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205 【身内】いちごの国の三月うさぎ
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
[ 視線が交わって、
見つめた先の貴方は真剣な顔。 ]
私も、夜綿さんだけ。
ずっと好きだし、愛してます。
──約束です。
[ 近付いた唇を受け入れ、瞼を伏せる。
幾夜も重ねた夜のおかげか、物覚えの良い白うさぎは
唇を自分で開こうとしたけれど。
それよりも先に唇が開くよう押し下げられ、
半ば強制的に開かされた唇へ舌が入ってくる。
──こうやって、ふと。
少しでも強引に求められるのが、彼限定で好きかも、と
気付いたのは一体何夜目のことだったか。 ]
[ 舌が絡まるたびに、粘着質な水音が響く。
日除けパネルと遮光の為のカーテンもあるとはいえ
ここは誰が通るとも分からない駐車場の車内。
自制しなければいけない、と、
──……理解ってはいるのだ、けど ]
ンむ、……ふ、ぁ ん……っ
[ もっと、とねだるように、背中へ手を回した。
一緒にいられなかった時間を甘さで埋めて。
離れていた寂しさを熱で溶かして。
この嫉妬心を、愛で全部、蕩かしてほしい。 ]
[ 二人から連絡があるまで。
────貴方と私のお気に召すまま、キスをしよう。
首元に光る約束の証の銀色は
この旅行が終わったら、貴方の分も買わなければ。
獰猛で時にお利口な狼さんには
白うさぎという番がいる証明の首輪になるように。* ]
[単に香水が苦手という以上に、
彼女ではないと駄目だということ。
体臭が好みということは、
遺伝子レベルで相性が良いと聞いたことがあるけれど。
運命とは違うと誰に言われようとも、
自分はこれを運命にする。]
うん、今日みたいなことには絶対しない。
マシロちゃんといる時でも、
一人でいる時でも。
[真白は自分が許容出来ない範囲のことを言ってくれた。
「他の人をレンズ越しにずっと見るのは、もうだめ」
絶対この約束は守る。
何度も「うん」と頷いた。]
――うん、約束。
[ああでも。
むっとさせたことに対して自分は不甲斐ないなと思う反面、
ヤキモチを妬く彼女はとてつもなく可愛いと思ってしまう訳で。
普段自分ばかり黒焦げになっている気がするから、
こうした真白の姿を見るのは貴重だ。]
あんまり物分かりよくなくていいからね?
マシロちゃんが「ダメ」って言ったら、
その嫌な気持ちを軽くする方法を考えるから。
[「ダメ」を無条件で受け入れるのではなく、
2人が許容できる範囲を話し合おうと。]
[でもまずは、上書きだ。
重ねるだけでは足りなくて、強引に奪った。
カーテンの隙間からは強い日の光が入ってくるから車内は全然暗くなくて、まだ昼間だということを忘れさせてくれない。]
愛してる、 好き、
[息継ぎの度に愛を告げる。
嫉妬心を溶かす薬を飲み込んで欲しい。
背中に回った手が肩甲骨に触れてびくりと身体を震わせた。
あまり長く続けていたら、下肢が兆してしまいそうだ。]
[ この恋をもし誰かに"恋ではない"と言われたら、
恋なんて言葉はこの世界には要らないって思ってしまう。
これが"運命ではない"と誰に否定されようとも、
運命じゃないなら運命という言葉の意味を変えてみせる。
現実はおとぎ話みたいに優しくない。
──だから、出来る限り言葉にして、手を繋いで。 ]
……私、夜綿さんのそういうところが好きです。
出来ない約束はしないとことか、
極力気持ちを軽くしようとしてくれるところ、も。
だから夜綿さんも、ダメなことはダメって教えて。
[ 許容できる範囲はきっと人によって違う。
愛の器がそれぞれ形を変えているように。
やきもちは苦い味がして、上手くひとりじゃ呑み込めない。
自分はあまり妬かない気質なのかと思っていたが
こんなに真っ黒焦げになるのなら、今までは
彼が気を配ってくれていたのかも、と思いながら。 ]
[ 足りない部分を埋め合いたい、
──重ねるだけでは不足なら強引に奪ってほしい。
求められるのはすき。
ほしがっているのが自分だけじゃないと教えてくれるから。
慾の熱で溶かされるのもすき。
貴方を埋められるのは私だけって、教えられるから。
息継ぎの度に紡がれる愛の言葉に
じわ、 と真っ黒な嫉妬が溶けていく。 ]
──── や、わた さん、
[ あいしてる、すき、──だからずっと一緒にいて。
びくりと震えた肩が愛しい。
焦らして、焦らして、お預けと待てを続けさせたいような
意地悪な気持ちになってしまうけど。 ]
[ やがて重なった唇と交わる熱が離れたなら、
すっかり元通りになったご機嫌な白うさぎは
にこりといたずらに笑い、こそ、と貴方へ囁いた。 ]
ねえ、 今日二人っきりになったら
────夜綿さんの好きにして、ほしいです。
……って言ったら、困りますか?
[ 初めての夜で、貪ることにストップをかけた時
交わしたいつかの"約束"のこと、覚えているだろうか。
今夜、その約束を果たしたいな、と思った。
だって 私は本当の意味で一番最初の夜、
──抱かれてすらいない時にも言ったのだ。
貴方の好きにされるのが、私の幸せ、と。 ]
[ 「もう離さない」って、
こういう時に出てくる感情なんですね?
……ううん、私の場合はどちらかと言えば
もう離したくない が正しいな。* ]
マシロちゃんのことが好きだから
「そうありたい」って思ってる部分を好きだって言われると、
ちゃんと受け取って貰えてるんだなぁって嬉しいね。
[好きだから、誠実でありたい。
無責任な約束をして結局傷つけたり自分の頸を締めたりしたくない。
どうしても彼女の望みが自分にとって実現が難しいことならば、
妥協点を「二人で」見つけたい。
自分が「だめ」だと思ったことも、我慢しない。
他のどのカップルの形と合わなくても構わない。
二人のテーブルに乗せるものは、二人で決める。]
[春先の昼間の車内、遮光していても閉め切っていればじわりと汗が滲む。
こうして抱き合ってキスをしていれば、尚更。]
はぁ……っ、マシロちゃん、
[名前を呼びあう。
彼女の甘い声を引き出せる場所に行きたがる手を制御するのが難しい。
咥内を蹂躙するだけで吐息は漏れて、もし近くに人がいれば聞かれてしまいそうだから、必死に耐えている。]
[――――そうして何とか耐えきった。勝利。
このまま息を整えたら兆した部分も涎を零さずにいられる。
と、思った自分が甘かった。]
〜〜〜〜〜〜〜
いま、言う……?
[言われる内容に困ることはない。
むしろ嬉しい。
だがこの場で言われるのは男の事情的に苦笑するしかない。]
それを聞いただけで、僕はもうすっごい
幸
せなんだよ。
でも、そうだね、ゆるしてくれるなら。
部屋に着いたら――ああ、先に内風呂で
さっきの香水を全部石鹸で流してから、
ブレーキなんてかけずにぐっちゃぐちゃになるまで
すっごいえっちなことをして
帰るまでずーーーーーっと引っ付いてるよ。
覚悟して。
[彼女の指すことはわかっている。
あの日取り置いていた、膣と陰核への同時愛撫だったり、
彼女がまだ予想もついていないすごいことだったり。
狼を煽って、宿まであと数十分焦らしたのだから、
本当に、覚悟してもらおう。]
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