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人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【独】 陽光の元で ニーノ

/*
オレの頼った先輩二人とも狼で!!!!!!
にいさんが墓落ちしてて!!!!!!
え????こんなことあるんだ……
フィオねえ〜〜〜!!!!たすけて〜〜〜!!!!!(届かない叫び)
(-9) mspn 2023/09/17(Sun) 21:32:25

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

――そうして暫く。
かちゃりと再度扉が開いて、にょきと女の手だけが顔を出す。

「に、ニーノくうん。」

ひらひら、振る手の小指にはいつものエナメル。
ぎし、とゆっくり扉が開いていく。

「て、手伝ってえ。」

塞がった両手、扉を開けるためにその片方を離して、代わりに片膝で支えながら。
ぎりぎりに前が見えるくらいに積まれたダンボール。
だけど、それは奥に見えていたのとは違う箱に見える。
肩で扉を支えてもう一度両手でダンボールを支える。

どうやらこれが、噂のそれらしい。
(-11) oO832mk 2023/09/17(Sun) 21:57:30

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ

「! わ、」

「大丈夫ですか!手伝う手伝う!」

貴方の様子を見れば慌てて手を伸ばす。
なんとかそちらが持てる程度、となれば一応男だ。
まだ余裕を持って持つことができるだろう、とはいえそこそこ重いのだが……。
先程の段ボールとは違うなとは気が付きつつも、今はそれを指摘することもなく。

「こ……これ、全部……?
 めちゃくちゃ届きましたね……」

「流石にここからオレの家まで持って帰るの難しいかもな……。
 家の人に電話して、車出してもらってもいいですか?」

一先ず家の前まで段ボールを出したなら一旦地へと下ろすことだろう。
1箱ぐらいならまだしもこの量となると歩くのは厳しそうだ。
こてんと首を傾げて、スマートフォンを取り出しながら貴方に確認する。
(-15) mspn 2023/09/17(Sun) 22:30:52

【秘】 陽光の元で ニーノ → 渡りに船 ロメオ

/*
こんばんは……三日目が来てしまいました……
すみません、相方を残してこの墓落ちで……
共鳴残していっちゃった、どうして……?

窓の会話ですが秘話で続きをするのも大丈夫ですし、
場面かなり進めて別れ際の会話だけやるとかでもOKですし、
大分と状況が変わったのでここで2日目のもので切り上げても問題ありません!

ここからは外を出歩けないのでこちら側のレスポンスは難しくなりますが……ロメオさんの白の反応を見ながら胸が苦しくて堪らない人になってます。
どうか頑張って生きてねと祈っています……
(-19) mspn 2023/09/17(Sun) 22:35:13

【独】 陽光の元で ニーノ

/*
胸が痛い 胸が痛いよ〜〜〜!!!
フィオねえ ロメオさん せんぱいたち……
リヴィオせんぱいとロメオせんぱいの赤発言来る度に頭が大混乱するし もう ギエ〜……
(-20) mspn 2023/09/17(Sun) 22:38:09

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

中身の沢山入ったダンボール数箱。
あなたの力を借りて一度地面に下ろし、ひと息。

「うんー。いいよお。」

覚悟してって言ったでしょお、なんてけらけら。
あなたが電話をかける間、入口の扉に背を預ける。

夕暮れの空が照っている。
どこかで見た、海の色だった。
ぼんやりとそれを眺める。時が過ぎるのなんて、本当にあっという間だ。
浮かぶ言葉を、何度も殺して。
その度に、薄く、目を伏せる。
(-23) oO832mk 2023/09/17(Sun) 22:44:57

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ

けらけら笑われるとだって〜なんて言っていたけれど。
とりあえずは電話をして迎えに来てもらうように頼んでいた。
『すみません、荷物が思いの外多くて、いいですか?』と。
それは同じ屋根の下に居る相手に向けるには、少し距離のある尋ね方だったが。

「十分ぐらいで着くみたいです」

貴方に笑って伝えた後は、しばらくその場で他愛ない話をして時間を潰したことだろうか。
その内迎えに来てくれた車からは両親──ではなく前に話した家政婦の、妙齢の女性が顔を覗かせていた。
事情を話したのちに後部座席に詰め込めば、あとは家に持って帰るだけ。

「……よし。
 じゃあダニエラさん、いっぱい果物ありがとうございます!
 知り合いにも配っておきますね!」

その胸が何度も殺した言葉など知る由もない。
男が貴方に向ける笑顔はずっと、変わらないままだ。
(-25) mspn 2023/09/17(Sun) 22:55:23

【秘】 渡りに船 ロメオ → 陽光の元で ニーノ

/*
こんばんは!独り言で泣いていました。どうして……?
個人的にはもうちょっとお話したかったな……!!と悔やんでいたので、秘話で続きをさせていただけるのなら嬉しい限りです!
もっとニーノくんとお話させていただけますか……??
ロメオはガタガタですが強く生きます……よろしくお願いします……。
(-28) susuya 2023/09/17(Sun) 23:05:39

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「おつかれえ。」

電話を終えたあなたに向けるのは、いつもの朗らかな笑み。
夕焼け色に照らされて、柔らかに影を落とす。

積み込み作業も手伝って。
ああ、この人が蟹の…とひとりでに納得をした。

「――うん。」

にこやかに笑う。
それしか取り柄はない。


「また明日。ニーノくん!」

その“明日”なんて、来ないけど。
それを知っているけど、女は、そう、いつも通りに。

手を振って。車が走り去るのを見送るだろう。
(-31) oO832mk 2023/09/17(Sun) 23:13:45

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ

「はい、また明日、ダニエラさん!」

助手席に乗り込み、窓を開けて。
にこやかに笑う笑顔の裏側は見抜けない。


車が発進して遠ざかり始めても、身を乗り出して手を振って。
明日は変わらずに訪れると信じている。




男は、貴方の元から離れていく。



──貰ったフルーツは帰ってから袋に取り分けた。
そうして一番最初に持っていった先は、
『にいさん』と呼び慕う相手がいる喫茶店。
お裾分けがあるときのいつも通りの行いで。
こんなに長く共に居るのに。

その人がマフィアであることなんて、何も知らなかった。
(-37) mspn 2023/09/17(Sun) 23:29:47

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ

/*
こんばんは!三日目、訪れましたね……
ひとまず果物の提供先として成功しているのは黒眼鏡さんでした。
(本日の死者一覧を見つめて呻きながら)

ここからですが、ニーノ逮捕にあたっては逮捕そのものもダニエラさんが行う想定でしょうか?
そういうわけではなくモブ警官に突然逮捕される想定でしょうか?
前者であればロール引き続きお願いいたしますというのと、後者であればこちら側で良い感じにしますので!
また教えていただければ幸いです、よろしくお願いいたします!
(-38) mspn 2023/09/17(Sun) 23:32:10

【独】 陽光の元で ニーノ

/*
す 全てが見えるよ〜
くるしいよ〜
二日目までこうじゃなかったはずが……
(-42) mspn 2023/09/17(Sun) 23:33:28

【秘】 陽光の元で ニーノ → 渡りに船 ロメオ

/*
惜しんでいただけてありがとうございます……とても嬉しく、そして苦しいです……
お話についてはぜひぜひ!
当方もロメオさんともっとお話したかったので嬉しい限りです。
それではこちらからお返事お返しいたしますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします!
(-47) mspn 2023/09/17(Sun) 23:35:23

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

あなたの乗る車が、消えるまで見送った。
そうして、ようやく、小さく、小さく。
誰にも聞こえることのない、殺してきた言葉を。




「……ごめんね。ニーノくん」
(-49) oO832mk 2023/09/17(Sun) 23:39:38

【秘】 陽光の元で ニーノ → 渡りに船 ロメオ

「本当に反省してる〜……?」

訝し気な表情。
けれど貴方が"そういう"感じなのはいつものことだ。
だからそれ以上突っかかったりはしないのだけれど。

「へえ……そういうの書いてるんだ。
 オレもちゃんと新聞読まなきゃな。
 平穏に見えるけれど、街中物騒なところもあるし」

嫌だろ、には同意を示すようにこくこくと頷いて。
ちび……とホワイトルシアンをまたひとくち。
やっぱりデザートみたいって零してから。

「いいでしょ、ひとくちあげるよ、ふたくちでもいいけど」
「にしてもロメオさんにも頼んだことないのあるんだ?
 例えばどれ〜?」

尋ねつつも、グラスを貴方へと差し出した。
こちらが先程はお裾分けを貰ったので、これでおあいこだ。
(-52) mspn 2023/09/17(Sun) 23:40:44

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

/*
お疲れ様です。おさとうかえでです。
黒眼鏡さん…(諸々の思い)

お問い合わせの件ですが、どうしようかと悩んでおります。
流れで決めるか!と思っていたのですが、この流れなら波魔摘発チームに許されたモブ警官が濃厚で……。
というか相手が黒眼鏡さんなら尚のことモブが濃厚で…………。

でもRPしたいという気持ちもあり。
大変悩んでおります。どうしましょう………。
(なんの答えにもならない解答)
(-53) oO832mk 2023/09/17(Sun) 23:41:41

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ

/*
黒眼鏡さん……(心中を察する)

難しいところですよね……!モブが濃厚かとは思いつつ…
ただRPしたいはこちらもあるため、RPしてもいいのでは…?という心にもなりました。虚空に手をさ迷わせています。人生に一回のチャンスだから……(?)

黒眼鏡さんとの話とは別で、ニーノはその日の夜ご飯を別の警官の方と楽しく食べていたため、とりあえずそこまでは逮捕されていないかなという形です。
逮捕チャンスとしては相手と分かれて一人になった、そこからの帰路が一番あるかな〜といったところなので。
もし宜しければダニエラさんにそこで捕まえてもらってもいいですし、モブ警官に捕まってから牢獄で会うとかでもOKです!
いかがでしょうか?
(-56) mspn 2023/09/17(Sun) 23:52:09

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

/*
暫く叢魔窓がうるさくなりますことをお許しください…

そうですね、人生に1回のチャンスですもんね……!
気を持ち直して頑張ります。ニーノくんに手錠かけたくないな…(こころがふたつ)
いえ、頑張ります!
帰路の描写を頂けましたら、応じさせて頂きますね。

引き続きよろしくお願いいたします!
(-61) oO832mk 2023/09/18(Mon) 0:01:04

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ

/*
問題ありません、思うままに動かしてくださいませ…
ここでペンライトを振っておりますゆえ……

ありがとうございます!
ダニエラさんに手錠かけてもらえるの、嬉しいです。
(心がキュっとなりながら)
またダニエラさんが手錠をかけてくださるとのことなので、拘留された後のニーノの状況としては『事情聴取を受けても口を開かない』というのが確定気味かなと思います。
ので、墓下PCの24時間以内の結果報告にはそういった旨を記す予定になっております。不都合等ございましたらまたご連絡ください。

それでは帰路の描写を次から投げさせていただきます。
引き続きよろしくお願いいたします!
(-70) mspn 2023/09/18(Mon) 0:20:05

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ


──雨が降り出してしまう前に、と。

食事をしていた相手と別れ歩く、ひとりの帰り道。
月も星も見えない暗い夜道を辿る男の心は、天気とは裏腹に晴れ晴れとしたものだった。
迷っていたこと、悩んでいたこと、いつか何か見えるだろうかということ。
零してしまった弱音と涙を受け止めてくれたせんぱいが、暖かな言葉で信頼と勇気を与えてくれたから。

明日からも頑張れる、そうして頑張った姿を見てもらう。

考えただけで元気が溢れてくるから笑みも自然零れていた。
……ところ、ぽたりと。

「……あ、降って来た?」

頬に当たる雫に瞬く。
身体が冷えると熱も出やすいからよくはない、休みたくはないのだ。
だから少し小走りに、帰路を急ぎ始めていた。
(-71) mspn 2023/09/18(Mon) 0:22:48

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

かつん、と革靴の底が地面を叩く音。

「――ニーノくん」

やけに硬質なこえだった。
名を呼ばれ振り返ったあなたの瞳には、夕刻別れたばかりの女の姿が映る。
ひとつだけ、違うことがあるとすれば眼鏡をつけていないこと。

ぽつ、ぽつ。
雨が地面を濡らしていく。女は傘を差していた。
酷く悲しそうな顔をしていた。
それも、傘と夜道の暗がりのせいで、すぐには分からないのかもしれない。
(-79) oO832mk 2023/09/18(Mon) 0:32:02

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ

家へと急ぐ足は、けれど。

「──ダニエラさん?」

名を呼ばれると動きを止めて、そのまま振り返った。
一瞬誰なのかわからなかったのは眼鏡の無い素顔を見たことがなかったから。
それでもすぐに理解する。
知らない誰かではなく貴方であるということと、それから。

「どうかしましたか?」

その表情が、悲しみの色に染まっていたこと。
だから帰りたい気持ちはすぐに吹き飛んでしまって。
降り始めた雨に身体が濡れていくのも構わずに、一歩ずつ近寄った。

「……なにか、あった?」
(-85) mspn 2023/09/18(Mon) 0:40:47

【秘】 路地の花 フィオレ → 陽光の元で ニーノ

「うん、分かってる」
「フレッドはいつだって、私のことを心配してくれる」

目の前にいたのなら、抱き締めていたんだろうなと思う。
明るくて優しい声色が、いつだって私を元気づけてくれたのだ。

「私もなるべく行くようにはするけど、出来ない時はお願い」
「ほんとうに、何もないのが一番なんだけどね」

警察の人間も捕まっているのだというし。
養育院の大人や、スラムの人たちだって手にかけられないとも限らない。
子供たちに罪はないのに、悲しい思いなんてさせられない。


「私?」
「今は……この間お話したお店の近くにいるわ。
 うん、時間はあるから会えるわよ。ここで待ってたらいい?」

何を渡してもらえるのかしら、楽しみにしてるわね。と、電話口から嬉しげな声が聞こえてきたはずだ。
(-89) otomizu 2023/09/18(Mon) 0:47:37

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「……」

すぐには言葉を紡げずに、女は薄く瞑目した。
ぽつ、ぽつ。雨足が増していく。
けれど女はその傘を、あなたに差し出したりはせず。

「…あのね」
「あの、果物なんだけど」

いつもの暢気な声音はなりを潜めている。

「ニーノくんが、果物を配ってくれた人」
「アレッサンドロ・ルカーニア」
「…どういう人か、知ってる?」

静かな声。別人みたいに。
だけど傘を持つその手の小指のエナメルは、あなたの知る女と変わらない。
(-95) oO832mk 2023/09/18(Mon) 0:53:15

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ

「ばあか、大人ってのはな」

ぐりぐり、がしがし。
あなたの髪がばさばさ揺れるのを抑え込むようにして、
無駄に強い力でぐいぐいと。

「トキとバアイによって使い分けるもんなんだよ。
 女の前ではバチっときめて、そうじゃないときはダルっとやれ。
 のんきにやるコツだよ、コツ」


暢気なことだ。――翌日自分がどうなるか、この時は彼はもう知っていたはずなのに。
(-101) gt 2023/09/18(Mon) 1:02:50

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ

傘を差し出されないことには何も思っていなかった。
ただ普段と貴方の様子が随分と違う。
その違和感に心配が増すばかりで。

「……?
 にいさんのこと?」

どうして渡した相手を貴方がすでに知っているのか。
不思議そうに瞬く間にも、雨は体を濡らしていく。

「えっと、喫茶店経営してて、車の仕事やってて……
 スラムとかにもよく顔を出してくれる。
 面倒見のいいひと……?」

「…………」

自身が知ってるその人のことを話しながら。
なぜ今それを尋ねるのだろうと、全然わかんないなと。
何も察せられないほど……鈍いわけではない。
だから唇を閉ざす、続きを待つように貴方を見つめる。
(-125) mspn 2023/09/18(Mon) 7:49:38

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

「…うん。…そう。」

…ばかだな。あの人は。
蟹の話をした時から気づいていたけれど。
そうやって一般人と積極的に関わって、慕われるから、こういう隙をうむ。
なんて。そんなことは、自分が言えたことではない。
一瞬だけ目を伏せたあと、ミントブルーがあなたを映した。

「彼は、ノッテファミリーの幹部カポ・レジーム。」
「…ニーノくん。ううん、ニーノ・サヴィア。」

ぱさりと傘が落ちる。
柄を握っていた手に代わりに握られたのは、鈍色をした手錠だった。
もう片方の手があなたに伸びる。幾度もそうして触れ合ってきたのと、同じように。



「反社会組織取締法により――あなたを、逮捕します。」



硬い声が、それを告げ、その手に手錠が、――かしゃん。

作り笑いしか、知らないから。どんな顔を作ればいいのかわからない。
だからその顔には悲しみが色濃く映った。
悲しむ筋合いなんて、どこにもありはしないのに。
(-128) oO832mk 2023/09/18(Mon) 8:04:56

【秘】 陽光の元で ニーノ → 路地の花 フィオレ

「ねえさんからの受け売り〜」

先に心配してくれたのは貴方だった。
この世の掃き溜めで蹲る子供に優しさを向けたのは、貴方だった。
だからそんな言葉を本心から紡いで、それからお願いには「うん!」と元気な返事も返し。

「あ、ほんと?
 じゃあすぐ行くから待ってて!」

電話よりもずっと、目の前に居ることで溶かせる不安もあるはずだ。
場所を教えてもらってから一旦電話を切り、そして家から駆け出していった。
(-134) mspn 2023/09/18(Mon) 9:32:13

【秘】 陽光の元で ニーノ → 路地の花 フィオレ

──そうして、十五分程した後。

「ねえさん!お待たせ!」

ぶんぶんと手を振って駆け寄っていくその姿は普段と変わらないもの。
手には袋がひとつ提げられていた。

「へへ、会えてよかった、うれしい。
 あ、渡したいものっていうのはこれで〜」

そしてすぐに袋を広げて貴方にも中身が見えるように。
中には秋のフルーツがいくつか、キウイだったりぶどうだったりざくろだったり。
それらが詰め合わされた上にちょこんと。
ラップに包まれた苺のクロスタータも、一切れ。

「職場の先輩がいっぱい果物くれたんだ。
 だからそれのお裾分けと」

「こっちは……オレが作った!
 ようやく食べてもらえそうなのできたから、にいさんとねえさんにあげたくて」
(-135) mspn 2023/09/18(Mon) 9:33:35

【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡

ぐりぐりされ続ければ当然のように髪は乱れていく。
そうやってぼさぼさになれば、初めて出会った頃のちいさなときとそう変わらない。

「わ、わ〜〜〜かったって!
 も〜〜〜にいさんがそこまでいうなら明日からは考えるから!
 すぐに女がど〜とかいうんだからさ……!」

もう離せってば、痛いって!と。
男は、やっぱりべしべしと貴方の腕を叩き続けて。

「いい加減噛むぞ〜!?」

今夜自分がどうなるかなんて知らないまま。
明日も変わらない日常が続くと信じている。
(-137) mspn 2023/09/18(Mon) 9:39:36
ニーノは、嵌められた手錠を見下ろした。
(c2) mspn 2023/09/18(Mon) 9:52:22

ニーノは、頬を打つ雨が冷たい。
(c3) mspn 2023/09/18(Mon) 9:52:32

ニーノは、────。
(c4) mspn 2023/09/18(Mon) 9:53:08

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ



──考えたことがないわけではなかった。


特に昔のあの人はよく荒れていたものだし。
真っ当な仕事をしているようにはあまり見えなかった。

それでも、例えばあの人が、あの人たちが。
法に触れる行いをしていたとして、己に責めることができるだろうか。

たまたま自分が救われてしまっただけ。

この世の掃き溜めからひとり、拾い上げられた男の内に燻る罪悪感。
それでも変わらずあの人たちが向け続けてくれている愛情。
今の男を形作るものはそれがすべて、だから。

だからこそ。



貴方を、真っ直ぐに見つめた。



[1/2]
(-139) mspn 2023/09/18(Mon) 9:54:31

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ


「……ダニエラさん」

慕う兄がファミリーに所属していた事実より。
自分が逮捕されたという理不尽な現実より。
今、心が向き合いたいと望むものへと目を向ける。

「なんで、悲しそうなの」

嵌められただなんてもう気が付いていた。
ならばこの瞬間は貴方が望んだことだろう。
なのに果たされて喜びが生まれないのなら。

考える。

考えることをやめないって、決めた。


「──
だいじょうぶ
?」


いつか告げた言葉は今も変わらない。
この手はもう、自由でなくとも。



[2/2]
(-140) mspn 2023/09/18(Mon) 9:56:23

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ

「ハハハ」

くしゃくしゃになったぼさぼさ髪を、なんだか懐かしそうにこね回す。

「おっと、猫に噛まれちゃたまらない。
 見た目より痛ぇからな。
 気を付けろよお前も」

ぐいと押しのけられるように手を離して――けれど寸前、耳元に口を寄せて。


「女にはな、気を付けろよ」

「お前みて〜のはとくにな」

笑いながら手を伸ばし、クロスタータを包むラップをぺり、と爪で欠け剥がした。


「ありがたく頂くよ。
 ほれ、仕事あんだろ? 気ぃつけて帰んな」
(-141) gt 2023/09/18(Mon) 9:57:24

【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡

「知ってるし──」

猫に噛まれたことぐらいはある。
む、と唇を尖らせつつもようやく離してもらえたのでほっとしたのも束の間。
耳元で告げられた言葉にはなんだそれ、の表情だ。

「なんでオレだと特に……」

「……気を付けるけど!」

思い出したのは以前出会った“先生”のことだ。
自分が貴方よりもあしらいが上手じゃないことぐらいは自覚しているから、忠告は一応ちゃんと受け取った。
とにもかくにもようやく自由だ。
早速食べてくれるらしい様子にはじわりと嬉しさを抱きつつ。

「ん、仕事はも〜終わった!
 でも夜は約束あるからもう行く!
 あとねえさんにもあげたいし!」

「にいさんも、仕事はほどほどにな〜」

で、最終的にはいつもの笑顔だ、にっと笑ってまた駆けていく。
扉を閉める直前にぶんぶんと手を振り、足は今日まだ会いたい人たちの元へ。

……そうやって誰かが望むように貴方に会いに行ったことが。
後に"法に触れる"と判断され、手錠を嵌められてしまうなど。
やっぱりそのときはまだ、知らないままだった。
(-145) mspn 2023/09/18(Mon) 10:21:43

【秘】 路地の花 フィオレ → 陽光の元で ニーノ

「ふふ、この間会ったばかりなのにね?」

お互い無事であることを目視で確認して、駆け寄ってきた弟分の体を優しく抱きしめる。私も会えてよかった、と言って。
体を離す。

そして袋の中身を見れば、秋の色をしたフルーツと手作りのクロスタータ。差し入れというにはあまりにも贅沢なそれに、瞬きをして。

「こんな立派なものがもらえるなんて思わなかったわ、クロスタータを作るのも大変だったでしょ」
「凝ったお菓子が作れるようになるなんて、フレッドは本当に頑張ったのね」

お菓子作りを習っていると言っていたから、その成果を目の当たりにして心の底から嬉しそうに笑う。

「ありがとうフレッド、大事に食べるわね」
(-153) otomizu 2023/09/18(Mon) 11:03:00

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ


「それでいいそれでいい。
 ま、気ぃつけてもダメなのが女子供だが」

結局ダメなんだろうか。
適当極まる言葉とともにラップをぺりぺり、剥がしたはしからがぶり、とかじりついて。

「おう、気ぃつけろな。
 フィオにもよろしくいっとけ」

ぶんぶんと振る手が、その扉の向こうに消えていくまで見送った。



輝くものすべてが、黄金だとは限らないNon è tutto oro quello che luccica.

カウンターに腰を下ろして、溜息のように。

「痛い目見なくちゃ覚えないが、
 痛い目も見てほしくねえのが兄貴分ってもんだよなあ」

トシとると独り言が多くなっていけねえな、と。
クロスタータがゆっくり、だが大口で削り取りながらつぶやいた。
(-156) gt 2023/09/18(Mon) 11:21:47

【秘】 渡りに船 ロメオ → 陽光の元で ニーノ

してるしてる、と薄く笑った。
一つの戯れのような扱いをして。

「そーな。事故も事件もうっかり起きんだから、
 そういう万が一にならないよーに備えなきゃさあ」

夜の町で稀に聞こえる銃声に知らないフリをした経験が、
この島の人間にどれだけあるのだろうか。
一般人の中じゃあ大きな騒ぎにもならないが、
それを良しとして物騒な事は日常に潜むのだから。

自分と貴方で立場が違ったとして、
そういう目に遭ってほしくないのは事実な訳で。

「くれんの? やった〜」
「想像付かなさすぎる奴はあんま頼んだ事無い……
 ほら、この、XYZとか」

差し出されたグラスに礼を言い、
一口飲めば「うま」と顔を明るくした。
自分も珈琲は好きだから好みのカクテルだ。
とはいえ一口で抑えて、またグラスを返そう。

「あとピニャコラーダ?あれも甘いらしいな」
(-157) susuya 2023/09/18(Mon) 11:25:04

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

降り落ちる雨が、女の頬も濡らす。
眼鏡がなくてよかったと思った。だって、レンズが濡れてしまう。
それに手錠をかけた瞬間のあなたの顔を見なくて済む。


そうして代わりに濡れた睫毛が、あなたの言葉で、ふるりと振れた。

「…あは。おかしなこと、言うー。」

取り繕ってきた声音が剥がれていく。
ただの嘘つきだって。ずっとずっと騙していたんだって。
その事実だけが確かにそこに転がっているのに。

――あたしは、裏切り者なのに。


「あのねえ。ニーノくん」

その言葉と、ほぼ同時だった。
繋がれた両手にそっとまた触れて、もう片方の腕が、あなたの背に回る。
ゆっくりとあなたを抱き締める。…あなたはそれを、恐れるだろうか。

(1/2)
(-158) oO832mk 2023/09/18(Mon) 11:25:19

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

くす、と耳元で、笑みの音。
笑うしか、できないから。


「大丈夫、だよお。…あたしはあ。」
「それより、自分の心配しないとお。」

ずるいなと思う。我ながら。
抱き締めてもいいのは、お母さんの代わりの話だったはずなのに。
…あなたは今誰の代わりでもない。
最後に、
あなた
として、腕の中。

かわいい後輩。だいすきだった。
もっと一緒に話したかった。本当に克服出来たらって、力を貸していた。
そんな、自分の身の程も弁えないような女で。


――ごめんね。は、
やっぱり口にはしないまま。
(-159) oO832mk 2023/09/18(Mon) 11:25:44

【秘】 陽光の元で ニーノ → 路地の花 フィオレ

「ねえさんには毎日会いたいぐらいだよ」

誰かに触れられるのは小さなころの経験を思うとずっと苦手。
けれどその中にも例外があって、例えば貴方だった。
貴方に抱きしめられるのは安心する、その腕の中に守られていたから。
こちらも腕を回して少し抱きしめ返してから袋の中身の紹介に移っていたのだろう。

「んーん!他のお菓子はまだ全然作れないから。
 今日の朝にせんぱいがクロスタータ配ってたんだ。
 それ見て、オレも一人で作ってみようかなって」

「まだまだ実力不足だけど……
 ……でもねえさんに褒めてもらえるとうれしい」

ふにゃと嬉しそうに笑うのは幼いときとおんなじそれだ。

「ねえさんもだけど、ねえさんの周りの人も大丈夫?
 もし何かまた困ったことがあったら、オレでよかったらいつでも頼って。
 にいさんの方がまあ〜……頼りがいはあるかもだけど」

「会うたびにフィオによろしくって言われるんだ。
 だいすきだよなぁ」
(-166) mspn 2023/09/18(Mon) 12:40:43

【秘】 陽光の元で ニーノ → 渡りに船 ロメオ

「だよな〜。
 オレ人とか疑うの苦手だからさ。
 例えば本当にロメオさんがここで何か入れてても、わかんないもん」

そこには軽口を返したりはしない、職業柄もあるので。
もうちょっと気を付けないとな〜なんて言いつつも、しかし性質を変えることはなかなかに難しい。
これだけのアルコールで少し熱くなってきた頬を自覚しながらも、何と無しにむ、と唇を尖らせたりして。

「……あ!これ名前が特徴的でさっき気になってた。
 ロメオさんも飲んだこと無いの?
 あとで一緒に飲もうよ」

どんな味がするかはわからないし、苦手だったら全て渡してしまうかもしれないが……
甘いのにおいしそうにしている姿を見れば微笑んで、「よかった」とグラスを受け取る。

「ぴにゃ……なんて?有名なやつ……?
 気になってるならそれも頼んじゃう?」
(-184) mspn 2023/09/18(Mon) 15:31:10

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ

おかしなことだと指摘され。
名を呼ばれて、ほぼ同時に。

肌が触れる。
冷えた身体を温もりが包む。
身体が強張り震えたのはどうしようもない条件反射だった。
いやだったと泣くこどもがずっと、心の中にいる。


それでも、振り払ったりはしなかった。
貴方が抱きしめるのなら、そのままでいた。
代わりなわけではないとわかっていたから。

「………………」

ひくついた喉はうまく音を発さないけれど。
望んでくれるなら、望んでくれるままに。
その意志を伝えるように、細い肩に額を押し当てる。

[1/2]
(-186) mspn 2023/09/18(Mon) 15:56:58

【秘】 陽光の元で ニーノ → うたかたの ダニエラ


騙されていたからって憎もうとは思えない。
裏切られたからって糾弾したいとは思えない。
キミは理由もなく、こんなことをしないでしょう。

たったそれだけのことさえ、
震えた唇では上手く形を為せないから。
さいごのさいご、絞り出せた声はひとつ。


「……いつか、おしえて」


瞼を伏せて、それだけを。


──そうして連れて行かれるというのなら、何の抵抗もしない。
雨に打たれて随分と冷えた身体が、次第に過ぎた熱を持つのを感じながら。
最後まで貴方を責めることは無いのだろう。

[2/2]
(-187) mspn 2023/09/18(Mon) 15:58:11

【秘】 渡りに船 ロメオ → 陽光の元で ニーノ

「疑わなきゃいけない時ってあるんだけどな。
 オレも苦手だから……」
「ちゃんと自衛しような、オレたち」

うんうん、と頷いて同意を返す。
──ただのパン屋のバイトなら、
そんな時はあんまりないはずだが。

「じゃあ飲もう。これはなんかレモン系らしいけど」

ぼんやりとした知識だけじゃあカクテルは分からない。
見た目が綺麗でもとっても度が強かったり、
一目見ただけでは飲み方が分からないものもあるし。

「甘いフローズンカクテルなんだと。
 フラッペみたいな奴かな……飲んでみようぜ」

せっかくだしさ、と自分の分のショートグラスを空にする。
スッキリとした菫の香りが鼻の中を通り抜けていった。
(-192) susuya 2023/09/18(Mon) 16:21:01

【秘】 うたかたの ダニエラ → 陽光の元で ニーノ

頷くことは、できなかった。
もしかしたらまだ縋っているのかもしれなかった。

あの明るい日差しの中のような日々に。
まどろみの中で見た夢のような日々に。

…だけど多分、本当は。
この裏切りに気付かれた以上、同じものには戻れない。


――それだって、全部、覚悟の上のつもりだったのに。



腕の中であなたの震えを感じても、少しの間はそうしていた。
どこかでそうっと身体を離して、行こうか、なんて
まるでどこかに出かけるみたい。

連れて行く。冷たい檻の中。
冷えた身体にともる熱に気付くことすら、
もう女にはできるはずもなかった。

ひとつ、学習した。やっぱりどんなときでも笑わないと。
どうせ戻れないんなら、恨まれた方が、ずっといいはずだから。
(-193) oO832mk 2023/09/18(Mon) 16:28:24

【秘】 陽光の元で ニーノ → 渡りに船 ロメオ

「ロメオさんも苦手なの?
 ……そっかあ、へへ、なんだか安心した。
 オレひとりじゃないんだって」

「うん!いざというときは、ちゃんと自分の身を守る」

きりっとした表情を浮かべつつも、深くこっくり頷いた。
そうして先ほどよりも随分とほんわかした貴方の説明に、やっぱりわからないこともあるんだななんて。
それにもやっぱり安心して、うれしかったりして。

「やった、じゃあ次はそれ〜。
 とりあえずこれ飲まなきゃだよな……」

あなたを真似て、こちらもぐいっとグラスを呷ってみる。
甘くてデザートみたいだから、そちらのを飲むよりはマシだったが。
少しだけくらっとしたので、「ゎ」とかちっちゃく声を漏らしていたり。
それを指摘されたりしていたかもしれないが、とりあえずは次の二つをマスターに注文した。
で、待つ最中。

「ロメオさんって、普段はひとりでバーくる?誰かと一緒?」
(-207) mspn 2023/09/18(Mon) 19:30:47

【墓】 暗雲の陰に ニーノ

──取調室にて、マフィアとの関わりを詰められた男は否定も肯定もしなかった。
どころか事情聴取の間、殆ど口を開かずに黙秘を続けるばかり。
何も語ろうとはしない態度に怒声を浴びせられても、その視線は己の手を拘束する手錠に向けるだけ。

室内にいる警官が異常に気付いたのは、そんな時間がしばらく過ぎた後のことだ。

ただ座っているだけの男の呼吸は常と比べれば荒く、頬は赤らんでいる。
雨が降る夜、濡れ鼠のままに連れてこられたその身体は随分と冷え切っていて。
些細なことで高熱を発症する奇病のトリガーとしては十分だった。

結果、この状態でまともに話を続けるのは不可能と判断され取調べは一時中断。
男は一度、檻の奥へと戻された。

#取調室
(+0) mspn 2023/09/18(Mon) 20:06:08

【墓】 暗雲の陰に ニーノ

毛布一枚を渡されて冷たい床に頬を押し付けていると、なんだか懐かしい。
羽織るものがあるだけ、雨風を凌ぐ屋根があるだけ、あの頃より随分とマシだ。
蘇る記憶に苦しさは混じれど、暖かなものだって十分に思い出せる。
"
ねえさん
"と唇が動いてしまったのは、不調が呼ぶ甘えのせいだろうか。

誰を恨むつもりもない。
誰を憎むつもりもない。
馬鹿で愚かだって言われてもいい。
考えることも、迷うことも、信じることも、やめたくはない。

掠れた声で呟いた『だいじょうぶ』は、まるでおまじないみたいだった。

#牢獄
(+1) mspn 2023/09/18(Mon) 20:08:08

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「オレ記憶力は良いけど頭は良くねーの。
 騙されちまったらもうそれきりな気がすんな」

「そうしてくれよ。そしたらオレも安心するから」

しっかり頷く貴方が何だか可愛らしくて、
頭を撫でようと手を伸ばした。
叶えばそのままぐりぐりと頭を撫でる。唐突だ。

「あんまり焦んなよ〜……おお。行った」

平気かね、と追加で水を頼んだりした。
自分も欲しかったのもあるし、
酒を飲むならどっちにしろ水は飲まねばなるまいし。

「普段? あー……」
「一人かな……たまにセンパイと」

ぼんやりと天井を見つめてそう返す。

「ここにも来るし、ここじゃないとこにも行くし。
 でもあんま自分から人は誘わないな……」
(-228) susuya 2023/09/18(Mon) 21:26:38

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノ

> 2日目

ああ、と貴方の声に応対をした男の声は、僅かばかりいつもよりも緊張が見て取れた。
一呼吸あったのちにはそうした違和感も失せている。
常通りであるように振る舞う貴方の上司は、いつものように頬を緩めて言葉を返す。

「どうしたんだい、そんなに慌てて。
 なにか、急ぎの用事でもあったのかと思ったが……そうとも違うらしい。
 立ち話のままで、構わないのかな」

言外に、そうでないのであればどこぞへ出向くかといったニュアンスが含まれる。
少なくとも今この時に限れば、貴方のために時間を割くつもりはあるらしい。
(-229) redhaguki 2023/09/18(Mon) 21:26:41

【秘】 路地の花 フィオレ → 暗雲の陰に ニーノ

「時間が許すならいつだって」
「姉さんは、フレッドが会いに来るのを待ってるわ」

自分よりもよっぽど忙しくなったはずの弟分が、いつまでも慕ってくれる。かわいいかわいい存在。

……私が今どういう立場なのか知っても。受け入れてくれるのだろうな。それでも、万が一のことを考えて話すことは出来ないでいるのだ。

「姉さんはクロスタータも作ったことがないもの、褒めちゃうわよ」
「お菓子とか料理とかからっきしだから…フレッドが色々作れるようになったら嬉しいな。次に会う時は何を持ってきてくれるんだろうって、楽しみになっちゃう」

あなたにつられて目尻を下げて笑うのも、昔からのクセ。

「アレ、ああ見えて自分の事で手一杯だったりするのよ?
 遊びに行ってみれば、全然外に出てなかったりして」
「今は何か起きたりもしていないから、その時が来たらきっと頼るわ。アレがびっくりするくらい、立派に解決する姿見せてあげましょっ」

いたずらっぽくわらって。人にちょっかいを掛ける時はいつもこんな顔をしていたなあなんて。
(-270) otomizu 2023/09/19(Tue) 0:46:07

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

「そうなの?オレから見たら頭良さそうだけれど……
 意外だな、騙されてるロメオさんってあんまり想像できない」

こちらからすれば遊ぶときはいつだって頼り甲斐があって、世の中を多く知っていそうに思えたから。
とはいえ年下だからこそ思うのかもしれない、と思った辺りでぐりぐり頭を撫でられていた。
「わ」と声が落ちて、それからきゅっと目を瞑った。

「う、うん……」

それでも瞳を開けると何やらぱちぱち、瞬き。
追加で頼んでもらった水にそろっと口をつけつつも、飲めば撫でてくれたあなたの手を指先でつつこうとしている。謎の行動。

「せんぱい? パン屋の?」

誰かいたっけ、と思いつつ。

「へえ〜じゃあロメオさんから何か誘われたときは、うれしくなっていいんだな」
(-327) mspn 2023/09/19(Tue) 8:51:19

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「一から物事考えんのが苦手なんだよ……
 考えは出来っけどいつも不正解だからな」

そして人の言う事を聞くのでたまに騙される。
困った事だった。
ぐりぐりわしゃわしゃと撫でて気が済めば、
今度はつつかれるままに手をつつかれている。

「どした……?」
「手だよ」

当たり前のことも思わず言った。

「ん〜ん。……学校の」

嘘だ。学校は途中からまともに通っていない。
交友関係が続くはずもない。

「そう思いなよ。オレも誘える相手少ないから」
「誘えるの、嬉しいよ……あ。来た」

ありがとうございます、とグラスを受け取る。
XYZの白い表面が揺れて、二人の前へと置かれた。
(-343) susuya 2023/09/19(Tue) 10:45:03

【秘】 法の下に イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

/*
こんにちは、お疲れ様です。
もしよろしければ、墓下同士で秘話をしませんか、のお誘いです。
もちろんお忙しければ断っていただいて構いませんが、受けていただけるなら、内容として提案できるのは「同じ警察として身を案じる」か、「貴方とフィオレさんの関係について尋問する」の二つになります。
運営様から許可をいただきまして、取り調べ室で二人きりでお話出来ることになりましたので、話が外に漏れる心配はありません。

もしよろしければお話出来ると嬉しいです。
(-351) rik_kr 2023/09/19(Tue) 11:35:16

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

一声目。
いつもより緊張の混じる声を聞けばやっぱり勢いが過ぎたかなと過ったものの。
次の瞬間にはいつも通りの微笑みがそこにあったから、内心ほっと安堵した。

「あ、……はい、立ち話のままでよくて!
 えっと、あの、その……
 ここで聞くべきじゃない、かもしれないんですけど」

少しだけ言いづらそうにしてから、それでも。
おずおずと形にして、問いかける。

「今朝決まったって聞いた、あの法案。
 ヴィトーさんも……賛同しているんですか?」

その答えがどんなものであれ、印象や好意を変えるわけではない。
この世には様々な思惑と立場があるのだと、視野がまだ狭いなりにも理解はしている。
だからこれは本当に知りたかっただけの問いだ。
ある種の理不尽としても受け取られてしまうかのような強制力を持った法案に対し。
初めて己が知った警官である貴方の、言葉が聞いてみたかった。
(-388) mspn 2023/09/19(Tue) 15:10:10

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 路地の花 フィオレ

「そうやって甘やかされたら、本当に毎日行っちゃうよ」

くすくすと笑声を漏らす男は貴方が予想する通り、例えその足がどの上にあったとしても受け入れる覚悟はできている。
考えたことがないわけではない、それでも問いかけたりしないのは。
本当に"そう"だったとしても必要なときがくれば、教えてくれるだろうと信じているから。

「そんな風に言われるといろいろ作れるようになりたくなってきたな……
 今まだこれしか作れないけれど、他のもせんぱいに教えてもらってがんばってみる!
 ねえさんは例えばどんなお菓子が好き?」

いつかの参考にそう問いかけながら、変わらない笑みに頬を綻ばせる。
続く兄のことをよく理解している言葉に、内心感じたちょっとした寂しさは内緒のものだ。

「そうなんだ、知らなかった……あ、でも。
 さっき会ったときは仕事大変だ〜って感じだったかも」

「へへ、その時は立派に解決する!
 にいさんもすぐオレのこと子ども扱いするからな〜。
 もうフィオねえのこと十分守れるんだぜってところ、見せる!」

とりあえず覚悟は十分だ。ぐっと拳を握って、後に浮かべた笑みは貴方とおんなじ色をしていた。
こうして話していると今朝の法案で抱いた不安は溶けていくから、やっぱりねえさんはすごいなとは心の中。
(-390) mspn 2023/09/19(Tue) 15:26:22

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

「へえ、イメージちょっと変わったかも。
 親近感の意味で、ロメオさん不服かもだけど」

こちらもこちらで似たようなものだ。
うまくできない一面を聞いてフォローするでもなく、勝手にうれしそうにしながら。
つんつんしていた手はそのまま、ふに……と握ったりもしている。体温の高い肌。

「……へへ、手だ」

「オレさ、触ったり触られたりするの得意じゃないとき、あるんだけど。
 ロメオさんの嫌な感じしなかったから」

そういうことだったらしい。
少しばかりの酔いもあるのか、ふにゃふにゃ笑う姿には喜びが素直に表れていた。
学校の繫がりが今もあるの、仲がいいんだなとか。
誘えるのが嬉しいの一言にさらにうれしくなったりしながら。
置かれたグラスを見やれば「やった〜」などと間延びした声。

「どっちから飲む?
 あ、ロメオさんからにしよ。
 珍しいロメオさんのはじめてだから」

尋ねたくせに直後勝手に決めた。
こちらは全部初めてだけど貴方はそうじゃないからと。
初めてのカクテルの初めての一口を譲りたくなったらしい。
(-392) mspn 2023/09/19(Tue) 15:42:39

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

/*
こんにちは!お疲れ様です。
お誘い頂けてとても嬉しいです、ありがとうございます!
運営様にもご確認いただいたとのことでそちらも重ねてありがとうございます。
ぜひぜひ、イレネオさんとお話したかったのでご提案に乗らせてください。
どちらをお願いするかで非常に悩んだのですが、墓下でないと中々できなさそうな会話であることと、イレネオさんの尋問が見てみたいという個人的な欲求で後者を選んでもよろしいでしょうか?
体調不良は継続中ではありますが口を開かないのはそれが原因ではないので、イレネオさんとはお話できる状態にあります。
よろしければお願いいたします!
(-393) mspn 2023/09/19(Tue) 15:49:33

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

/*
わーい! 快諾ありがとうございます。みんなの孫に手を出すの、各方面から刺されそうで震えております。

では方向性はそんな感じで! フィオレさんとの関係については既に知っている体で行くか、話の流れで引き出すか迷っているのですがどうしましょう? 既に知っているなら最初から厳しい態度を取りますし、自分からお話してくれるようであれば最初は誤認逮捕に同情、でも話を聞いたところから豹変……になるかと思います。あと尋問と言ってしまったのですが場合により暴力的な手段を摂る可能性があります。そちらも大丈夫でしょうか?
それ以外に問題がなければ、回答をいただき次第こちらから開始しようと思います。よろしくお願いします!
(-394) rik_kr 2023/09/19(Tue) 16:08:42

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

/*
ありがとうございます!大丈夫です!何かあっても私が守ります!

流れは迷いましたが優しいイレネオさんの姿も見たい欲張りPL的には後者の欲求が大きめです。
暴力的な手段に関しても問題ありません!命があればオールオッケーです。
ただ今回は『黒眼鏡さんに贈り物をした結果、マフィアとの密会疑いで逮捕』されているので、自分からこの状況について話した場合はどちらかというとフィオレさんではなく黒眼鏡さんの名前が挙がりそうですがそちらは問題なさそうでしょうか…?
上記問題なさそうであれば始めて頂いても大丈夫ですので、どうぞ宜しくお願いいたします。
(-400) mspn 2023/09/19(Tue) 16:35:26

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

/*
取り急ぎ返信だけ失礼します!
ニコニコ 了解しました! では最初は優しくしますね……
そして黒眼鏡さんのことも了解です! 後ほどまた秘話投げさせていただきます!
(-407) rik_kr 2023/09/19(Tue) 17:11:15

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 法の下に イレネオ

/*
了承していただきありがとうございます!
よろしくお願いいたします〜!ワクワク…!
(-418) mspn 2023/09/19(Tue) 18:28:27

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

蹲る貴方を迎えに来た警官たちを、貴方が知っていたかは分からない。
しかし連れられた先、机を挟んで向かいに座っていた男のことは、貴方も知っているはずだった。
そうしてそれは男もまた、同じ。
ゆうに6歳も歳下の貴方の消耗した姿を見て、男は分かりやすく顔を顰めた。

「……ニーノ。」

貴方の名を呼ぶその声は真っ直ぐに優しげで、痛みを感じた色をしている。
強引に背を押して席につかせようとする者たちに睨みを効かせさえしたんだろう。
がたんと音を立てて席を立った男は、半ば奪い取るように貴方の身体を支えようとした。

「やめてください。具合が悪いんじゃないのか。」
「大丈夫か? ……報告にありませんでしたが。」

目をやるならば机には紙が一枚。
貴方が何も話さない、とだけ。
(-433) rik_kr 2023/09/19(Tue) 19:28:50

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

立場としては新人巡査、知り合いはまだそう多くもなく。
知らぬ声で呼ばれ立ち上がれば視界が揺らぐが、彼等がそれを気遣ってくれるわけではない。
背を押されて歩きながら部屋に辿り着いても、視線は地へと落ちたまま。
だから、名を呼ばれるまでそこに誰が居るのかはわからなかった。

「────」

その瞬間はたりと瞬き、次に緩慢な動きで顔を上げた。
熱に浮かされた瞳がこの牢獄に来てようやく、初めて誰かの姿をまともに映す。
見えるのが違わず知った姿だと理解すれば、そして身体をも支えてもらえたのなら。
すこし、涙腺が緩みそうになった。

「…………せんぱい、だぁ……」


問いに対する返答よりも前、落ちたのは安堵し切った声。
こてん、とその胸元へ額を押し付けようとまでしていた。
それは男にとって珍しい行いだったが、それを珍しいと知る誰かはここにはいない。

「…………ぁの、ごめんなさ、い。
 熱、出てて」

「昔から、そうなんです。
 すぐ熱出ちゃう、へんな病気で。
 でも、そのうち、おさまるから……」

「……イレネオせんぱい、今日しゃべるひと、ですか?」
(-441) mspn 2023/09/19(Tue) 20:31:49

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

甘えるように凭れかかろうとする貴方を、男が咎めることはない。どころかむしろ引き寄せさえする。貴方を虐げる者から護ろうとするように、自分の身で遮った。
身内に甘い男だ。貴方はこれにとって身内だった。
抱えた身体の熱さに眉間の皺が深くなる。
そうだよ、と答えれば、瞳はまた後ろに向いた。

「体調を崩しています。療養が先では。」
「しかし被疑者だ。甘い顔を見せるな」

「だからって……それにニーノは刑事ですよ。もう少し……」
「自白次第で元巡査になる。勘違いするなよ、嫌疑がかけられている点でこいつも同じだ」
「お前が出来ないと言うならほかに回るまでのこと」

「……」

やり取りのどこまでを貴方の耳が拾っていたかは分からない。
しかし結局、引き下がったのは男の方だった。
片手で貴方を支え、もう片手で椅子を引いて座らせる。
これでいいだろうとばかりに目をやれば、納得したように足音は遠ざかっていくはずだ。
(-456) rik_kr 2023/09/19(Tue) 21:06:10

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「逆にどんなイメージだったんだよ。
 オレは別にカッコよかねーぞ」
「不服ではないけど」

少し目を細めて貴方を見やり、
やれやれと言った様子でゆったり首を傾げた。
つつかれれば握られ、それも不思議そうに見た。
体温の高い同士その体温差に驚くことはないにすれ。

「ああ……そゆこと。そら急に撫でて悪かった」
「嫌じゃないならよかったんだけど。つい。
 弟居たらこんな感じなのかなーって……」

架空の家族を夢に見て、照らし合わせた結果があれだ。
平素ならこんな事もしない。
こちらもきっと酒が回ってきたのだろう。
嫌じゃあないなら、嬉しかった。またできるかな、なんて。

「いいの? んじゃお先に……」
「……あ、酒強。でもすげーすっきりしてる。
 レモンがいいな、これ。お前も飲んでみろよ」

それじゃあとグラスに口を付け、こくりと一つ飲む。
口に含んでから何度か瞬きをして、感心したような表情だ。
気に入ったのだろう。
(-464) susuya 2023/09/19(Tue) 21:28:13

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 法の下に イレネオ

思考が上手く回らないからこそ、引き寄せられても素直に安堵できたのかもしれない。
なんだか安心しきって瞼が重くなってしまいそうなぐらい。
声を確かに耳は拾い上げているはずなのに、すぐにその意味を咀嚼することはできないまま。

「…………」

椅子に座らせてもらえたのなら何の抵抗もしなかった。
遠ざかっていく足音が聞こえなくなるころにまた、ゆっくりと顔を上げる。
見つめる先はレンズ越しに見える金色で。

「……せんぱい」
「庇ってくれて……ぁりがとう、ございます」

先の会話をようやく飲み込めた次に思い浮かんだ感謝を、ようやく形にした。
雨降る夜に牢へ連れてこられた男はその翌朝、己の名と共に貴方の名が並んでいたことはまだ知らないままだ。
(-467) mspn 2023/09/19(Tue) 21:45:44

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

「普段はゆるゆるだらだら〜ってしてるけど〜……
 やるときはやれて、すごい、みたいな?」

語彙力の無さを披露中。
披露してから「かっこいーよ」も付け足した、思ってるから。
触れた相手の指をつめたいと思わないのは珍しいことで、それもあってかもう少しにぎにぎ……としていた。
それでも"弟"を伝えられると、はたり瞬き。
手を止めて貴方を、瓶底眼鏡の向こうをしばらく見つめて、見つめて……から。

「……ロメオにい」


すこしちっちゃな声で呼んで、へへ、と零した笑いは照れ隠し。
幼い頃に姉や兄として慕ったその人たちと違って、もう十分大きくなってから。
誰かを改めてそんな風に呼ぶのは少し恥ずかしかったけれど、嫌な気分じゃなかった。
勝手に貴方の片手で遊んだまま、お酒の感想を聞けば。

「つよいの……?
 おいしそうだしのむけど……」

そして片手でグラスを受け取れば、恐る恐ると一口含み、ごくん。

「あっ、おいし!い、けど!喉が、大人……!」

慌てて水を含んでる。先程飲んでいたものよりずっとアルコールを感じた。
(-478) mspn 2023/09/19(Tue) 22:21:50

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「ああ……やればできる的な……」
「……そうかね」

カッコいいと思われること自体は悪い気はしない。
ありがとさん、と小さく返したのは少しそわついたから。
段々握られるのにも慣れて、
自分の手を握る手をぼんやり眺めたころに、

「に」
「……………………おう」

まさかそんな風に呼ばれるだなんて思わなかったから、
珍しく動揺して、短い返事をした。
少しそっけなくなってしまったが、照れているだけ。

「……さっきよりも強いよ。結構、」
「あ、ほら。結構来るよな」

これでも飲みやすい方なんだろうなあ、と思いながら
グラスの中身を少しずつ味わう。
一気に飲んだら倒れちゃうからね。
(-493) susuya 2023/09/19(Tue) 23:05:56

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

とろとろとした声で礼を告げられれば、男は静かに頷いた。

「ああ。」
「まさか、お前まで捕まっているとは思わなかったよ。」

ガラス一枚を隔てた金は、じっと貴方を見つめている。
観察するようなその視線は、しかし心配からくるものだった。

「……平気か?」
「休め、と言ってやりたいが。ここじゃそれも難しいだろう。」
「手早く済ませて戻ろう。あっちの方が、横になれるだけまだましだ。」

薄い紙の表面を四角い爪が引っ掻いている。
表情はなんだか複雑そうだった。
(-494) rik_kr 2023/09/19(Tue) 23:06:20

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノ

「ああ――そのことか。確かにそうだね、ここで話すことでもない。
 もう勤怠を切っているなら、パン屋にでも寄って公園ででも話そうか。
 屋外とはいえ、そっちのほうが話しやすいだろう?」

問いかけの内容を聞いたならば、それとなく話題の中心を曖昧にしながら提案する。
自分よりも立場の低い貴方を守るためだ――今となってはその配慮も無意味だったわけだが――。
ただ少なくともその態度だけで、貴方には"言い辛い側"であるとは伝わったかも知れない。
答えだけを得たいのなら、それだけでも十分な回答にはなるか。

不安がってあるように思える貴方の、低い位置にある顔に。
子供にそうするみたいに首を傾けて少しだけ高度を合わせて問う。
連れ立っていってきちんと話をするかどうか、それとは別に。

「……大丈夫かい、フレッド?」
(-495) redhaguki 2023/09/19(Tue) 23:09:50

【秘】 路地の花 フィオレ → 暗雲の陰に ニーノ

「姉さんが会いたいんだから良いのっ」

「そうね…カッサータが好きよ、チーズクリームにフルーツがたっぷり入ってるの」
「それが難しいお菓子だったら、ビスコッティでも」

なんて言うものの、明らかに前者に期待がこもっている。
子供のようにワクワクと目を輝かせてみせた。

「時間があると、お店に行ってるから自然とね」
「自営業とはいえお手伝いくらい増やしたら良いのに」

あなたの寂しさには気がつかないまま、会話を続けて。
すぐ言い訳するんだもの、なんて言って呆れ顔。

「それなら私のことはフレッドに任せちゃおうかしら!ふふ、これで理不尽な逮捕も怖くないかも」

覚悟の表情を見せるあなたに、全面的な信頼を寄せる。これだけ強くなれたら大丈夫だと。

翌日の朝にはそれが打ち砕かれることになると、今の2人には知る由もない。
(-572) otomizu 2023/09/20(Wed) 11:12:59

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

自身ではやはりそう思っていないような言葉には、「そうだよ」とはっきり返したあと。
間が開いて短く返った返答に貴方の瞳を覗き込もうとする。
そこにある色がどんなものか知ろうとするみたいに。

「…………」

「……だめだった?」

でも結局うまく判別できなくて、素直に尋ねてしまう。
結構きた……とはこっくり頷きつつも、ちびちび飲む貴方を見つめたままだ。
普段だったらもうちょっと、こう、なあなあってできるところ。
こんな風に待ってしまうのは酔っているせいかもしれない。
本人にはそこまで思考が至るキャパもなかったわけだが……
握る指先になんとなしに力を込める、貴方を繋ぎ止めてなかなか離しそうになかった。
(-611) mspn 2023/09/20(Wed) 17:29:23

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 法の下に イレネオ

おまえまで、は。
誰もまた捕まっているというのだろうか。
けれど尋ねるための形はすぐに思い浮かばず。
だから疑問は仕草にとりあえず現れたのみだった、小首を傾げて。

「……だいじょうぶです」

辛いは辛いが、幼少期から続くものだ。
慣れているからとこくり、ひとつ頷き。
気遣う言葉に一度瞼を落とし、次に開けた視界は一文しか書かれていない紙を。

「…………」

「……イレネオせんぱいが聞きたいこと。
 なんですか、それともおなじ?」

「マフィアと関係、あるのかって」
(-619) mspn 2023/09/20(Wed) 18:18:02

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

提案には幾度か瞬いていた、というのもきっと貴方は忙しいだろうと思ったから。
そこまで時間を割いてもらえるものと思わず驚愕の色が先に出ただけ。
けれどすぐにこくこく、と二度ほど頷く。
その返答の仕方だけでも伝わったことはあったにせよ、それでもやはり言葉でちゃんと聞いてみたい。
そうして、じゃあ、と提案を受け入れる言葉を形作る……前。

「────」

近づいた視線と呼ばれたかつての名に、心が揺れたのを自覚して声が詰まる。
だいじょうぶって形作ろうとした唇はうまくいかなかった。
誤魔化すように眉を落として笑ったけれど、なんだかそれも。
疲労でうっかりと漏れてしまっただけかもしれない、なのにその名で呼ばれるとどうにも、よわいから。

「……ヴィトーさんと。
 パン一緒に食べて、話したら。
 大丈夫になるかも……」


上官に対してそんなことをするのはあんまりよくはないのだろう。
わかっているの指先を伸ばし、ちょん……とその外套の端を摘まむ。
なんとも分かりやすい甘え方だった。
(-624) mspn 2023/09/20(Wed) 18:37:19

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

「熱、よく出るのか。」
「知らなかったよ。よく頑張ったな。」

問われないなら答える必要もない。
知らないなら教える必要はない。
既になかったこと・・・・・・になった話だ。過去の話を蒸し返す趣味はそれほどなかったし、不要だと判断する。
男は署内でまだ若く、後輩の数より圧倒的に先輩の数が多い。
だからか、貴方に対する言葉はほかの人々にかけるものと違っていた。少し大人びた、年上の者の言動をする。

「そう言われてる。」

紙面に目を落としたまま男は答えるだろう。それが男の仕事らしい。
けれどその仕事を、貴方に対してする必要はないと思っている。
今は、まだ。


ないんだろ?・・・・・・
「それとも、なんだ。必要だった、とか……」

実際、そう言った例に心当たりはあり。
それを例外として許容した事実が、男にもあった。
(-630) rik_kr 2023/09/20(Wed) 19:00:23

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

貴方が覗き込めばそこには翠がある。
厚いレンズを間に挟み、貴方と視線がぶつかる。
緩慢な瞬き。

「…………」
「初めて……そういう呼ばれ方」「した から……」
「嬉しかった」

「マジで弟だったらよかったのにな」

そう言って、ふ、と口元だけで笑った。
叶わない事を願うのは虚しい。
けれど夢って、見てしまうものだから。

もう一度貴方の頭に手を伸ばして、
今度は酷く優しく撫でた。

手は握られたまま。

「弟だったら何でもしてやるのにな〜……」
「オレじゃあな〜……ハハ……」


そんな事を本当に小さく零して、手を離した。
そのままグラスの中身をすっと全て口の中に流しこみ、
「やっぱり酒って美味いな」なんて、
ヘタクソに話題を逸らそうとした。
(-636) susuya 2023/09/20(Wed) 19:22:08

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ

ここまで貴方が守ってくれたことと、今手渡された労わりの言。
どちらも冷え切った胸に染み渡るものだから、……そう。
だからこそ、気が緩んだのかもしれない。

尋ね方は関係の無さを言い切り、信じているそれで。
一日前ならきっと頷いていただろう、あの夜を経るまでは。
男ははくりと唇を音もなく一度動かし。

その後。

「……──Alessandro Lucania」


掠れて、或いは聞き落としそうな程に小さな声だった。
それでもこの部屋で、この距離で、聞こえない筈がない。

「あのひと、は、」

「……ほんと、に……」

「…………ノッテファミリーの、幹部カポ・レジーム……?」
(-647) mspn 2023/09/20(Wed) 20:29:55

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

その言葉を聞いて、男はぴくりと眉を動かした。

それは、男が最も嫌悪するマフィアの名前。
男自身が手錠をかけたカポ・レジームの名前。
男が唾棄すべき行いに走った相手の名前だった。


けれど、まだ・・それだけ。
あなたに向ける目はまだ、優しい。庇護の籠るものだ。

(-657) rik_kr 2023/09/20(Wed) 20:50:53

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

「……アレッサンドロ」
「ルカーニア。」

噛み締めるように、そう呼んで。

「が……どうした? ニーノ」
「何か、されたのか。それとも……」

けれど、その言葉は。
つまり、男の知る限りはその通り・・・・・だと。肯定しているもの。
(-658) rik_kr 2023/09/20(Wed) 20:51:53
 


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