［　なんだよ、隠させてくれよ。
　　言葉には出来ないんだ。
　　態度にだって出せない。
　　そのはずだったのに



　　安らぎ過ぎて泣きそうだ。


　

　　言葉以上に伝えてくれるかもな？


［　宵稚へと強めに寄りかかって。
　　その腕に人差し指で血管をなぞるように
　　指を這わせる。
　　酔っ払いだからこそ成せる所業であり、
　　酔っ払いだからって許されないかもしれないが
　　そこはどうにかお酒に免じてお許しを。　］

　

[どうして隠す必要があるんだろう。


お前の気持ちに対して、答えを出して無かったのは
むしろ俺の方だというのに、
勝手に完結させて、勝手に記憶に蓋をして。

心おとを確かめたいという欲のまま。
秘めたるお前の、感情の結び目に、指先を絡ませて。
からかい混じりに、奏でる心音を擽ってやる。

啜り泣く心おとに、その指先で触れて、
拭うことが出来ればいいのにと、何度も願いながら。]

　……。
　（二度目。間接これでいいのか、お前…。）

[まあ、いい大人だし。酔ってるし。
間接キス如きで一喜一憂するほど若くもない。

けど、
トモダチとして振る舞うのは勝手だけど。
『これ』がトモダチにする態度、とは、
俺は思うことが出来ずにいた。

[コイツの好意で厄介なところが、
それが恋愛感情の延長線で、なのか。
あるいは素の行為なのかわかりづらい所だ。

寄りかかられた時。>>38
俺は拒絶なんて一切しなかった。

身を預けてくれるのならば、
弱音も見せてくれやしないかという願望でもあった。

いっそ夢幻になんかしないで、
お前の心おとを聞く術を探る。]

[ふとその寄りかかりに重みが増したと思えば、
いつも以上に強気な発言を耳にして。]

　…、……。

[腕を握られ、ツ、と浮いた血管に指が這う。

それに反応するほど、意識していたわけではない、
わけではない、が。

……一時の気の迷いでその手首に、
傷をつけていなくてよかったと、心底安堵した。]


　……そうよだな。


[冗談だろうと、その言葉に辱めが込められてるなら、
おもいっきりブーメランだぞと言わんばかりに、
寄りかかるお前の事を少し、押し返して、

その後、とん、とん。人差し指の第二関節で、
小突くようにノックし。
掌を開いて、から、お前の胸をゆるりと撫で付ける。

ダダ漏れの音こえは落ち着いたか。

お前が酒で許されなくて、
俺が許されない理由はないだろう？]

[……言っておくならば。
酔いの中、なにかしようとするなら。

闇崎宵稚という男は、
いくら寝かしつけようと、数分後には
なにかに魘されるようにしているし、
その五分後には目を見開いて起きてしまうだろう。

だから、お前をベッドに放った後。
部屋のサイドテーブルに腰掛けて、
お前が寝ているのを静かに見守って。

窓辺に小さく、か細く、歌を歌い続けている。
そうしていたいと、思っていた。

ベッドに横になるだけならば、
できる限り寝たフリを取り繕って。

]**

［　俺は君を悩ませたいわけじゃないんだ。
　　ただ、同じ気持ちだったら……なんて夢見て。

　　でも……それでも



　　俺からこの言葉を出すだけで良いのに。
　　何もかも解決するのに。




　

［　一言でいい。
　　言ってくれたら─────────俺は。

［　友達ならスキンシップは当たり前だろ>>44
　　友達なら学生のノリだって許されるだろ
　　友達なら笑顔で笑い合えるはずだ
　　友達相手に緊張する……>>45
　　これは友達にふさわしくない感情だ

　　友達なら抱きついても良いのだろうか
　　わからない