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![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空[昼の街中を歩けば、子供たちの遊ぶ声がする。 自分と同じくらいの女性はとっくに結婚し親となる年齢だった。 仲睦まじそうに笑い合う夫婦はともに双子を抱いていた。 アスルは、自分より5歳年上。 男性の方が結婚の適齢期は遅い傾向がある。 彼ならば、本来は引く手あまただろう。 守り人もまた、巫女と同じく結婚してはいけないとされているが、力の影響を考えれば不当な縛りとも思えていた。 巫女以外となら、女性と結ばれて子を持って悪くないはずだ。] アスルは、良いお父さんになれるだろうな……。 [最近、そんなことをよく思う。 巫女の自分は、彼と結婚できない。 なにより彼の子孫を残せないのだ、と。] (-344) soranoiro 2023/03/03(Fri) 20:23:25 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空[思い詰める日々が続いた。 役目の間は頭から消しても、終えればすぐによみがえる。 アスルとは常に一緒なのだから仕方ない。 巫女と守り人の距離はどうしても物理的に近かった。 でも、心は、そうでなくてもいいのだ。 幼い自分はアスルしか見えず、そのまま大きくなった。 アスルから離れたくなくて我が儘を言い、意識しなくても彼を縛り付けていたのかもしれないと思う。 巫女としてだけの気持ちを持っていれば。 今頃、守り人をしながらであったとしても、彼は別の幸せを得ていたのではないか。 こんな、いつ消えるか分からない女のために、……。 いつになく情緒不安定になっている自覚はあった。 力の安定を欠いたせいに違いない。 淡い紫の瞳から、水が零れて止まらないのだ。] (-345) soranoiro 2023/03/03(Fri) 20:23:55 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空[覚悟を決めたのは満月の夜。 祈りの役目を無事に終え、街まで距離があるから無理はしないでおこうと、人里離れた湖畔での野宿を選んだ次の夜にはほんのりと月は欠けていた。 祈りの場の近隣の人々が優しく迎えてくれるのは勿論嬉しかったが、実は、こうしてアスルと野宿するのが一番好きだった。 ここの湖畔は静かで、澄んだ水の香りがした。 焚き火から散る火の粉を追っていけば、夜空に淡い色の月と、きらめく星が眺められたことだろう。 食事を終え寝床を整えて。 隣に座るアスルへと、そっと話しかけた。] アスル。 [巫女として守り人へ話しかけるのとは違うトーンで。 ふたりきりの時だけの響きで。] 両手を出して? 手のひらを上に、ね。 [何のためか言わないのはわざと。 渡そうとしているものを拒否しにくいように、乗せてしまえば断りにくいだろうなんて、悪い考え。 どこの誰に似たんだか、そうよく笑ってきた。] (-346) soranoiro 2023/03/03(Fri) 20:25:23 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空[アスルは訝しげにしたかもしれない。 でも、従ってはくれただろうか? それを確認すれば、自らの横の髪をかき上げ、片方の耳から、巫女になった日から片時も離れず着けている耳飾りを外す。 金の飾りがにぶく輝き、歴史ある真珠が柔らかに光る。 力を常に帯びてきた宝石は月日を経てきても美しく、もう自分が身につけていなくても――いつか彼が生を全うするその時まで、朽ちることも、染みこんだ力を失うこともないだろう。 番の片方を、アスルの大きな手のひらに置いた。] ……私からの贈り物。 アスルがこれからもずっと……元気でいられるように。 [健やかに、怪我をせずに。] 自由な鳥みたいで、いてくれるように。 [耳飾りを置いた自らの手を離す。 ほんの少しだけ触れ合っていたぬくもりを、名残惜しく思わないように、我慢して、綺麗に微笑んでみせる。] (-347) soranoiro 2023/03/03(Fri) 20:26:51 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空……アスル。 ただの巫女と、ただの守り人に、なりましょう? [ペルラとアスルではなくて。] 私の心臓は、もう、ドキドキしなくなっちゃった。 苦しく痛いばかりは……辛くなってしまったの。 ……ごめんなさい。 [いつか身体が全部消えてなくなるとしたら。 心臓なんて一緒に泡みたいになって、全部分からなくなって、彼を想う気持ちも、塵のように吹き飛んでしまうのかな。 耳飾りを渡すのが自分のエゴなのは分かっていた。 全部消えるのが怖いくせに、でも、アスルに幸せになって欲しい、可能性を持って欲しい、その気持ちも本当で。*] (-348) soranoiro 2023/03/03(Fri) 20:27:40 |
![]() | 【人】 天原 珠月[ふぅん、なんでもないのか。>>292 妙に気になってしまったが、脇をくすぐって吐かせるという昔のやり方をしている暇はなさそうだ。 質問の答えに関しては正解!と笑ってみせる。 一個ってどっちを数え忘れたの?とジト目もありつつ。] 新月の夜でも、ここにふたつも月があるってこと。 これはどっちか攫われちゃうかもねぇ。 [わざとらしく顎に指を添えて。 世の中にどれほど月の文字を持つ人がいるかという話でもあるけれど、実は一緒の文字が入っているのはお気に入り。] ……うんうん、そうそう。 [壁一枚あるかないかの違いは、ちょっと、なのか。>>293 男女というくくりで考えるとそんなわけはないだろう。 ただそこに幼馴染という関係性と、過去にベッドに潜り込んだ回数と、今気恥ずかしそうにしたら幼馴染はどんな顔してくるんだろうと一瞬思ったなんて認めたくない、を含めると、ちょっとという表現が適切と頷くことになる。 向こうも納得しているようだ。なら、いい。] (377) soranoiro 2023/03/03(Fri) 21:48:07 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月― ペルラが巫女になって ― [月の満ち欠けに応じてペルラは祈りを捧げにいく。 浮遊する大地に雨を注ぐように、力を浸透させていく。 当然だが守り人である自分は巫女の翼となって祈りの場へと連れていき、工場として働く傍らで飛行機を操舵するものとしての時間も過ごしていたアスルはその任を恙なく遂行していた。 彼女のほうはというと、やはり最初からすべてが上手にできる。ということはなかったが、犯してはならないミスというのもなく。 野を越え谷を越え村を越え、どこもかしくも日帰りなんかはなく、時には野営地で、時には村で宿泊をしてはまた帰る。 今日もまた二人は空にいた。 真上からみればトンボの形をした中〜長距離用の小型飛行機。 焦って帰るような旅でもないため、四枚の内、二枚の虫の羽根の形をした翼が複雑に角度を変えながら上下に揺れ動かしながら、足元のペダルと両腕のハンドルで操舵するのがアスルである。] (-360) S.K 2023/03/03(Fri) 21:48:10 |
![]() | 【人】 天原 珠月[恒例の幼馴染的やりとりの後。 仰せのままに、なんてのたまう姿>>294にため息ひとつ。] 王子としてはマイナス30点、騎士としてはマイナス5点! [とても偉そう。] 料理人としては99点だから許す! [デザート楽しみにしてるんだからね!と。 渡されるものをほいほいと胸元に抱えていき、飲みたいとねだったぶどうジュースにもちろんと笑顔で頷く。>>295 見た目はワインのボトルのようなオシャレなデザインで、正直、味というよりそちらに惹かれてしまったのだ。 来年のキャンプでは自分もお酒を飲める年齢になっているが、幼馴染はもう大丈夫なのだし、飲んだりするのだろうか? お酒が強いとか弱いとか、どっちだったっけ。] こっちから勧めてあげれば良かったかなー。 バーベキューにビールとか最高みたいに聞くし。 [あ、なんならコテージの冷蔵庫に完備されていたりして。 それなら後でせっかくだし飲んだら?と言ってあげよう。] (378) soranoiro 2023/03/03(Fri) 21:48:41 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月 虹は綺麗だったが、だからって鳥を驚かせていいわけじゃねーんだぞ。 [剥き出しの機体に乗る彼らは風を感じながら視界の右側で悪戯に揺れる金の髪と同様なのが悪い子で良い子なペルラ この機体、胴体部分が左右と底部分があるだけで、身体が晒されてるとも取れるが、結構自由に動けるのだ。よって] ほら、こっちだ。 [操舵の邪魔にならないように、でも視界には入り続けるように、正面右端部分の上に乗って足をぷらぷらさせ悪戯気に目を細めるペルラを引き寄せた。] (-361) S.K 2023/03/03(Fri) 21:49:15 |
![]() | 【人】 天原 珠月[しっかり軍手をはめてその地に立つ。 もう慣れたもので、手早く木炭も並べられるし、新聞紙の効率のよい丸め方に設置方法も熟知しているのである。 火を起こすことに関してはエキスパートかもしれない。 では、何かを焼くことに関しては? それは……炭を食わされるのでは、と幼馴染と幼馴染の父を青ざめさせた過去が教えてくれるだろう。 幼馴染の声が背後から聞こえる。>>297 職人の背中を見せた後、サムズアップでにかっと笑った。] こんなもんよ。 [良い感じに燃え上がる火が涼しくなってきた風にちょうどよく、明るく照らされる部分は少し熱い。 まず彼が運んでいる料理を興味津々に覗き込む。 バケットとカラフルなタルタルソースに、お魚はマグロかな? おおーと素直に歓声を上げるのは少し子供っぽい。] ソース、これ、パプリカ? [ちゃんと色合いまで綺麗でワクワクする前菜だし、緑のピーマンが入っていないのもとても素敵だ。] (379) soranoiro 2023/03/03(Fri) 21:49:29 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月[この機体はハンドルと体重移動により進路を変える必要がある機体だ。 巡航状態からゆっくりと進路を変えるために体重を傾けながらハンドルを切る。抱き寄せることで機体を傾けて] さーて…今回はどういう道で帰りたい? [巫女としてのお勤めであることは変わりはないが、祈りの場で役目を終えれば二人にとっては帰るまでは自由時間だ。多少帰り道を好きな場所を選んで寄り道しても構わないよな。なんていいだしたのはアスルであり、彼女が巫女として守ってる大地を、そんな大地の上に住む人々の生活を見て回るようにして、空では彼らは自由であった] (-362) S.K 2023/03/03(Fri) 21:50:16 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月[そんな風に結構しっかりと守り人の役割を果たしているアスルだが、私生活はというと、男の一人暮らしなんてこんなもんだ。というだらしなさがあった。 暑かったからって下着一枚でいたところをこっそり入ってきた従妹には――まあその時のことは深く語るまい。 休憩時間。垂れるオイル交じりの汗をタオルで拭いとり、一休憩いれたところで風が教えてくれる来客の気配。 よ。っと、脱ぎかけの手袋のまま軽く手を振った後、手袋をちゃんと脱いでおく] 食えるっちゃ食えるが、眠くなるから駄目だな。 [いつものように沸かしたお茶をいれる。ペルラのお茶にだけほんのり蜂蜜をいれているのは既に習慣のようにもなっていた。] ああ、いいぞ。そうだな。三日後ならいけるとおもうがどうだ? [なんて彼女のおねだりに応えるようにいう。パンを一齧りして予定を聞く。 巫女になる前に話した言葉が、ペルラにどこまでの変化をよんだのかわからない。 ただ今は色んなことに目を向けて知ろうとする、世間知らずなお嬢ちゃんではなくなっていってるのは確かであった。] (-363) S.K 2023/03/03(Fri) 21:51:28 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月[ちょっとした切欠があったとはいえ、気持ちが通じ合ったのは、ごくごく自然なことだったように思える。 彼女の胸の痛みの理由を自分は知っていたし、世間知らずではなくもっと広く色んな所に視野を広げていったペルラを、アスラもチビちゃん呼ばわりする頻度が減っていった。 同じように減っていったものもある。それは些細な距離だ。 肩に触れればよいときも髪に触れ、手を握って引き寄せるときも、それだけではなく自然と抱きとめるように腕を回す。 彼女の子供のようなおねだりにも隠し味のような甘い響きが加わり、応える自分の低い声にもランプのような熱がこもっていた。 巫女というものが、守り人というものが、などとあっても、アスルとしてペルラを想うことはごくごく自然のことだったのだ。*] (-364) S.K 2023/03/03(Fri) 21:52:08 |
![]() | 【人】 天原 珠月んー、ひとつ、いただきます! [バーベキューの材料運びを手伝おうとしたものの我慢できなかった様子で、バケットにソースとお魚をのせて、口に運ぶ。 んんっと瞳が丸くなり、眉が寄せられ、頬が紅潮していく。 例え一瞬前までぶすくれていても、幼馴染の料理には敵わなくて、みるみるうちにふにゃっと緩んでしまう。 ひたすら無言でもぐもぐとし続けているのだが、表情が言葉より雄弁なのはいつものことだったろう。] おいしい。雅空兄ぃ、これ最高に美味しい。 [料理を讃える言葉だけは控えめにしない。 美味しかったら素直にそう言うのは、反抗期だろうが思春期だろうが、ぶっきらぼうな言い方になろうが。] 4面を焼く。なるほど? [すごい、お肉の塊って意外と迫力があるものである。 アルミホイルで包むということは、直火で中まで火を通す必要はないと言うことだろう。 いや、そもそもこの厚さだと無理か。うん。 私に焼かせようなんてさすが良い度胸をしている幼馴染だ、と楽しくて少し危険なバーベキューの始まりだった。*] (388) soranoiro 2023/03/03(Fri) 22:06:25 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月― 変化 ― [想いを交し合う関係は、3〜4年ぐらい続いていただろう。 抱き寄せるペルラの髪の香りは俺が知る限り一番の花だ。と抱擁に囁きが乗るようになったのも、愛しさから口を滑らせてしまうのだから仕方ないのだろう。 その日は満月の日。祈りの役目を終えれば、密やかな逢瀬にも繋がる蜜月の時間の訪れでもあったのだが、その頻度は減っていた。明らかにペルラが疲れている時間が長く、そして最近はペルラの様子がおかしい。それは見た目的にも精神的にも。 本日は湖畔で二人野宿をして過ごす。 休んでいろ。といって食事を終えると二人分の寝床を整えた。彼女が寝るまで火の番をしよう。そう考えていたが、寝るまでの時間を一緒に過ごすように隣に座るペルラ。 名前を呼ぶ響きは甘く、自然と冷えた体のペルラの肩に手を回して引き寄せようとして、両手をといわれたので一旦止める] …いいけど、どうしたんだ? [てのひらを上に、といわれて首を傾げ口でも疑問を発しながらも、その後のペルラの動向を見守った。] (-370) S.K 2023/03/03(Fri) 22:36:19 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月[なんだそれ。とは思った。 贈り物。といわれて外されて見たのは金の葉の装飾。彼女が力の形として作るのにも似た真珠と呼ばれる宝石。 その片方をてのひらに乗せられた。そこはいい。 ただその後に続く言葉がまるで―――遠くから願うように聞こえる] ・・・・・・ [少しの間、黙って言葉を受け取りながらも、指は握るようにしてイヤリングを受け取った。ごめんなさいという言葉を聞いて目を細める。睨むように悔やむように] (-371) S.K 2023/03/03(Fri) 22:36:39 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月 ここ最近はどうすりゃいいのか。って迷ってた。 何も浮びはしない。ただ漠然とな。 [ぽつりと開いた言葉、でてきたのは繋がらないけれど意味のある会話。 実際なんとかできないだろうか。なんとかできないにしてももっと良いことができないだろうか。と、自分だけでは無理だろうか。と考えていた。] ……別れが近いのか? [彼女の異常を、それはそういうものだと思っているのか、理解できてしまっているのか。その感覚は自分にはわからない。 だが、ペルラがそんなことを言い出した理由がそこにあると思い当たってしまった。] (-372) S.K 2023/03/03(Fri) 22:37:52 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月[じっと見つめた。しばらく無言でじっと紫の色素が薄くなった瞳を見つめて] ……わかった。 [それはペルラにとって了承のように聞こえただろうか。ただ今回のことは額通り、そっちの言い分は、という意味でのわかった。というだけだ。わかった上で] ……巫女だからって、なんでもかんでも言ったら従うと思うなよ。 [低く怒るように、ただの巫女。となったものへと、ただの守り人はいう] そんなの初めから知ってるんだよ。 だから苛立ったんだよ。そんな生きかた俺には真似できねーってな。 [出会いのとき、苛立っていた理由は、今の関係に至った最初の経緯を口にした。 今までの関係を肯定するように、知っている。という。] (-373) S.K 2023/03/03(Fri) 22:39:42 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月[肩を寄せ合うように隣り合う姿勢から真向かいに向かい合うように身体の向きを変える] なぁ、俺はな、ペルラ。 ペルラが寂しくならないように後悔せず生ききったって思えるぐらい愛そうと考えてた。 消えちまうんだとしても、消えれないぐらい俺を焼きつけて、その先で待たせてやろうと思っていた。 [最初は守り人として、次は恋人として] そう聞いて、嫌いになったか? そうやって好きな女性に無理させて謝らせてるような、かっこ悪い男、嫌になったか? [嘘も誤魔化しも許さないように、ペルラへと真剣な眼差しをむけ問いかけた*] (-374) S.K 2023/03/03(Fri) 22:40:16 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空[わかった、と言われて。 ほっとした。さみしかった。かなしかった。 ――本当はわかってほしくなかった。 言い出したのは自分なのに、泣きたくて仕方なくて。 ひゅうひゅう言いそうな喉を締め付け、張り裂けそうな胸の苦しさに耐えて、やっぱりそんなの嫌だと叫んでしまいたい自分に絶望しながら、じっと湖面を見つめていた。] ……っ、 [低く怒っている声。 当たり前だと思う。 でも、彼の紡ぐ言葉を聞くうちに、耐えきれなくなっていく。 真正面から向き合うときにはもう決壊寸前だった。] (-383) soranoiro 2023/03/04(Sat) 0:03:31 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空私、は……もう十分、幸せだったの。 アスルにたくさん幸せを貰ったの。 誰よりもアスルと一緒に飛んで、隣で過ごして。 その記憶さえあれば大丈夫で、思い残すことはないって……っ [なのに、そんなことを言う。 まだ未来の長いアスルから手を離したいのに、解放したいのに、――ああ、でも、自分は思い違いをしている、か。 初めから、アスルは自由な鳥だった。 彼は彼らしく、彼の考えで、飛んでいるのだ。] (-384) soranoiro 2023/03/04(Sat) 0:04:37 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空……嫌になったりしない! [もうぐちゃぐちゃだ。 こんなこと言ったら、別れを切り出した意味がないのに。 消えたその先で待たせてくれようとしてた、なんて。 自分の心がどれほど痛んでいるか、わかるのだろうか。 どんなに嬉しいか、どんなに苦しいか。] ……アスルはね、いい父さんになるかなって思ったの。 子供を抱き上げている姿を何度も想像したの。 私には出来ないこと……私じゃ、アスルにあげられない幸せがあるんじゃないかって、怖くなった。 縛り付けているんじゃないかって。 [ぽろぽろと、頬を大粒の涙がすべっていく。] (-385) soranoiro 2023/03/04(Sat) 0:05:29 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空[アスルの瞳は空のようで。 彼の気持ちと一緒に、こちらの想いまで映し出すようで。 いつだって何も隠せなくなってしまう。] でも、私が、そうしたかった。 本当は全部、私が、アスルに、あげたかった。 [自分がアスルにあげられるものなんて。 もう、何も残っていない気がしてしまっていた。] 嫌いなんかじゃない……。 でも、嫌いじゃないから、……つらく、て。 [ひくっとしゃくり上げる。] ……本当に、……待っていても、いいの? 私、アスルの言うこと、すぐ本気にしてしまうから。 [子供のように、何度も確かめて。*] (-386) soranoiro 2023/03/04(Sat) 0:09:31 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月 何言ってんだ…俺の目に映ってる押し殺した顔の女の子は幸せそうになんてちっとも思えないぞ。 [綺麗な笑みの内側に潜む、複雑にない交ぜにした苦し気な生々しい表情。 叫ぶような心の告白を黙って聞きながら、視線を逸らさずに力が弱まったような淡い紫色の瞳を見つめる。] いいお父さん…か。 [ペルラの中で自分はどうなっているのか。と苦笑しつつ思った、父。といわれれば意識してしまう相手はいるんだが、それを口にしたら彼女を追い詰めてしまうだろう。] (-389) S.K 2023/03/04(Sat) 1:26:15 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月 でも…ペルラとしかもらえない幸せもあるんだ。 だからもっと寄越せ …知ってるか?空を一緒に飛ぶのって…怖がるやつ多いんだぜ。今更一人乗りの練習をさせるなよ。 [縛り付けているかも。という言葉を聞いて、不可思議そうに首を傾げながらも、しゃくりあげるようなに続ける言葉を聞きながら、頬に手を当て、涙をぬぐうのではなく受け止めるように触れて、頬から移るようにペルラの涙が自分の手に滑り落ちていく。] (-390) S.K 2023/03/04(Sat) 1:27:06 |
![]() | 【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月 ああ、それでいいんだよ。 ずっと残していくイヤリング渡しといて、離れましょう。なんて…下手な嘘つきやがって。 [いいの。と何度も確認する言葉に当然だ。というようにいって、ようやく柔らかい笑みを浮かべる。] …傍にいろ。 仮に、消えちまうんだとしても、ずっと俺の中に残っているようにしておけ ……じゃないと、待たせるだけ待たせて浮気しちまうぞ。 [それでいいのか?なんて意地悪な笑みを浮かべながら、手で覆っていないほうの頬に、涙の痕を隠すように唇を上から下へと這わせ、唇の近くで止まり] 後悔しないように…傍にいろ。 俺の巫女……俺のペルラ。 [静かに熱をこめて囁き、そっと口付けをした*] (-391) S.K 2023/03/04(Sat) 1:29:36 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空……、 [アスルに言われ、彼の瞳に映る自分を見る。 本当だった。浮かべられているのは笑みではない笑みで。 隠しきれない感情でぐちゃぐちゃの顔。 いいお父さんか、と呟く姿をじっと見つめる。 苦笑されるのはなんとなく予想できていたけれど、彼が心の内になにを思い浮かべたのかを知ることはできない。 だって、仕方ないのだ。 この人の子供をと願ってしまう心があるのは。] ……私からだけの幸せ……? [うん、と頷く。 ほっとしたように、でも素直に不安そうに。] (-448) soranoiro 2023/03/04(Sat) 16:01:40 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空もっと……。 うん、空を一緒に飛ぶのなら、たくさんできるわ。 [涙に潤んだ目を細める。] 私もアスルと飛ぶのがなによりも好き。 [そういえば怖がったことなど一度もなかった。 初めてともに飛んだあの日から心は楽しさと幸せに溢れていた。 アスルと一緒だから。空は自由で。 風は時に気まぐれで、激しい時も、なかなかいうことを聞かない時もあったけれど、いつも最後には優しかった。 アスルみたいね、と笑ったこともあったっけ。] (-449) soranoiro 2023/03/04(Sat) 16:02:46 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空[アスルの柔らかな笑みに悪戯な笑み。 視界がぼやけていてもはっきりと分かるのは、これまでの年月で何度も何度も見てきて笑い合ってきたから。 ずっと一緒にいたんだなぁ、と思う。] ……うん。 [これからも傍にいたい。 ずっと、傍にいさせて。] アスルが浮気したら、水が溢れて大変なことになるかも。 [泣き顔が笑みに変わるのは自然だった。 頬に触れる大きな手は変わらず濡れたまま、もう片方の頬へは柔らかなぬくもりが涙の跡を癒していく。 くすぐったそうに肩が揺れ、淡い紫が瞬いて。 唇が重なり合うときにはそっと瞼を伏せた。] (-450) soranoiro 2023/03/04(Sat) 16:03:22 |
![]() | 【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空[月と星明かりが明るい夜だった。 波の穏やかな湖に光が映り込み、すべての境界が曖昧だった。 触れるだけの口付けはどこか神聖で。 でもいつものようにあたたかく。 別れではなく、これからを約束してくれる。] アスル、ぎゅっとしてほしい。 [アスルの腕の中が好きだった。 彼の翼の中と同じように自由で、でも身動きができないくらい包まれるのが安心できて、彼だけを想える場所。 胸元に頬を擦り寄せるように潜り込んで。 綺麗な景色も何も見ずに、オイルと鉄のような匂いに澄んだ風のような気配の混じるアスルを感じていた。 よく自分の髪は花の香りがする、みたいにアスルは言ってくれた。 とても嬉しくてそのまま受け取って、彼と会う前に花畑で時間を過ごしたり、本当に髪に花を飾ってみたり、もっといい香りって思ってもらえるように頑張った自分がいたっけ。 懐かしいな。たくさん思い出がある。 これからは、どれくらい積み重ねていけるのだろう。] (-453) soranoiro 2023/03/04(Sat) 16:21:33 |
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