159 【身内RP】旧三途国民学校の怪【R18G】
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「うん。
どっちかと言うと、自分から来てくれた方が。
俺は嬉しいな。だって、同じ気持ちだって事だから」
とはいえ全て全てが思う通りには行かないだろう。
それは理解しているから、やっぱりこれも願望だ。
けれどそうであればいいと思う事は、誰にも止められはしない。
分不相応な高望みであっても、叶ってしまえばそうではなくなる。
「それでも。待ってるだけじゃだめなのも、わかってる。
……でも皆、誘えば来てくれそうだから困っちゃうな。
最終的には全員連れて来るとしても、順番は考えないと…」
口元に指先をあてて考える。暫しの間。
猫を連れたあの子と、保健室通いのあの子。
それから、好きだったはずの、今も好きなはずのあの子。
それぞれが『仕方ないな』と言って一緒に来てくれる。
真っ先に浮かんだのは、そんな実に都合の良い想像。
もし仮に、拒絶されたら?
その時は、好きじゃなかったのか、好きなのか。
それがはっきりとするだけだ。
「……ねえ、牧夫兄の次は誰にするか、任せてもいい?
上手くできるかわからないし、もう少しだけ。
先生のお手本を見ておきたいんだ」
誰を連れて来るにしても。
できるかはわからないけれど、一先ずの姿勢としては。
自分達の『先生』となるあなたのやり方を手本としたい。
何より、このように在る年月はあなたより浅いものだから。
そういう意味でも、生徒とは先生に倣うものだから、と。
先生たるあなたに向けて、なんとも甘ったれたお願いを宣うのだ。
| >>【校長室】 >>92そんな貴方の後ろに続き、校長室へ。 ぐるりと室内を見渡し、壁にかけられたままの肖像画を見た。 歴代の校長が並んでいるが、初期の物は手書きの肖像画だ。随分と上手いものだから、写真に見えるが。 「雰囲気はあるね〜。 とりあえず撮っておこう」 それらをスマホで撮ると、一旦ポケットに入れた。 そして当時の校長が使っていたであろう、机の引き出しを開けてみる。 「……ん、」 一番上の引き出しに入っていたのは、数枚の紙だった。 ボロボロの紙はよく見れば『券』『切符』と書かれているのが見える。 氏名からして、恐らく校長一家の物だろう。 「配給切符か」 すんなりと紙の正体を当て、机の上に置く。 更に下の引き出しから、古い冊子を数冊見つけ出した。 (101) 2022/07/04(Mon) 10:45:22 |
| 【校舎外】 >>103「……おや。これは正しく掘り出し物だね」 グループチャットを見て来たらしい。 片手に背後から覗き込むように顔を出したのは、成人と偽っても通りそうな体格の少女。 茂みへ向かうと、何かのパーツと思しき金属の棒を片手に戻ってきた。 恐らく、不法投棄された家電の部品だ。 「ちょっと失礼……」 ほじほじ。 68くらい掘れた。 (104) 2022/07/04(Mon) 11:41:27 |
| シロマは、かなり掘りすぎた。でも発掘できたし、ヨシ! (a46) 2022/07/04(Mon) 11:42:02 |
「そうだねぇ、誘えば来てくれそうな子が多いのは確かだ。
只、相馬くんは工夫しないと難しそうだけど」
彼に対して言い包めや説得は難しいだろう。
どうすれば興味を持たせることができるか、恐らくそこに懸かっている。
……暫し考えたものの、一先ずは。
少しでも『全員』という夢に近付く為に、数を揃えなければ。
そうして聞いた貴方の甘えを、心地良く感じながら少女は頷いた。
「……ああ、いいよ。勿論だとも」
自身が子供だからこそ、誘い方というものに想像がつく。
子供の気持ちがわかるから、甘言の選び方だって知っている。
「それまでは、彼らと親交を深めておこう。
時に情は理屈を越えるものだからね」
大人≠ニいう子供のおわりが見えてきたからこそ、情に訴える余地がある。
少女はそう考えていた。
| >>【校長室】 >>105「多分、家に全部置いておくと焼けた時が大変だからこっちにも置いてたんだろうね」 古い冊子を捲っていく。表紙には褪せた朱色で『外部秘』と書かれていた。 戦時中に書かれた物であるらしく、『防』『戦』『兵』といった字が散見される。 「……、うん?」 数頁戻る。 そこに描かれていたのは敷地の見取り図だった。勿論、この校舎と校庭の物である。 「…………防空壕なんてあったんだ。 ほら、ここ」 校舎裏、北側。 日中は日陰になり、上空から見え難くなる辺り。 少女が指差したそこには、『壕』と書かれていた。 (106) 2022/07/04(Mon) 13:12:09 |
| >>【校長室】 >>107冊子を机に置き、スマホで一枚撮る。 たしたし。少し操作をしてからしまった。 「一番乗り……しちゃうかい?」 放っておけば、一人でも貴方は向かってしまうだろう。 なら共に向かった方が良い。 きっと、防空壕の中でもあまり作りがしっかりしていない──粗末な物の筈だ。 比較的丈夫な作りをしているなら、付近の学校が授業の一環として見学させていてもおかしくない。 そうしていないということは……つまり、多少の危険がある場所だ。 「ま、他にも来たい子がいるかもしれないし、のんびり校舎裏に向かうとしよう。 蔵……倉庫にでも寄って、シャベルとか調達してさ」 (113) 2022/07/04(Mon) 14:27:46 |
| 【校舎外】 >>109きらきらとした眼差しを受けて、ちょっぴり満足気。 少女は頼られることが好きな気質だった。 「明日香とか、教室に待機してる子もいるし……そっちで開けた方が楽しそうだね」 これなら、さして怖い物でもないだろう。 せっかく来たのだから、楽しんでいってほしい。そんな少女の気配りは凶と出るか、吉と出るか。 「……校庭にもいないか。 あの猫、放し飼いしてるんだっけ?」 周囲をぐるりと見渡し、呟いた。 (114) 2022/07/04(Mon) 14:41:26 |
──探偵倶楽部の設立者、相馬栗栖。
きっと彼が一番の癖者だ。
そして、ああいった人間をこちら側に引き込む為に必要なものは
決して詭弁や情などではないだろう、とは夢川も考えていた。
楽しい。つまらない。表面的な価値基準こそ似ているけれど。
似ているからこそ根本的には違うものだとわかる。
彼は人に依存してはいなさそうだ。興味関心の先が違う。
──きっと、一人でも生きていけてしまう人間だ。
とはいえ、けれど。
彼の興味を引くものが、仮に今は自分達の手札の中に無かろうとも
こちらに引き入れた誰かが持っている事も有り得るだろう、と。
今この時はそのように結論付けて、一度考えを打ち切って。
あなたの述べた考えには、頷く事で賛同を示したのち。
「本当?よかった。」
──夢川深雪は甘やかされるのが好きだ。
だからその寛容の言葉に、殊更嬉しそうに笑んだ。
「うん。今じゃないと、できない事もあるし
……今の内にできる事、しておかないとね」
いつかは来る終わりをひととき忘れて、
何を疑う事も無く童心の時間を過ごせるのはもう少しだけ。
全てが終わればきっと、再び、永遠に。
皆で一緒に、無邪気に共に居られる日々が来るのだろうけど。
「またね、先生。牧夫兄も」
何て事ない教室での一幕のように言って、扉に手を掛けた。
今はまだ、終わりなんて意識の外で。
この掛け替えの無い時間を続けていよう。
そうして何れ来る終わりを見据えた時に、
皆がその続きを自ら望んでくれるように。
| >>【校長室】 >>115「あいよ、任された。じゃあ一旦私達は解散だね。 倉庫の場所はこのあたりだ」 先程の見取り図を懐中電灯で照らし、貴方へ倉庫の場所を伝えた。 校舎裏からさして離れていない場所に、ぽつんと建てられていることが見て取れる。 「校舎裏でまた会おう。 シャベルじゃなくても、何か掘れそうな物なら何でも構わない。 私はもう少し戸棚とか漁ってから行くよ」 見取り図の入った冊子を片手に貴方を見る。 そうして、倉庫へ向かう少女の背中を見送っただろう。 (117) 2022/07/04(Mon) 18:01:23 |
| (a47) 2022/07/04(Mon) 18:01:47 |
「暫くしたら、この教室で会おうか。
私は在籍していた証拠の隠滅をしなきゃいけないし……牧夫を隠したら色々動くつもりだ。
職員室の方には人が行かないようにしてくれると助かるよ」
先程見つけた名簿。
そこにはしっかりと、自分の名前が記されていた。
永瀬がいた手前、放置してきたが──もしかすると、誰かが見てしまうかもしれない。
処分するか、隠すかしなければ。
「いってらっしゃい」
とはいえ、これは『先生』の仕事だ。
この場は『生徒』の背中に手を振って。
扉の向こう側に消える背中を見送っただろう。
あなたの言葉にはきっと、もう一度頷いて。
そうして一人の『生徒』の背は薄暗い廊下へ消えていった。
その後はきっと、言われた通り。
誰かが職員室付近へ向かうようなら、それとなく他所へ誘導するはず。
もちろん耳目が届く範囲で、にはなるけれど。
もしも図書室の貸出記録の中に、あなたの名前があったなら。
それは何らかの形で誰にも見られないよう隠蔽されているだろう。
大丈夫。ちゃんと良い子にしているよ。
わかってる。楽しい学校生活は
『先生』と『生徒』が協力して、初めて成り立つものだって。
| 【校舎外】 >>118「ん、気を付けてね」 素直じゃないなぁ、なんて言葉を飲み込んで。 代わりに出すのは、当たり障りのない言葉。 その背中が見えなくなった後、片手に持った金属の棒を見下ろした。錆と土に塗れ、御世辞にも綺麗とは言い難い。 「……どうしようかな」 持ち歩くのも面倒だが、探索に使う事もありそうである。 一人、悩みながら歩き出した。 (123) 2022/07/04(Mon) 20:59:15 |
| (a50) 2022/07/04(Mon) 21:05:01 |
| (a53) 2022/07/04(Mon) 21:51:43 |
| (a54) 2022/07/04(Mon) 21:52:01 |
>>【職員室】
永瀬を見送り、一人になった頃。
鳥飼の様子を確認してから、足早に職員室へ戻って来る。
そろそろ起きてしまう筈だ。
白間コズヱは神ではなく、普通の人間であった。
神隠しの真似事など長くは持たないだろう。
名簿から自身の名前が記載された頁を破り、ポケットに入れる。
さて、どうしようか。
破いても良いが、パズルのように復元される可能性もある。
そんな芸当をしてしまいそうな者もいることだ、あまり賢い選択肢ではない。
燃やすにしても、夜の暗闇で炎は目立つ。
加えて、自分はマッチなど持っていない。
「……そうだ」
ふと、思い至る。
「牧夫に手伝ってもらおう」
とっておきの隠し場所が、あるではないか。
唇は静かに弧を描き、ピントが外れたように輪郭が滲んで────
───ゆらり、少女の影が消えた。
| >>【校舎裏】
液晶画面に表示させた見取り図と、周囲の景色を交互に見ながら歩いている。 校舎や焼却炉の位置関係から、防空壕の大まかな位置を予測しているのだった。 とはいえ、待ち合わせの入れ違いになるのは良くない。
「多分……ここから真っ直ぐ行ったらあるかな」
目星を付けると校舎の側まで戻り、木々の茂る校舎裏を見やった。 その景色は、半ば裏山といった表現が近いかもしれない。 (130) 2022/07/04(Mon) 22:35:13 |
| シロマは、周囲をきょろきょろ。猫ちゃんを 見つけられなかった (a63) 2022/07/05(Tue) 22:39:54 |
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