける力は無く。 首に縄をかけるように。 さぁ、裏切り者の狂人を吊るし殺そうじゃないか。 澄んだ 海 の瞳の光が、徐々に濁っていく──。 (-1) souko_majyutu 2021/07/28(Wed) 9:44:02 |
【独】 忘れ屋 沙華祭事の最終日、最も艶やかなる日。 選ばれた者達が奉納の舞台へと並ぶそのすこし前。 神涙島中では焼き焦げた 塵 のようなものが宙に踊っていた。舞うは彼岸花の残骸、赤・赫・黒と散り朽ちる焼夷物。 -今日選ばれし贄はたれそや?贄とはなんぞであったか?何へ捧ぐものであったか?- -されど皇は告げていた、そうだ皇は号令を告げられていた。- 『左右の舞手を共に舞台へ持て』 その日の島人達の様子はこぞって奇妙だっただろう、 木の腕輪を巻いた神への刺客達を除いて・・・。 (-2) Sanpatu Tea 2021/07/28(Wed) 10:24:33 |
【独】 忘れ屋 沙華一方、狼たちのみ知る隠れ宿の前。 「へェェ...はァ..へっはっはっはっは.......。」 身をあちこち黒く染めた男が地べたに一人。 落ち延びた忘れ屋は、弱り切り、それでいて勝ち誇った顔で仰向けのまま嗤う。 「一世一代の仕込みだ‥‥ちったあ効いたかよ。」 生ける人格の一部を、精確に焼き捨てなければならぬ忘れの術。 施術の後は絶対の安静を欠くべからず。 それは外法の術者とて同じこと。 「島長の狼狽顔が目に浮かぶぜ...ふくくく...」 「さあ・・・、あとは奴等に次第だあな・・・今だけは神託も無かった事になった。」 「一時的に忘れているだけ・・前後が繋がってくれば記憶は修復される、長くはもたねえ・・・。」 「直接神が空に弾ける無様を拝めないのは僅かに惜しいが・・。」 「やっと俺の番は終わるんだな‥‥。」 「嗚呼・・・奪って消すだけだった俺にも残せる物があった・・・・十分だ、ユヅル・・・。・・・シラサワ....。」 望まぬ客人を迎える準備は出来ていた。 (-3) Sanpatu Tea 2021/07/28(Wed) 10:26:06 |
【秘】 呪術師 リェン → よろず屋 シラサワ「空狐の証、予刻三重、荼枳尼に払わん。 眼下の者共、此処な場所より彼方に届けよ」 裏切り者に群がる村人の少し後ろ、 低く怪しい声が、祠の中に響いた。 「離れろ、それは私の物だ━━」 一方的な簡易術式。 生きた三千年の果ての空狐の位、この先残した三百年の寿命。 人の身では払う事のできない途方も無い対価。 それを以て、相手の同意も地の利も全てを無視して、 “不都合”を余所に送還する。 「━━調子はどうかな、シラサワ。 君が喰うならいざ知らず、喰われるとなると不都合でね」 不都合などと言葉を濁すが、つまるところただの独占欲である。 (-4) jactaFH 2021/07/28(Wed) 10:49:50 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 呪術師 リェン本来男が引き受けて足止めするはずだった島民が、 己の死骸を喰わせておくはずだった相手が、 一瞬にして消え去ってしまった。 「ハ、ッヵハ、──ゲホケホッ…!!」 最早酸素が通ることは無いだろうと 思っていた気道に急に空気が入りこみ、咳き込む。 視界が揺れ、意識が揺れ、 生理的な涙に濡れた海眼が、 聞き覚えのある声にゆらゆらと。 狐が払ったのは、人間に支払えるはずの無い対価。 この傷だらけの獣には、 その十分の一すら払えるのか怪しい。 「……は、……ハ……ェ、ン……?」 最早潰えるだけとなっていたはずの道化。 真意の全てを封じ、僅かな欠片だけを残し、 記憶を持って消えるはずだった。 首には縄の痕。 傷む身体と印の熱に浮かされるように、 リェンの名を呼ぶ。 (-5) souko_majyutu 2021/07/28(Wed) 11:20:40 |
【秘】 呪術師 リェン → よろず屋 シラサワ今年の祭りは大きな転換期となる。 遠見や予知夢でその事を理解していたからこそ、 リェンは祭りの最中、ひたすらに自制してきた。 全ては島のため、旧き約束への義理立て。 “本質”を伏せ、ただ渇きを呑み干し役割を成してきた。 半ばで過剰に力を使う事を禁じ、小細工だけで事を済ませてきた。 しかし、祭りはもう終わる。 為すべき事は為した。護るべき魂の無事も見届けた。 後のことは、それこそ役回りの者が為すであろう。 「━━随分、待たされた」 リェンは地面についた膝の上に咳き込むシラサワの頭を乗せ、 焦点の定まらない潤んだ瞳に顔を寄せると、 長く熱のこもった舌で溢れる涙を掬い取る。 「━━呼んでくれ、シラサワ。 他の誰でもない私の名を」 まるで、獣が獣を毛繕いするように。 柔く耳朶を噛み、壊さないように壊さないように下を這わす。 毛ほども効かぬ筈の神狼の毒さえわざと喰らい、 帯びた熱を溶かし合わす。 (-6) jactaFH 2021/07/28(Wed) 16:41:04 |
【独】 奉公人 ユヅル「何か、妙な空気が漂っているようですが………」 焦げついた塵が風に流れている。 加えて島の者達の動向が、不可解だ。 舞の場に現れなかった誰かを探して 宿へ走り帰ってきたところだ。 目当ての人物は、やはり部屋に居なかった。 早足で宿中を確認して回る。 普段なら決して床を必要以上に鳴らし廊下を歩くことは無いが、今日ばかりはそうもいかぬようで。 「旦那様、旦那様! 祭事はどうなったのでしょう。 沙華さまも見当たらず………旦那様?」 心ここにあらず。奉公人の主人は、 窓辺から宙を舞う塵を目で追いかけうわ言を呟く。 贄とはなんぞや。何へ捧ぐもの也や。 記憶が焼け落ちた様なその現象に、覚えがあった。 彼らは祭礼を "忘れて" いる。「っ!!」 そう思い至った矢先には既に身体が動いていた。 儀式用の弓をひっ掴み、外へ駆け出す。 「どうかご無事であってください………!」 切に願う声は、塵を舞わせる風に乗って流れ消えた。 (-7) dome 2021/07/28(Wed) 17:31:26 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 呪術師 リェンシラサワという男は、ただの、ただの人間だ。 何の特別な能力も持たず、 己の人生に翻弄され、無知で傷を負い、 こんな辺境の島で、慣習に抗えずに 最後の贄となるはずの、人間の男だった。 「リェ…ン………。」 身体の痛みが、此処がまだ 涅槃ではないと教えてくれる。 掠れ弱々しくも熱のある声が、鈴の音のような相手の名を呼ぶ。 この島に来た時に、身体の傷を最初に知られた相手。 過去を知っているかは分からない。 ただ、痛み止めの薬を処方して貰っていた。 リェンの薬を徐々に、その身に宿してきた。 「ン、ぅ、ゥァ………ッ」 ぬるりと舌の感触を感じれば、 男の身体を侵す神狼の印が、他者の肌を求めさせる。 この男に刻まれた印は、二つ分。 それも、本来ならば狼に対して刻む印が、酷く身体を苛んでいる。 人間の身体には、身に余る渇きと飢え。 足先が擦るように地をのたうち、 優しい刺激に酔うように、傷付いた獣が啼く。 (-8) souko_majyutu 2021/07/28(Wed) 17:39:16 |
【秘】 奉公人 ユヅル → 忘れ屋 沙華望まぬ客人 は、現れただろうか?焼き焦げた匂いが満ちる空気が漂う中、 遠くより地を蹴り沙華に駆け寄る音がする。 子どもよりは重く、島の大の男達にしては軽い足音。 あなたの周りに島の手先が居ても、居なくとも。 愛子が躊躇うことは無い。 「沙華さま!!」 息を整えながら、すぐ側に座り、その顔を覗き込む。 身体を伝う黒いものを、白い指先が掬い取った。 「殆どの方々が神託を忘れていらっしゃいました。 全て、沙華さまのお力によるものですね。 此の様なご無理をなさるとは………」 (-9) dome 2021/07/28(Wed) 18:51:13 |
【秘】 忘れ屋 沙華 → 奉公人 ユヅルそれは 意外な来客だった。 「ユヅ・・・・ッ!」 自分が最も目にかけてきた相手があらわれる、 一瞬は最期の幻想かとも過るが、その声に意識を引き戻す。 ユヅルが沙華の下へ辿り着くのに前後し、空を切る異音。 二人のすぐ傍に矢が射かけられる。 「そう・・・俺の、仕掛けだよ、連中に目に物見せてやれただろう。」 その証拠に奴らはご立腹さ。 「だけどユヅル、ここに来てしまったのは、すこし、お利巧すぎたね・・・。」 「今なら、まだ‥‥」 自分だけで清算するつもりだった、 それが最愛の弟分を巻き込んでしまうとは。 いや、まだ命運が決したわけでは無い。 『俺に微かでも悪運が残っているとつうなら・・・・』 「ユヅ、ル。お前は何処へ行きたい?」 「お前が選ぶ道なら、俺は・・・それを誰にも邪魔させねえ。」 膝に手を掛け強引と立ち上がる。 周囲に凶手が迫っている、猶予はあまり残されていない。 (-10) Sanpatu Tea 2021/07/28(Wed) 19:29:29 |
【秘】 左方舞 五十鈴 → 右方舞 戸隠「”右”君、ちょっとアタシに手貸しゃしないかい? なあに、難しいことはない、踊るだけだよ。 ”右”君踊るの好きでしょ?」 ヒャル、ラ、ロ 「……神狼をおびき寄せて、 殺す。 やっこさんが出てくるまで一緒に踊って欲しい。 ”右”君がどこの誰だろうと、あたしゃ気にしないよ」 何代も何代も、待った時が近づく。 あなたに神狼の血が流れているなら、それはあなたにもできるだろうか。 あなたはそれを願うだろうか。 五十鈴は迷いなく、腰の刀を抜いた。 (-11) tamatamasuka 2021/07/28(Wed) 20:02:29 |
【秘】 奉公人 ユヅル → 忘れ屋 沙華「あの様な弓の扱い方では決して私には当たりません。 ……沙華さまにも、当てさせません」 月を思わせる金の瞳が、矢が放たれた方向を鋭く睨む。 微動だにしない奉公人の横を矢が過ぎ去る。 三日三晩、神託の御手すら此の身を掠めなかった。 魔除けの願掛けは、幻ではなく其処に在ると証明されている。 長くは続かないが、言葉を交わす猶予程度は稼いでくれるだろうか。 「賢明であれたなら、 此処に来ることはなかったかもしれませんね」 島の掟に従うまま、大祭を遂行していただろう。 ひとえに狼達が、共に鳴き合うた者が。 神狼に牙を剥いたから。 「………遅れた反抗期が、来たのでしょうか」 ゆるりと沙華に向き直り、 立ち上がる背を支えながら、口の端を緩めた。 (-12) dome 2021/07/28(Wed) 21:06:27 |
【秘】 奉公人 ユヅル → 忘れ屋 沙華『何処へ行きたいか』 そう問う声に、どう返そうかと。 己の望みを聞かれることは稀だったもので。 「……私は、沙華さまと御一緒できれば 何処であろうと幸せです。 だから、沙華さまが共に居てくれる場所に、行きたいです」 上手く伝えられているだろうか。 一つ一つの言葉が、零れることなく耳に届くように。 地にある枯れ朽ちた花の中から、 形を保った彼岸花を一輪拾い上げる。 「 "想うはあなた一人"。 斯様な花言葉があるそうですね」 拾われた宿にも恩義はある。 だがその恩義以上に、家族のように想える人がいた。 「私の願いを、聞いてくださいますか?」 (-13) dome 2021/07/28(Wed) 21:07:29 |
【秘】 忘れ屋 沙華 → 奉公人 ユヅル「そういうからくりか・・・」 沙華とて自分のまじない以外に精通しているわけではない。 効力を見て取ればそこに実質以上の安心を感じただろう。 加えて・・・。 「賢明じゃないと、自覚してだってかい?」 風も揺らさないような、小さな響きで笑う。 「いったい誰に似たやら・・・いや、 一人前になったな 。」その精悍な顔を見ちまったら、誰しも不安など消し飛ぼうさ。 もう一度こんな輝きを見れる日が来るとは、そして今度はこの輝きが消えないように。 再会を願う、その心は果たされたのだから。 「俺の花を以ってそう言われちゃ、なんでも言う事聞いてやるしかねえな。」 いつものように、ユヅルに肩を預けながら。 起こした身で誓う。 もう俺の掌の内よりずっと大きくなったこの子を、決して。 「俺の瞳の黒いうちは、一緒だ。 いこうか、俺達も、本当の祭りの舞台へ。」 (-14) Sanpatu Tea 2021/07/28(Wed) 21:48:15 |
【秘】 呪術師 リェン → よろず屋 シラサワ触れた手が、指が頬から下に伸びていく。 首に、肩に、胸に。 そして触れる、肩から続く刀傷のような大きな傷痕。 「初めて君に触れたのも、ここだったね」 そしてあろうことか、傷口にゾブリと指を刺すように沈める。 痛みは無い。どころか血の一滴も溢れる事は無く、 肌に触れていた感覚と共に指が肌の内に溶けていく。 そして身の内側から“魂”の縁をなぞり上げる。 「人の終わりを、多く眺めてきた。 なのに飄々として、死ぬ時は死ぬとでも言いたげに 笑う君は、君だけが、 死に向かうにつれ、輝きを増す」 未だかつてシラサワが体の内を誰かに許した事があったとして、 リェンの愛撫は、そのどれとも違ったであろう。 空いたもう片方の手がシラサワの下腹部に伸ばされると、 シラサワのソレは自身が体験したことの無い程の膨張を見せている事に気づくだろう。 「さぁ、聴かせてくれシラサワ。 君の輝きは印“如き”に絆された今が一番まばゆい物なのかい?」 (-15) jactaFH 2021/07/28(Wed) 22:32:46 |
【秘】 奉公人 ユヅル → 忘れ屋 沙華「神の怒りに触れようと言うのです。 恐れ知らずでもなければ叶わぬことでしょう」 逸れて地に突き刺さった矢を数本拝借する。 文字通り、一矢報いるには十分だ。 「目をかけてくださる方が、沢山いましたから」 彼岸花の誓いを得れば珍しく、子どものように笑ってみせた。 背負う誇りに恥じぬよう、いつものように背を伸ばし。 「はい、何処までもお供致します。 参りましょう。一世一代の大舞台へ」 沙華の手を取り、二人で祭りの中心へと。 輝きを続かせる為に、越えねばならぬ舞台がある。 (-16) dome 2021/07/28(Wed) 22:48:00 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 呪術師 リェン「ンぁ、は……ッ…」 印に突き動かされる。触れられる肌が、 怪我をしていない腕の方が、誰でも良いと相手に縋る、はずだった。 ああ、違ったのだ。相手は、人ではない。 「ァ、うァ、ァ……ッ!!!」 リェンの指が男の剥き出しの場所から、 入る、入っていく、 シラサワがシラサワたる魂へ触れる。 "印"から、脳へと響く快楽ではない。 これは、己の存在そのものを愛撫されている。 悶えたとて、身を捩ったとて逃げられない。 「りぇ、ンぁ、っあ、ヒ、ぃぁ、……ァッあっ!!」 男の普段からは想像できないような嬌声が零れる。 思考など出来ようはずもない。 自身へ手が伸びると、背が仰け反る。 「ゃ、ぁっ、ァ、あぁ、ッあン、ァッ」 強すぎる快楽が、海からぼろぼろと涙を零し、 閉じられない口から涎が、 自身からは濁った液が、だらしなく零れる。 脚を閉じる力すら、奪われていく。 (-17) souko_majyutu 2021/07/28(Wed) 23:08:12 |
【秘】 呪術師 リェン → よろず屋 シラサワ「くふっ…… ははっ…… はははははは! 」暴れる鼓動が、求めるようにうねっている。 与えられる快楽は人の身と心で耐えられる代物ではない。 だというのに━━腕の中で暴れる男は生きている。 必死に、目の前の己の名を呼び求めている。 「あぁ、シラサワ! 君を喰わずに“生かしておいて”! 本当に良かった!」 泡のように溢れる涎を舐めとり、喘ぐシラサワを押し倒す。 激しく、されどシラサワを労るように手を這わせ、 剥き出しのその背に晒した胸を重ねるように覆いかぶさる。 「優しくはしよう。手荒にすると“私はすぐ壊す”。 ただただ、さざなみのような快楽を与えてあげよう。 ━━気をやる程度で、終わらせてくれないでおくれよ?」 無色のひんやりとした液体を臀部に塗りたくり、 リェンは熱く煮え滾るような怒張をシラサワの内へと挿し込んだ。 (-18) jactaFH 2021/07/28(Wed) 23:47:21 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 呪術師 リェン地獄を見て来た。かつての祭で狼にも成ったことがある。 神狼派という事ではないが、 従わざるを得なかったからだ。 この海の魂に触れるなら、読み取る事も出来るだろうか? シラサワにも、確かに他の人間と同じよう、 祭の事柄や先程の死に直面する 痛み も恐怖 も、嫌だ という想いも、助けて欲しい という心もあった。けれど、それを全て言葉と笑みで隠して来た。 隠したまま、逝くつもりだったのだ。 ──それはリェンも含め、数少ない島の味方が救いだったからだ。 これは、決して本人の口からは語られぬモノ。 魂に触れたリェンにしか、知れぬモノ。 (-19) souko_majyutu 2021/07/29(Thu) 0:17:33 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 呪術師 リェン「は、ぁっあ、ァッんん、ひぁッ りェ、りぇん、……ッぁ、あッ…!」 かつての狼に成った時の後遺症が、 首に刻まれた二種の印が魂の端に絡み、 この爛れた獣の胎の空気と相まって、 存在そのものを犯されていて尚、男は生きている。 それは、狂気の中で立ち続けていた、" 狂人 "故でもあった。全てを隠すようにしていた長丈服を剥がされ、 押し倒され、血を流す傷口は、"魂への入口"は、 左肩 、右脇腹 、左腿 の三か所が見える。告げられる言葉を思考出来る余裕など残っていない。 「ァ、アぁアああッ!!」 準備無く、もしくは液体に何か効果はあるだろうか。 熱を身体に受け入れ、背を仰け反らせ、 これまでの尋常ではない快楽から破裂するように、 白濁が獣の胎へと吐き出される。 片腕では己を支えられず、接合部をリェンに突き出す形で、 獣同士の交尾のような繋がりとなる。 時折労るような手つきに、縋るように。 傷だらけの獣は、リェンの下に。 (-20) souko_majyutu 2021/07/29(Thu) 0:24:00 |
【独】 呪術師 リェン人は勝手に生きるだけ。 生かせど死ぬ。放れど死なぬ。 今よりずっと位の低い疱瘡喰らいの化け狐と呼ばれた時分より、 人とはそういう物だ。 狐の疱瘡喰いとは、命を奪う病魔を喰らってやり、 対価として千年の寿命を払い受ける物と言われる。 善意で喰らい、命を散らす。訳など本人とて知らぬ。 そういう物だ。そういう、怪異だ。 しかし幾千と生きれば人の側にも妙なものは生まれる。 死にゆくような戦火の最中、陣の奥で一人震え戦慄き、 それでも頭と祀り上げられた男が居た。 気丈に振る舞い、人を鼓舞し、多くの人中にて、孤独だった。 死ねぬ、死ねぬ、まだ死ねぬ。 その言葉がことわりを打ち破っていく姿は、輝きを纏い 床に臥せって息を失うまで、それは増すばかりであった。 その者の魂は ━━それはそれはたいそう、美味だった。 (-21) jactaFH 2021/07/29(Thu) 1:11:43 |
【秘】 呪術師 リェン → よろず屋 シラサワ「啼け、啼け、人の子」 リェンは言葉通り、優しく動いた。 否、動きもせずに、ただそのはち切れんばかりの剛直を 突き入れたまま左腿の傷口を指でなぞり、 肩口のものを舐めシラサワどの境界を溶かす。 霊体としてのそれではなく、リェンのソレをシラサワの肉が求めるように、あやすようにゆるゆると小突く、 滝のように溢れる獣の白濁を口に含み、肩を優しく引っ張り向かせたシラサワの口と混ぜ合わせる。 離した唇から伸びるそれを啜るように飲み込むとリェンは言った。 「━━果てる時は」 ソレは呪詛か、約束か。 この伽の中精魂果てるまで。 あるいは“その命果てる時まで”。 シラサワの中の、ひた隠しにした思いが潰えぬ限り、 リェンはシラサワを生かすだろう。 「私の名を━━」 呼んでくれ。 言うか否かのその刹那、リェンは一度だけ大きく腰を引き、 蕩け切ったシラサワに打ち付けた。 (-22) jactaFH 2021/07/29(Thu) 1:30:11 |
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